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伝承

石川県七尾市にある山王神社の春の例大祭である青柏祭にて引き回される三体の巨大山車・「でか山」には猿神に纏わる伝承が存在する。

その昔、山王神社の春祭りでは毎年若い娘の生贄を捧げる慣わしがあったのだが、ある年、「白羽の矢」で生贄として指名された娘の父親が娘の事を諦められず、神様に生贄を無しにしてもらおうとして夜中にお参りに行ったら、ある晩の神社の本殿で毛むくじゃらの大きな生き物が「今年も馬鹿な人間どものおかげで若い娘が食える春祭りが来るが、『越後のしゅけん』には気付かれてはいないだろうな?あいつさえいなければ俺も我が世の春を謳歌出来るんだが…」などと呟いている姿を目撃した事で、父親は「生贄を要求しているのは神様ではなく猿の化け物であり、そいつは『越後のしゅけん』なる存在を酷く恐れている」と言う値千金だが雲を掴むような情報を頼りに越後へ旅立ち、必死で『越後のしゅけん』を探し回ったが手がかり一つ掴めず、ついに生贄神事を明日に控えたその日、山中にて絶望の叫びをあげた時に、山の主とも言うべき威厳と風格を湛えた大きな白いと出くわした。

人語を解するその狼こそが『越後のしゅけん』であり、父親から事情を聴くと「…そうか、あの猿神めは能登に隠れておったか!随分昔の話になるが、かつて大陸から三匹の猿神が渡って来て、多少の神通力を鼻にかけて人々に害をなしたものだから私が二匹まで噛み殺してやったが最後の一匹を取り逃がしてしまって、探すあてもなく気になっていたがそう言う事なら話は早い。お主の娘の命は私が保証するゆえ今すぐ案内せい、行ってあの忌々しい猿神めを噛み殺してくれるわ!」と叫ぶや否や父親を背に乗せてあっという間に七尾にたどり着き、その足で『しゅけん』は娘が着るはずだった着物を被って生贄を入れる唐櫃に入って仇敵を待った。

そうとは知らない猿神は浮かれ気分で唐櫃を開けたら忘れるはずもない不倶戴天の仇敵・『越後のしゅけん』が出て来たから驚いた!

「猿神め、今日という今日は絶対逃がさぬぞ!!」

「ゲェッ、貴様は『越後のしゅけん』!?」

善悪二頭の霊獣の死闘は暴風雨を呼び、七尾の人々は恐れ戦いて一夜を明かした。

全てが終わった後、七尾の人々はおっかなびっくりで捜索に出たら、神社の境内で猿神と『しゅけん』が刺し違える形で死んでいるのを発見した。

人々は命懸けで戦って生贄の害をなす猿神を斃してくれた『しゅけん』を手厚く葬り、また猿神三匹の祟りを恐れて生贄の形代として三体の巨大山車・「でか山」を作って神社に奉納したと言う事である。


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