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概要

何らかの理由によってやそれに類する携行武器を備えていない際、大上段から脳天目掛けて振り下ろされる相手の刃を両掌に挟み受けて斬撃を制する対刀剣用の防御法を指す。


誤解

真剣白刃取りは「剣術流派『柳生新陰流』妙技の極地」とする通念が一般的に浸透しているものの、その内容には通説や漫画上の誇張表現などが混在した誤解を多分に含んでおり、これを以下の4点に分解して説明する。


  • 第一に、柳生新陰流は開祖とされる柳生宗厳が名乗った流派ではなく、正確には「宗厳の教えを修めた高弟が免許皆伝に際して特に譲り受けた柳生姓を名乗った傍系柳生氏の流派」、即ち宗厳の師に当たる上泉信綱が兵法三大源流の一派『陰流』を基に興した『新陰流』に源を発する傍流の通称であり、宗厳本人は新陰流第二世宗家である。これを踏まえ、多岐に及ぶ新陰流諸派を厳密に区分する必要がある場合は宗厳を起点とし、宗家筋にあるものを新陰流、傍系柳生氏筋や宗家を離れた血縁筋(柳生宗矩柳生三厳など)にあるものを柳生新陰流と称する。

  • 第二に、真剣白刃取りはそれそのものが独立した一個の技術ではなく、信綱が基礎を編み出し宗厳が大成した徒手技術『無刀取り』の一部に過ぎず、「振り下ろされる相手の刀を受け止める」とする明確な定義は存在しない。

  • 第三に、無刀取りに見る真剣白刃取りの実像は古流柔術合気道における対武器術『剣取り』に極めて近く、「相手の打ち込みの一手先を読んで懐深くに飛び入り、振り抜かれる前の刀身あるいは柄を握る両手ごと両掌、または両拳に挟み込んで完全に制し、その後に加える急所(丹田、金的、甲利など)への痛烈な一撃を以って相手の手元から刀を離す」を本来の目的としており、決して「刀身の重量と遠心力の相互効果で高い加速度状態にある刀を脳天の間際で受け止める神域の絶技」ではない。

  • 第四に、いざ刀を備えた相手と対峙した際の実用性を考えた場合、振り抜かれる刀に対しては回避の優先こそが明らかに危機を脱するに適しており、その過程の前後に見つけた相手の隙に付け入って刀を制する順序を踏んだほうが理に適っている。

以上の4点から、大多数が頭の中に思い浮かべる「柳生新陰流秘伝・真剣白刃取り」は、由来から形式に至るまで後世の文筆や演劇映画、漫画などの誇張表現を通して徐々に形作られた虚構に近いものである。


その上で、修練を重ねて真剣白刃取りそのものを今に伝来する武術武道諸派の存在、真剣白刃取りを実際に成功させた達人の存在を併せて記し、最終的に武道の真髄に等しい「相手を殺す術を転じて相手を活かす術」にまで昇華させた代表例な理念として存り続ける事実を付け加えるものである。


創作表現上の真剣白刃取り

創作上では大別して2通りの表現理由で用いられ、1つは達人の風格を醸す圧倒的実力者、もう1つは真剣白刃取り以外に回避手段が無い窮地に立たされた者、もしくは相手に対する絶対必勝の秘策としてそれだけを習得する者に分かれるが、シリアスギャグかを問わずキャラクターの重要性や物語展開次第で失敗の場面を敢えて描き込む場合もある。


作品によっては手の代わりにの他、肘と膝(空手の挟み受けと同義)、と側頭部で刃を受け止める描写もある一方、ギャグ漫画では『真剣刃取り』、さらにアダルト漫画では女性限定の『真剣刃取り』『真剣刃取り』まであり、果ては宇宙を股にかけるスポーツマンの壮大な勘違いから『バンジー真剣白刃取り』なる全く新しいスポーツまで考案、実践されている。


教材

資料1.『無刀取りに見る本来の真剣白刃取り』


資料2.『真剣白刃取りを失敗したよくある風景』

レッツ☆コレカケ!将軍と査察官殿

白刃取りさよならうざやせんせい


資料3.『想像力の勝利』

ありがとうしんちゃん!センシティブな作品


表記ゆれ

  • 無刀取り:正式名称。
  • 白刃取り:真剣白刃取りの略称。
  • 真剣白羽取り:白刃が刀身を意味する言葉そのものであるため、全くの出鱈目。ただし、FF11では敢えて「白羽取り」を採用したスキルが存在する。

関連タグ

武術 武道

剣術 柔術 合気道

上泉信綱 柳生石舟斎

柳生新陰流

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