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歴史が私をどう評価するか、お手並み拝見としよう。


概要

2016年1月10日から同年12月18日まで放送されていたNHK大河ドラマ脚本は『新選組!』以来となる三谷幸喜


日本一の兵」と謳われた、戦国武将真田信繁主人公に、戦国の乱世を生き抜いた様々な人物たちの生き様を描いた群像劇である。


タイトルの「真田丸」は、大坂の陣で信繁が築いたと言われる同名の出城と、真田家を「戦国の荒波に立ち向かう一艘の船」に例えたダブルミーニングとなっている。


pixivでは真田丸のタグが使われていることが多い。

また、同作のファンアートは、ファンからは「丸絵」と呼ばれており、こちらのタグが付けられていることも。


余談ではあるがコーエーテクモがCG等を担当している。


登場人物

真田一門

真田家

真田信繁(真田幸村)

演:堺雅人

本作の主人公。通称は「源次郎」で後に豊臣秀次(言い出したのは豊臣秀吉)から「左衛門佐」の官位を賜る。

大坂冬の陣において大坂城唯一の弱点に出城を築いたが和睦後に破却、夏の陣では徳川軍に斬り込みをかけ徳川家康を自害寸前まで追い込み「日本一の兵」と呼ばれることになる。

父親譲りの知略に長け、兄・信幸を支える事を自分の役目と考えている。当初は昌幸に「面白いが勘に頼りすぎる」と評されていたが、多くの経験を経て成長していく。

その一方で、基本的には優しくて義理堅い性格のため、調略のためとはいえ春日信達の暗殺に加担したことを相当悔み、石田三成と徳川家康の対立を利用して勢力拡大を画策する昌幸に「夢物語はもう終わりにして下さい!」と言い放つなど、父・昌幸のやり方に反発する一幕もある。また、石川数正など他の武将を励ますことも多い。

昌幸の方針で上杉景勝の人質となるが、第一次上田合戦では一時帰郷、徳川方を相手に活躍するも最初の妻・梅を亡くしてしまう。その後は景勝の上洛に従い、秀吉の馬廻衆となる。秀吉の死後は上田に戻り、昌幸に従い第二次上田合戦で再び徳川軍を翻弄するが関ヶ原の戦いで家康の勝利が確定する。戦後は昌幸と共に家康に降伏するが、面会時に「二度と世に出ることのできないことの苦しみを味わせるため命を助けた」と告げられる。

父・昌幸の死後、浅野家から支給されていた隠居料を減額され困窮、兄・信之に仕送りの増額を依頼、みずからも「真田紐」を考案し、九度山村の村民たちと製造・販売の研究に乗り出すなど、配流された九度山村で平穏な暮らしを送ることも良しとしていたが、徳川方と豊臣方の緊張が高まるなか、誘われて大坂城に入城する(入城後は「大坂牢人五人衆」を参照)。

ちなみに放送第一回から信繁役を堺雅人が演じているが、このときの信繁は15歳である。


真田信幸(信之)

演:大泉洋

信繁の兄。通称は「源三郎」で、後に信繁と同時に「伊豆守」に任命される。

有能ではあるが、飄々とした父・弟とは違い「一度誓った忠義は貫くべし」という考えを持つなど融通の利かない真面目で一本気な性格ゆえに、一癖も二癖もある人物達が多数登場する本作において色々と翻弄される苦労人。

父が計略を弟だけに明かしたことに不平を鳴らすなど、自分は軽んじられているのではと疑問を抱いているが、父からは大胆ではあるものの失敗も多い信繁と欠点を補い合える存在であるとその実直さと慎重さを(一応)評価されており、調略や奇策で裏方として立ち回る信繁に対して、真田家嫡男として正面立つ大役を務め、貫禄を身に着けていく。

秀吉の馬廻役として仕える信繁とは対照的に、上述の官位を与えられた際の経緯を知った時には「恩を売られた」と激怒したり、豊臣家に深入りする信繁に「豊臣家の内情をわしに知らせろ」と命じたりするなど、徐々に弟との間に考えの相違が見られるようになる。

生き残りをかけた関ヶ原の戦いにおいて、昌幸・信繁は豊臣方に、みずからはつながりの深い徳川方に従うことで「どちらかが敗れても真田家は生き残ることができる」と献言、初めて父・昌幸に智謀を認められる。

降伏した昌幸・信繁の助命の条件として、家康に父・弟と縁を切り名を改めるよう命令され、読みは変わらないものの名を「信之」と改める。

関ヶ原の戦い終結後には上田潘10万石の初代藩主となり、九度山に幽閉された父・弟と連絡を取り、経済的にも支援をした。

徳川と豊臣の対決が迫るなか、病にかかったことを自覚、大坂に名代として嫡男・信吉、次男・信政兄弟、重臣・小山田茂誠、矢沢頼康を出陣させる。その後、平野長泰、福島正則から大坂城に兵糧を送ることを誘われ、悩みつつつもこれに応じるが病床にあった出浦昌相に父との器量のちがいを理由に大坂に行くことを止められる。


同じ三谷作品である『清州会議』では羽柴秀吉を演じていた。


真田昌幸

演:草刈正雄

真田幸隆の三男、松・信幸・信繁の三姉弟の父。

信州(長野)・上田に領地をもつ国人領主。主家・武田氏滅亡後、生き残るために上杉、北条、徳川の三大勢力を手玉に取り、「表裏比興の者」と異名をとる権謀術数に優れた謀将。

息子達からも本気なのだか冗談なのだかわかりかねる言動をとるなど、基本的には飄々とした茶目っ気ある人物だが、目的のためなら手段を選ばぬリアリストでもあり、徳川を利用して築城させた上田城を拠点に第一次上田合戦で徳川を撃退して真田の名を広く世に知らしめた。

周囲を大国に囲まれている真田領を維持するためとは言え、コロコロと主君を変えるさまに対して直江兼続をして「真田昌幸の面の皮は日本一」と言わしめられる。

上洛時には秀吉に徳川の与力となるよう命じられるが、小田原攻めの終結と同時に免除される。

秀吉による天下統一後、豊臣家の支配体制の脆弱さに再び世の乱れが起こると予感するが、同じく情勢を見抜いていた家康が「政治力による生き残り」を図ったのに対し、戦による立身出世を常とする戦国大名の誇りと業を捨てきれずに「戦略による真田の支配域の拡大」に執着したため、やがて時代の変化に対応できずに少しずつ息子ら若い世代との間で相違が生まれていく。

関ヶ原の戦いにおいて徳川秀忠率いる3万の軍を上田城に足止めするが、石田三成率いる西軍が徳川家康率いる東軍に大敗したことにより降伏、九度山に幽閉となり失意のうちに死去する。

ちなみに中の人は、同じNHKで放送された大型時代劇「真田太平記」で真田幸村を演じている。


なお、その人気っぷりにより個別記事が発生しているのでこちらもよろしく。



きり

演:長澤まさみ

本作のメインヒロイン。高梨内紀の娘。

信繁の幼馴染で、史実では信繁の側室となって彼を支えることとなる(ドラマ上は側室としては扱われてはいない、又、本来産んだされる娘・梅(阿梅)に関しても正妻・春の娘とされている)。

敢えて現代人的口調と感覚を持たされたキャラクターであり、性格はよくも悪くもウザく(本人も自覚している)信繁に対して子供染みた対応が多いため、(毎回そっけない態度をとる信繁にも問題はあるが)視聴者の間では好き嫌いがはっきりと分かれるキャラである。嫉妬心が強く、信繁に饅頭を投げつけるなどの奇行に及ぶこともある。それでも梅のことは親友として大事に思っており、信繫と梅の祝言の裏で室賀正武の謀殺が行われたことに怒り、第一次上田合戦で戦死した梅に代わり2人の娘・すえを育てることを誓っている(結局は作兵衛が引き取った)。

信繁の上洛に同行し、寧の侍女となる一方で秀次に気に入られたことで彼の運命を目の当たりにすることとなる。秀次の死後は玉(細川ガラシャ)の侍女となるが、彼女の死後は真田家に戻り、昌幸・信繁の九度山入りにも同行する。

信繁が大坂入城について悩んでいた際には「一つでも自分が生きた証を残した?」と𠮟咤激励し、その決意を後押しした。

49話にて信繁に千姫の脱出を手助けするよう命じられ、その際漸く想いを通じ合わせた。


長澤は『天地人』で幸村の異母姉・初音(架空の人物)を演じている。


演:黒木華

信繁の青年時代編におけるもう一人のヒロインともいえる存在。

信繁ときりの幼馴染で、堀田作兵衛の

信繁から想いを寄せられており、第10話で信繁の子を身籠っていることが判明、続く11話でそのまま結婚し、側室となった。しかし、第12話で信繁が上杉家の元へ人質に預けられたために、離れ離れとなってしまう。第13話で束の間の再会を果たすものの、程なくして第1次上田合戦にて、徳川軍との戦闘に巻き込まれて死亡する。


演:松岡茉優

大谷吉継の娘で、信繁の正室。

パッと見は楚々とした可憐な印象の女性だが、若干、天然の気があり、意外と思ってることをハッキリと言ってしまうタイプ。更には思い込みの激しい一面まで露呈し、石田三成からも「悪い娘ではないが、あれは苦労するぞ」と言われてしまっている。

九度山で信繁との間に二男一女を授かり大阪にも同行するが、戦局の悪化を察した信繁により長女と二男を連れて伊達政宗の元へ身を寄せる。


たか

演:岸井ゆきの

豊臣秀次の娘で、信繁の側室。

関白となった父・秀次が、秀吉とのすれ違いにより徐々に追い詰められ行く様子を複雑な気持ちで見守っていた。

父の死後、秀次の妻子が相次いで秀吉に殺されてゆく中、聚楽第の隠し部屋に隠れていたことが幸いして生き延びる。その後身の安全を確保するために信繁に側室として引き取られ、助左衛門の手引きにより、南蛮へ旅立つ商船に乗り込んで国外へと脱出したが帰国、信繁に「真田紐」のヒントとなるものを海外からもたらした。

信繁は彼女との婚儀を助命のための方便としていたが、たかの方は本心であった節がみられる。


演:吉田羊

本多忠勝の娘。信之の正室となり、松代藩2代藩主となる嫡男・真田信政を生む。

父の英才教育(?)の賜物か、第一次上田合戦では自ら戦場に出て真田を討ち滅ぼしたいと願い出るほどの勇ましく毅然とした女性

徳川の与力となった真田を懐柔するために家康から信幸との政略結婚を押し付けられてしまい、当初は反発していたが、真田の内情を監視するという名目を以って説得されたことで渋々折れ、信幸の妻となる。

当初は信州の風土や食事に馴染めず、夫である信幸にもなびこうとはしないなど、彼の頭痛のタネの一つとなっていたが、薫の出自を巡るこうとのやりとりを経て心を開き、やがて息子:百助(後の信政)をもうける。以降は良き妻として夫を支えていくことになり、昌幸に対しても「今後は真田の女として、内情を徳川に伝えるようなことは決してしない」と確約する。信之が徳川方に付いた際には、不在であった夫:信之に代わって沼田城の守護に当たり、昌幸・信繁親子を「徳川の敵を城に入れるわけにはいかない」として追い返し、「さすがは本多平八郎忠勝の娘じゃ」と昌幸に言わしめるほどの勇敢さを見せた。


真田信政

演:大山真志

信之の次男。幼名は「百助」。

武芸では兄・信吉に勝るが、思慮の足りない点を父・信之に危惧され、同じ年の異母兄をやや軽んじているところも母・稲に「兄を敬うよう」たしなめられる。

夏の陣では兄・信吉、重臣・小山田茂誠らの制止を振り切って幸村軍を迎撃するが、あっという間に蹴散らされ、多大な損害を被ってしまう。


本来、次項「薫」役の高畑淳子の長男・高畑裕太が演じる予定であった。


演:高畑淳子

昌幸の正室で信繁の母。公家の出(自称・菊亭晴季の娘、しかし後に嘘であることが発覚。本当は低い位の公家の出身で、菊亭家の侍女)のため歳の割に少々わがままなところがある。また、昌幸や信繫の小細工を嫌っている。

しかし家族を想う気持ちは強く、自身の経験から身内を人質に出すことや調略に利用することについては頑なに拒否しようとする。


高畑は『篤姫』で徳川家定の生母・本寿院を演じているが、家定は幸村役の堺が演じており、この時も親子役だった。


とり

演:草笛光子

昌幸ので、松・信繁・信之の祖母。通称:婆様。信繁のことをとても可愛がっている。一方で、信幸が話しかけても「あ、聞こえん」と邪険な対応を取ることが多い(但し、死の直前で信幸に話しかけられた際にははっきりと聞き取っている)。

武家の妻らしい落ち着き払った態度で、家康も頭が上がらない阿茶局をして「太々しい老女」と言われる。

2016年7月現在、作中で唯一、有働アナによる通称「ナレ死」を退けた人物。死の直前に真田兄弟へ向けて、「これからはお前たちが真田家の未来を背負っていくのだ。婆は見ておるぞ。」と激励の言葉を贈った。


演:木村佳乃

信繁・信之の姉。小山田茂誠の妻。

本能寺の変の直後、明智光秀配下の兵に追われ、そのまま琵琶湖に身を投げて死亡したと思われていたが、出雲阿国のもとに身を寄せているところを見つかり、無事家族のもとへ帰還した(阿国曰く「踊りが下手で手を焼いていた」)。

その後は茂誠とも再会し、記憶をほぼ取り戻す。


真田信尹

演:栗原英雄

真田幸隆の四男。昌幸の。信之・信繁兄弟の叔父

昌幸の片腕として他家に派遣され、兄の意に沿った調略・謀略を行い、そのためには対象となる人物の殺害もいとわない。しかし、信繁・信之兄弟の前では叔父として2人の成長を温かく見守り、春日信達の殺害後、甥・信繁に「わしのようになるな」と語った。


ちなみに、史実では春日の殺害には信尹は関与していない(要するにこのドラマの創作)なので要注意。


石川数正の出奔にも関与、「真田の利益を優先する」と面会した家康に語り、そのことも承知の上で家康に召抱えられるが後に浪人となり、諸国の事情を探るために見聞の旅に出る。

大坂の陣では再び家康に仕え、幸村を調略するよう家康に命じられるが、家康から与えられた「恩賞に目を通さなくともよい」と語り、すぐに大坂城から立ち去る。


矢沢頼綱

演:綾田俊樹

真田幸隆の弟で昌幸の叔父。三十郎頼幸は長男。

北条家から沼田城の引き渡しを命じられた際には使者を刺殺して拒絶、兵を率いて激しく抵抗した。

城を守るために散っていった家臣や兵たちの名を1人1人覚えているなど、部下に対する思いやりは深い。その後、1597年5月7日に80歳で大往生を遂げた。


矢沢三十郎頼幸(頼康

演:迫田孝也

頼綱の長男で、信繁の右腕。

源次郎様のいるところ、三十郎あり」と自認しているが、信繁からは少し鬱陶しがられている。信繁が上杉に人質に出された際には同行したが、上洛時に頼綱の下に戻る。

砥石城落城の際、信之に内通して城を渡すよう信繁に命じられ、以後、側近として信之に従う。


同じ三谷作品である『清州会議』では蜂屋頼隆を演じていた。


こう

演:長野里美

信之の前妻で、信繁の義姉。父は長篠・設楽原の戦いにて戦死した真田信綱(昌幸の長兄)。

夫を献身的に支えるも、病弱な体質でよく床に伏せっていた。

稲と信幸の政略結婚のため、昌幸の判断で止むなく離縁することとなるが、薫の計らいによって侍女として真田に仕えることになる。

しかし、侍女として仕えるようになってから、どういうわけだか身体が丈夫になってしまい、稲が徳川へ向けて真田の内情を伝える密書を書いていた際には、これを破り捨て、「真田を守るのが自分の役目である」と稲に啖呵を切って見せるなど勇ましい姿も見せるようになる(これ以降は稲も彼女のことを認めるようになり、比較的良好な関係を築いてゆく)。

秀吉の死の直前、信之との間に子を儲ける(のちに沼田藩初代藩主となる長庶子・真田信吉)。


真田信吉

演:広田亮平

信之の長庶子。母はこうで幼名は「仙千代」。

武芸では同じ年の異母弟・信政に劣るが、思慮深いところを父・信之、義母・稲に認められ、真田家の家督を継ぐことを期待される。


真田家の家臣

高梨内記

演:中原丈雄

真田家重臣。きりの父親。

娘のきりを信繁の元に嫁がせるために奉公に出すが…。

昌幸・信繁父子の九度山配流に同行するが、長らく仕えた昌幸の死に落胆、心配した信繁から信繁の長男・大輔の養育を依頼される。


小山田茂誠

演:高木渉

信繁の姉:松の夫で、信繁の義兄。

武田家の重臣・小山田信茂に従っていたが、信茂が勝頼を裏切ったことで処刑され、真田の里に逃げ落ち、昌幸の目から逃れるために作兵衛の家に匿われることになる。真田兄弟の協力により人質として安土に出された松と一緒に暮らせる女婿とになったが、本能寺の変で明智の兵に追われ再び松と離ればなれになってしまう。

小田原征伐の際に信繁と再会し、その後、帰郷して松とも再会、改めて家臣となり、真田家を補佐していくことになる。第二次上田合戦にも真田軍の軍勢に加勢した。

第二次上田合戦の終結後、上田に残る信之に従うよう昌幸に命じられる。

演じる高木渉氏は言わずと知れたベテラン声優だが、ドラマに出演するのは本作が初となる

三谷作品では他にNHKの人形劇「シャーロック・ホームズ」に出演したことがある。


佐助

演:藤井隆

真田家に仕える忍び。伝達や敵陣に噂を流すことで後方をかく乱させる任を任される。昌幸や信繁への忠誠心は強い一方で、信幸が家督を継いだことには不満を覚えている様子。

出浦昌相とは師弟関係にある。特技はイラスト。

夏の陣では最後まで幸村に従い、自害する幸村を介錯したのち、姿を消す。


最終回で55歳(数え年齢、現在の53~54歳)である事が話され、主君・信繁よりも年上である事が明かされた。


河原綱家

演:大野泰広

真田家家臣。

犬伏における真田父子3人の協議の際には干渉しないよう言われていたにもかかわらず覗き見したことで、信幸に物を投げつけられ歯が欠けてしまった


堀田作兵衛

演:藤本隆宏

真田の郷の地侍で、梅の兄。

妹思いで気さくな性格の持ち主。信繁とも身分を越えた深い付き合いがある。

梅の死後は、梅の娘を引き取り、男手一つで育て上げた。

戦の際には地侍たちを束ねる切り込み隊長のような役回りで活躍することが多い。

大坂の陣では、長年仕えた信之のもとを去り、幸村のもとに参上、「赤備え」を揃えるよう命じられ、大坂城内で手塩にかけている畑を守ろうとする。


才蔵

演:博多華丸

信繁配下の兵士。才蔵以下7名は佐助同様に、最終回に登場した「真田十勇士」由来の人物である。『スペシャルムービー「ダメ田十勇士」』として『真田丸』の番宣用フィルムに登場していた。なお、ムービーには小介役としてMr.オクレがいたが、本編には登場していない。


六郎

演:矢本悠馬

信繁配下の兵士。

余談だが、演じる矢本悠馬は翌年の大河ドラマ『おんな城主直虎』にて井伊家重臣・中野直之役で出演している。


甚八

演:岩井秀人

信繁配下の兵士。


清海入道

演:松村邦洋

信繁配下の兵士。


鎌之介

演:梅垣義明

信繁配下の兵士。


十蔵

演:鈴木拓

信繁配下の兵士。


伊佐入道

演:脇知弘

信繁配下の兵士。


信濃の国衆

出浦昌相盛清

演:寺島進

小県(ちいさがた)の国衆の1人で、昌幸の良き理解者。

忍びとしての心得があり、昌幸の策のために手を直接血で汚すこともしばしばで、後に真田家に仕える忍びの元締めとなる(出浦昌相(盛清)は、真田十勇士の1人:霧隠才蔵のモデルとなった人物として有名)。

昌幸に家康暗殺を依頼され屋敷に忍び込むが、信幸に見破られ失敗、徳川家中随一の勇者・本多忠勝と互角の戦いを繰り広げるが、迎撃に現われた信幸の姿に驚愕、一瞬の隙を突かれ瀕死の重傷を負い療養生活を送っているが、大坂城に忍び込めばすぐにでも家康を殺せると献言する。

中の人三谷幸喜氏から聞いたところによれば「作中で最も修羅場をくぐっており、最も人を直接殺している人物」という設定。そのためか、秀吉による天下統一直後の太平の世にあっても、立てる作戦や昌幸への進言がいちいち物騒なことに定評がある。

信之が大坂城に兵糧を送ろうとするのを昌幸と信之の器量のちがいに反対、忍術をかけ制止する。

また、寺島氏は同局放送の某子供向け忍者アニメが実写映画化された際、同じく凄腕の忍術教師の役を演じたことでも知られる。果たしてこの配役は偶然か、それとも・・・?


同じ三谷作品である『清州会議』では黒田官兵衛を演じていた。


室賀正武

演:西村雅彦

小県の国衆の1人で、信濃の国衆の実質的なナンバー2。昌幸とは幼馴染なのだが、犬猿の仲でお互いに、顔が気に食わないと言っている。但し、昌幸が国衆の結束による独立を提案した際には強く賛同するなど、心から嫌っている訳ではない様子。

信之に対して「黙れ小童!」と言う流れは最早お約束の域に達していた…のだが、徳川家康の重臣:本多正信に昌幸暗殺を唆されていたことが露見、返り討ちに遭う。

なおその後息子が登場するが、逆に信之に「黙れ小童!」返しをされる羽目になった。


武田一門

武田家

武田勝頼

演:平岳大

武田信玄の四男であり、武田家最後の当主。

決して愚将ではなかったが、偉大な父と比較され、結果として武田氏滅亡の憂き目を見ることとなる。最後は目の前に現れた父のと対面し、「あの世で四郎をたっぷり叱ってくださいませ」と言い残し、天目山にて自害した。

出番そのものは少なかったが、作中での美しくも哀しい悲劇の当主っぷりが反響を呼んでおり、今でも彼のファンは少なくない。


因みに中の人は平幹二朗武田信玄(大河ドラマ)で勝頼の祖父・武田信虎を演じた)の息子・平岳大。また、平岳大は江〜姫たちの戦国〜において佐治一成を演じているのだが、勝頼と一成にはある共通点がある。それは、二人とも「第一夫人が織田信長の姪」ということである。勝頼の第一夫人・龍勝院(本作品の第一話の時点で既に他界している)と一成の第一夫人・(後に離婚。江は豊臣秀勝と再婚し、秀勝の死後は徳川秀忠と再婚)は信長の姪である。


武田信玄

演:林邦史朗

甲斐・信濃・駿河の前国主。物語開始時にはすでに故人となっている。

しかし、そのカリスマ性あふれる指導力は、死後も諸大名や息子に大きな影響を残した。

ちなみに、演じた林邦史朗氏は殺陣(たて:刀や槍を使う戦闘シーンの演出家)の第一人者として有名で放送開始前の2015年10月29日に死去しており、本作が遺作となった。


武田家の家臣

穴山梅雪

演:榎木孝明

武田家重臣。正室は見性院(武田信玄の次女)。

調略により武田氏を見限り、織田側につくも、本能寺の変に際した伊賀越えの途中、家康らと別行動をとってしまったため残党狩りに襲われて命を落とした。

なお翌年の「おんな城主直虎」でも登場(演者は別)し、こちらは正信の手配によって野伏に襲われて落命しているが、その演出はまさかの二年連続ナレ死

ファンからの通称はアナ雪


跡部勝資

演:稲荷卓央

武田家重臣。

最後まで勝頼に付き従い、主君の介錯を務めた。


小山田信茂

演:温水洋一

武田家重臣。

武田氏の滅亡に際し、勝頼を見限ったかどにより、織田信長の嫡男・信忠に処刑される。


木曽義昌

演:石井愃一

正室は真理姫(武田信玄の三女)。

武田家の家臣だったが、織田信長に寝返る。これが武田氏滅亡の直接的原因となった。

本能寺の変後、みずから一国一城の主として自立するために急ぎ清州に帰ろうとする滝川一益から人質を取るなど画策する。

昌幸の母・とりとは旧知の仲。


織田一門

織田家

織田信長

演:吉田鋼太郎

言わずと知れた戦国時代の風雲児。

嫡男・信忠、重臣・滝川一益を武田氏討伐に派遣、配下の有力武将を各地に派遣し、乱世を平定する一歩手前まで来たのだが、武田氏討伐の三か月後に本能寺の変で命を落とす。

昌幸と共に信長に謁見した信繁は「竜の眼をした男」と評した。


織田信忠

演:玉置玲央

織田信長の嫡男。婚約者は松姫(武田信玄の六女)。

滝川一益と共に甲斐・武田家を滅ぼす戦功を挙げるが、本能寺の変に際して反逆した明智の軍勢に攻められ、自害する。


織田家の家臣

滝川一益

演:段田安則

織田信長に仕える有力武将で、織田四天王の一人。信濃静定後は昌幸の主君となり、信長による天下静謐が実現することを夢見ていたが、本能寺の変後の北条の急襲により窮地に陥る。

昌幸に対しては親身に接するが、実際は最も警戒していた。それでも沼田城・岩櫃城を昌幸に返還するつもりだったが、先に昌幸が両城の奪取に動いたことを知ると「嘘ばっかりつきおって!!」と激怒、信繁らを人質に取り尾張への退却を図るが清洲会議には間に合わなかった。

以降は急速に勢力が衰え、歴史の表舞台から姿を消していった。

ちなみに、昌幸の五女にして信繁の妹・趙州院は一益の孫・一積と結婚した。この縁により、信繁の娘である阿梅とあぐりは彼の養女になった。また、小山田茂誠の孫娘も彼の養女になっている。


因みに、演じる段田安則は秀吉(大河ドラマ)で同役を演じている。


明智光秀

演:岩下尚史

信長の重臣で官名は「日向守」。玉(細川ガラシャ)の父。

織田信長に対し謀反を起こすも、豊臣秀吉に攻め滅ぼされる。


長崎元家

演:松田賢二

織田家の家臣。


豊臣一門

豊臣家

豊臣秀吉

演:小日向文世

主君・織田信長亡き後乱世を平定し、繁栄の証となる大坂城を築いた天下人。

一見すると陽気で俗っぽく愛嬌ある印象を与えるが、底知れぬ怪物性を秘めた人物

朝廷を後ろ盾として徳川家康を屈服させ、後陽成天皇を聚楽第に行幸させることによって「天下一統」が成ったことを世に宣言するが、次第に冷酷な性格が表に出るようになり、茶々の懐妊が判明したことにより治世は混乱を極めていく。

自身の意にそぐわぬ者には容赦しないが、同時に自分の機嫌取りに汲々とする周囲や天下一統後の情勢をどこか冷めた目で見ている節があり、明の征服を目指して朝鮮に渡海させた軍勢が苦戦する最中、祖母の危篤のために帰郷を願い出た信繁に「(もはや日本軍に)士気はない」と淡々と言い放って許可し、彼を愕然とさせた。

秀次の死の直後から心身共に急速に衰えを見せ始め、物忘れが激しくなったり、死への恐怖に苛まれるようになり、死の直前、もうろうとした意識のまま、家康と三成に異なる遺言状を書かせられた挙句、最期は寝床にしていたベッドから転落、誰にも気づかれぬまま床の上で息絶えるという物悲しい末路を辿った。

今作では秀吉の暗黒面を当初からクローズアップしており、これまでの大河や後世の一般的な評価と異なり「天下を統一してからおかしくなった」のではなく「元から怖い人物(ねね談)」として描いている。


同じ三谷作品である『清州会議』では丹羽長秀を演じていた。


北政所

演:鈴木京香

秀吉の古女房。尾張弁の訛りが強い言葉で話す。

天下人の正室であり、公式でも「豊臣家のゴッドマザー」というキャッチコピーが与えられているが、実際には気さくで明るく面倒見の良い性格の持ち主で、滅多なことでは声を荒げない。

内助の功として秀吉の天下取りを支えるが、同時に秀吉の本質をもっとも熟知しており、そのことを知った信繁に衝撃を与える。

秀吉の死後は、政権の混乱に巻き込まれることを避けるために出家することを決意、身辺の整理を始め、大坂の陣ではすでに高台院に身を寄せている。


同じ三谷作品である『清州会議』ではお市を演じていた。


淀殿茶々

演:竹内結子

織田信長の姪。父は浅井長政、母は信長の妹「お市」。

秀吉に執心されており、その執着っぷりは城内で茶々様に気に入られた人間は死ぬ」「茶々様と関わった者は必ず不幸になる」と噂されるほど。

一目で信繁を気に入り、無邪気かつ小悪魔的な言動で彼を翻弄するが、幼い頃より家族や知人達を権力闘争の中で次々と殺されてきたことから内面には虚無と孤独を抱えており、大蔵卿局からは「哀しむことを止めた」と評されている。また、本人曰く「私の愛する人は皆未練を残して死んだ」(なお、その際両親や鶴松などの名を挙げていたが、秀吉の名前は出しておらず、愛していたともそうでなかったとも取れるニュアンスである)。

後に秀吉の側室となり、鶴松、秀頼を産む。

信繁には「自分とは見えない糸で結ばれている」「自分と同じ日に死ぬ」など、あたかも大坂の陣を予言するかのような台詞を語っており、これらは的中することとなる。


常高院

演:はいだしょうこ

茶々の妹であり、徳川秀忠の正室・江の姉。京極高次の正室だが、当時は出家し「常高院」と号している。茶々が大坂城で死ぬつもりではないかと案じている。

大坂冬の陣後の講和交渉の全権を務めるが、阿茶局と大蔵卿局に主導権を握られ、徳川方に有利な条件を呑まされることとなる。


織田有楽斎

演:井上順

信長の弟で諱は長益。茶々の叔父として大坂城に入城。

茶々・秀頼母子の政治顧問として戦略を練るが、牢人たちの忠誠心に疑問を持っているうえ、戦略家としても二流であるため、幸村の練り上げた必勝の策を理解できずに事あるごとに反対していた、と思われていたが、実は徳川家康に内通しており、幸村の策にことごとく反対したのもそのためであった。

内通の露見後、幸村に城を去るよう脅され、余生を「茶の道」に生きることが語られた。


豊臣秀長

演:千葉哲也

秀吉の弟。豊臣政権の中枢にあって秀吉を補佐する。

一族の出自の低さを熟知しており、病の床に伏しながらも暴走し始めた兄・秀吉を危惧する。

病をおして力を持ちすぎた利休を処断することを兄に進言するが、その直後に病没、要を失った豊臣政権は滅亡の道をたどっていくこととなる。


豊臣秀次

演:新納慎也

秀吉の甥(秀吉の姉の子)であり、後継者と目された若者。

本作では、やや抜けている(秀吉に「太閤検地で分かること」を問われた際に「色々なことが分かります」と答えた程)所もあるが気さくで女性に優しく教養と審美眼もある好人物に描かれている。くだけて言うなら愛すべきアホの子。しかし、繊細であるがゆえに他人からの評価を気にし過ぎるきらいがある。家康にも「愚鈍ではないが、天下を治めるには繊細すぎる」と評されている。

農民の子として生まれたことから、自分には後継者は無理と思いつつも叔父・秀吉から関白職を譲られ、頑張ってこなそうと奮闘する。真田兄弟に官位を与える決定を下したのも彼であり(言い出したのは秀吉)、後に信幸には「自分の行った数少ない仕事だから辞退などしないでほしい」と語っている。

だが、当初こそ秀吉に跡継ぎが生まれたことを素直に喜び、秀吉からも立派に関白を務め上げるよう(彼なりの)期待を寄せられていたものの、弟たちが秀吉に冷遇されていくことに危機感を募らせたことで、元より抱いていた秀吉への恐れが顕在化して疑心とすれ違いを生んでしまい、居城・聚楽第から出奔。各方面の尽力も空しく、最後まで秀吉と和解することなく、高野山で自ら命を絶った。


豊臣秀勝

演:堀越光貴

秀吉の姉の息子で、秀次の弟(次弟)。朝鮮において陣没する。

劇中では描かれていないが、秀勝の正室・江(茶々の妹)は後に徳川家康の嫡男・秀忠の正室となり、江戸幕府・三代将軍・徳川家光、駿河大納言・德川忠長らを生むこととなる。


豊臣秀保

演:三津谷亮

秀吉のの息子で叔父・秀長の養子となる。秀次の弟(末弟)。

秀頼が生まれた直後に病没してしまうが、そのことで秀吉から「縁起でもない」と怒りを買ってしまい、死後、その亡骸は葬儀すら執り行われることなく密かに処分された。


鶴松

演:早坂ひらら

秀吉の嫡男(長子)。

後継者として周囲の期待を一身に集めていたが、わずか三歳で病没してしまう。


豊臣秀頼

演:鳥越壮真石田星空〈幼少期〉 / 中川大志

秀吉の嫡男(次子)で、豊臣家の二代当主。幼名は「拾丸」。

成人後は、堂々とした立ち居振る舞いで家康と謁見し、家康に危機感を抱かせた。

大坂方の総大将であるにもかかわらず、戦の主導権を母や牢人たちに握られていることに不満といら立ちを募らせつつある。


なか(大政所)

演:山田昌

秀吉の母。徳川家康を上洛させるために秀吉は母を人質にするが、彼女もそのことを承知の上で家康と家康に嫁いだ娘・朝日のもとに赴いた。


小早川秀秋(豊臣秀俊)

演:齋藤絢永〈幼少期〉 / 浅利陽介

北政所の甥。幼名は辰之助。

秀頼の誕生と前後して小早川隆景の養子となる。

豊臣一門として関ヶ原の合戦の際には当初西軍として参陣していたが、東軍へと寝返ったことにより西軍は総崩れとなり、結果的に東軍の勝利と豊臣家のさらなる衰退への遠因を作ってしまうことになる。その後罪の意識に苛まれ、関ケ原の合戦のわずか2年後21歳で謎の死を遂げる。


因みに、演じる浅利陽介は軍師官兵衛で同役を演じている。


豊臣家の家臣

石田三成

演:山本耕史

豊臣家の重臣。通称は「佐吉」で官位は「治部少輔」。

古くから秀吉の側近として仕えており、父親同然に深い愛情を抱き、醍醐の花見に来た折、束の間でも楽しそうな秀吉に温かい眼差しを注いでいた。対する秀吉も三成の事を末期まで案じるほど大切に想い、最後の最後で信繁に三成を頼むと後事を託している。天下平定を目前にして表に出始めた秀吉の冷酷さに困惑、暴走を必死に諌止しようとするのだが、三成自身も秀吉を盲信していた結果、結局暴走を止める事は殆ど出来ず、また後に家康が天下統一に乗り出し、豊臣と対立する決定的な火ぶたを切ってしまう事になっている。

基本的に自分の認めた相手以外の者と話す時には目を合わせようとせず、初めて会った信繁にさえ「人を不快にする何かを持っている」と評されるほど人当たりが悪いが、その心に秘める想いは誰よりも熱い。信繁のことは当初歯牙にもかけていなかったが、秀吉に気に入られるようになると徐々に彼のことを認め、信頼するようになっていった。しかし、そんな態度のせいで周囲との意思疎通や人付き合いは絶望的に下手。その上相手への人間的な心情を慮るのが極端に不得手で周りにはかなり嫌われている。

秀吉の死後は徳川方の巧妙な根回しもあったとはいえ、死の直前で精神的に錯乱していた秀吉の言葉を鵜呑みにして家康の暗殺(実行役は真田家)に乗り出してしまう(吉継曰く「死を前にした老人(秀吉)の世迷言に振り回されている」)等、三成の問題的であった部分が最も悪い形で発揮された結果、家康は自身や徳川家を守る為に遺命破りも辞さない行動に出る様になってしまい、その経緯を知った清正や正則との関係も破綻していく一方となり、次第に諸大名からも見放されて孤立していくことになる(現に諸大名を抱き込む為に酒宴を開いた際、同じ目的の酒宴を開いた徳川方が賑わっていたのに対し、石田屋敷では閑古鳥が鳴く有様だった)。

その後、上杉景勝や大谷吉継の根回しなどもあり、何とか諸大名をまとめ上げて徳川軍と関ヶ原でぶつかるが、小早川秀秋の寝返りなどもあり大敗、最後は捕らえられて処刑された。

今作では、後に敵対する加藤清正も三成の性格をよく理解し、彼の屋敷に入り浸って酔いつぶれるほどの友人であるとの設定がなされており、三成も「バカは扱いに困る」と言いつつも豊臣家の行く末を清正に託すほどの信頼を寄せている。

性格以外は非の打ち所が無く、冷静沈着すぎる…とも言える男だが、戦に関してだけはセンスが皆無に等しく、想定外の事態に直面すると普段の冷静さを失ってイラついたり取り乱したりしてしまう上、精神的に追い詰められると腹痛をおこしてしまう。


山本は『鎌倉殿の13人』で三浦義村を演じるが、奇しくも史実における三成は木曾義仲を討ち取った石田為久の末裔説があり、為久の本姓は三浦一族である。


大谷吉継

演:片岡愛之助

知勇を兼ね備えた名将。信繁の義父。官位は「刑部少輔」。

三成とは固い友情で結ばれており、当初は三成が唯一目を見て話す相手であった。

豊臣家家臣の良心的存在でもあり、大阪城でぞんざいな扱いを受けた真田家に唯一真摯に接して昌幸とも打ち解け、後に娘の春を信繁の元へと嫁がせて親戚関係となる。

一方で、「綺麗ごとだけで物事が解決できるとは思っていない」とも話しており、目的のためならば手を汚すことも厭わないという強い覚悟も持っている。

秀吉の死後、急速に勢力を拡大する家康に警戒しつつも、実力行使に打って出ることには否定的だったが、三成の強い要望により、病を押して諸国の大名に書状を送るなど根回しをし、関ヶ原の合戦の戦支度を行うが、合戦で敗れて自刃してしまう。

大谷吉継と言えば、ハンセン病で爛れた顔を白頭巾で隠していた姿が有名だが、近年ではこの説に懐疑的な見方が広まっているため、関ヶ原の合戦の直前まで吉継が顔を隠す描写はなかった(しかし、筆を握ったり立ち上がって歩くことにすら苦労するような重病に侵されてゆくことになり、その影響からか関ヶ原の合戦の直前には顔の一部が爛れているかのような描写があった)。


加藤清正

演:新井浩文

幼少より秀吉に仕える武断派の武将。熊本堅牢な城郭を築いた。

通称は「虎之助」で官位は「主計頭」(本人は相当気に入っている様子)、後に「肥後守」。

本作では髭面の荒々しい風貌をしており、やや粗暴で無骨な性格という田舎のヤンキーのようなキャラとして描かれる。色々な意味で井戸の人

融通の利かない三成の人となりを知っても友人として接する数少ない存在。三成の官僚的な反応に反発してもいるが、秀吉の死後に家康についた後も家康と争わないよう三成を説得しようとする情に厚い一面ものぞかせている。

佐和山城から逃げ延びた三成の妻・うたをかくまい、彼女を信繁に会わせる。

徳川家康との戦いが避けられなくなった折、西軍を率いる石田三成と面会、豊臣家の行く末を三成に託され、遺言を守ろうとするが、英邁な秀頼の気質と家康を恐れぬ剛毅な清正が糾合して歯向かうことを恐れた家康に命じられた服部半蔵によって毒殺される。


福島正則

演:深水元基

豊臣家家臣。秀吉の叔母方の従兄弟で通称は「市松」。賤ヶ岳の七本槍の1人。

清正同様、豪快かつ武闘派とヤンキーのようなキャラとして描かれているが、若干出番が少なめなこともあり、やや印象は薄い。大の酒好きで酒量もウワバミレベル。黒田官兵衛の家臣・母里太兵衛と飲み比べをして敗北、家宝ともいえる名槍・日本号を彼に取られてしまう。

秀次のことは「関白の仕事を頑張ってこなそうとしている」と高く評価していたようで、彼の死に立ち会った際には深く悲しんでいた。


深水は『どうする家康』でも正則を演じる。


片桐且元

演:小林隆

賤ヶ岳の七本槍の1人にも数えられる、豊臣家重臣…のはずだが、本作では色々秀吉に振り回されたりぞんざいに扱われたりされることの多い苦労人。

通称は「助作」だが陰で「ぬけ作」と呼ばれている。官位は「東市司」。

思い込みの激しい所もあり、自ら胃の痛くなる状況を作ってしまうことも多々ある。実際、ストレスにより胃腸を悪くしており、胃薬を服用していたことが語られている。

が、いざとなれば勇気を振り絞って家康に意見したり、秀頼を我が子のように可愛がったりと憎めない面も見せる。

方広寺に収める梵鐘に「君臣豊楽」、「国家安康」が「豊臣家の繁栄を願い」、「(徳川)家康を呪詛する」文言になると知りながら「これもシャレだから」と軽率に賛成、家康に豊臣家を攻める口実を与えてしまう。大坂城から退去した後は信繁に大坂城入城を促した後に家康に仕えるが、大坂攻めの際に散々に利用される。

その後、有働アナのナレーションで「豊臣家を裏切ったことを悔いながら亡くなった」とナレ死を宣告されたが最終回で再登場、結果としてナレ死を回避することに成功した


平野長泰

演:近藤芳正

賤ヶ岳の七本槍の1人。馬廻衆筆頭で大阪城における信繁の上司にあたる存在だが、職務態度は真面目ではなく、またゴシップネタにも目がない

秀次の死後、馬廻衆が解散されたことで職を失ってしまい、「豊臣に仕えなければこんなことにはならなかったのだ!」という恨み言を吐き散らした。

その後、徳川家に拾われ、第二次上田合戦に参陣、かつての部下であった信繁と思いがけない形で再会することになる。

豊臣方と徳川方の戦いが避けられなくなった折にはひそかに大坂城に兵糧を送ることを信之に持ちかけたが、実は徳川方と内通しており、真田を陥れるための罠であったことが後に発覚する。


立花権三

演:吉田ボイス

秀吉の馬廻衆の1人で、信繁の前任者。

茶々に気に入られたことが災いして、彼女に執心している秀吉の不興を察した清正により、井戸に投げ落とされて死亡する。

彼の死の真相を知った信繁は、一時的ながら清正に対して強い恐れの念を抱くことになった。


宇喜多秀家

演:高橋和也

豊臣家の重臣で、五大老の1人。備前の梟雄・宇喜多直家の嫡男。豊臣家とは血縁関係にはないが、秀吉の養子となり、豊臣一門の1人に数えられている。

本作ではなぜか某テニスプレイヤーもかくやというほどの熱血漢として描かれている。

関ヶ原の戦いで八丈島に流罪となり、その後、小早川秀秋は彼の幻影に苛まれることになる。


島左近

演:玉置孝匡

石田三成の重臣で、豊臣家臣きっての猛将。

関ヶ原の戦いで戦死する。


大野治長

演:今井朋彦

石田三成、大谷吉継が死去し、片桐且元が城を去って後、家老として秀頼に仕えるが、徳川方との戦を前にして懸案から目をそらし、課題を先送りしようとする器の小ささを露呈、しかし、徳川軍との戦に勝つためには牢人たちに頼るしかないと腹をくくり、全権をゆだねようと木村重成とともに幸村たちをバックアップしようとする。

幸村必勝の策を認め、秀頼とともに大坂城の実権を握る茶々と母・大蔵卿局に報告するも牢人を信じ切れぬ二人の反対にあい挫折、作戦の許可が下りなかったことを幸村に詫びる。

夏の陣では秀頼の出陣を促すために城に戻ったが、「秀頼の旗印」とともに帰ったため将兵の士気が崩壊、取り返しのつかない失敗により豊臣家の滅亡を招いてしまう。


大野治房

演:武田幸三

治長の弟。大坂城に入城した浪人たちをこころよく思っていないのか、ぶっきらぼうな態度を幸村に見せている。


木村重成

演:白石隼也

当初は入城した牢人の忠誠心に淀殿、大蔵卿局と同じように不信感を抱いていたが、幸村の優れた軍略、人柄に心酔、信頼を寄せるようになった。

夏の陣では後藤又兵衛とともに出陣、又兵衛軍の壊滅を知らずに戦い、討死する。


塙団右衛門

演:小手伸也

加藤喜明配下の鉄砲隊を率いていた武将。幸村との初対面において「剣術には自信はないが鉄砲には自信がある」と語った。

有名になって大名となることを悲願としており、会う人間には必ず名刺(「塙団右衛門参上」と書いた木札)を渡し、戦場ではいちいち「塙団右衛門でござる!」と自分の名を叫びながら戦う。さらに自分の倒した敵の死体にもちゃっかり名刺を添えておく徹底ぶり。

夏の陣では緒戦の樫井にて夜討ちをかけようと出陣するが、流れ弾を額に食らって討死する。

さほど物語の本筋を左右するわけでもない人物ながら、その謎のキャラの濃さによって一部のファンからマニアックな人気を獲得した。


千利休

演:桂文枝

茶人として広くその名を知られる堺の商人。秀吉の側近(政治顧問)。

秀吉のアドバイザー的存在だったが、小田原攻めの際に弾薬の原料を北条側にも売り捌いていたことが発覚、さらに茶々の助言を入れて寺の楼門に自身の像を勝手に安置していたことなどを咎められ、切腹させられる。

彼の死後、秀吉の長子である鶴松が病死し、「利休の祟りではないか」と恐れられることとなった。


大蔵卿局

演:峯村リエ

茶々の乳母で、大野治長・治房兄弟の母。

あまり感情を表に出さず、冷淡な印象の女性。

一方で茶々を思う気持ちは強く、幼少期の秀頼に対しても茶々と一緒に楽しそうに遊ぶなど、決して冷徹なだけの人物というわけではない。

方広寺の梵鐘に刻まれた「君臣豊楽」「国家安康」という文言の誤解を解くため、駿府城を訪れ家康に面会、「小さなことだから気にしなくていい」と家康に言われ大阪に帰るも、且元のもたらした条件とあまりにも違うことから且元に不信の念を抱き、結果的に彼を追放してしまう。

その後も事あるごとに牢人と対立し、毛利勝永からは「大蔵卿のババア」と吐き捨てられる。

結局は長男・治長にも見限られて次男・治房をけしかけるも、更にそれが夏の陣の原因を作ってしまう羽目になる。

なお峯村リエは今回の演技を各方面から絶賛されているが、本人いわく「複雑な気持ち」らしい。


うた

演:吉本菜穂子

三成の正室。

夫に負けず劣らず素っ気ない性格と思われたがそうではなく、三成の最期を見届けると清正にかくまわれ、夫の豊臣家に対する熱い思いを清正と信繁に語り続けた。


わくさ

演:円城寺あや

寧の侍女。豊臣家家臣小西摂津守の母。

キリシタンであり、洗礼名はマグダレナ。


尾藤道休

演:横田栄司

聚楽第の門番。

聚楽第で落書き事件が起きた際に下手人の疑いをかけられる。

本人は字が書けないことを理由に容疑を否認したが、死後、事態収拾のため信繁らによって下手人として偽装された。


大坂牢人五人衆

攻め寄せる徳川軍を迎え撃つため傭兵として多くの牢人を召し抱え、下記の五人をそれぞれ2万人を率いる大将として任命したのだが・・。

真田幸村(真田信繁)

演:堺雅人

大坂入城後、徳川家康を討つため籠城せずに出陣する作戦案を上申、城主・豊臣秀頼、大野治長、木村重成ら豊臣家家臣、大坂牢人五人衆の残り四人の了承も得るが、牢人の忠誠心に不信感を持つ茶々と大蔵卿局に作戦を却下されてしまう。

大坂城唯一の弱点に出城を築くことにも茶々、大蔵卿局、織田有楽斎の妨害にあい苦労、城主・豊臣秀頼の許可、家老・大野治長の了解を得て築城、徳川軍を迎え撃つ準備を進める。

大坂方の手の内が徳川方に筒抜けになっていることに内通者がいるのではと思い、佐助に有楽斎を見張るよう命じ、内通を確認後、城から去るよう促した。

夏の陣では毛利勝永とともに出陣、部隊は壊滅しつつも家康をあと一歩のところまで追いつめる。


後藤又兵衛

演:哀川翔

黒田長政に仕えていた猛将。

幼きころより黒田官兵衛にかわいがられていたが、現当主の長政と確執が生じ出奔、誘われて大坂城に入城、ことあるごとに幸村と対立していたが、語りあううちににわだかまりも解け、互いの実力を認めあう仲となった。

夏の陣では最前線で幸村軍の到着を待つが開戦、奮闘するが討死する。


長宗我部盛親

演:阿南健治

父親は四国の覇者・長曾我部元親。土佐を領し関ヶ原の戦いに西軍に味方して取り潰され、糊口をしのぐため京に寺子屋を開いていた武将。土佐一国を領していただけあって家臣も多く、大名に返り咲くため大坂城に入城した。

ひげもじゃで顔は怖く見えるが気弱な人物で、幸村が大坂方の総大将になることに反対しなかった数少ない人物。

夏の陣では堀を埋められ裸城となった大坂城から出陣するが、勝ち目がないことを悟り部下を解散、戦場から逃亡する。


毛利勝永

演:岡本健一

古くから豊臣家に仕えていた毛利勝信の子、大江系安芸毛利氏とは別系統。

幸村や又兵衛には徳川方から寝返るよう誘われ、自分には誘いがなかったことに不平を鳴らすが、幸村と又兵衛は勝永の実力を認め、又兵衛の戦死後には最も頼りにする武将として幸村に認められている。

又兵衛の戦死、盛親の戦線離脱後、幸村とともに大坂方の主力を率いて徳川方を攻め立てるが幸村軍の壊滅を受けて戦線から離脱、大坂城に引き上げる。


明石全登

演:小林顕作

宇喜多秀家の旧臣。名前の読みは「てるずみ」。

敬虔なキリスト教徒で幕府を開いたばかりの徳川家がキリスト教徒を弾圧することに我慢がならず、豊臣家勝利の暁にはキリスト教の布教を全面的に解禁してもらうために大坂に入城した動機を信繁に語っている。ニックネームは「バテレンさん」(又兵衛が命名)。

九度山に蟄居する信繁のもとに大坂城入城を進めるため使者として来訪する。

夏の陣では遊軍部隊を率いて大坂城外に陣を張るが、徳川軍の猛威にさらされて幸村・勝永率いる主力に合流することができず、ほとんど戦力になることはなかった。


徳川家中

徳川家

徳川家康

演:内野聖陽

織田信長・豊臣秀吉亡き後天下人となった戦国武将にして、江戸幕府初代征夷大将軍

真田家とは昌幸が武藤喜兵衛を名乗っていた頃から辛酸を舐めさせられてきた因縁があり、時に敵対、時に共闘を繰り返しながら、最終的に昌幸・信繁父子最大の敵となって立ちはだかる。

従来の落ち着き払った家康像とは違い、本作では危機を前に素直に怯えたり慌てたりと喜怒哀楽を表に出しながら必死になって問題解決のために奔走するどこかコミカルで人間くさいキャラクターとなっており、失敗や敗北を味わってもそれら全てを教訓として成長していく。苛立つと爪を噛む癖があり、阿茶局からは度々注意されている。

義侠心にも篤く、宿敵・武田家滅亡に複雑な心境を吐露したり、小田原攻めの際には結果的には失敗に終わったもののライバルであった北条氏政の助命嘆願と説得に当たったほどで、目の上のたんこぶであった秀吉の死に際しても人知れず手を合わせて悼むなど、その行動は人間性に富む。

伊賀越えで散々な目に遭ったことから戦(特に自分の命を賭けねばならない状況)を毛嫌いしており、宿敵の昌幸が戦にこだわるのとは対照的。

後継者と目されていた秀次の器量を「それほど愚鈍ではない」としつつも「叔父・秀吉ほどではない」と評して、他に人のいない豊臣政権が秀吉の死後に再び乱れることを見抜き、乱世を生き抜くために行動を開始。ただし、あくまでも徳川が生き延びることを優先してきた為、秀吉の死後も当初は天下を取ることに対して消極的だったが、諸大名が自分の元に馳せ参じて石田三成の謀反を防いだことから、心境に変化が生じ、天下取りへ向けて本格的に動き始めることになる。

関ヶ原の合戦に勝利した後、征夷大将軍に任ぜられて江戸に幕府を開き、自身の天下統一の障害となるであろう豊臣家の排除へ向けて動き出す。その大義のなさを景勝に非難され、みずからもそのことに大義がないことを感じ、秀吉に対して後ろめたさを感じているが、不治の病にかかっていることを明かし、太平の世を作るためにあえて豊臣を滅ぼす乱を起こしたことを明かした。

夏の陣では幸村の猛攻を受けて一目散に逃亡、一時は腹を切ろうとするほど追いつめられるが、本多正純をはじめとする直臣の旗本に制止されて辛うじて思いとどまり、老いてなお残る戦国武将としての勘により、戦の流れが変わった事を感じ取り巻き返しに出る。そして物語最終盤、本陣に一人乗り込んできた幸村と最後に対峙した際には、既に死ぬ覚悟も決めたのか、銃を突きつけられても命乞いをする様な真似は一切せず、「戦によって身を立てる時代は既に終わっており、幸村達の行為はただの悪あがきに過ぎない」と断じ、幸村もまた「そんなことは百も承知」と喝破する激論を見せている。

そして幸村の死後となるエピローグにて、大坂からの火急な知らせを聞いて表情を変えた正信の様子から、生涯を終えた事が伺われる。

中の人は、かつて武田信玄軍師を演じたことがある。第1話で描かれた甲州征伐においてそのことを意識したような台詞を言っていた。


阿茶局

演:斉藤由貴

家康の側室。父は武田家臣・飯田直政

飄々とした性格で、ちょっとやそっとのことでは動じない図太さを持つ女性。

気苦労の絶えない夫・家康を支える良き妻だが、たまに痛烈な皮肉を口にすることもあり、家康は彼女に頭が上がらない様子。

また、寧や茶々との交流で得た情報を家康に伝えている。秀吉の死後、家康を天下人にするための政治活動を始めた。


演:清水ミチコ

秀吉の妹で、家康の正室。

秀吉の意向により、無理やり前夫と離縁させられ、家康との政略結婚を強いられた女性。

そんな経緯から家康は彼女に一応気を使って接していたのだが、彼に対して直接口を利かず笑顔を見せようともしなかった。

演じる清水ミチコによる、初登場時のパンチ力あるブータレ顔は必見


徳川秀忠

演:星野源

家康の嫡男で、後の江戸幕府・二代将軍。

当初は、家臣の本多正信・正純父子にも深々と頭を下げる底知れぬ不気味さを持って本多父子を驚かせるなど、感情をあまり表に出さない不敵な人物…かと思われたが、秀吉が死んだ後に家康から江戸に戻るよう命じられた際にその真意を理解できずに「少しは頭を働かせろ!!」と怒鳴られたり、第二次上田合戦では敵の挑発に乗って総攻めをかけようとするなど、武人としては父:家康より劣っているかのような描写がある(実際、秀忠はどちらかといえば文官としての功績が大きい人物であったため、あながち間違いではないのだろうが)。

また、茶々の妹・江を娶った苦労を信幸に漏らして苦笑する、人間らしい一面も覗かせている。

関ヶ原の戦いで真田昌幸・信繁父子の籠もる上田城攻略を父・家康に命じられ、矢沢頼幸の内通によって砥石城をほぼ無傷で手に入れるが、それすらも徳川本軍を足止めし、信幸の立場をよくするための芝居であり、結果として父・家康ともども真田父子の術中にはまってしまい、関ヶ原の合戦に遅参するという失態を犯してしまう。

関ヶ原の戦いに遅参したことのトラウマもあって急ぎ上洛、率いた軍勢を疲弊させたことを父・家康に叱責される。

夏の陣では大野治房に本陣まで攻め込まれて逃亡することで逃げるは恥だが役に立つを実践、追い詰められた家康の救援に駆けつける。


演:新妻聖子

秀忠の正室。

自信を失って意気消沈する秀忠を慰めるなど、夫婦仲は良好な模様。

一方で、徳川との戦闘を決め込んだ豊臣方の行動を不審に思っている。


徳川家の家臣

本多正信

演:近藤正臣

家康配下の謀将。江戸幕府成立後も家康を補佐した。

すっとぼけるのが得意で好々爺然としているが、自身にも各地を流浪した経験があることから、各地に間者を放って抜け目なく情報収集を行っており、他人を煽ってコントロールするタイプの知略・謀略に長けた食えない人物。通称「サドの守」。

信繁の知力と弁舌を高く評価しており、沼田裁定の際にはさりげなく信繁をサポートした。

秀吉の死を期に謀将としての本性を顕し、主君・家康を次なる天下人にするべく暗躍を開始。家康を狙った刺客(出浦昌相)の正体がわかっていないにもかかわらず、大名たちには三成が放った刺客であるものとして説いて「反・三成」の機運を高め、慎重で腰が重い性格の家康を焚きつける形で天下取りの道へ導いていった。

関ヶ原へは家康の嫡男・秀忠の率いる徳川本軍とともに中仙道を進むが、結局上田城を攻め落とすことはできず、合戦へも遅参するという屈辱を味わわされる。

関ヶ原の戦い後、信之に父・昌幸、弟・信繁の赦免を頼まれるが家康・秀忠父子に却下、以後、両名の赦免に口を出さないよう命じられ、信之の願いを拒絶するようになる。

父・昌幸亡き後、信之は正信を国造りの師として仰ぎ、有益な助言を正信から得ている。


近藤は『徳川家康(大河ドラマ)』にて家康の父親・松平広忠を演じている。

おんな城主直虎」ではイメージのちがう六角精児が演じ、当初風体の上がらない草履取りとして登場、しかし、それは一向一揆に加担して出奔したからであって、帰参後はあらゆる知略・謀略をもって家康に仕え、生き残るために穴山梅雪を利用する不気味さをみせた。


本多正純

演:伊東孝明

徳川家家臣。正信の嫡子。

因みに中の人は伊東四朗の次男。


本多忠勝

演:藤岡弘、

徳川四天王の一人で、徳川家中きっての猛将として知られる。反面、信頼こそ篤いものの実直過ぎて頑固な性格のために家康からは少々苦手意識を持たれており、策を弄するタイプの正信とは仲があまり良くない。

戦に逸るような言動が目立つ一方で、戦場に数珠を持ち込んで合戦後に戦死者を弔ったり、信之が父と弟が反旗を翻したのをみすみす見逃したのではないかと責められた際には「親兄弟を思いやるのは当然のこと」と主張して庇おうとしたり、信之が娘:稲以外の女性とも子を儲けていたことを知った際には「2人とも同じくらい深い愛情を注いでくれれば良い」と述べて不問に処すなど、慈悲深い面も持っている。

娘の「稲」が可愛くて可愛くて仕方がなく、娘の輿入れにも「荷役」に変装して同行する「度を越えた親バカ」。仮○ライダーではないが、娘会いたさに信州の上田と駿河の駿府を頻繁に行き来するなど、時に人間離れした行動を見せてくれる。さらに娘と信幸との間に生まれた幼い孫に対しても爺バカっぷりを発揮するが、こちらには近づいただけで泣かれてしまった(周囲曰く、お顔が怖すぎます!」)。

当初は徳川と真田の元々の因縁や娘可愛さから、義理の息子となった信幸に厳しく当っていた。しかし沼田騒動の折、信幸が混乱する家中をきちんとまとめ上げ、真田家軍議の席に加勢を申し出に来た忠勝を徳川家家臣であるという理由で毅然とした態度で咎めたことを切掛に認識を改め、彼を気に入って何かと世話を焼こうとするようになる。が、結果的に信幸の頭痛のタネの一つであること自体は特に変わっておらず、信幸は何かにつけて「こんなことがバレては舅殿に殺される」と口にしている。

孫のために竹トンボを作ろうして手傷を負ったことにより老いを実感、家康に隠居を願い出た直後に死去する(史実では、仏像を彫っている時に手傷を負ったということになっている。また、傷を負った時点で既に隠居の身であった)。


石川数正

演:伊藤正之

徳川家筆頭家老。側近として家康を長きに渡り支えてきたが、突如徳川家を出奔してしまう。

本作では、真田信尹に唆されて出奔してしまったということになっている。

全てを失い、悲嘆に暮れていたところをたまたま信繁と出会い、あてつけがましく彼に愚痴をこぼすが、逆に信繁からは「過ぎたことはどうしようもない。大切なのはこれからどう生きるかだ。」と諭され、もう一度やり直すことを決意。後に、信州松本藩の初代藩主となった。


服部半蔵正成

演:浜谷健司

徳川家家臣。

伊賀越えの際に家康一行を先導し、敵には「全力で押し通り」尾張国まで無事生還させた。


服部半蔵

演:浜谷健司

徳川家家臣。

英邁な豊臣秀頼と家康を恐れぬ剛毅な加藤清正が糾合して徳川家に歯向かうことを恐れた家康に清正の暗殺を命じられ、命令通り清正を毒殺する。

大坂城入城を目指す幸村のもとにも刺客としてあらわれるが佐助に見破られ失敗、逃亡する。


  • 『彼』の登場回で家康と正純の会話で「やつ(伊賀越え時の半蔵)」は既に没して、「今は優秀な2代目が継いでいる」という会話があった。この会話があった年代は1611年、しかし正成長男・3代目正就は1605年に伊賀同心としての任を解かれ、1611年時点で徳川家家臣で無くなっている。そして残念ながら優秀でも無かった。
  • 史実上この時期の『服部半蔵』は空位状態で、1614年の大坂の陣最中に正成次男正重が4代目として襲名。つまり、1605年~1614年の間『服部半蔵』は空位の状態にあり、史実通りなら『彼』正就では無い。家康が「やつ(伊賀越え時の半蔵)」と呼んだのは2代目の正成で間違いないだろうが、『彼』に関しては佐助同様、架空の存在である。事実、クレジットには『服部半蔵』とあるだけで、半蔵●●とは記されていない。

鳥居元忠

演:大堀こういち

徳川家家臣。

第一次上田合戦の際の徳川方総大将。

軍を指揮するも、昌幸の奇策に翻弄されて惨敗を喫し、帰国後家康から叱責される。

関ヶ原の戦いの前哨戦において伏見城に籠もって西軍を足止めするが、落城、城ともに討死する。


大久保忠世

演:中野剛

徳川家家臣。第一次上田合戦の徳川方副将。


平岩親吉

演:東武志

徳川家家臣。第一次上田合戦の徳川方副将。信幸に不信感を抱きつつも砥石城攻略に同行、ほぼ無傷のまま城を手に入れるところを見届ける。


井伊直孝

徳川四天王の一人である井伊直政の次男。

幸村率いる牢人衆と同じような赤備えの部隊を率いる。「真田丸」に攻め寄せる井伊の部隊を見た幸村と内記はある種の感慨を覚え、「われらとはちがう物語があったのだろうな」と語りあう。


室賀久太夫

演:児嶋一哉

尾張徳川義直の家臣。室賀正武の子。大坂夏の陣の際、信繁を調略するため大坂城へ向かっていた信尹と信之を尋問する。二人が真田家の者と知ると、父・正武の仇と気色ばむが、信之に正武からの言葉の「黙れ小童!」で一喝される。

中の人は「本当かどうか分からないですが、僕が(父親役の)西村雅彦さんに顔が似ていて、アタフタした感じの演技も似ているから、と三谷さんがおっしゃったみたいです」とスポニチで語っている。


上杉一門

上杉家

上杉景勝

演:遠藤憲一

上杉謙信の甥にして養子であり、越後を治める上杉家の当主。正室は菊姫(武田信玄の五女)。

養父・上杉謙信にならって身分や出身に囚われない政策を心掛けたり、弱きものを助けようとするなど、義に篤い高潔な人物。

その一方で長引く戦によって困窮し内紛の頻発する領内の事情との板挟みに苦しんでいる。後に信繁が「家を護るために信念を曲げた」と評している。

武田家と同盟を組んでいる。織田、徳川、北条による武田領侵攻の際、武田家を助けるために援軍を送った唯一の大名。また、信玄の娘婿で最後まで勝頼の味方だったのは景勝だけである。

天正壬午の乱の際、北条に攻め込まれた沼田城の救援を求める使者として出向いて来た信繁の勇気を気に入り、真田が上杉に臣従するための人質として彼が再びやってきた時も客人として扱い、「そなた(信繁)のような子が欲しかった」と語った程。

秀吉に謁見した際、彼に信念を完全否定された屈辱を味わうが、領内に戦を起こさぬために豊臣に臣従する。家康・昌幸と共に北条氏政の助命に動いたこともある。

のちに、秀吉の命令で会津へと移封加増される。これは徳川と伊達を牽制する目的も兼ねていた。

家康の暴走を掣肘することを三成に求められるが、器量の違いに圧倒され、黙り込んでしまう。

しかし、三成が謀反を起こそうと画策した際にはこれを押し止め、自らが徳川を倒すことを確約してみせた(兼続曰く「御館様は本気になられた」とのこと)。

家康による会津征伐により窮地に陥るも、三成が挙兵したことにより徳川本軍が西へと向かい窮地を脱する。その後は伊達政宗や最上義光を相手に慶長出羽合戦にて戦う。

関ヶ原の戦いの後、取り潰しは免れたものの、米沢三十万石に減封される。

大坂の陣では徳川方につき、敵対することになる幸村に無念さを募らせている。


上杉家の家臣

直江兼続

演:村上新悟

上杉家重臣で、景勝の側近。

三成に勝るとも劣らない冷徹な性格だが非情ではなく、自分の認めた相手には世話を焼く面倒見の良いところもある。

戦国の世にあっても非情になりきれない主君:景勝の甘さには少々頭を痛めている様子で、断りもなく勝手な約束をしないかやきもきする描写も。

ファンからはセコム直江の愛称で親しまれて(?)いる。

また中の人のイケボっぷりも話題になり、特に徳川家康を挑発した「直江状」は11分にわたり家康を煽り続ける完全版が一時期ネット上で公開されていた。


春日信達

演:前川泰之

上杉家家臣。元武田家家老・香坂弾正次男

武田滅亡後は織田軍に降伏するも、本能寺の変後に織田軍を離反。甲越同盟の縁を頼り、上杉景勝へと仕える。

しかし北条と上杉の両軍を信濃から撤退させるために昌幸に利用され、謀殺される。


前述した通り、史実においては昌幸の調略にあったのは事実だが、謀殺の過程に関してはこのドラマの創作である(史実では(北条側だったときの)昌幸は本気で信達を調略しようとしていたが、それが上杉軍に露呈して処刑されている)。


前川は『風林火山』にて同じく武田家家臣の飯富源四郎(後の山県昌景)を演じている。


北条一門

北条家

北条氏政

演:高嶋政伸

関東地方を治める北条家の先代当主だが、これはあくまで建前であり、実質的な権力は当主・氏直ではなく未だ彼が掌握している。正室は黄梅院(武田信玄の長女。第一話の時点で既に他界している)。

冷酷さと傲慢さを併せ持つ野心家であり、家康からは「関八州の覇者たる誇りと自信を一人で背負い込んだような男」と評されるなど、良くも悪くも戦国大名の業を体現する人物。

信長の死後、関東全土に支配権を拡大しようと上野に兵を送り、秀吉からの上洛命令も無視するが、後にそれがきっかけで豊臣家に攻略の口実を与えることとなってしまった上、頼みの綱だった奥州の伊達家からも見限られる。全国の大名からなる21万の大軍に小田原城を包囲されてしまい、最終的に小田原城を開城。最後は秀吉に切腹を命じられた。

ある意味、時代の変化に対応できずに消えていった象徴的な存在と言える。

氏政の『二度汁かけ』の逸話にちなんでか汁かけ飯が好物で、初期はよく食べているシーンが挿入されており、切腹の直前にも口にしているシーンがあった。これは、口に入れる分だけ汁をかけることにしており、「他国への侵略も同様に少しずつ相手の領域を奪っていく」という信条を持つという解釈とのこと。なお、切腹の直前には全ての汁を飯にかけ、憑き物の落ちたような顔で食していた。


北条氏直

演:細田善彦

氏政の嫡男。武田信玄の外孫(母は黄梅院)で、現在の(公式上の)北条家当主。

父・氏政と比べてカリスマ性に欠け、短絡的で荒っぽい性格の持ち主。昌幸をして「分かりやすい男」と言われてしまう。

小田原攻めの際にも動揺する家臣たちをまとめきることができず、降伏を拒否する父の説得にも失敗、進退窮まった氏直は説得のために潜り込んだ信繁に泣きつくこととなった。

小田原城の開城後は出家させられて高野山へと流され、これをもって北条家は滅亡した。


北条家の家臣

板部岡江雪斎

演:山西惇

北条家の重臣で、外交僧。

名前の読みは「いたべ・おかえ・せっさい」ではなく、「いたべおか・こうせつさい」。

沼田裁定の際には、沼田城の帰属を巡って信繁と対立するも、「無用な戦は避けるべし」という共通する考えがあったことなどもあり(信繁からも「意外に話の通じる男かもしれない」と思われていた)、小田原攻めの際には本多正信を通じて信繁に氏政の説得を要請した。

北条家への忠誠心は厚く、氏政が頑なに豊臣軍への降伏を拒み続けた際には、「北条家を滅ぼされるおつもりか!!」と憤りを見せた。

北条家の滅亡後は徳川家の家臣となり、石田三成が謀反を企てた際には、真っ先にこれを本多正信へ報告した。また、徳川方から遣わされた間者として、豊臣一門の1人ではあるが冷遇されている小早川秀秋に接近、徳川方につくことを勧める。

関ヶ原の戦いの後、北条家の墓のある高野山を訪れたところで偶然信繁と再会、信繁に対して、「目に未だ燻り続けている炎がある」と告げた上で、いずれ活躍の機会が再び訪れるであろうことを予言した。なお史実では1609年(慶長14年)に病死しているので、これが信繁との最後の別れとなった。


伊達一門

伊達家

伊達政宗

演:長谷川朝晴

陸奥国を治める大名。

秀吉の小田原攻めに死装束を着て着陣、同盟していた北条氏を見限る。

信繁とは同い年であり、後に大阪の陣で運命的な再会を果たすことになる。

趣向を凝らすのが好きらしく、小田原攻めが終わった後、景綱と共に名物のずんだ餅を諸大名に振る舞っていた。そうした性格ゆえか、徳川方のムードメーカー的人物でもあり、徳川の催した宴会の席や、諸大名とともに徳川屋敷の警護に当たった際には、場を盛り上げたり士気を高める振る舞いを見せる。

一方で秀吉に従わざるを得ず、天下を取れなかったことを悔やんでおり、「もっと早く生まれていたら、もっと京の近くで生まれていたら、天下を取っていたのは自分だったかもしれないのに」と信繁に吐露したこともある。

大坂夏の陣で信繁と相対し、彼の妻子の庇護を引き受けた。


伊達家の家臣

片倉景綱

演:ヨシダ朝

伊達家の重臣。政宗のずんだ餅作りに付き合いつつも、信幸に愚痴をこぼしてみせた。

信繁の娘の梅はその後、彼の息子の嫁になったことが語られている。


前田一門

前田家

前田利家

演:小林勝也

秀吉の古くからの盟友として病をおして武断派の不満をなだめ、幼い秀頼を支えようと決意するが、秀吉の死の翌年に死去。歯止めのなくなった文治・武断両派の戦いは避けられなくなってしまう。


前田利長

演:萬雅之

利家の嫡男。家康の圧力に屈し、母・まつを人質に出す。


細川一門

細川家

細川忠興

演:矢柴俊博

丹後(京都)・宮津城主。

三成の催した酒宴にも顔を出したが、客が三成の昔からの友人の他にいなかったことから、三成の人望の無さを痛感。後に三成から徳川屋敷への奇襲へ協力するよう要請された際もこれを拒絶し、妻の玉にも「三成から人質に取られるようなことがあれば屋敷に火を放て」と命じた。


演:橋本マナミ

豊臣家家臣細川忠興の正室で、明智光秀の娘。

敬虔なキリシタン。自害は教義に反することから、家臣にみずからを突くよう促した。


毛利一門

毛利家

毛利輝元

演:浅地直樹

広島城主。祖父は毛利元就。豊臣配下の大名で、老衆のひとり。


黒田一門

黒田家

黒田官兵衛

故人。豊臣秀吉の軍師として有名であり、後に福岡藩主となる黒田長政の父。

秀吉の関東征伐に従軍、小田原城に降伏勧告の使者として訪れ、みごと開城させる。

今作では名前のみの登場であり、きりに「なんとか官兵衛」と呼ばれる。


黒田長政

演:大神拓哉

黒田官兵衛の嫡男で、豊臣配下の大名。


諸大名

浅野幸長

演:斉藤マッチュ

豊臣配下の大名。ねねの義弟・浅野長政の長男。


蜂須賀家政

演:佐野功

徳島城主。豊臣配下の大名。秀吉の盟友・蜂須賀小六の嫡男。


藤堂高虎

演:日野誠二

豊臣配下の大名。


その他

吉野太夫

演:中島亜梨沙

大坂の名妓で、秀吉のお気に入り。

後に真田家の面々も彼女の厄介になることになるが、実は徳川方によりこっそり忍の者に成り代わられてしまっていた。成り代わった偽者は昌相に見破られて斬り殺され、本物の吉野太夫も京に軟禁されていたところを無事救出された。


出雲阿国

演:シルビア・グラブ

舞踊を生業とする、歩き巫女一座の長。

歌舞伎踊りを創始したことで有名な阿国の師匠に当たる人物。

記憶を失ったお松を引き取り面倒を見ていた。

演じるシルビア・グラブ氏は氏政役である高嶋政伸の義姉。(俳優・高嶋政宏の妻)


ルソン助左衛門(納屋助左)

演:松本幸四郎

堺の豪商。

信繁に協力し、たかが国外に安全に避難する手助けをした。

彼が秀吉に献上した壺(ルソン壺)は、南蛮で市販されているごく普通の壺を高級品と偽って高値で売りつけた物であり、彼はそうして手に入れた金で堺きっての豪商にまで上り詰めた(彼曰く、「これが私の戦」)。しかし、それは「弱き者を助けたい」という彼なりの確固たる信念に基づくものであり、決して私利私欲のための行動ではない。

ちなみに、中の人はかつてNHk大河ドラマ黄金の日日」で同じ役を演じたことがある。


長兵衛

演:木之元亮

九度山村の村長。

当初は罪人として上田から流された昌幸・信繁父子を忌み嫌い、早急に村からいなくなることを願っていたが、真田父子が徳川軍を二度も撃退した名将であることを知り、隣村との争いのため戦の仕方を教えてもらうよう館を訪れる。

昌幸の死後、「真田紐」の製造・販売の研究を信繁から持ちかけられ、利益の一割を信繁に渡すことで交渉を成立させ、村の財政が潤ったことを信繁に感謝、村から逃亡した幸村(信繁)を見逃す。

なお、演じる木之元氏は「真田太平記」において真田幸村(演:草刈正雄)と苦楽をともにした侍役で共演しており、実に30年ぶりの共演となる。


余談

  • 戦国時代という、ともするとハードでシリアスな展開になりがちな題材を扱った本作だが、脚本担当の三谷幸喜氏特有のユーモアセンスも遺憾なく発揮されており、ギャグやコミカルなシーンも多い。(勿論シリアスなシーンが無いわけではない。)良くも悪くも「三谷節」全開の作品に仕上がっている。
  • オープニングの流れも従来の大河ドラマと大きく異なる。冒頭パートがなく、オープニングの最後にサブタイトルの表記、そしてナレーションによる今までのあらすじから始まっている。テーマ曲は三谷作品でおなじみの服部隆之
  • ナレーションは有働由美子アナウンサーが担当。劇中では武将の死が有働アナの淡々としたナレーションだけで済まされてしまうことも多く(通称:ナレ死)、「有働アナはナレーションだけでどんな戦国の猛者でも葬り去ることができる」「有働アナこそ真の日本一の兵」などとファンからはネタにされている。ただしこれは「主人公が見てこなかったものは描かない」という、脚本の方針のため。
    • この反響を有働アナ本人も把握しており、出演している朝の情報番組「あさイチ」のブログで「私が殺ってるわけではない、あくまで三谷幸喜さんの作なのですが、嘆願などをいただくにつれ、申し訳ない気持ちが芽生え、罪悪感さえ生まれております」とのコメントを発表している。
    • なお、このナレーションを完全回避した戦国武将服部半蔵正成片桐且元だけである。(とりは厳密に言うと、ナレーションの第一発言を途中で遮り、訂正させている。対して半蔵はナレーションそれ自体が無かった。)
    • 果ては最終回にて、「(信之が命をつないだ)松代藩はその後、徳川幕府崩壊のきっかけを作った天才兵学者・佐久間象山を生み出すことになるのだが、それはまだ、遠い先のお話である…」と、まさかの「ナレ倒幕」を果たした。
  • 劇中において、背景や大名の勢力図などを説明する際に使用されるCG映像は、歴史シミュレーションゲーム『信長の野望シリーズ』などを手掛けるコーエーテクモゲームス(作中ではシブサワ・コウ名義)が提供・監修を行っている。
    • そのことから、NHK出版によるガイドブック「大河ドラマ・ストーリー 真田丸 前編」ではコーエーのソフトである信長の野望シリーズや戦国無双シリーズの幸村が紹介されている。NHK出版の公式本以外にも、複数の出版社から公式ガイドが出されているが、その中には、他社のゲームである『戦国BASARA』の幸村の方が紹介されているものもある。これは幸村が同作の主人公として描かれている為である。
    • 主演の堺雅人は、かねてよりコーエーテクモゲームス社の『三國志』シリーズのファンであると明言しており、このドラマにおける幸村の槍さばきも、「戦国無双を参考にした」と明言している。
  • 信濃が舞台になっているため、長野県(特に上田市)でのロケーションが多い。このため、ご当地局であるNHK長野放送局は、放送開始の半年以上前から、ニュース番組なども駆使して積極的に宣伝・PR活動を行っていた。
    • 同じくNHKの旅番組である『鶴瓶の家族に乾杯』では6~7月にかけて『真田丸』とのコラボ回が放送され、石田三成役の山本耕史と稲役の吉田羊がゲストとして登場した。また、これより少し前には真田昌幸役の草刈正雄もゲスト出演しており、正月の『ブラタモリ』とのコラボ回では、主人公:信繁役の堺雅人も出演している。
  • 時代考証担当者である黒田基樹氏、平山優氏、丸島和洋氏が積極的に発言。Twitterでは半リアルタイムで考証の解説や、作中の描写と史実との相違の解説が入り、考証担当者とファンとの交流という、大河ドラマに新たな流れを生み出した。
    • 最新の考証が反映された描写として、「太閤検地で行われたのは土地の測量ではなく、単位の統一」「豊臣秀吉は秀次を切腹させる気は無かったが、心労から追い詰められた秀次が自害を選んだ」「大坂の陣で、徳川は最初から開戦を狙いにしたわけでは無く、片桐且元の空回りで事態が大きくなった」などがある。中には、考証に忠実な展開なのに、三谷氏による創作と勘違いされたこともあった。
    • 真田信繁が秀吉の馬廻りであったことも、近年の研究で再発見された史実である。
    • 作中の台詞は、当時の話し言葉の再現では無いが(現代語訳が必要になってしまうため)、「この時代に存在しない表現は使わない」方針が採られた。
    • 前作が前作だっただけに、きちんと時代考証に即した内容にし、なおかつ主人公無双のようなそれまでの大河で問題視されてた展開もしなかったことから、大河ファンからの評価も好意的。「花燃ゆ」最終回直後の予告編では「俺たちの大河が帰ってきた!」と多くの大河ドラマファンから歓声が上がった。一方で、「コメディを主体にする三谷幸喜脚本では軽すぎる」という批判も当初は見られたが、ところどころクスリと笑うことはあっても骨太な人間関係に基づいた話が展開されるにつれこれらの批判は見られなくなっていった。
    • また、「お前は長男(嫡男)なのだから」と言われ「なぜ私だけ...!」と不満を募らせる信幸(信之)の姿に、全国の長男長女たちから同情の声が上がった
      • お父上の名誉のために言うが、昌幸自身は信幸のことを高く評価しており、自分と行動をともにさせないのも自分に万一のことがあった際に信幸に類が及ばないようにするためである。それどころか昌幸は「戦のない時代に必要なのは源三郎(信幸)のような者じゃ」と薫にこぼすほど彼の力量を認めている。それ信幸本人に言ってやれよ...
    • 加えて、最晩年の耄碌していく秀吉とそれに振り回される周囲、そして秀吉に付き添う信繁の描写に親族の介護を結びつけ共感する視聴者が多数出現した。
      • なお、秀吉の耄碌ぶりは現代で言うところの認知症に当たるものとして作中では描かれていた。なお、この一連の描写は医史学の権威である酒井シヅ氏が監修したこれ以上ないほどリアルなものである

その後真田丸?

近年の大河ドラマの中でも異彩を放ったことで大きく盛りあがりを見せたことで、放送中、または放送後に真田丸を意識した、または影響を受けたと思われるものが多数見受けられる。


逃げるは恥だが役に立つ

ちょうど真田丸のクライマックス、大阪城偏と同じ頃に放送されていた。作品自体が気合の入ったパロディを頻繁に活用しており、特に注目を集めたのが最終回でどうみても真田丸の冒頭にしか見えないあらすじを用意し、劇中でも明らかに真田丸風のマップ演出が使われていた。

また、この作品のメインキャラクターであった徳川秀忠が上記の通り真田丸の最終回で偶然にもこのドラマのタイトルを実践してしまったことも話題になった。


真田まつり

真田家ゆかりの地で毎年行われているイベント。

特に真田家が長く拠点を置いていた上田真田まつりでは『真田丸』放送以後ほぼ毎年ゲストとして劇中の格好で出演している。


なつぞら

2019年4月から放映された連続テレビ小説。真田丸と共通のスタッフがおり、真田丸キャストも多数出演している。主人公なつが北海道で引き取られた家の祖父、泰樹を演じるのが昌幸を演じた草刈正雄でその孫の長女が後藤又兵衛、昌幸が良く通っているお菓子屋の大女将が昌幸の妻、そのお菓子屋の店主を始め北海道編で登場していた人達の中には信幸の盟友たちもいる(信幸の魂の名前をもじった人物や最終週では信幸本人も登場した)。東京編以降も秀頼公をはじめ、真田家臣豊臣がおり、真田丸の視聴者からすると彼らの転生ものでも見ているかのようなレベルで物語の隅々に登場している。


記憶にございません!

三谷幸喜の監督作で真田昌幸が出演。また、ティザービジュアルは真田丸放送毎にその回の名場面を丸絵としてネット上に上げていたKEI-CO氏が担当している。


半沢直樹(第二期)

真田丸や他の大河出演者も重要な役柄で多数出演している人気ドラマシリーズ。

第五話の信繁が演じる銀行員半沢と板部岡江雪斎が演じる帝国航空役員永田の対決が真田丸二十二話で繰り広げられた沼田の領土をめぐる裁定を彷彿させるものということで話題になった。沼田の裁定では信繁が様々な思惑が重なって最終的に勝利を江雪斎に譲る形となったが、今回は信繁が決定的証拠を叩きつけて不正を働く江雪斎を完全に下している。

また、半沢は「そんなこと百の承知」という、信繁が家康との最終決戦で言った名台詞も使用していた。

最終回直前では半沢が最大の敵である国会議員の箕部幹事長に土下座を強要されるシーンで「この小童ぁ! はよやれぇ!」と怒鳴られ、時代を越えて兄ともども小童扱いされる屈辱を受けた。なお、箕部幹事長役には小日向文世氏にもオファーをしていたらしく、もしこちらが実現していれば真田丸の信繁と秀吉の対決になっていたかもしれない。実は柄本氏も功名が辻で豊臣秀吉を演じており、そういう意味では実際の放送でも信繁と秀吉の対決は実現していたといえる。


以降の戦国時代を舞台とした大河ドラマ

真田丸は武田氏の滅亡・本能寺の変直前から始まる物語であるが、他の戦国大河ではこの辺りで中盤や佳境を迎えていることが多いため、バトンタッチするように真田丸を見ようとしたり、真田丸での出来事を照らし合わせたりする大河ファンも見受けられる。

おんな城主直虎

翌年の大河ドラマで、時代設定的には「真田丸」の冒頭と一部重複する

上記の通り、三谷氏からの粋な計らいからか大坂の陣の際に井伊勢に対して「彼方にも我らとは違う物語があるのだろうな」と幸村が語るシーンがあり、そのお返しなのか、「直虎」終盤には「真田が裏切っただと?!」と徳川首脳陣が動揺するシーンが挟まれている。

また、いろんな意味で話題になった「真田丸」の伊賀越えに対し、「直虎」の伊賀越えもやっぱり色々と癖が強いことになったため話題となった。

加えて、「直虎」本編の内容が「強大な大名たちの間で翻弄され、ついには一度家が潰れてしまう地方領主のお話」なだけに、「一致団結して、曲者すぎる父親主導のもと戦国の荒波でサーフィンする」真田丸での真田家の異質さが際立っている。また、他の大河ドラマにおける戦国武将の一族は親子仲・兄弟仲が極限まで悪いことが多いので、同時代の作品が公開されるたびに真田家の一致団結ぶりが際立つこととなった。


鎌倉殿の13人

同じく三谷幸喜脚本の大河ドラマ。

源頼朝役となった大泉洋をはじめ、真田丸でも活躍した俳優たちが多数出演している。

そして真田丸と同じく、大泉演じる頼朝は本作の信幸のような振り回され役に加え、自分も周囲を振り回すトラブルメーカー要素も兼ねており、案の定真田丸と同じようなタグが人気を博している

また、真田丸と同じく終盤にて次回作と関連させるシーンを登場させた。


どうする家康

本作で真田昌幸・信繁の宿敵として登場した徳川家康が主人公の大河ドラマ。

弱虫泣き虫鼻水垂れ、おまけにお腹も弱い」と本作以上に人間臭い家康が登場し、織田信長や武田信玄といった強大な戦国大名と渡り合う中で成長を遂げていく姿が描かれる。

一方の昌幸・信繁は、本作とは逆に家康にとっての強敵として描かれており、両者のコミカルな要素は一切排除されている。視点を変えて見比べるのもまた一興だろう。


これ以降の大河ドラマ全般

真田丸を発端に根強いファンを持つ名作が次々に生み出されていき、大河ドラマは新たなファン層を獲得することに成功。「真田丸」はその先鞭をつけた作品として長く語り継がれている。


etc...



関連項目

NHK 大河ドラマ 真田丸

丸絵

おんな城主直虎 翌年度の大河ドラマ。なお真田丸の作中でもそれと匂わせる発言が存在する。

新選組!鎌倉殿の13人…本作と同じく三谷幸喜が脚本を務めた大河ドラマ。

黙れ小童! 真田丸どうでしょう

戦国無双真田丸……本作とタイアップしたゲーム


花燃ゆ真田丸おんな城主直虎

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