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神の息吹満ちる大海。

それは星を滅ぼし、空を駆ける船を落とす——神の罰。


概要

ロストベルトNo.Lostbelt No.5
分岐基点時代B.C.12000?
異聞深度A+
場所大西洋
キーキャラクター十人の導き手
クリプターキリシュタリア・ヴォーダイム
章クリア報酬概念礼装「アルゴノーツ
シナリオ担当非公開

Fate/Grand Order』における、第2部「Fate/Grand Order - Cosmos in the Lostbelt -」第五シナリオ前編。副題は「神を撃ち落とす日」。


ストーリー

クリプターを束ねるキリシュタリアが制する異聞帯は神が残した巨大な遺物と、魔獣をも恐れない神を崇める屈強な民が暮らす世界だった。かつて栄華を極めたという文明の残滓。

置き去りにされた、あるいは棄てられたモノたちが流れ着く海洋。

その海の名はアトランティス。汎人類史において、失われた古代文明の一つに謳われた世界。

最大規模を誇る第5の異聞帯において、持ちうる最大の戦力で臨む激戦の末に綴られるその日撃ち落とすと称された「神」の命運とは———?


ゲームにおいて

かつてない苦境に立たされるストーリーを反映するように、ターン制限のあるバトルや耐久戦といった厳しいルールが適用されるクエストが多い。

マスターの身が幾度となく危機に見舞われるため、局面によってはマスターと分断された状態での戦闘もあり、その場合はマスタースキルはおろか令呪も使用できない。

さらに、殆どが海なのか、本編では初めて海面の上に立って戦闘する場面が一部登場する。

また、後述する「クリロノミア」を反映して一部の敵やNPCサーヴァントには特殊バフが入るのも特徴である。

前述の一部の敵には、名前に「オリジン」が付く敵(一体だけ例外有り)が混ざっている。

これらは敵勢力が生体兵器として投入しており、

クリロノミアの影響で身体の大半が鋼体化しており、メッキが剥がれたように身体の一部に元の体色が残っているのが特徴。

さらに、海中での適応能力を獲得しており、海中から奇襲を仕掛ける事も可能。


とはいえ、2部34章と違って所謂「壁ボス」と呼ばれるほどの難敵は存在しない。もっとも、これは後編にそうしたボスが待っているという予兆に他ならないが。


サーヴァントの配置について、今回は『船長による艦上戦』に焦点が当てられている。

敵防衛指揮官は自他ともに認める冒険野郎オデュッセウス。艦隊を率いてカルデアを追い、追撃戦はほぼ海上にて行われ、最終戦は船の上…という名の水宙両用艦ポセイドン(海中)で行われる。

味方でも、イアソンバーソロミューキャプテン・ネモドレイクら(2020年時点での)カルデア船長英霊の半数が登場。

その他登場サーヴァントも、アルゴー号船員やその子息・関係者、オデュッセウスの関係者、そして海神ポセイドンの一族が登場する。


登場人物


その他


その後の物語にて召喚されていたことが判明。


特徴

第五異聞帯・ギリシャ海洋

カルデア陣営が目指す中枢は大西洋の中心に位置する海洋巨大都市。そもそもアトランティスと名付けられたとおり、大西洋の中心にこのようなものが存在すること自体が汎人類史とは決定的に異なり、すなわち異聞深度が大きく、汎人類史を否定する人理もまた大きい異聞帯


地上と宇宙の通信を途絶えさせ、あらゆる宇宙観測を不可能にさせた原因たるここの空想樹は、磁場に弾かれていたあらゆる宇宙線を吸収し、地球からのマナも同じく吸い上げていた。

さらに他の空想樹との間でネットワークのように行き交っていたこれらのエネルギーが今、大西洋のこの空想樹に集中を始めている。


これが意味するところは、異星の神降臨のための魔術儀式に使うエネルギー充填である。

トリスメギストスⅡの分析では「世界災害」と称され、その規模はゲーティアによる人理焼却に匹敵するともいう。

しかも、彼らの計画で秘密裏に空想樹が伐採されたイギリス異聞帯の消滅が確認されれば、この最終計画の実行は待ったなし。そして実行されたが最後、汎人類史は完全に滅び、世界は入れ替わる。

この瞬間、カルデア陣営は一日の猶予も残されていない状況に追い込まれた。


人理修復を経て、これまでの異聞帯による経験を積み上げたカルデア陣営にとってさえ、それがどうしたと言わんばかりの地。これまで観測していたカルデアの者に言わせると、「これまで4つの異聞帯を攻略してきたのだから、ここが攻略困難であってもかならず突破する手段があるはず」という考えが通用しない場所。


出撃前にシオンが一言漏らしていた「今回は異聞帯を知ろうとすること自体が自分たちにとってマイナスになるかも」という指摘どおり、ここでは異聞を学ぼうとする姿勢は隙にしかならず、完膚なきまでに破壊しようとする決意がないと勝てない相手との戦いが待つ、問答無用の戦場である。


空想樹が完成していることや、これまでのクリプターの定例会議の会話から想像もつくが、異聞帯としても完成しているため攻略しようという試みがそもそも間違いで、ここには解決すべき問題というものが根本的に存在せず、すでに汎人類史よりも先のステージへ進もうとしている。


このギリシャが異聞帯となった汎人類史との決定的な違いは、オリュンポス十二神が人間と袂をわかずに生き延びたことである。滅亡を免れた神々は繁栄の果てに真なるオリュンポスを建造。必然、飛躍的な繁栄も神々の存在が直結している。


巨人」という脅威が去ったのち、主神ゼウスは神代を終わらせることなく暴走し、神々は

という2つの勢力に対立、勝利した後者がアトランティスの支配者となった。

以来繁栄を極めるも、彼ら6柱だけの力・価値観による進歩に限界が訪れた事で全く変化のない統治世界となり、世界から「行き止まりの世界」として剪定対象となった。



最大の異聞帯への突入を余儀なくされるカルデア陣営だが、ここでは中枢部の都市自体に入ることすら難しい地の利が立ちはだかる。シャドウボーダーは長時間海を渡れる設計にはなっておらず、虚数空間という「マイナスの海」を渡る設計になっていることから、地上の「プラスの海」を渡る性能はシャドウボーダーとは真逆のスペックを要するため、なおさら無理である。


しかもここは普通の(=現代の)海ではなく、神代の海

具体的には「エーテルと魔獣で満ちた、神の世界の海洋」という、汎人類史の人類の知識では到底渡れそうにない地域。そのため、虚数潜行の機能を搭載したまま神代の海を渡る技術を搭載するための準備を兼ねて、第2部4章ではインド異聞帯を攻略した。


このため海を渡れるようにはなったのだが、攻略には海を単純に渡ればいいような甘いものではなく、とりわけ突破を阻むのは3つの障害である「鉄壁のオリュンポス船団」「知覚外から飛来する流星の矢」「待ち受ける虚無の海神」。


キリシュタリア率いるこの異聞帯の軍勢は、明確に汎人類史の陣営を潰すための組織的・計画的な行動を取っているのがこれまでとの明確な違い。

今までの異聞帯は、「」達がカルデアの対処よりも己の統治を維持する事を優先しており、クリプター・使徒ともにその世界の実権や軍事力を握れてはおらず、結果主人公らカルデアの殲滅に全力を注げてはいなかった。


しかし今回はゼウスから軍事権限を預かったキリシュタリア主導の元、オデュッセウス指揮官による徹底的な軍備が敷かれており、事前サーチによってシャドウ・ボーダーがゼロセイルから浮上した瞬間すぐに集中砲火が行われる等、姿勢の一切が違う。


その猛攻の前に、カルデア陣営もノーチラス及びシャドウ・ボーダーを早々に半壊させられる被害を受けてしまうが、キャプテンが行った強硬策が功を成して、包囲網・捜索網から辛くも逃れる事に成功。

ようやく従来通り「各地を探索しながらの戦力&仲間集め」にシフトできる様になった。


これだけ巨大な異聞帯であるため、歴史の断末魔としてのカウンターで出現した汎人類史のサーヴァントも20騎以上という多さだった。しかし、その半数以上は中枢のオリュンポスへ到達できず、多くはカルデア到着の前に倒されて消滅、もしくは臆してしまい自主退去している。

加えて、彼らの現界に必要な霊脈は、先手を打ってサーヴァントを召喚させたのち、消耗したところを破壊されており、カルデア陣営が利用できないよう処分されていた。


一方、西暦以降の汎人類史では地上から魔力が失われ続けているのに対し、この世界は異常とも言えるほど濃密にそこかしこに魔力が満ちている。

その影響でノウム・カルデアとの通信が途絶するという苦境に置かれる一方、霊脈がなくても魔力によって戦闘時のサーヴァント一時召喚に不自由せず、サーヴァントにとっても霊基の維持が容易であるらしい。他の異聞帯と比べてもその魔力はスケールが異なる。


空想樹の所在地も大変に厄介で、海に開いた大きな空洞「虚ろの穴(ビッグホール)」の中心部を貫通しているうえ、オリュンポスはその頂上にあるとも言われている。そこに近づかねばならないのだが、周囲は他の海域と同じくただ海が広がっているように見えても、海流がコントロールされているため通り道は1つしかない。すなわち一見ただ広がっているように見える海は、その実カルデア陣営の進軍ルートを最終的に1つに絞り、防衛軍との全面戦争を避け得ないものとする、事実上の要塞である。


島々には、"欠陥品"であることを理由に中枢のオリュンポスから追放されたとされる人々が暮らしているのだが、すでに汎人類史より繁栄していると言われる片鱗を垣間見ることができる。

使われている衣服は、薄着かつ一枚なのに、それをためしにナイフで切ろうとしても無傷どころか逆にナイフのほうが傷んでしまう。温度調整機能も完備されており、汎人類史の視点からすれば機能性はかなり完全に近いだろう。


人々のバイタリティの高さも驚嘆に値し、まず寿命は平均800歳を記録。さらに、食料調達として強靭な魔獣の狩りが普段から行われるのだが、強くなければ生きられないロシア異聞帯でさえ屈強なヤガがライフル銃を使ってようやく仕留められるのに対して、ここの住民は高度な武器など必要とせず、それも苦もなくただの動物の狩りのようにやってのける。


しかもその社会は平和そのものであり、争いの種もない。ちなみにとある島には汎人類史のサーヴァントが営む酒場もあるのだが、現地住民はほとんど酒を飲まない。しかしこれも(心身ともに)健康であるから酔っ払う必要がないという事情らしい。


文明は、打ち捨てられた神殿に眠る神々の遺物「テオス・クリロノミア(毒性のない水銀のごとき液状のナノマシン)」を流用しているようだが、衣服の特徴で想像できるようにこれだけでも汎人類史の文明レベルの最先端を上回るものとなっており、桁外れの長寿もこれが寄与しているとみられる。


クリロノミアは本来神の鋼体を構成・補助するためにあるので、必然、神々それぞれに対応するバージョンがあり、それぞれ独自の機能を持つ。汎人類史の地球上にはない「元素組成金属」という分類にあたり、それはいわゆる「オリハルコン」と言える。


カルデア陣営もこれを流用してサーヴァントの回復や強化を行っており、現地の汎人類史サーヴァントもこれを使ってマスター不在でも活動はおろか宝具の発動を可能にさせる強化を施している事実上の万能薬。


その性質は「魔力供給も可能である擬似的な第二種永久機関」でありダ・ヴィンチちゃんをして感心させるものだったが、言い換えればオリュンポスの技術レベルは「擬似的な第二種永久機関を打ち捨てても問題ないほど高度なもの」ということになる。

だが、クリロノミアという名前自体は遺産を意味するものであり、ナノマシンに関しては次世代のものをついに作り出せなかったらしく、それが神々の限界であるとか。


原則的には安全で、暴走などによる過剰消費を防ぐリミッターも完備。ただし、ものによっては人間の霊基では耐えられないリスクがある。史実のギリシャ神話におけるイカロスを例にするとわかりやすいが「神々に近づこうとするものは罰せられるという確固たる法則」が存在するため。


そんな高度な文明も当たり前に馴染んだ人々の暮らしだが、それとは別にこの異聞帯ならではの特徴がある。それは、若者の何人かはオリュンポスを護る兵士に選ばれるのだという。選ばれることは名誉なのだが、それは使い捨てのコマとして扱われることを意味する。


実際、選ばれた兵士たちは、クリプター陣営のうちアトランティスの防衛を行っている一角の「鉄壁のオリュンポス船団」に属するわけだが、強化の手段として頭にクリロノミアを埋め込んでおり、この影響で既に人間性が失われている。それでも、追放者としての人生に比べれば神に奉仕できるため素晴らしいものであるという価値観が根付いている。


支配者に従う以外の生き方を知らない人々という意味では他の異聞帯にもケースはあったが、北欧異聞帯の人々なら死ぬことは一応怖いと考えているし、中国異聞帯の民なら支配者による攻撃があれば恐れる。


対してアトランティスの住民は皆殺しの仕打ちさえ神によるものであれば恐れなど微塵もなく喜んで受け入れる。それはかなり完全に近い「神の従属物」である。


そのため、捨てられた身分を理由として、十分な知識と裏腹に文明文化を高めようとはしない。個別の島ごとに社会は完全に隔離されているが、孤立しているのは地理上の理由ではなく人同士が手を取り合っても意味がないと住民自身が考えているため。

社会は平穏そのものだが、生活上で些細な悪口さえ誰も言わないのは、従属物として満ちたりているからで、嫉妬や挫折を感じておらず、他の人類史から見れば圧倒的に高い生命力を持つにもかかわらず覇気や活気というものがない。

さらに、捨てられたことを理由に「英雄になってはいけない」と考えており、彼らから反骨する思想など出てくるはずもない。

中国異聞帯は奪われることによって文明文化を忘れたが彼らは追放されたことによって文明文化を放棄しそれを向上させる必要性がなくなった形である。


では、その神が人間に対してどのような姿勢でいるのかだが、下記の解釈のようである。

  • 人に生きる価値はない あるとすれば、それは神に仕える者としてだ
  • 人に自由はない 与えられたものを全うする以外に価値はない
  • 人に意志はない それは、全て神々のものだ

さらに、オリュンポスから追放されたとされる人々については以下のように言い切った。

  • 廃棄された人間が村を作り、文明を興すことそのものが許されるべきではない

兵士が人間性を失う施術をされることなど当たり前の価値観であった。


そんな価値観の中、追放され島で生活する人々は、無意味な生死を数千年繰り返してきたらしい。見捨てられ、存在意義を無視され、オリュンポスへ帰る事を夢見て数千年、それを諦めてさらに数千年という途方もない時間を滅ぶことも出来ずただ生きる毎日だった彼らにとって、光を伴う神の砲撃は、自分たちをターゲットにしている=自分たちを認識してくれたという願ってもない瞬間である。それは、神々の争いの果てに一方の勢力がアトランティスの支配権を得てからというもの、徐々に人々にとっての神の概念が変わっていった果ての姿だった。


そんな民達の真実は人類に対する支配か共生か、その二派閥に分かれた神達のうち後者の側に立ってオリュンポスを去った者達であった。本来であれば汎人類史に近い価値観と言えたはずであったが、1万年以上もの長い時はアトランティスへと下った当初の理念を忘れ去るに至らせてしまった。


島そのものの誕生にも特有の事情がある。魔力がそこらじゅうに満ちているこの世界においては、「機能を停止した何らかの機械」が核になって島を形成したようだ。動植物も文明も、その核があってこそ生まれ、手ごろな大きさの残骸は武具や義手・義足という道具として、大規模な残骸があれば周囲に村ができたようだ。各地の島にある神殿もその残骸に建てられたものだという。その機械の正体とは、宇宙船


また、とある神によればオリュンポスは現状の支配体制がエネルギー効率としては悪い手段であるらしく、効率を重んじるならば住民が神から独立したほうがよいとのこと。


以上のようにこの異聞帯の困難さは今までに攻略した第1~第4までの異聞帯を遥かに超えるものである。もちろん今までに攻略してきた異聞帯も決して楽では無い困難なものではあったのだが、異聞帯の防衛ならびに敵であるカルデアの殲滅への本気度がまるで違う。


ただし、異聞帯陣営も完全無欠とまでは言えない面があり、マスターであるキリシュタリアが複数の直属サーヴァントと契約しながらも、互いに役割の違いがある点を差し引いたとしてもなお、各々の任務を優先するあまり、それ以外の事柄には踏み込まない姿勢が徹底している。

それは、ほんの少しファジーな対応さえしていれば解決できるような、それでいて仮にマスターへ危険が及ぶ事態が容易に予想されるトラブルであっても例外ではない。


また、ゼウスからアトランティスに許可された武装の使用指示を、オリュンポス側の者が勝手にハッキングする危険性を匂わせている点からは、命令のない状況であれば想定外のトラブルがたやすく起こりうる可能性を感じさせる。

総じて、横のつながりが全くない組織であるという弱点を抱えていると言えよう。


そして忘れてはならないのが、今回のシナリオはあくまで「空想樹があるオリュンポスへと向かう為にどうにかしてアトランティスを突破する」というものであるということ。

つまりこの絶海を走破したことによってようやく今までの異聞帯攻略のスタート位置に立ったということであり、そうして神々の住む地にたどり着いたカルデアにはさらなる困難が待ち受けている。


余談

島々の配置はりゅうこつ座を模しているのではないかという考察がある。りゅうこつ座は南天の星座でほ座、とも座、そして西暦以降に追加されたらしんばん座を合わせてアルゴー船を模したアルゴ座を形成する星座である。


異聞帯をクリアすると「空想切除」の文字が出てくるがこの章のみ「絶海突破」の文字が出てくる。


関連イラスト

神代巨神海洋 アトランティスセンシティブな作品センシティブな作品絶海


関連動画


関連項目

Fate/GrandOrder Cosmos_in_the_Lostbelt FGO 異聞帯 大西洋 ギリシャ神話   友情  冒険  アルゴナウタイ 憐憫


外部リンク

公式振り返り企画『Road to 7』


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