概要
米西関係(べいせいかんけい、英語:Spain–United States relations、スペイン語:Relaciones entre España y Estados Unidos)は、アメリカ合衆国とスペインの国際関係の事である。両国関係の困難な歴史は「愛と憎しみ」の1つと見なされてきており、スペインはNATOによってアメリカと緊密な同盟関係にある。現在アメリカはスペイン国内に海軍・空軍の軍事基地を維持している一方で、スペインはアメリカ国内にそれを保有していない。
両国の比較
国名 | 政体 | 首都 | 国土 | 人口 |
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アメリカ合衆国 | 大統領制 連邦共和国 | ワシントンD.C. | 962万9091平方キロメートル | 3億3491万4895人(2023年12月) |
スペイン | 議院内閣制 立憲君主国 | マドリード | 50万5944平方キロメートル | 4844万6594人(2023年10月) |
歴史
初期
1783年2月に外交関係を樹立し、同月にウィリアム・カーマイケルが最初の駐スペイン大使となった。1775年4月に開戦したアメリカ独立戦争では、スペインはフランスと共にイギリスに宣戦布告し、この戦争でアメリカに物資と弾薬を提供した。1783年3月にスペインはアメリカの独立を暗黙の内に承認し、同年9月にパリ条約が締結されて独立戦争は終結した。
米西戦争
1898年4月に米西戦争が発生し、同年8月にアメリカはスペインを破って勝利した。この戦争でスペインは植民地を喪失した事で国力が低下し、新興国であるアメリカに呆気無く敗北した事もあって、ヨーロッパでの国際的な地位・発言力を同時に失った。同年12月に形式上の平和条約であるパリ条約が締結され、アメリカはキューバ・プエルトリコ・グアム・フィリピンを獲得した。
第1次世界大戦・それ以前
1936年7月に開戦したスペイン内戦では、アメリカは中立を維持してどちらの側にも武器の販売を禁止した。連邦議会はほぼ満場一致で禁輸措置を支持し、アメリカのフランクリン・ルーズベルト大統領は静かに左派の共和派を支持した。しかしアメリカのカトリック教徒からの強い圧力によってルーズベルト大統領は中立の維持を余儀無くされ、スペインはナチス・ドイツとの関係にも係わらず、1939年9月に開戦した第2次世界大戦では慎重に中立を維持していた。
第2次世界大戦・その後
1945年9月に第2次世界大戦が終結すると共に、スペインは世界からの孤立による経済的影響に苦しみ、スペインは主にフランスの共産主義分子によって国際連合への加盟を阻止された。1947年3月に始まったソ連に対する冷戦に於いて、アメリカは戦略的に位置付けられた同盟国としてスペインを必要としていた。スペインのNATO(北大西洋条約機構)への加盟は、1975年11月にフランシスコ・フランコが死去した後、民主主義に移行した後の1982年5月に実現した。