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織太

おだざ

文豪ストレイドッグスの登場人物、織田作之助×太宰治の腐向けカップリング。
目次 [非表示]

『ひとつ心残りがある。友人にさよならを云っていない。この世界でずっと"ただの友人"で居てくれた男だ』


『……でもね、心残りもある。君がいずれ完成させるその小説を、読めないこと。今はそれだけが、少し悔しい』


概要

文豪ストレイドッグス」の織田作之助×太宰治の非公式カップリング。


読み方はおだざ または おだざい、おだだざ、おりだ等。海外表記ではodazaiが多く見られる。


関係

二人とも同じポート・マフィアに所属しているが、立場は幹部最下級構成員とかなり離れていた。しかし二人は紛れもなく「友人」同士であり、最終的には互いのたった一人の"ただの友人"となった。作者Twitterでは、「太宰の仲間や同僚は登場しても、友人が出てくるのは恐らくここ(黒の時代)のみ」と言われており、ある小説版では「親友」とも表記されている。

お互いがお互いに多くの影響を及ぼしており、その影響は周囲からの呼び名や一人称、容姿や生き方にまで至る。別の世界(後述)では相手のために命を賭す姿もあった、非常に関係性の強い2人である。


プロフィール(黒の時代時)


名前太宰治織田作之助太宰(本編)
年齢18歳23歳22歳
身長174cm185cm181cm
体重54kg77kg67kg
誕生日6/1910/26
異能力名人間失格天衣無縫
能力効果触れた異能力を無効化する5秒より長く、6秒より短い未来を予知する。
立場幹部最下級構成員
好きな食べもの酒、蟹缶、味の素カレー
好きなタイプ何も聞かない女性機転の利く女性
イメージカラーミッドナイトブルースカーレット
呼び方織田作太宰
一人称僕→私俺、私
声優宮野真守諏訪部順一
舞台俳優多和田任益→田淵累生谷口 賢志

(太宰、織田共に好きな食べ物、誕生日は史実の人物にまつわるもの)

織田は禁煙していたが喫煙経験があり、作中でも煙草を吸う場面がある。


呼び名に関しては公式Twitterや関係者でも織田ではなく織田作と呼ばれることが多い。


詳細

前述した通り、織田は組織の最下級構成員であり、仕事の内容は不発弾の処理、修羅場の仲裁、裏手の掃き掃除、猫探し、…といったマフィアらしからぬ雑用のような仕事が多く、本人曰く組織の「何でも屋」のようなものらしい。それ以前は殺し屋として名を挙げており、銃の腕前は超人級だったとされる、が ある日、とある本をきっかけに殺しをやめた。いつかはポートマフィアも辞めて海の見える部屋で小説を書くという夢を持っており、そのために現在は『人を殺さない』信条を持っている。

感情が顔に出ない性格に加え、度を越した天然でしばしば他人を困惑させる。


対して太宰は18歳にしてポートマフィア幹部という座についており、"歴代最年少幹部"の肩書きを持つ。その頭脳は超人級。この2年の組織の売上の半分は太宰によるものという程の実力者で、まさに"マフィアになるために生まれてきたような男"だった。また太宰には自殺願望があり、様々な手法で自殺を試みる。それもあって全身ケガだらけで、右目も包帯で隠されている。普段は飄々としているが、心のうちには計り知れない闇を抱えているという。



※当記事には重大なネタバレが多く含まれます


黒の時代にて


メディア/ 小説、アニメ



※以下、重大なネタバレ含む
















この物語は、織田と太宰が過ごした2年間、その最後の物語である。


「太宰治と黒の時代」は、2014年8月に発売された小説で、文スト小説シリーズでは2巻にあたる。

作中の大部分が織田作之助の一人称視点で進められ、2人にとっての大きな分岐点が描かれている。



プロローグ


太宰治と織田作之助と坂口安吾は夜な夜な酒場に集まり、酒を酌み交わす仲であった。

織田と太宰の会話は周囲が亜空間と化すほどツッコミ不在らしく、坂口は2人の会話に呆れながらも、深夜まで3人で談笑した。

もともとは織田と太宰の2人だったが2年前の龍頭抗争をきっかけに、坂口も加わった。


坂口いわく「織田作さんは太宰くんに甘い」らしく、太宰のツッコミどころ満載な話にも一切ツッコミを入れない。しかし太宰は、織田のこの掴めない天然的言動について『慣れるまでは大変だけど、慣れるとむしろ癒される』とポートマフィア首領の森にまで話している。また森は2人を"立場を超えた友人"と言い表した。


太宰が自分の存在に癒されてると初めて聞いた織田だったが、「太宰のことだ、適当な事を云ったのだろう。二十歳も超えた男が他人を癒せる筈がない。」と、本気に捉えなかった。


抗争の始まり

首領から直々に任された「行方不明になった坂口安吾の捜索」という任務の最中に何者からかの狙撃にあった織田は、犯人の逃げ道を塞いでもらうため太宰に電話をかける。その際太宰は、「織田作からの電話なんて珍しい」と楽しげであったが、最下級構成員が幹部に電話で手伝いを要請するのは如何なものかと気にする織田に対しては「そんなことは気にしなくていい」と快く要請を引き受けるなど、この2人が立場を介さない友人関係にあることがよく分かるシーンである。


路地裏にて

織田を狙撃した犯人、謎の敵組織ミミックによって窮地に追いやられた織田のもとに助けに来たのは、部下を引き連れた太宰だった。


太宰は「君は全く困った男だなあ織田作。君がその気になれば、こいつらなんかひと呼吸のあいだに殺せるだろうに」と、笑って手を差し出す。織田は現在『絶対に人を殺さない信条』を持っているためその実力を見せないが、本来は超人級の戦闘能力を有していた。その実力を知る太宰は、織田の組織内での扱いに不服そうにもする。しかし織田の前で敵を撃ち殺した際は「君の主義を曲げて済まないと思っている。」と、織田の信条を尊重し、謝った。(織田曰く、太宰が人に謝ることはほとんどない)


不意に二人は襲撃者の1人に銃口を向けられるが、太宰は襲撃者を歓迎するように銃口に向かって歩き出す。織田は太宰を止めようと叫ぶも、太宰はまるで聞こえていないかのように自分の額を指さしながら笑顔で敵の方へ歩み続ける。

太宰と銃口との距離を限界だと感じた織田の発砲によって、敵の銃弾は太宰の額をギリギリのところで逸れた。

織田は全て演技だったと笑って話す太宰に「そうだな」と一言いい背を向けたが、

"太宰が額に指を置いて銃口に近づいていく時の、泣き出す寸前の子供のような表情が、目の裏に焼き付いていた。"と語っている。


洋食屋にて

路地裏にて会した後日、2人は再び織田行きつけの洋食屋で会合する。織田が龍頭抗争にて拾った孤児たちの様子を見た後店舗に戻ると、太宰が織田のいつも食べているものと同じカレーを食べながら座っていた。マフィアにもかかわらず人を殺さず、出世にも興味がなく、孤児を養っている織田を太宰は「マフィアの中で1番変わっているよ」と笑う。

太宰の調べにより、談笑仲間の1人であった坂口がマフィアを裏切り敵側についた可能性が高まるが、

坂口が味方につくほどの組織ならきっと一筋縄では行かず、自分を死に追いやるだろうと太宰は嗤った。そんな太宰を見て織田は一瞬「お前がそんな風に考えるのは、ひょっとしたら____」と、自分と太宰の間にある深い溝を越えようとするが、太宰の携帯が鳴り会話は遮られ、そのまま2人は別れてしまう。


地下にて

太宰は自策により敵兵を捕縛することに成功したが、拷問前に暴れたとして部下の芥川が独断で殺害してしまう。

芥川への説教の中で太宰は「織田作は"正しさ"を持っているが、自分は"正しさ"から嫌われた人間だ」と話す。また暴力ばかりの部下にも「この分だと織田作ひとりで全部解決してしまいそうだ」と呆れて見せた。

頻繁に「織田作」という名前を出す太宰に、ひとりの部下が 「最下級構成員という立場にいる織田作之助が、太宰さんの友人として釣り合う人物とは思えない。」と発言した際には、「私と織田作が釣り合わないって?」と本気で驚き 呆れたように笑った。

先述した通り太宰は織田の真の実力を把握しており、そのようなことを言う部下に対して

"織田作は絶対に怒らせないほうがいい。もし織田作が心の底から怒ったなら自分を含むこの部屋にいる五人全員、銃を抜く間も無く殺される。本気の織田作はどんなマフィアより恐ろしい"

と忠告した。


対峙

一方で織田は自分と同じ異能力を持つ敵組織の長、ジイドと対峙する。ジイド率いるミミック(敵組織)は自分らにふさわしい死に場所のため戦いを求めており、自分を殺せるのは同じ未来予知の能力を持つ織田だけだと言う。織田はこのジイド達の持つ死の願望に巻き込まれる形で抗争に深く関わっていく。織田が人を殺さないことを知ったジイドは、織田を自分たちの戦場に引きずり出してやると宣言した。


そしてその後まもなくして、織田が保護していた孤児たちの命が、(織田が戦場に向かう理由を作ろうとした)ジイドらによって失われる。そのことに深く絶望した織田は、生きる意味を失い、自分はもう小説をかけなくなったと、ジイドの待つ洋館に赴く。


「織田作!」


死地へ歩きだした織田を呼び止めたのは太宰だった。

太宰は織田が何をしようとしているか察し、「マフィアの全兵力を結集する」「まだなにか裏がある」と必死に制止しようとするが、織田は「何かなどないよ太宰。もう全ては終わった。後にあるのはどうでもいいことだ」と、固い決意をみせるだけだった。

それでも太宰は「行くな。何かに頼るんだ。この後に起こる、何かいい事に期待するんだ。それはきっとある筈なんだ。」と続ける。そして太宰は織田に初めて"自分がポートマフィアに入ったのは、生きる理由を見つけるためだった"と打ち明ける。


そしてそれに応えるように織田も、「自分は小説家になりたかった」と、初めて太宰に自分の夢を打ち明けた。そして、その夢は既に潰えてしまったことも。

織田は再び歩き出し、太宰の自分の名前を叫ぶ声にも振り返ることはなかった。



助けに

太宰の制止を振り切りジイドの待つ洋館へ辿り着いた織田は、ジイドと死闘を繰り広げる。


一方その頃 織田を止められなかった太宰は、「組織として」でも織田を救うため、ポートマフィア首領・森鴎外のもとへ向かった。

森は太宰が求める織田の救出要請に対し、"最下級構成員である織田を幹部級を最前線に晒してまで救出する必要があるのか?"と問うが、太宰は「あります。あるに決まってる。」と断言する。

しかし、一連の抗争は全て森が計画したものであり、織田の保護する子どもたちが死んだのも、この計画のうちであった。それを理解した太宰は、「織田作が待ってる」と単身で織田のもとへ向かおうとするが、森に銃を向けられやむを得ず足を止める。

森は一連のこと、織田の犠牲も含めて、組織の長として正しいことをしたまでだと主張した、太宰も頭ではそれを理解していた。


「なのに君は何をそんなに怒っているのかね?」森の問いに太宰は黙った。

ほとんど初めて、太宰は自分の感情を説明できなかった。


ポートマフィアという組織の性質上、論理的には森が正しく、太宰が間違っていた。それでもなお、太宰は銃口に背を向け歩きだした。自分の制止を振り切ってまで、彼の元に行く合理的理由も利益も無いだろうと言う森に、太宰は返す


「首領 。確かに利益はありません。

私が行く理由は一つ。友達だからですよ。」


太宰は論理や合理性、利益を捨て、たった1人の友人を救けるため織田のもとへと向かったのだった。

_______________________________________


織田とジイドの闘いは決着がつく寸前であった。

全てを失い、ジイドと共に死に向かう織田だったが、たったひとつ心残りがあった。


「ひとつ心残りがある。友人にさよならを云っていない。この世界でずっと"ただの友人"で居てくれた男だ。この世界に退屈し、ずっと死を待っていた。」


織田の心残りは太宰だった。


織田は「あいつはあまりに頭の切れる、ただの子どもだ。暗闇の中で、私達が見ている世界よりもはるかに何も無い虚無の世界でひとり取り残され、ただ泣いている子供だ。」と太宰について話す。


あいつはあまりに頭が良すぎたのだ。

だからいつも孤独だった。


今では、その孤独に土足で踏み込まなかったことを、少し後悔している。



銃弾は放たれた。




救済

太宰が洋館を駆け抜け織田の元に辿り着いた時、織田は既に夥しい量の血溜まりを作っていた。太宰はすぐに致命的な出血だと悟るが、「まだ助かるかもしれない、いやきっと助かるよ」と目の前の現実を否定する。

織田は血に濡れた手で動揺する太宰の手を握り、"お前が求めている生きる理由はどこにもない、一生見つからない。お前は永遠に闇の中を彷徨う"と真っ直ぐに語る。それを聞いた太宰は

織田が自分が思ってるよりもずっと、ほとんど心臓の近く、心の中枢まで自分を理解していること"に気がついた。

そして太宰は自分はどうしたらいいのかと問う。


「人を救う側になれ」


この言葉こそが、今後の太宰の道標になるものだった。太宰は「何故判る?」と問うが「判るさ、誰よりもよく判る」と応えた織田の目には確信の光があった。太宰はそれを理解し、織田を信じた。


織田は青い白い顔で「カレーが食いたいな……」と呟き煙草を取り出すが、マッチを擦る力は残っていなかった。代わりに太宰がマッチを受け取り、織田のくわえた煙草に火をつけた。織田は煙草を吸い、満足そうに微笑んだ。太宰は織田の横に膝を落としたまま顔を天井に向けていたが、きつく閉じた唇は小さく震えていた。


アニメ版ではこの場面で、織田の手によって、太宰の右目に巻かれていた包帯が解かれる。


エピローグ

太宰は、横浜の とある海の見える墓地に並ぶひとつの墓標の前に、喪服に身を包み白い花束を抱えて立っていた。

「堅豆腐、食べてもらおうと思っていたのになぁ…」

太宰はかつて織田とした堅豆腐を食べさせる約束を思い、目を閉じじっと立ち尽くした。


その2年後、太宰は織田の遺言通り「人を救う」ために武装探偵社に入社し、孤児である敦を拾う。


余談だが、太宰が織田の夢について知っているのは「小説家になりたい」ことだけで「海の見える家で」の部分は知らなかったにもかかわらず、墓場は小説アニメ共に、海の見える場所になっている。



他メディア

アニメ黒の時代

アニメでは、第二期の冒頭4話(13~16話)にて放送された。

事前告知なしのサプライズ放送だったため、放送時は大変ファンをざわつかせた。


尺の都合上カットされている部分や脚本の改訂がしばしば見られるが、かなりこだわられて作られており、クオリティの高い4話になっている。

以下は特に印象的なアニメオリジナルシーン、演出


・太宰の右目に巻かれた包帯が織田によって解かれる演出。原作に無い描写だったが、その後舞台などにも取り入れられた

・太宰が倒れる織田に駆け寄る際、森に貰ったという黒い外套を脱ぎ捨てる。(この外套はその後焼いたという)

・織田が銃口に歩み寄る太宰を止めようと手を伸ばすシーンと、太宰が死地に向かう織田を止めようと手を伸ばすシーンは対になっており、1歩のところで届かずという動作も重なるように作られている。


2期ED曲である「風が吹く街」は、インタビューよりアーティストのラックライフが、織田と太宰2人のエピソードと自分たちを重ねて作った曲とされていて2人を連想させる歌詞が多く含まれている。以下一部抜粋


“君がくれた言葉は今も僕の中の

片隅に置いてある 大事にしまっている

いつも胸の中にある

何度も思い出しては 心で繰り返してる

その度力になる

風が吹くこの街で生きてるよ僕らしく

君に胸張れるように”


ScarletSky

岩崎琢作曲"ScarletSky"はジャズ調の劇中BGMで、黒の時代を代表するような曲。作中二度使用され、1度目は1話冒頭 太宰.織田.坂口の3人で飲むシーン。2度目は、4話冒頭 太宰が制止するも織田が洋館へと向かうシーン。歌詞は主に2度目のシーンを連想させるものになっていてる。また織田のイメージカラーが「スカーレット」なことも相まって、死にゆく織田から太宰へのメッセージともとれる。

以下、英語歌詞の和訳抜粋。※公式の和訳はサントラブックレットに記載

________________

あなたは彼処に私を見つけられるかしら?

高く染まりゆく赤

燃え上がるあのスカーレットの空に


もう放して

後悔なんてもうしてないわ

風の中に佇む私の命にキスを

愛ゆえに生き抜いてきたわ 私らしく

いつだってそう自分に言い聞かせてきた

‥‥

悲しんだりしないでね

追いかけてきてはダメよ

一人で行かせて

そっとただ私を見送ってほしいの

覚えていて あれが私のヘヴン

確かにあの空にあるの

そうよ 重ねてきた私の美しい日々はあの空に

__________________


OPとED


アニメ1期

OP...太宰がビルから落ちる描写、映画BEASTではこのOPでのシーンを模倣したようなシーンがあった


アニメ2期

OP...直接的な描写はないが、ファンブック(深化録)で太宰の目に光が映るシーンについて「(光が)戦いの記憶。その記憶の中には織田作の思い出もあるかもしれない」と語られている。


アニメ3期

OP...太宰がルパンのある路地裏に立っている

  DA等で描写される墓と装いが違うが、太宰が墓の前に跪いている。

ED...今までのアニメシーンを切り抜いた所謂MAD的なエンディング。太宰関連で切り抜かれたのは、全て織田に関連するシーンだった。


アニメ4期

ED…ラストに太宰がいつもつけているループタイをコイントスのように投げる。それだけだが、このループタイにも何か意味があるのかと一部で少しザワついた。(アニメオリジナルで織田の目がループタイと同じ青色になっていること等からの憶測が多かった)


黒の時代OP

…曲は「Reason Living」

 黒の時代中のカットでコラージュ的に構成されており、14話と15話で異なる。13話と16話にはOPはない。


黒の時代ED

…13話は「Reason Living」

14話15話16話は「風が吹く街」

エンディング映像はない。エンドロールの先頭は織田になっており、この物語の主役が織田作之助だとわかる。余談だが、DEAD APPLEのエンドロールでは登場人物の一番最後に織田作之助の名前が連ねてある。


CM

・YouTubeに上がっている16話次回予告CMでは、アニメ本編では惜しくもカットされた原作のセリフ「あいつはただの子どもだ」辺りを聞ける。(BluRay7巻CMも同様の台詞)



・KADOKAWAとのコラボカバー第2弾のCMでは織田作之助演じる諏訪部がナレーションをするが、その中で「ああ、お前もいたのか太宰」と、優しげな声が入る。


舞台 黒の時代


2018年に公演された舞台“黒の時代”は、アニメではなく、原作準拠に構成されている。

そのため脚本はほとんど原作通りだが、細かいニュアンスやキャラのイメージが少し異なる。


また死別シーンでは「カレーが食いたいな…」と呟き煙草に火をつける小説の演出と、太宰の包帯を取るアニメの演出どちらも取り入れられた。

完全なオリジナルシーンとして 死別後、太宰が一人バーのカウンターに座り、「堅豆腐、食べて欲しかったなぁ…」と泣きそうな声で呟くところに、織田作が現れ太宰の頭をぐっと撫で何かを呟く。という演出がある。この何をつぶやくかは、当の二人以外は誰も知らず、公演ごとに違うらしいが、最終公演では「後は任せたぞ」だったと明かされた。


裏話

・安吾と3人でバーのカウンターに並ぶシーンでは、多和田(太宰)が自分のイスを少し谷口(織田)側に寄せていたらしい。


・いつかの公演では太宰が織田の煙草にマッチをつけるシーンについて、1回でマッチがつかなかったらどうしようと心配する多和田に対し、「目の前で愛する人が死のうとしてるんだから、1度で火をつけられなくてもいい」と言ったが、本番で本当に上手く火がつかず、焦る多和田に谷口が微笑むと、多和田が溢れるように泣いてしまうというエピソードがある。


・谷口のTwitterには「幾分か、素敵だ……な。太宰。」という文言と共に太宰演じる多和田と背中合わせに座っている写真が投稿された。

多和田の方でも同じように背中合わせに座っている写真が投稿された。


(2023年3月現在では一部サブスクリプションで配信中)


深化録

アニメのファンブックである深化録では製作サイドの2人への見解が見られる。


監督を務める五十嵐の 太宰がよく口にする「心中」について、とりようによっては「心中」な織田とジイドから来てるのではという考察や、黒の時代後の内面の変化についてかたわらに織田がいるかいないかか全てではないかという宮野真守のコメント等、この他にも2人だけでなくそれぞれのキャラやストーリーについての裏話が沢山載っており、ファン必見の一冊。

また映画DEAD APPLESのファンブックである煙霧録では、「16歳時の太宰が織田へ感じていたことは?」という質問に「面白い奴」と答えている。


(舞台で太宰を演じた多和田はインタビューで、「今の太宰がいるのは、織田作という彼にとって欠かせない人物が居るからで、そこの二人の関係性が濃い。心からこの人のことが好きだったんだということが伝わってくるんですよね。」などと語った。)


本編では

死別から4年後の本編でも、稀に太宰が織田の存在を匂わせるシーンがある。以下抜粋して紹介。


 ・アニメ24話(二期最終回)(原作317話)

ポートマフィアの古参である広津に「それほどまでにこの横浜を大切に思っているのは何故か」と聞かれた際は

古い友人に言われたんです、どうせなら人を救う側になれ。その方が幾分か素敵だ…とね、」と微笑む。

原作では広津と話しているシーンはあるが、織田の話題は出てこないためアニメオリジナルシーンとなる。


・単行本9巻34.35話 / アニメ23話

殺し屋として人を殺してきた泉鏡花の「私には探偵社に入る資格はない」という旨の発言に

気に入らないな。"元殺し屋に善人になる資格はない"……君は本気でそう思っているのか?

と織田と同じように殺しの才能と殺し屋という経歴を持ちながら、自分は善人になれないと考える鏡花が本気で気に食わないという様子を見せた。(後述の「稀にみせる青年の顔」)

原作では眉をつりあげ、怒りともとれる表情をしている。


アニメ漫画共に、織田作が思い起こされる演出が入り、(恐らく遺品の)マッチ箱を手にしながらの台詞だった。


・原作26話(7巻)33話(8巻) アニメ19、22話

かつての友人坂口安吾との再会…だったが、自分と織田を裏切ったことには変わりない坂口に対し

「善く来たねえ安吾、どうして思ったんだい?

私が君をもう許していると」

と冷たい表情で銃を突き付けた。

この時の表情について朝霧は"かつて誰にも見せたことないほど冷たい表情"と語っており、原作の表情は特に怖い。


その後、太宰と坂口は2人で車に乗り、話をする…がそこに1台の車が衝突する。この事故で安吾は全身包帯巻きの大怪我を負ったが太宰はほとんど無傷だった。これは不慮の事故ではなく、太宰が事前に坂口のエアバックだけ開かないように細工して意図して車をぶつけたというものだった。坂口にこれを言及された際太宰は黒い笑みを浮かべた。


(坂口と太宰の関係は、織田の一件以降険悪な関係にある。太宰にとっては織田作が死ぬ原因を作った1人なので、その恨みは今も残っており、許すことはできていない。坂口も太宰の静かな怒りを感じ取っているようだ。【煙霧録より】)



・原作30話(8巻)アニメ21話

森に自分が買ってあげたコートはまだ持っているか と聞かれた際、「もちろん 焼きました」と返す。

朝霧がTwitterで「黒の時代を見てからだと 捨てました、の重みがやばい」などと呟いていたのを鑑みると、織田の死が外套を焼いた理由の一つだと思われる。


・原作53話(13巻) アニメ37話(3期最終回)

戦いが一段落つき、探偵社の船上貸切パーティでの太宰と敦の会話。敦が芥川と"人を殺さない約束"をした、というと

殺さずのマフィアか……」

「君も芥川くんも"あがくもの"、だね…。私たちと同じだ


織田の遺品であるマッチ箱を握りしめながらそう呟き、敦に乾杯を促す。そして


「何に乾杯するんですか?」

…ストレイドッグに

と、過去の織田と同じセリフを吐く。

なお原作では、「殺さずのマフィア、か……」の一言で、マッチ等の演出はない。


・原作77話

ドストエフスキーとの会話。「神は完璧と調和を好む」というドストエフスキーに対して「神はそんなもの毛ほども興味無い。何度も見てきた、あいつの売りは偶発と不条理だ」と返す。

そう言う太宰の脳裏には、かつての織田とジイドの戦いが思い返されていた。


DEADAPPLE

2018-3-3公開のアニメ映画

メディア→アニメ映画,漫画,小説


冒頭(黒の時代より2年前)

龍頭抗争にて。織田が孤児を保護している最中、無線が太宰に繋がると「太宰、どこだ!」と緊迫した声で呼びかけるが逆に「何をやってるか大体検討がつくが今すぐ逃げろ」と身を案じられる。


序盤(現在)


「s.oda」と彫られている墓にもたれかかり、織田の最期を思う。懐かしむような顔で回想に入るが、回想明けの表情は思い詰めるようなものだった。

( 回想中には、scarlet skyのピアノバージョンが流れた )


その後仕事に連れ戻すためやって来た敦が、太宰が寄りかかる墓に手を合わせる。


「中島敦くん、誰のお墓か分かってるのかい?」

「分からないですけど…太宰さんにとって、大事な人なんですよね?」

「……何故そう思う?」

「太宰さんがお墓参りなんて初めてみますから」


また墓に眠る人物に対して敦が

「太宰さんの好きな人だったりして?」

と言及するが

「好きな女性だったら一緒に死んでるよ」

と太宰はおちゃらけた声で返す。しかし少し間をあけると真面目な声で

「…友人だよ、私がポートマフィアを辞めて探偵社にはいるきっかけを作った男だ。彼がいなければ、私は今でもマフィアで、人を殺していたかもしれないね」

と、本当のことを話すがまたその後すぐに「嘘だよ」とはぐらかす。



中盤

太宰は、澁澤龍彦らと合流する前にバールパンへ向かった。


「今日は何に乾杯する?」


そう語りかけた隣の席にはアリッサムを挿したウイスキーのグラスが置かれていた。

公式ガイドブックには"アリッサムの花言葉には「美しさを超えた価値」「素直」「いつも愉快」などの意味がある。織田作の誕生花をグラスに添えた太宰の心中はどんなものだったのだろうか"と記されており、このアリッサムは太宰が挿したものだと判明した。


太宰はいつかの織田作との会話を回想する。

太宰の「林檎自殺」の話を聞いて白雪姫とシンデレラを間違えた織田に太宰は 「流石の私も予想していなかった答えだ、織田作と話していると飽きないよ」 と笑う。

逆に織田が「お前は面白いな」と言った時にも

「織田作ほどじゃあない」と楽しそうに笑った。太宰だけでなく織田も、太宰の柔軟な思考を楽しんでいるらしい。


程なくして回想は終わり、太宰はバーを後にする。


この場面で流れていた音楽は「Dear prince(=親愛なる王子様へ)」という楽曲で、以上の場面でしか使われていない。

以下、一部歌詞(翻訳機能を使った直訳)抜粋

※公式の和訳はサウンドトラックのブックレットに記載されているためそちらを推奨


 いつか私があなたのもとに戻ってきたら、

 どうやって私に優しくキスしたか教えてください

 長い放浪の旅、月の向こうの航海 私はまたあなたに会えると信じています。

 神のように美しいリンゴ 闇からの息遣い 赤い毒は私の至福

 いつか私が君のもとに戻ってきたら、

 あなたがどれだけ私を恋しがっていたか教えてください

 長い放浪の旅、月の向こうの航海 私はまたあなたに会えると信じています

 今すぐ私を連れて行って、親愛なる王子様へ


太宰が倒れる時にながれる「mein prinz」(私の王子様)、ラストシーンで流れる「安堵」もdearprinceと同じメロディーライン。


終盤

映画のラストシーンでは敦の「幾分か素敵だと思いますから」という織田の遺言と同じような台詞に、太宰は無事守り切った横浜に目を向け微笑む。


小説版

小説版では冒頭、無線で太宰の声が聞こえる場面で『親友の声が聞こえる』という一文があり、2人はしばしば "親友"と記される。


DEADAPPLE前日談

ゲーム 文豪ストレイドッグス迷い犬怪奇譚にて公開された、原作者の書き下ろし前日譚ストーリーでは、本編より6年前の竜頭抗争の様子が描かれる。


抗争中、荒れ果てた横浜の中のある宝石店で 織田は実行犯である澁澤龍彦に出くわす。が、持ち前の天然さが気に入られ、その場は特に戦闘にはならなかった。

澁澤が去った後、宝石店に駆けつけた太宰が「織田作。無事か?」と心配するも、無傷どころか「少し話した」という織田に「よく生きていられたね」と驚いた様子だった。


BEAST

文豪ストレイドッグスBEASTとは、映画DEAD APPLEの入場者特典小説として配布された朝霧カフカ書き下ろし小説。配布時は「黒の敦、白の芥川」というサブタイトルがついており、その名の通り 公式立場逆転 IF 物語として発表された。


しかし 敦と芥川の立場が変わるよくある ifと思いきや、その内容は界隈全体に大きな衝撃を与えることとなった。


※以下、重大なネタバレを含む














設定

以下の事実は、物語終盤で太宰の口から語られたもの。(複雑な設定なため、個人の解釈が含まれる可能性があります。)

この小説の舞台となる世界は、文豪ストレイドッグス本編の世界とは異なるものだった。

(省略すると)BEASTでは「1つの本当の世界」と「無限にある可能性世界」で世界が構成されている。本当の世界であり得なかった可能性(ルート)が、その可能性の数だけ"可能性世界"として存在している。ここでいう「本当の世界」がどの世界を指しているのかは定かではないが、特徴の多くが文豪ストレイドッグス本編と類似している。BEASTの舞台は、この無限にある可能性世界のうちの1つ。


また、可能性世界も現実ではあるが、『3人以上が以上の事実を知ると消滅してしまう』というような弱点つきの脆いものでもあった。


しかしBEASTの世界は「敦と芥川の立場が違ったらという可能性」を元から孕んでいた訳ではなく、"第三者によって意図的にそうさせられたもの"であり、その第三者とはBEAST世界での太宰だった。

太宰は、自身の"異能力無効化"という異能力を利用し、「本当の世界」の自分の記憶を受け取ることに成功した。

全ての記憶を持つ太宰は、4年(正確には6年)という歳月をかけて、ある目的のためにこの世界を守る計画を立て、本編とは全く異なる人生を歩んでいた。


[BEAST本編時の2人の年齢は、織田が27歳、太宰が22歳。(文スト本編と同じ年)]


太宰は4年前、18歳で首領の座につき、組織を拡大し続けた。結果その領域は横浜に留まらず、国家組織にも匹敵するほどの規模になった。この組織拡大を含めた"ある計画"のために太宰は4年前から一睡もしていないという噂すらあった。

片目に包帯は巻いているが、本編とは逆の左目に。執務室は襲撃のために1ミリも陽の光が入らない真っ黒な部屋であったり、本編で後輩として育てていた芥川や敦に対する態度をみても、いわゆる闇堕ちを連想させるキャラクター像になっている。



一方、織田は探偵社員として働いていた

2年前「青の使徒事件」(太宰が入社時に立ち会った事件と同じもの)をきっかけに正式に探偵社員となった。

ポートマフィアとは一切関係をもっておらず、本編では死の要因だったジイドらと対敵することもなかった。

探偵社はマフィアと違い健全な仕事だったからか既に仕事の合間にポツポツと小説も書いている。また織田はこの世界でも孤児を保護しているがその人数は本編の3倍の15人にまで達しており、芥川もその孤児を拾う癖により拾われた一人だった。

芥川は四年前、妹を預かると言って消えた黒衣の男(=太宰)を探し続け、探偵社に入りその男がポートマフィアの首領だと分かると1人ポートマフィアビルに乗り込んだ。しかし国家組織レベルのポートマフィアに手を出して無事ではいられないだろうと踏んだ探偵社は、芥川を助けるために動く。その中で織田は芥川が無事ポートマフィアから脱出した後の無事を確保するため、ポートマフィア内部の老人と話をつける役を担った。

しかし待ち合わせ場所である路地裏にある古い酒場に待っていたのは、老人ではなく、黒い外套を着た青年だった。



邂逅


「やァ、織田作、久しぶり。」

「1杯やるにはまだ早いかな?」


そこにいたのは太宰だった。

勿論この世界で2人は初対面で、織田は太宰のことを知らないので、作中では太宰が名乗るまでは、"青年"と描写されている。(この場面は織田の一人称視点で描かれる)


織田と友人だった記憶がある太宰は、その記憶と同じように、「織田作」と呼んだり、カウンターで隣の席に座るように促したり、いつもの様に乾杯をしようとしたが、織田はそのどれにも応えなかった。

織田にとって目の前の男は、あのポートマフィアに関係のあるであろう怪しい男でしかなく、「織田作」と親しげに呼ばれるのも不可解だった。

その様子に太宰も少し黙って酒を飲んだが、しばらくして堪えきれなくなったように、黒の時代でしていた「やっと不発弾の処理ができた話」や「食べさせてあげようと思っていた堅豆腐の話」をし始める。織田が内心困惑するも相槌を打つと、太宰は心底嬉しそうに笑った。

織田はそんな太宰の表情を

"少年といっても通るような幼さ"

"道に迷った少年が、自分の家をようやく見つけた時のような笑み"と表している。


そして太宰は、大事な話を忘れるところだった と織田が小説の新人賞に通った話をしだす。

これには織田も驚いたが、新人賞に通ったのはたまたまで、正式な誘いを受けているもまるで自信がないと話す。

太宰はそれにも「君に書けなければ、この世の誰にも書けない。私が保証する。」と激励するが、織田は「ありがとう。だがついさっき会った人間に保証されても、説得力がない」と素直に返した。

織田にとってはただの事実で、当然の事だった。

しかしその言葉に太宰は、グラスを持ったまま固まっていた。

"グラスを持った手も、少年のような表情も、呼吸さえ、凍りついたように停止していた。一瞬、ありえない想像をした。

____ 目の前の青年が泣き出すような気がしたのだ。"


しかし太宰はすぐ元の表情に戻りどうかしていた。忘れてくれ と言う。そう言った太宰の表情からは先程のような少年めいた幼さは消えていた。


織田は当初の目的だった、「芥川の救出」の話を切り出す、その話の太宰の発言で、織田は太宰がポートマフィア首領であることに気づく。織田はグラスを置き、懐から拳銃を取りだし、銃口を太宰に向けた。

太宰は何かをこらえるような顔で「銃をどけてくれ」と懇願するが、銃口は退けられなかった。

しかし続けて 「なりたくて首領になったんじゃない」「本当だ」と真剣な視線で話す。そのあまりの真剣さに織田も一瞬信じそうになるが、銃は退かれなかった。

織田がまた、この会合自体が罠かもしれないと疑うと、太宰は「君を罠にかけるなんて考えもしなかったよ」という。これも織田には本心に聞こえた。


「織田作。なぜ芥川くんをマフィアに招いたか、と聞いたね。」「それはこの世界を守るためだ


この世界は無数にある世界のひとつでしかないんだよ

太宰は訴えかけるような目で話し始める。

この世界は無数にある世界のひとつでしかなく、本来の世界で自分たちは、友人同士だったこと。この酒場でくだらない話をして過ごしたこと。

しかし織田はその可能性について考えてみるが、「仮にそうだとしても」と現実この世界で太宰が芥川にしたことを非難する。


"青年はなにか言おうとしてうまくいかず、言葉を詰まらせながらどうにか云った。


「織田作、聞いてくれ、私は」


「俺を織田作と呼ぶな」


「敵にそんな風に呼ばれる筋合いはない」

青年は急に、うまく呼吸ができなくなったようだった。表情が歪み、視線が空中に意味の無い図形を描いた。口が開かれ、閉じられた。目に見えない何かと戦っているのだ"


太宰はぽつりと「大変だったんだ」と呟く。しかし、計画の目的は言えなかった。しばらくの間、どちらも何も言わなかった。随分間があいた後で、太宰が口を開く。


君をここに招いたのは、最後にさよならを云うためだ。


さよならを云うべき相手がいる人生は、善い人生だ。そのさよならが心底辛くなる相手なら、云うことはない。違うかい?


太宰のその言葉に、織田はしばらく考え、その通りだと答える。太宰はほんの少しだけ安堵の表情を浮かべて席を立ち、銃口を見た。太宰は織田に、ここ以外の場所でならどこで撃っても構わないが、この店でだけは銃を使わないで欲しいと頼む。

織田はその頼みを聞きいれ、銃を懐に戻した。

「ありがとう」

太宰は少し微笑み、背を向けて歩き出す。


 「さよなら、織田作」


太宰は二度と振り返らずに店をあとにした。



終劇

ビルの屋上にて死闘を繰り広げた芥川と敦のもとに現れた太宰は、真実を話し始める。太宰は四年半前からずっと今日のこの状況は設計されており、芥川から妹を引き離したのも、敦の鍛錬も、マフィアの勢力拡大も全て今日のためだったという。そしてその全てはこの世界を守るためだったとも。

前述したように、太宰は自身の異能力無効化を利用して現実世界の自分の記憶を読み取った。

そのため太宰は、ギルドや鼠のことを知っており、それらからこの世界を守らせるために敦と芥川を育て引き合わせたという。


真実を話し終えた太宰は柵も壁もないビルの縁まで歩いた。そしてこの世界の最後の秘密である『3人以上がこの事実を知ると世界が不安定化し、消滅する可能性が高くなる』ことを話した。

そしてたった今敦、芥川、太宰でこの話を知る人間は3人になった。


「太宰さん、待ってください、まさか貴方は」

太宰は柵もなにもないビルの縁まで歩き、太宰のかかとは縁を超え、空へとはみ出している。

芥川はこの世界の消滅を阻止するのに、何故そこまで執着するのか問いかける。


「そうだね。……確かに私は、世界にそれほど関心がある訳でもない。消滅しようが知ったことじゃあない。他の可能世界の私なら、きっとそう云うだろう。でもね」

太宰が目を閉じ、懐かしそうな笑みを浮かべた。


ここは彼が生きて、小説を書いている唯一の世界だ。そんな世界を、消させる訳にはいかないよ


太宰が四年半、全てを懸けてこの世界を守ろうとしたのは、織田作之助のためだった。


風が強く吹き、太宰の体が後ろに傾く。

「ああ、ああ、ああ」 太宰は目を閉じ、夢見るような笑みを浮かべた。


「ついにここまで来た。待ちに持った瞬間だ。楽しみだ、本当に楽しみだ。

……でもね、心残りもある。君がいずれ完成させるその小説を、読めないこと。今はそれだけが、少し悔しい


太宰は赤い夕焼けの中、長い長い距離を落ちていく。

衝突の音は、屋上からは聞こえなかった。


太宰は四年半この計画のために今日まで生きてきた。そして最後に自分の死で計画を完遂させるつもりだった為織田にさよならを云いに行ったのだろう。本編に比べて遥かに孤独で大変な人生を送ったであろう太宰だが、織田にさよならをいえて云うことがないほど善い人生だったと言い切った。そしてその中の唯一の心残りさえも織田作だった。2人を語る上で外せないエピソードである。


太宰がビルから落ちるシーンには挿絵が挿入されている

その挿絵の内容は、微笑んでビルから落ちようとする太宰とそれを前にする敦と芥川、そして原稿用紙を前に頬杖をついている織田の写真だった。これがイメージ像なのか実際にあった写真なのかは定かではない。


その後も織田は、探偵社員として生きる。太宰の死後に織田が太宰について言及するシーンは一切なかった。

作中で四年半という言葉が繰り返されるが、実際のところ太宰が計画にかけた年月は六年で、16歳からだったと判明した(sideBより)


劇場版BEAST


劇場版BEASTでは、2.5舞台(文ステ)をやってきた俳優たちが演じている。黒の時代に続いて織田作はそのまま谷口だが、太宰は多和田ではなく田淵に変わる。


以下、2人関連で印象的なシーン


・澁澤に対抗するために中原に汚濁の発動を求めるが、汚濁を発動するということは太宰が中原を助けなければ死ぬということなので、中原は使用をためらう。

そんな中原を説得するために太宰は、「この世界を守る。そのためには中也もポートマフィアも失う訳にはいかない」と、自分が逃げない証拠として、自分の足をナイフで刺した。


・途中、ジイドのもとに向かう織田を太宰が止めようとする回想と、織田の死を太宰が看取る回想が入る。新しい要素として、死に際、織田が泣きそうな太宰の手にマッチ箱を強く握らせる。

回想(夢?)から覚めた太宰はハッとして、苦しそうな表情をした。


・バーで2人が介するシーンでは、Dear prince、Scarlet Sky が流れる。


・本作で「太宰のテーマ曲」とされているらしい「irretrievable memorie」は直訳で "取り返しのつかない思い出" であり織田のことを心残りにビルから飛び降りるシーンなどで使用されている。

また作曲を担当した岩崎琢はTwitterにて『この曲は"黒の時代"の曲であるScarlet Skyを逆回転にさせてつくったもので、「きっと太宰の記憶の中では、あの曲が形を変えて鳴っているのだろうと思ってね。』とツイートしており、

逆再生してみると、確かにScarlet Skyを連想させるメロディーがある。



キャストインタビュー


公開に際して太宰治演じる田淵累生と、

織田作之助演じる谷口賢志によるキャストインタビューが行われた。

そのインタビューがかなりアレだったので、一部抜粋して紹介する。

(谷口が文ステに出演したのは黒の時代のみで、黒の時代時の太宰役は田淵ではなく多和田だったので2人はBEASTでの撮影が初対面だった。)

おそらく全編読んだ方が早い↓

https://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1642047984


・田淵 :「DEADAPPLE」のときはミステリアスな一面が強くあったり明確な目的を持っていなかったりしていた太宰が、今回は“織田作之助を生きさせるためのifの世界線”ということもあって目的がハッキリしていました。


・谷口:織田作之助という役が大好きなのは、彼は自分の生き様をかけて太宰へと繋げているところなんです。「人は自分を救済するために生きている。死ぬ間際に、それがわかるだろう」という言葉を残して死んでいく……僕の人生もそういう風に終われたら良いなという気持ちがあります。


・田淵:太宰でも人間味のある部分があったり、織田作之助のことがすごい大好きだったり、たとえ“if”だとしても、織田作之助が小説を書ける世界線を全力で作っているんだなと。


・田淵:実は撮影中、織田作のことしか考えていなくて……


・田淵:織田作は太宰にとって生きるための根本的な存在だと思っています。僕自身の考えですが、たぶん織田作と出会っていなかったら太宰は死んじゃっている可能性が高いんじゃないかなと。2人が出会ったからこそ「黒の時代」以降のストーリーがあるんだと思っています。太宰にとっての織田作は生きるためというか、生きる意味です。


・谷口:織田作之助の人生というのは、すべて太宰に捧げる人生であり、太宰の人生も「BEAST」に全部捧げてくれている。これはなかなかないすごい関係ですよね。

こういうことを簡単に言っちゃいけないかもしれませんが、“愛する人のために死ねる関係”で成り立っているので、“どうして2人で幸せになれないのかな?”と思ってしまいます。


・谷口:小説家というものが1番素晴らしいとされている世界観の中で、何の目的もないとにかく死にたい太宰と小説を書くしかない織田作が出会う。本当はただバーで一緒に話したり飲んだりするのが楽しいのに、どうにもなんない2人の関係は何だろう……考えると泣けてくるね。


・谷口:僕(織田)はそれを受け取っちゃいけないですけど、小説が書けている世界を守るために命を何とも思わない彼の芝居を見ると、何とも言えない気持ちが込み上げてきます。


55Minutes*

大まかなあらすじについてはKADOKAWAのサイトから引用する。


盗賊捕縛の依頼を受けて探偵社の一行が訪れたのは、横浜近海を“航海する島”、スタンダード島。しかしそこでは今まさにテロリストの手により未曾有の異能兵器が起動しようとしていた。敵を追う敦の前にH.G.ウェルズという異能者が現れる。彼女は敵か味方か、迷う敦にタイムリミットは迫り……。そして真相へ辿り着く太宰に、黒幕の凶刃が迫る――!!大ヒットコミックスの原作者による小説版、待望の第4弾!

リンク



織田と太宰に関連する部分のみ言及する。

また、『太宰治と黒の時代』を読了した上で読むことを推奨する。

※以下、重大なネタバレを含む













本作では、『太宰治と黒の時代』に登場するミミックという組織でかつて大佐を務めていた男が登場し、その男はとある兵器を使ってある秘密を伝えようとしていた。だが、敦はその「秘密」を探ろうとするも真相には辿り着かなかった。かつて織田が戦ったアンドレ・ジイドの情報のみに留まらず、ミミックという部隊そのもの、そして彼らが横浜の地で死亡したという記録も存在しなかった。


大佐について言及した敦に対して、太宰は「見つかるはずがないよ」と不意に窓の外に目を向けて言った。「あの件は特務課が徹底的に抹消している。その死んだ部下の死亡記録どころか、街中で偶然映り込んだ写真ひとつさえ残っていないはずだ。そういう仕事は特務課は大得意だからね」


敦に「太宰さん、その人達を知っているのですか?」と問われると、太宰はその問いには答えず、机に肘をついて空のどこか一点を見つめた。そして、『その目は現実の風景ではなく、頭の中に残っている鮮やかな記憶を眺めていた』そうである。この文が記述されている次のページには、挿絵として、肘をつき頬に手をあてた太宰の描写が描かれている。そして、織田と思しき人物の後ろ姿も描かれていた。


「彼らは最期は満足して死んだ。掘り返さず、そっと眠らせておくべきだ」と言った太宰。そのときの太宰について敦は『太宰の瞳の中に、まっすぐ上る白い煙草の煙が見えた気がした。目の錯覚だろうか』と語っている。黒の時代では「ずっと昔に止めた」と述べていたものの、織田は元喫煙者であることから死に際にも煙草を吸っており、それに火をつけたのは太宰である。『まっすぐ上る白い煙』とは、おそらく織田の煙草の煙を指しているのだろう。

太宰はかつての友のことを、そして彼が死んだあの日のことを思い出していたのかもしれない。


太宰を拾った日

太宰を拾った日とは、「劇場版BEAST」公開の際、二週にわたって配られた入場者特典小説である。side-Aとside-Bの2冊にわたって構成されている。「あの人」と太宰が出逢った日の話。

(映画公開2022年1月に配布され、2023年11月に書籍化が決定。)


織田と太宰の名前がでかでかとプリントされた表紙から察せられる通り、"織田と太宰の出会い"の話になっている。朝霧カフカは2人の出逢いを描いた『太宰を拾った日』について、太宰の大きな「切り替えスイッチ」となった日の話とコメントしており、その通り双方の人生にとって大きな分岐点になっている小説。


二人の関係性を読む上で、必読と言っても差し支えないだろう。


(side-A、side-B について)

配布順がA→Bなので、その通り読むことを推奨する。

また、BEASTの入場者特典ということで「BEAST」及び「黒の時代」の知識は前提のものとされているので注意。




公式企画にて

▫️2016七夕(七夕といえば年に1度の巡り合いの日。誰か会いたい人はいますか?という質問に対して)(リンク)

「死んだ人間は戻らない。だから星に願ってでも会いたいと思う人間はいないよ。」


会いたい人について聞かれて死んだ人間の話をしているのは会いたいと言っているのと同義ではないかと界隈をざわつかせた回答だった。


▫️2017バレンタイン(リンク)

女性から大量のチョコレイトを貰った太宰だが、最後は(恐らくだが)ルパンで「やはりチョコレイトにはウイスキーが合うねえ」と一人、チョコと一緒に酒を飲んでいる。


▫️2017七夕(リンク)

日中から眠そうにして国木田に怒られる太宰、夜は眠れないらしい。夜になって七夕の願い事について話すが、願いなんて詰まらない。欲しいものなんて手に入った瞬間に失われることが約束される時限装置だよ、と否定する。しかし最後に「そうだねぇ、敢えて言うなら……夢を見ない夜、かな。」と返すと、国木田に 悪夢でも見るのか?と聞かれるが何も答えなかった。


前後の「手に入れた瞬間失うことが約束される」「今日は何に乾杯しようか」という黒の時代もとい織田作を連想させるセリフや、夢の話をしている時の太宰のアイコンが、本編で織田作を思う時のものであったりすることから太宰は4年経った今でも織田作の夢を見ているのではないかと言う推測が立った。





学園文豪ストレイドッグにて


公式が2017年から開催しているエイプリルフール企画、学園文豪ストレイドッグス(通称学スト)はいわゆる公式学パロ。キャラへの質問形式のこの企画だが、織田と太宰はファンも困惑する程の関係にある。以下はその抜粋である。


▫️2017(リンク)

2017は朝霧カフカ先生直々の執筆と明言されており、本人も久しぶりに織田作の台詞が書けて楽しかったとツイートしている。

【問二、好きな授業を答えなさい。】

太宰「面倒くさいから授業は別に好きじゃないんだよね

けど今日は合同授業の時に織田作とすれ違った。

あれは悪くないね。」


2017年のキービジュアルはおそらくこの合同授業が描かれており、すれ違いざまに笑って手を振りあう2人もしっかり描かれている。


【問三、今日の夕飯に何を食べたか答えなさい。】

太宰『んーーー面倒くさい。織田作がいるなら明日も真面目に学校に行かなきゃならないからもう寝ようかなぁ。けどお腹すいたなぁ…ご飯が来て欲しい…

ごはーーーん、おいでーーーー。』


織田『今日は肉じゃがを作った。考え事をしながら作っていたせいで少し多めに作ってしまった。仕方ないので、余った分は太宰のところに持っていくことにした。どうせ食事の準備が面倒だからと床の上でぐねぐねしている頃だろう。

太宰は昔から隣に住んでいる。冷める前に届けられるだろう。』


この世界での2人は昔からのお隣さんで、加えて織田の作ったご飯を一緒に食べる仲であった。





▫️2018(リンク)

【キャラクター紹介】

太宰治 : 趣味は自殺。入退院を繰り返して留年しているため、実年齢は不明。教育実習生とお隣さんなので、教育実習期間は真面目に学校に来ているようだ。

織田作之助 : 学園に赴任してきた教育実習生。担当は国語。好きな食べ物は混ぜカレー。太宰とは昔からお隣同士で、よく作りすぎたおかずを持って行っている。


【問一、自己紹介をしてください。】

太宰『太宰治だよ、楽に死ねる方法を探しているんだけど、なかなかいい方法が見つからない。

そればかりか、この間から織田作が教育実習生として赴任してきて、学校に真面目にこなくちゃあならない!朝も早起きしなくちゃならないから夜も早く寝なくちゃいけない。

だから教育実習期間は金曜の夜くらいしか夜更かしできないんだよねぇ。』


織田『俺の名前は織田作之助。友人は俺の事を織田作と呼ぶ。太宰とは家が隣なので家を出る前に薄い壁を叩いてから学校へ向かっている。

あいつは寝つきが悪いからそれで十分目覚ましになるんだ。』



【問二、今日は何をしていましたか?】

太宰『生徒会室に行く途中で学園長室に居る織田作を見つけたよ。森さんの横で先生らしく背を伸ばしていたのが少し可笑しかったから、帰ったらからかってやろっかなーって。どうせ織田作は今日もカレーを作りすぎるんだもの。そして作り過ぎたカレーを私に持ってくる!うふふ。私にはお見通しだよ。ん?そっか、

それじゃあ少なくとも今日はもう自殺できないのかぁ。』


織田『学園長室から校庭の桜が見えて、綺麗だと思っていたらその前を太宰が通って行った。桜の花弁を沢山つけていたが、何をしたらああなるのだろうか。……まあ、楽しそうで何よりだ。』


上記のやりとりは、2018年学園文豪ストレイドッグスのキービジュアルの状況で行われたと思われ、キービジュアルでは視線を交わす2人が見られる。


国木田(問ニ)

『今日は比較的平和だったな……教育実習が始まってからは、日々の悩みの大部分を占める太宰が遅刻はしないわ授業に出るわで、俺の予定もあまり狂わされることがないからな。真面目であることは良いことなのだが、どうにも理由が判らないので薄ら怖さすら感じている。相手があの太宰だからな。』


【問三、明日の予定を教えてください。】

太宰『「武装生徒会」の皆で桜を見るようだよ。

何か食べるものを作って持っていかなくちゃあならないんだけど、残念ながら私の部屋には蟹缶しかない!蟹缶持っていったら怒られるかなぁ。

う〜〜〜ん…ねぇ〜!おださくー!ちょっと手伝ってくれない〜?』


織田『週末の花見に向けて国木田先生と計画を立てる。ん?太宰が呼んでいるな。壁が薄いのも便利な場合もある。丁度カレーが出来たところだ、床の上でグネグネしているだろうから、持って行ってやるとするか。森さんが週末の花見に太宰も連れて来いと言っていたから、ついでに話をしてこよう。』





▫️2019年(リンク)

2019年以降は、織田本人は登場しなくなるので、太宰や他の人から名前が出る。

(キャスティングに関しては、その年にやったアニメや舞台で活躍したメンバーが選ばれがち)


【問一、自己紹介をしてください。】

太宰「毎度おなじみ、太宰治だよ。

楽に死ねる方法を探しているんだけどねぇ……

今はお隣さんが教育実習にきてるから、中々死ねないし、面倒くさい2人組はやってくるし…」


【問二、今日は何をしていましたか?⠀】

『太宰さんが川を流れていたので捕獲しました。「織田先生にいいつけますよ!」と叱って、武装生徒会に戻ろうと思ったらー……』


太宰朝隣から壁を叩いて起こされて、昨夜の残りのカレーを食べたよ。ゆっくり食べていたら遅刻しそうになったけど、滑り込みで間に合った。

お昼に川に飛び込んだら、敦くんに捕獲されたねぇ。あろうことか織田作にいいつけるなんて意地悪をいわれた!校舎に戻ろうとしたら『林檎自殺倶楽部』の二人に捕まった。此処には織田作もいるし、国木田先生は面白いし、武装生徒会も居心地は悪くない。私結構この学園のこと、悪くないと思っているのだよねぇ。』


後輩の敦にも"太宰は織田先生に弱い"と察されているらしい。


【問三、明日の予定を教えてください】

太宰『どうだろう。目を閉じて、眠って、目が覚めたら明日が続いてるとは限らないしね。この世界がひとつの大きな嘘なのかもしれないよ?

なんてね!明日もきっと、いつもと同じように壁を叩いて起こされて、一日が始まるに違いない。何の変哲もない青春を謳歌するさ。』


太宰にとって織田からのノックが日常となっているこの世界が、エイプリルフール限定のものだという寂しさを感じさせる台詞





▫️2020(リンク)

この年も、織田はいない…が、キービジュアルでは

織田によく似たぬいぐるみを太宰が抱えている。

(スピンオフ文豪ストレイドッグスわん!に登場するオダサクマンと酷似しているが…)


【問二、今日印象的だったことを教えてください】

太宰『ひと眠りしようかなと思ったら見たことのないぬいぐるみを見つけたよ。枕にしようかなーと思ったけれど、よく見たらお隣さんに似ていたから頭の下に敷くのもなぁと思い直した。

乱歩さんが、気に入ったなら持って帰っていいと言ったので持って帰ることにした。


お隣さん大好きムーブが止まらない太宰、後述するが、スピンオフの「わん!」でも太宰はオダサクマンの大ファンである。




文豪ストレイドッグスわん!にて

かないねこ によるゆるいギャグ漫画。

2人に関連する話を抜粋して紹介する。



#89 謎の文スト保育園(アニメ7話)

では織田作はいないが、織田作と似た見た目をした謎のキャラクター「オダサクマン」が登場する。

太宰先生はオダサクマンを「大好き」だと主張するが、生徒たちから大人がオダサクマンを好きなわけない!と言われてしまい、本当に好きなのに!とショックを受ける。

また芥川がオダサクマンのヒーローショーに行ったら太宰がいたり、オダサクマンの着ぐるみに幸せそうに抱きつく写真を見た乱歩(幼児)からは「幸せそうな先生~」と言われ、私服(?)もアニメでは帽子、Tシャツ、バッグ、缶バッジ、キーホルダー、ぬいぐるみと全てがオダサクマンなところを見ると相当な強火オタクだと思われる。

公式グッズでも、度々太宰先生がオダサクマンのぬいぐるみを幸せそうに抱きしめているイラストが見られる。


https://j-hobby.net/kako/item/546394.html


https://j-hobby.net/mate/608055.html


#36 黒の時代回(アニメ11話)

坂口との会話で 怒ってばかりいないで少しは織田作を見習いなよ〜、ねっおださくと織田のほっぺをつつくが当の織田は「太宰、指が当たってる」と言うだけで特に咎めず、坂口のツッコミたい欲が溜まるだけだった。


太宰が聞くからに不味そうな料理について話すのに坂口がドン引きしている一方、織田は「美味くないのか?」と言うので どこにそう思える要素があったのかと坂口が聞くと、

どこにってそれは、太宰が美味いと言ったからな。それだけだ。」と大きな信頼を見せた。その言葉には太宰も少し驚くような表情だった。


ちなみにアニメ前話の10話では探偵社員で楽しく花火をみる中、太宰が「散るならあんな風に美しく散りたいなあ 」と神妙な顔をして終わる、織田のことを思い浮かべているのかもしれない。


他 #64 、#121、#138、#153なども黒の時代回で、坂口含めた3人でキャッキャしている。





迷い犬怪奇譚にて

文豪ストレイドッグス迷い犬怪奇譚とは、スマホパズルアプリゲームである。


▫️2019年1月1日新春記念賀正スカウトにて


[賀正]太宰memo:新年を迎え和服を着る太宰治。自殺に失敗し続けまた生きながらえてしまったと嘆いているが、織田作と何時ものバーに行く約束を取り付けたので今日自殺するのは諦めたようだ。


[賀正]織田memo:新年を迎え和服を着る織田作之助。普段は気ないわ服に戸惑いを感じつつ、太宰に誘われいつものバーへと赴いたようだ。明日の昼はカレーと決めている。


太宰

「やァ織田作、今日は君も見慣れないものを着ているね。うふふ、此のまま何時ものバーにでも行ってみようか」

サブスキル1:今日は何に乾杯する?

サブスキル2:一緒に自殺方法考えてくれ給えよ


織田

「太宰に何時ものバーに誘われたのだが……正月休み、ではないだろうか。まぁ行ってみるか」

アクティブスキル1:飲み過ぎには注意、だな

サブスキル1:またこうして偶に飲めるだろうか



▫️2019年1月19日冬服スカウトにて

[冬服]太宰:寒い日もふらりとサボることが多かったが、教育実習生である織田作之助の目もあるため、きちんと出席しているようだ。


[冬服]織田:武装生徒会の太宰とは昔からの知り合いで、住まいが隣同士のため、世話を焼いている。

学園文豪ストレイドッグス系のスカウト。スキル名では「やァ、おはよう織田作」「嗚呼、おはよう」と会話している。スキル発動モーションでも、校門前に立つ織田が登校してきた太宰に笑顔で挨拶している様子が見られる



▫️2019年2月5日黒の時代スカウトに[黒の時代]太宰治と[宿命の時]織田作之助のカード(どちらもボイス付き)が追加される。


[黒の時代]太宰治紹介文は

織田作之助の最期の言葉を受けとった太宰。隠れていた右目には、何が見えているのであろうか。というものでカードイラストも紹介文に沿っている。


リーダースキル:どちらも同じなら……

アクティブスキル:判った。そうしよう

サブスキル1:莫迦だよ織田作……

サブスキル2:……何故判る

ゲームクリア時「人を…救う側に…」

ゲームオーバー時「すまない、織田作…

ホームボイスは「織田作……私にとって、君は大切な友達なんだ……」等

(ゲームクリア、ゲームオーバー、ホーム台詞は、本編にはない台詞。)


▫️2019年9月19日 DEADAPPLEスカウトにて[追憶]太宰治が追加された

映画内の織田の墓に寄りかかる太宰カード

memo:墓に背を預け、過去に思いを馳せる太宰治。「嘘だよ」と太宰の口から否定された、中島敦に語った過去、本当のことを知っているのは太宰だけである。

リーダースキル:海の見える墓地で

サブスキルの効果は、チームに織田作之助がいると発動する。


▫️2019年7月19日夏の休暇スカウトにて

太宰、織田、坂口の3人で夏の休暇に海にきたというストーリーのカード。織田は海を前にリラックスしながらも「友人が入水自殺を図らぬよう、静かに見守っている」らしい。ホームボイスでも「太宰、あまり沖に行き過ぎるなよ……戻ってこられなくなるぞ」と確かに見守る様子だった。


▫️2020年4月6日新学期スカウトにて

教育実習生の織田のカードが実装された。ホームボイスで「今日、生徒に織田作先生と呼ばれた。何処からその渾名が広まったのやら……」とあるが広めた犯人など一人しかいないだろう。

「であるからして…こら、余所見をするな」スキルモーションでは、授業中桜に気を取られ余所見をする太宰の頭を教科書でポンと叩き、ため息をついていた。とてもかわいい。


▫️2020年11月26日灯火の降誕祭スカウトにて

双方のサブスキル2で「贈呈品はあるかい?」「太宰の分はないな」と会話


▫️[醒めぬ夢]太宰治と[在りし日]織田作之助は、どちらも迷い犬フェスで実装された、同じ路地裏で2人で映ったカード。対になっているようなカード。



その他


【文豪ストレイドッグス大博覧会の太宰治のキャラ紹介(朝霧カフカより)にて】

"太宰は「精神年齢二千歳の仙人」とされ、見せる感情が本物なのかどうかすら誰にも判らない。

そんな太宰がごく稀に真っ当な「人間」を見せる瞬間が、自分と同等の超人と会話する時。そして、死んだ友人について語る時である。"と記されている



【DEADAPPLEとアニメイトのコラボ企画】

では、階段の壁に、階段を昇る人を応援するキャラクターの台詞と、そのキャラクターに関する"休日の過ごし方"が(朝霧カフカにより)書かれた。


太宰と織田の応援メッセージは

織田「そろそろ六階だ。よくここまで来たな。上りきったら、カレーでも食うか。


太宰「ほらあと一寸だよ。達成したからってカレーを食べるなんて以ての外だからね。なんのための痩身塾なんだか…


と、太宰が織田に呆れるような文面だった。なお、他のキャラクター達は別段会話はしてないと思われる。さらに朝霧による"休日の様子"にも、バリバリお互いの名前が出てきた。


《休日の太宰》

織田作の剃り残しがいつも気になるので、新しい髭剃りを買ってやりたいがいつも断られる

《休日の織田作》

太宰と電話すると相槌だけで二時間過ぎる


幾度も髭剃りを買ってやろうとしたり、仕事後にもバーで深夜まで話す上に休日も2時間以上電話をするというさすがの仲の良さが判明した企画だった。




【服装について】

太宰は、マフィア時代と現在では服装が異なる。

現在の服装は、

白地に青のストライプシャツ、砂色のコート

そして織田の服装は

黒地に白のストライプシャツ、砂色のコート

だった。


漫画を担当している春河35は


「織田作の黒シャツに白ストライプは実は朝霧先生の要望だったりします。多分お互い自覚なしにこの見た目になったのですが、結果的に後々太宰さんが真似したようなデザインになりましたね。


と話していたり、

アニメで織田作の声を担当する諏訪部も


現在の太宰は織田作のようなベージュ系のコートを着ています。期せずしてかもしれませんが、自分的にはグッと来ました。織田作の思いは太宰と共に生き続けていくのかもしれませんね。


…というように、シャツ、コート共に製作側も似ているという認識があるようだった。


また、太宰はマフィアを辞めてから、青色のループタイをしているがアニメでは織田作の瞳の色が、青色に変えられている。(原作では鳶色)

そのためか、二次創作ではこのループタイは織田作を意識してのものだったり織田作本人から貰ったもの、といった設定も散見される。




【公式イラストでは】


・アニメ主題歌を担当しているラックライフのアルバム特典では、背中合わせにマイクを握る(デュエットする?)楽しそうな2人が描かれている。


・与謝野晶子記念館とのコラボでは、実際の織田作之助が愛用していたとされるトンビコートを着て本を読む織田作とそれを後ろから覗き込む太宰が描かれている。


・映画DEAD APPLE公開の際開催されたアニくじでは、歩きながら楽しそうに織田作に何か話している太宰と、それに微笑む織田作が描かれている。

DEADAPPLE関連では他にもいくつか、同じように2人が仲良く話す様子が描かれているグッズがある。


・2016年の公式ハロウィンイラストでは、太宰.織田.坂口の3人の仮装姿が描かれており、太宰は狼男、織田は吸血鬼の仮装をしている。また翌年2017年のハロウィンイラストでは、太宰は昨年織田が着ていたのと全く同じ吸血鬼の仮装をしている。この歳のメンバーは太宰.敦.芥川.中原の4人で、敦も昨年太宰が着ていた狼男と全く同じ仮装をしているため、"救済の連鎖"つながりかもしれない。


・2017年ハロウィンのミニストップコラボでは、仮装する2人が見られるが、織田作は全身と右目に包帯を巻いており、太宰は普段から全身と右目に包帯を巻いている。更に二人は胸元にも全く同じリボンを付けていたため、謎にお揃いコーデになっていた。


・キャラクター達がそれぞれ花を持つイラストでは太宰は薔薇、アリッサム、竜胆を手にしていた。これは太宰、織田、坂口の誕生花。公式Twitterでは『黄色い薔薇のいくつかの花言葉の中でも「君を忘れない」をイメージして描いていただきました。』とのコメントが添えられている。


・アニメのBluRay&DVD box8巻の表紙は、太宰の包帯が背中合わせの二人を包み、織田はその包帯を握りしめ見つめている。


・原画集第二集は、太宰が表紙.織田が裏表紙で背中合わせに座るというデザインになっている。


【Twitterにて】

2022年1月23日、原作者と舞台俳優による謎のなりきりやり取りが急に繰り広げられた。

朝霧がTwitterで「ダサい靴下が集まる」という日常的なツイートをしたところ、(当時は映画BEASTの公開中だったこともあり)舞台で織田を演じる谷口が「幾分か、素敵だ。」と引用リツイートした。すると朝霧が

「あははは、見て見て織田作ぅ! この靴下、オレンジの生地に黒でムーミンのニョロニョロがびっしり描かれてるんだ! みんなこっち見てるんだよ! あはははは、気持ち悪いだろ織田作、ねえねえ見てよ織田作ぅ!」

…と、太宰風にリプライ。それに対しおよそ半日後、谷口も「そうか」と織田っぽく返答した。


突如として行われた原作者と舞台俳優による擬似会話に、Twitterはかなりザワついた。



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太宰治(文豪ストレイドッグス) 織田作之助(文豪ストレイドッグス)

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