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芹沢達也

せりざわたつや

芹沢達也とは、料理漫画『ラーメン発見伝』及び続編となる作品群の登場人物。人呼んで『ラーメンハゲ』。
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概要

ラーメン店『らあめん清流房』の店主。

眼鏡とスキンヘッドが特徴的な人物で、本作における主人公のライバルキャラクター。

フードコーディネーターとしても名を馳せており、ラーメンおよび経営に精通しており、自身の経験と持論に裏打ちされた辣腕を以て数々の功績を築き上げている。そのスタイルは徹底的なまでに現実主義であり、冷徹で皮肉屋。客を客として思わない思想どころか時として言動として出る事もある。


とある理由から能書きだけの半可通を『ラーメンオタク(ラオタ)』または『ラーメンマニア』と見下しており、前情報や先入観で見当違いな事をほざく者には顔を顰め機嫌を悪くする一方で、自覚的に騙しに行っている時に綺麗に引っかかっているバカに対しては「いいお客さんだ」と満面の悪い笑顔を浮かべる。

しかしキチンと舌を持ったラオタや、自分の理想を理解してくれるラオタのことは評価する等、態度は意外と柔軟。本人もかなりの「ラーメン馬鹿」なので「自分より明らかに劣る自分のデッドコピー」「未熟だった頃の自分を連想させる者達」への同族嫌悪なのかも知れない。また、自身も相当舌が肥えているため半端な麺は殆ど口をつけない……なんてことはせず、最悪の食い合わせのクソ不味い創作麺でもキチンと7割方は食べてからギブアップする等、グルメ漫画に登場するような所謂「食材を無駄にするグルメ気取り」な振る舞いはしない。


更に「良いものはいい」、「ラーメンは流石にガチの高級料理と比べれば格段に劣る」事自体はキチンと理解しており、自分の好きな寿司を10貫ずつ注文して舌鼓を打ちながら「本格懐石の板前からしたら独学でラーメン屋始めた自分なんてコスプレしたこけおどし野郎だ」と独白し、「ラーメンが好き」であることと、「ラーメンそのものの料理の格式としての位置」を分けて考えるなど独特の感覚を持っている。


他にも本人も「こんなもん自分で作ろうと思えばもっと美味く作れる」と内心思ってはいるのだが、それでも『中華屋 ほりでい』の"薄っぺらい普通のスープ×業務用の普通の麺×ただ焼いてぶち込んだだけの普通の具×特製といいつつちょっと味を弄っただけの普通の辛味を混ぜた普通のタンメン"」にどういうわけだか魅了されており、「大学時代から店を見かけるとフラッと入って食べてしまう、自分でもなぜだかわからない、好きだから好きだとしか言いようがない」と評し、そんな中の下なラーメンでも馬鹿にされるとムッとする。(その際、清流房の淡口ラーメンを評価され"わかっている客"である事を知り微妙な顔をしたり、逆に淡口ラーメンを酷評され"バカ舌"と内心毒付いていた直後ほりでいのタンメンが好きと言われて「ご同輩だったか…」とやはり微妙な顔をしたりしている)

実はインスタントラーメンもよく食べており、50年間チャルメラ一筋であるなど、良くも悪くも好きを貫くラーメンバカである。


そう言った姿勢は「独創的ラーメン」ではなく「民衆に広く定着するラーメン」という新しい目標を定めて以降顕著になっており、「「非凡なうまさのラーメン」は勿論いいものだがチェーン店で出されるような「誰でも作れる平凡なうまさのラーメン」が欲しくなる時もある」「何年も前から一切の進歩も見られず、明らかな耄碌を見せるかつての名人の作った古臭いラーメンだとしても、"その味が好き"な人間だっているはず、というか居る」「だからこそ、独自性ばかりに目を向けて、自分らの味覚にあったものだけを評価するのは増長と老害化に繋がりかねない」と上記のほりでいのラーメンを思い浮かべながら自戒する場面があるなど、それ以前の彼からは想像しにくい言動を見せることもある。


来歴

ラーメン屋になる前は妻帯持ちのサラリーマンだったが、脱サラしてラーメン屋になったことを機に離婚。

かつては理想に燃える料理人で、研究の末にたどり着いた鮎の煮干しを使った渾身の自信作「淡口(うすくち)らあめん」を完成させた。良い物なら必ず評価されるという自負のもと「淡口らあめん」一本で勝負し続けるが客足は伸びず、不渡りを出し廃業寸前まで追い込まれる。


そんな中グループで来店した若い客に「薄くてコクがない」「腹を満たすためだけのエサ」と酷評されたのをきっかけに自棄になり、「そんなに脂が食いたきゃこれでも食ってろ」と鮎の繊細な風味をぶちこわしかねないラード(豚脂)を大量に入れたラーメンを提供したところ、芹沢の思いに反してこれが好評であった。

そこで芹沢はラードに代わりニンニクを揚げた牛脂を使用した「濃口らあめん」を開発したところこれが評判となり、店は人気店となる(一流の芹沢が作っただけあって濃口らあめん自体間違いなくおいしいラーメンであり、芹沢自身の評価は低くそもそも彼の流儀に反した妥協の一品ではあるが、それでも最高峰の一品である)。


しかし、牛脂にかき消され感じられるはずのない「鮎の煮干しの香り」がすると評価する客たちを見て、「こいつらはラーメンじゃなくて情報を食っている」という結論に至る(一応、隠し味程度にはあるが相当敏感でないと感じ取れない。事実鮎の煮干しがすり替えられた際、濃口を食べながら鮎の煮干しの風味がないと気付いた客がおり、それをきっかけに話が動く回がある)。


それのみにとどまらず、自分のラーメンの理解者どころか不渡りという状況で融資まで頑張ってもらった信金マンの恩人にまで濃口らあめんの方を高く評価されてしまう(しかもあろうことかほぼありもしない濃口らあめんの「鮎の煮干しの香り」が鮮烈で他の風味と調和しており、芹沢の理想である「淡口らあめん」よりも美味しいと評価される)。芹沢の鮎の煮干しへの拘りを知っていたからこその思い込みであるのだが、渾身の自信作が否定された現実にひとり絶望。



(誰にも理解できない理想のラーメンに、いったいなんの存在価値がある!?)

クックックッ ハーハッハッハッハ!!



店を存続させるためには理想とは正反対のラーメンを作り続けなければならないジレンマから決別するため“客を信じる事を止めた”現在のようなリアリストへと変貌した。

とはいえ、濃口らあめんが淡口らあめんより10倍以上売れようとも他の支店でも淡口らあめんをメニューから絶対外さずに出し続けているように、「分かっている客を大事にする」理想者としての一面も残っている(濃口らあめんを頼む客は淡口らあめんを作る金を持ってくる家畜と看做している)。

そういう芹沢の振る舞いから「冷徹なリアリストに見えてビジネスという鎧で身を守っているロマンチスト」とも評されている。


主人公の藤本浩平とは濃口らあめんを巡り「美味しいラーメンではあるが牛脂で香りなんか飛んでしまっているからこれに鮎の煮干しの看板を掲げるのは誇大広告だ」と芹沢の本心そのままの評価をした事で一目置いており、何かとちょっかいをかけるが藤本の事は結構気に入ってる模様で、コンペなどでの対決を重ねながら彼に様々なヒントを嫌味と一緒に与え彼の成長を促している。逆に、藤本から自身の盲点をつくアドバイスがあった時は受け入れることも。

(上記の濃口に対して「完全に否定することはできないが、嘘はつきたく無い」と「葱油によるコッテリ感」と「流石に淡口には劣るが鮎の風味を感じられる味の組み立て」を組み合わせた葱鮎ラーメンを提示され、期間限定でメニューに加えている)


なお、勘違いされがちだが「単に濃口の方が好き」な客まで見下しているわけではなく、あくまで「濃口らあめんを食っときながらありもしない鮎の煮干しの風味を魅力としてドヤ顔で語るエセラーメンオタク(鮎含め他の厳選された食材の繊細な風味など吹っ飛んでしまっているのに鮎の風味がするというモノをわかった風な輩)」を軽蔑しているだけである。


さまざまな挑発や勝負などの紆余曲折を得た末に、六麺帝対拉麺タイムトンネルの対抗戦の最終戦の代打として出場したラーメンマスクこと藤本との最終決戦を迎え、「ラーメン界の店も客もレベルアップしてようやく、時代がオレに追いついた」とし、自身のらあめん人生の集大成「淡口らあめん 極」で挑む。しかし結果はワンサイドでの評価で圧倒的な敗北。流石に納得がいかない芹沢は猛抗議するも、審査委員長の有栖に藤本のラーメンの試食を薦められ、その意味を知った時上記の来歴を語り始める。


淡口らあめん 極は鮎の煮干しの旨味を最大限に引き出す為に「スープは鮎の煮干しではなく大量の焼き鮎から取った出汁のみに限定。 〆に薄口醤油タレにうるか(鮎の内臓の塩辛)を混ぜる」ととことん鮎由来のものしか使用しておらず、具も白髪ねぎと糸唐辛子のみを用いり、麺も北海道産の地紛を使った自家製麺によりスープとの自然な調和に拘った、など、とにかく考え抜かれたラーメンだったが、「適度なコッテリ感を与える為に垂らした鶏油(=バカでもわかりやすい味)」が鮎との完璧な調和をほんの僅か乱してしまっていた事を指摘され、客を信頼した藤本と対照的に客を信じきれなかった己を自覚。ついに敗北を認めた。




確かに、どうしてオレは鶏油(チーユ)なんか入れてしまったんだろうな?


藤本クンのラーメンには、一点の迷いも感じられない。自分がうまいものは、客だって、うまいはずだという信頼感に溢れている…


しかし、いや、やはり、オレは…客を信じ切れなかった…


オレの……負けだっ!



ただし藤本や周りの人間には「お前は客の恐ろしさを知らない、だからこその勝利だと言うことは忘れるな」と釘を刺されており、藤本も「自身がここまで上がって来れたのは貴方のおかげだ」と返される。その後、藤本が満を持して開店した店の開店祝い代わりにと彼のラーメンを更に旨くする方法を叱咤と共に授け、「自分にとって師匠とも言うべき存在だった」と涙ながらに頭を下げる藤本に見送られつつ去っていった。




らーめん才遊記

敵役、ライバル役だった前作と異なり、今回は主人公・汐見ゆとりの上司として登場。

自身の創作ラーメンを売る『らあめん清流房』のセカンドショップ『麺屋せりざわ』店長や、 フードコンサルタント企業『(株)清流企画』社長を務める多忙ぶりとなり、同時に表舞台で活躍する機会(実際にラーメンを作製して誰かを叩きのめす様な活躍)はめっきり減った。

しかし『ラーメン発見伝』と立ち位置は変わっておらず、悪態はそのままに社長として活躍しており、立場故かラーメンに限らないビジネスに関する箴言やオーナーの心構えなどを説いている事が多い。

この時自分にとっての師匠というべきラーメン職人である石原玄二郎や、右腕として信頼を寄せるも横領に手を染めて自身を裏切った元部下の安本高治なども登場した。


最終話では汐見の案内で前作主人公・藤本が開業した「らーめん藤本」に行く機会が発生。汐見自身、藤本のラーメンを食した事でこの道に進む覚悟を決めたとの告白に対し、自身も来店した経緯を語ると締め括りに「本物のラーメン屋だ」と最大級の賛辞を送り、二人して入店するところで物語は終わっている。


実写ドラマ版では『行列の女神』と言うタイトルの副題となり、女性(演・鈴木京香)に替わり、ハゲでは無くなっている。


らーめん再遊記

ついに筆頭主人公に抜擢。

しかし重度のスランプに陥り、これまであった覇気を完全に失うとんでもなく落ちぶれた姿を披露。

ミドルエイジ・クライシス(ある一定の分野で相応の地位にまで上り詰めた事で目標を失って迷走し始めてしまう中年にありがちな燃え尽き症候群の亜種)を患い、「新作と言いつつ自己模倣ばかり繰り返している」と評されるほどこれまでの創作意欲と熱意をめっきり失ってしまう。

結果、自身の創作ラーメン披露の舞台であった『麺屋せりざわ』の業績のみが低迷。


結果自身の嫌っていた不味くて古臭いラーメン屋に入り浸り、不味いラーメンに安心し満喫しながらダラダラ飲んだくれる醜態を晒していた。

しかし、見かねた武田のおやじに発破をかけられた事、進退をかけた決闘で勝利したこと、決闘で自分と対戦相手が出したモノの上位互換を汐見が出して見せたことで意欲を取り戻し、自分が様々なレッテルや立場に縛られていることを自覚し突然社長業を引退

「自分の好きなようにラーメンを作るだけのラーメンバカに戻る」と宣言し、自身以上のセンスを見せた前作主人公の汐見に社長を押しつけ「年を食って衰えた自分にはこれ以上自分の個性を突き詰めたラーメンは創作できない」「どんな独創的なラーメンを作るラーメン屋も必ず力を入れているオーソドックスな醤油ラーメンや塩ラーメンのような、万人に広く愛される普遍的な"ラーメンの形式(テンプレート)"を新たに見つけ出す」と最高のラーメンではなく新たなスタンダードの普及という新しい目標に邁進する事となる。(例えば豚骨ラーメンは他のラーメンに使う出汁の一種でしかなかった豚骨を煮込み過ぎた結果成立した「塩」「醤油」「味噌」に続く「豚骨」という味でありスタンダードである。そういうテンプレートを作ろうとしているということ)

そのためこれまでの様な「最高のラーメン」でなくても「普段食いしても飽きが来づらい」「マニュアルに従えばそこらのバイトでも作れる」様に効率化されたレシピや、「立地と客層的にこういうモノが欲しいはず、自分はそうだった」と普段あまりラーメンには使われない「土臭い根菜中心のラーメン」などの様な、マニア向けではないそこらの一見や、ピンポイントな需要向けのラーメンに対して「メニューとして正解」と判定するなどこれまでと判断基準が異なる。(コレまでは合否であったが今作では成否を判定している)


そして広く愛されるラーメンに繋がるヒントを得るため、人気ラーメンチェーン店でアルバイトとして裸一貫で働いてみたり、 大学で客員講師をしたり、休日には図書館に繰り出したりサウナや昼飲みを満喫するなど、大学生活を彷彿とさせる自由気ままな半隠居生活をエンジョイするようになり「ラーメン屋のアルバイトで上司に笑顔でヘコヘコし、仕事終わりに同僚と仲良く宴会する、外面だけはとんでもなくフレンドリーなラーメンハゲ」が爆誕

また、自分と違う視点を求めてか、たまたま出会ったラーメンYouTuberの青年「グル太」とちょくちょくつるんでおり、意外な着眼点の鋭さや、自身が(無自覚ながら)軽んじていたインスタントラーメン界隈の知識が深いなど見所のある若者として目を掛けている。(特にインスタントラーメン=乾麺系はまさに「万人に受け入れられる形」の典型であるため昨今のレベルアップした乾麺業界について「見落としていた」と素直に脱帽している)


が、丸くなったわけではなく平日の昼間っから飲んだくれてみて「世の労働者どもが働いている中飲む酒は美味い」と悦に浸ったり、ホテルに長期滞在してみつつ、窓から下界を見下ろして「蟻」呼ばわりして悪人面してみたり、バイト先での同僚の人間関係のトラブルを酒の肴にして気持ちよくビールを飲み干す、いがみ合っていた二人の社員の決戦の場の社内コンペでお互いがお互いを見直し、和解ムードになった途端「なんか面白くないな」と宣いラーメンカリスマの力量全開で殴り込み同点トップの二人を蹴散らしぶっちぎり優勝を掻っ攫う(正体を知る数人からは「ちびっこ相撲大会に貴乃花や白鵬が乱入して優勝したみたいなもの」と呆れていた)など外道節も衰えていない。


しかし、フリーになってあちこちを彷徨いたり普段関わりを持たなかった人達と旧交を温める中で少しセンチになる機会も増えており、濃口開発によって大繁盛になった際「濃口は鮎を使っていると書いてあるが風味が飛んでいる」事を指摘した上で何故そんなモノを目玉にし始めたのかを見抜き「(本当に作りたいラーメンが評価されるようになるまでの道のりは)これからだぞ」と激励してくれ、尊敬していた永友という人物が

自分の作り上げた伝統に対するプライドと、ブランドに胡座をかき「スープの透明性にこだわるあまり具材がほぼ煮込まれておらず出汁が出ていないため薄っぺらい」「本店の雰囲気で"美味い"と錯覚されているだけ、信者がヨイショしているだけなのに気付かない」「それどころか暖簾分けした弟子のせいにする」「一丁前に"加水率が0.1%"云々だの気温に合わせてどうたらだのほざく」「そんな精密機械が如き舌を持っていらっしゃるくせに、塩か醤油かしか違いがない全く同じ材料のラーメンである事や、レシピにないごぼうが入ってる事が味はおろか匂いですら明らかなのに気がつかない」など時代遅れの化石と化していた際には「すべては昔話…か」と寂しそうにしたり

かつては同じ理想を語り合った宇崎という人物と再会し、無理な挑戦による事業の失敗で落ちぶれた彼の現在の職場のイベントでラーメン対決をした果てにラーメンへの情熱を再燃させたことで豚汁ラーメンを開発、それが芹沢にとって「自分を表現するものではない、新しいラーメンの形式」の一つの到達点であった事で「二十年も前に追い越した宇崎さんがいつのまにか俺の前を走ってるとはインチキでもされた気分」「でもまあ上手くいっている様でよかった、いざとなれば資金援助しなければならなかったかもしれんし」と悪態をつき、同席していた有栖に「芹沢さんから悪態がポンポン出てくるのは機嫌がいい証拠」と看破され、(かつての友人が再起するのを見るのは)悪い気分ではないと返す場面もあった。


まだ開業前の髪が生えていた頃が度々映し出されており、アフロヘアーの如きボリュームのあるモジャモジャの天然パーマの髪質であった模様。(そりゃラーメンを作る上では邪魔になるわけである。)

更にはメタリカのファンであったりプロレスマニアで作中度々思い入れを語るなど意外なオタク気質を発揮させている。


前々作、前作と照らし合わせると年齢は50代後半から60年代と思われるが顔立ちは若々しいままで殆ど変わっていない(有栖などメインキャラを除いて周囲が年の瀬で激変してるにもかかわらず)。

ただ、サウナのシーンなどスーツの下は肉が落ちた体型であることから初老であることが確実に分かる。

顔立ちは整っているものの周囲からは悪人面であると映っている様でヤクザと間違われることも。


名言

  • ヤツらはラーメンを食ってるんじゃない。情報を食ってるんだ!

  • 客の立場で考えるのはいいが、親身にはなるなよ。今回、俺がやったことは一日二日で終わるちょっとした工夫だ。なのになぜ、あの老夫婦は長年、何もしないでいた?能無しの怠け者だからだよ。

  • あらゆる商品の価値は、品質、サービス、コストパフォーマンス、ブランド…といった多様な要素の総和で決まる。いいものなら売れるなどというナイーヴな考え方は捨てろ

  • ほとんどのバイトは一時間あくせく働いてようやく千円前後の時給を貰える…その大変さを知ってる人間なら「タダでもいい」などと、軽々しく口に出したりしない。そいつはロクに働いたこともない怠け者で、一時の気分で舞い上がっているだけだ。

  • いいか汐見。「金を払う」とは仕事に責任を負わせること、「金を貰う」とは仕事に責任を負うことだ。金の介在しない仕事は絶対に無責任なものになる。覚えておけ。

  • 新米にはとうぶん雑巾がけをやってもらう…みたいな前時代的、体育会系的な戯言を言ってる会社は未だに少なくないが、ウチは違う。新米もベテランも関係ない。社員に求めるのは稼げる仕事だ。雑巾がけのうまい奴など必要ない。

  • ラーメンをナメてようがバカにしてようが、金を払えるクライアントがいいクライアントだ。大した金額ではないとはいえ、あの小僧からは確実に金を取れた。それを、個人的なこだわりから台無しにするとは馬鹿か、おまえは。

  • お客様は神様などではありません。お客様とは…人間です。

  • 感謝する必要などありません。我々は、客が払った代金分のサービスを提供しているのだからフィフティフィフティ。感謝するもされるもない。ビジネスを通した対等な人間関係です。

  • 現実問題、店に対して客が優位であることは否めませんし、私とて客への感謝は人並みには持ち合わせてますよ。しかしながら根っこには「客も同じ人間」という認識を持っていなくてはなりません。何故なら、客を神と見なしたら最後、どんな無理難題を言われても従うしかなくなる。従ってばかりいると店内はワガママな"神様"が好き放題する無法地帯と化し、マトモな客は寄りつかなくなってしまう…

  • 店をやっていく上で最も大切なことは、自分がどうしたいかを突き詰め、店の価値観を決定し、それを徹底的に貫くこと…そのためには店の主が王となり店という王国を統治するのだ!というぐらいの気概が必要です。それができたら問題客は次第に減っていくでしょう。

  • もし、誰かに殺されそうになったらどうします?逃げ場もない、110番もできないとなったら?自分の命がかかっているとなると戦う?だったら、問題客とやり合うぐらい平気でしょう?ラーメン屋にとっては店こそ命じゃないですか。

  • 俺は社長も社員も同じだと思ってる。報酬と労働を交換しているだけなのだからフィフティー・フィフティー…役割が違うだけで、上も下もない対等な人間関係だ。

  • よく覚えておけ。ラーメンは伝統料理と違って、セオリーもマニュアルもない。"常識"にとらわれているようではまだまだだな。

  • 新しい何かとは、構造を疑い破壊することなくしては生まれないのだ!

  • 誤解しないで欲しいのですが、私は決して自らの理想にこだわったり、新しい味を追求することを否定しているわけではないのですよ。しかしながらラーメン店とは、趣味でも道楽でもなくサークル活動でもなく、ビジネスです。ならば…まずは、どんな形であれ勝つこと。勝たなければ何も始まらない。

  • まだプロになる気があるのなら、覚えておけ。厨房だけがラーメン屋の全てではない!

  • オマエの言ってることは「マニアの理論」であって「店の理論」ではない。自分の店を持ったこともないから、そんな甘っちょろい正義感を恥ずかしげもなく振りかざせるんだ。

  • フード・コンサルティングに頼るような客には、ああいう自立心に著しく欠けたクズが少なくない。クズに親身になったところで裏切られ不愉快な思いをするだけだ。

  • 嘘を演じている内に自分の嘘に酔ってしまう…別によくある話だから気にしなくていい。涙なんてただの体液だよ。

  • 作る人間が評論家じみたことを言い出すのは衰弱の兆候だ!


  • 「1時間が30分より長いとは限らない」。オマエにこの言葉の意味がわかるか?

  • あるファミリーレストランの接客マニュアルにはこうあるそうだ…「客の回転が良すぎて厨房のオーダーが追い付けなくなった場合、客が帰った後のテーブルの食器類はあえて片付けないようにせよ」「そして、新規の客はテーブルに案内せず、厨房が立ち直るまで待ち合いスペースで待たせるようにせよ」と。つまり客としては…店の外や待ち合いスペースで待っている間は自分はまだ客ではなく、店にサービスされる立場にはないと考えている。だが、一旦客席についたからには客なのだから何のサービスもされず長時間放っておかれるのは不愉快だという心理があるんだよ。

  • 客の真理というものは、そして接客というものは、オマエが言うような単細胞な思考で理解できるものではない。

  • いいか?行列店にわざわざクレームをつけてくるようなヤツは無能ゆえにヒマを持て余していて、そのくせ無暗にプライドだけは高く、嫉妬深いクズのような人間だ。(ネットには太字の部分を消した画像が出回っている。「大衆に評価されているものをわざわざ逆張りして非難するものは」という前提を抜いてしまうと正当な批判すら黙殺する発言になってしまうので意味が変わってしまう)

  • 店をやるということは常に時代の嗜好の半歩先を行く姿勢が必要だ。

  • 「やる」というクライアントに「やるな」という助言だけはしてはならないのだ。

  • 我々は「やる」人間に採算の範囲内でベストの助言をするし、助力が至らなかった場合の責任も負う。だが、「やる」ことへのリスクだけはクライアントに取ってもらう。

  • 「うまいラーメン」で満足しているのはアマチュアに過ぎない。「うまい店」を目指してこそ、プロなのだ。

  • 映画やドラマ等でよくある「復讐なんて虚しいだけ」なんてセリフが出てくるが、あんなのはいい子ぶったタワゴトだ。完膚なきまでの復讐ほど気分爽快、ストレス解消、かつ自己の尊厳を回復させるものはない。

  • 負けて損をするのは不愉快だが、勝って相手を不愉快にさせるのは大好きでしてね。

  • レシピを思い出せないだぁ?そりゃあ単に頭が悪いんじゃないのか?だいたいアーティストかたぎなんてのも、流行ってないが、プライドだけは高いラーメン屋によくある言い訳だしな。

  • ラーメンの場合、下手なマスコミの記事よりネットを信用する"情報バカ"が多い

  • 行列で迷惑をかけたから店を畳む?そんな根性なしはとっととラーメンから足を洗うといい

  • 料理をうまいと感じる際、そこには未知への感動と、既知への安堵という両側がある。

  • タラレバ話はやめろ。不毛だ。この世界は結果がすべて。結果が出た後に何を言っても負け犬の遠吠えでしかない。

  • 「やりたいこと」と「やれること」がズレている時、人はやりたいことをやれる様努力する訳だがそうそう上手くはいかない…極端な例が「野球選手になりたい」「サッカー選手になりたい」とかだ。いくら頑張ろうが、恐らくは99%の子供達、若者達の夢は呆気なく潰える。そんな失敗確率の高過ぎる『夢』なんぞに賭けるより、「やれること」をやり続け、成功体験を歓び、自信を積み重ね、それを「やりたいこと」に変えて行った方がよはど上手くいく

  • ラーメンとは···フェイクから真実を生み出そうとする情熱そのものです。

余談

ネット上(稀に作中でも)ではラーメンハゲのあだ名で知られる芹沢だが、実際は料理に髪の毛を混入させないために剃りあげているのであり、ハゲているわけではない。


『発見伝』の頃はタラコ唇で描かれていたものの最終話あたりでは殆ど描かれなくなり、「才遊記」からタラコ唇は一切無くなり現在の容姿になっている(人気が増すにつれて容姿を整えようとしたと思われる)。


関連項目

ラーメン発見伝

スキンヘッド


ラーメンハゲ:上記の通り実際はハゲではなくスキンヘッド

若き日の小さな勲章は、時として大いなる呪いと化します。:作中の台詞。


ロン・ベルク:適当に作ったものを最高傑作と評され不貞腐れた経験があるキャラ

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