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英雄コナン

えいゆうこなん

作家・ロバート・E・ハワードによって書かれたファンタジー小説『英雄コナン』シリーズのことである。
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作家ロバート・E・ハワードによって書かれた小説『英雄コナン』シリーズ、および同作品の主人公コナンのこと。

通常、愛好家の間ではただ「コナン」と称する事がほとんどだが。日本では一般的に「コナン」と言った場合、青山剛昌のコミック作品である『名探偵コナン』のことを指す場合が多い。また古参のアニメファンの中には、アニメ作品の『未来少年コナン』を連想する場合も多い。

従って明示的に区別するために『英雄コナン』と表記する。尚、この項目内では「コナン」と表記した場合は「英雄コナン」の事を指す。

作品の概要

キンメリアの蛮族出身のコナンは部族の長の息子として生まれた。しかしある時、部族は謎の軍団の襲撃を受け両親や村人は惨殺。コナン自身も囚われ奴隷となってしまう。やがて月日は流れ、かつての幼かったコナンは見違えるような屈強な肉体を持つ若者へと成長していた。

抜群の身体能力を誇るコナンは奴隷商人の目に止まる。コナンは奴隷商人によって買われ、東の都へと連れられる。コナンはそこで死ぬまで闘う“剣闘士”となる。闘いの中で生き抜く術と知恵を身に着けたコナンは、奴隷商人の元から脱走し、自分の両親の仇を探す旅に出るのであった。

冒険の中で様々な苦難に挑戦していくコナン。果たして次に彼の前に立ちはだかる物は一体…!?

小説のコナン

アメリカのパルプ雑誌『ウィアード・テールズ(Weird Tales)』誌の1932年12月号に『不死鳥の剣(The Phoenix on the Sword)』というタイトルで初掲載。その後、1932年~1936年のわずか数年間に次々と17編の短編が発表されが。1936年に作者のハワードが自殺した事により、シリーズは事実上の未完作品となった。ハワードの死後、遺稿や書きかけのメモなどから追加で8編が発表されたが。それらにはディ=キャンプとビョルン・ニューベリイら別作家の加筆修正が加えられている。

英語表記では“Conan the Barbarian”若しくは“Conan the Cimmerian”と表記される事が多い。日本語表記では前述の「英雄コナン」の他に、「蛮族王コナン」や「キンメリアのコナン」と呼ぶ事もある。日本語翻訳版には、早川書房版、東京創元社版(旧版)、東京創元社版(新訂版コナン全集)の3つがあり、2006年 作者百歳記念の年に、東京創元社から創元推理文庫として、ハワード以外が描いた作品を排し、草稿も入れた『新訂版コナン全集』が刊行された。

早川版 旧東京創元社版から、コナンの話はディ=キャンプやリン・カーターが書いた物も合わせて、「多分17歳くらいと思われる」頃の話から、アキロニアを切り取って、王として君臨するおっさんの頃を経て、という順で並べられるが、初回はそのアキロニア王コナンが前王の取り巻きとその他が放つ陰謀や怪物を倒す話である。(だから映画版で最後ああいうのが出るのね)

1970年代になって同作品のペーパーバック版の表紙イラストをフランク・フラゼッタが描いた事から爆発的な人気となった。

コナンシリーズは基本的に1話完結の独立した読み切り形式のスタイルで書かれており。それぞれの話の時系列や登場人物の設定などにもかなり矛盾が多く、決して緻密な設定考証に基づいて書かれた作品とは言えない。しかし主人公コナンが、己の剣と胆力のみで数々の苦難を乗り越え。様々な異形のモンスターをなぎ倒し、やがては偉大な王となっていく立身出世の一大英雄譚は多くの読者の心を掴んだ。発表から70年以上経つ今でも尚、世界屈指のヒロイックファンタジーの傑作と言える。

映画のコナン

現在までにコナン・ザ・グレート(Conan the Barbarian)』および『キング・オブ・デストロイヤー(Conan the Destroyer)』の2本が映画化された(前者は1982年、後者1984年)。両作品とも内容は原作小説の設定を借りたスピンオフ作品と言って良い。

最初の映画化である『コナン・ザ・グレート(Conan the Barbarian)』はアーノルド・シュワルツェネッガーを主演に抜擢。その当時は俳優としては無名だったシュワルツェネッガーを、アクション俳優として一気にスターダムへ導いたことでも知られ。発表から30年近く経た今でも尚、ファンタジー映画の最高傑作として名高い。

それまでのファンタジー映画は子供向けか、女優のエロティックな肉体美やあられもないシーンを観賞する事が目的のアダルト向けの作品がもっぱらだった。従ってストーリーも勧善懲悪で、最後は囚われの姫を助けてめでたしめでたし~と言う物がほとんどであったが、『コナン・ザ・グレート』ではこう言ったファンタジー映画の伝統を根底から覆した。
一言で言うと、『体は戦士、頭脳は盗賊、その名は、野蛮人コナン!!』

主人公コナンは善良な人々から金品を強奪し、時には女子供でさえも殺してしまう。しかし自分が愛した女のためには、圧倒的に不利な戦いに1人でも立ち向かう。作品の中でコナンの下した決断が必ずしも彼自身を幸せに報いたとは思えない描写が多々あり。自分の欲望に忠実で、時には人生の意味を悩む、非常にリアリティ溢れる人間性を描き出している。これは脚本担当の1人に、アカデミー賞の常連監督で知られる若き日のオリバー・ストーンが名を連ねている事も影響していると思われる。

また従来のファンタジー映画と一線を画した部分に殺陣のリアルさが上げられる。それまでのファンタジー映画は前述の様にソフトポルノ的な意味合いが有ると共に、特撮による異形のモンスターを楽しむという物でもあった。レイ・ハリーハウゼン作品に代表される様な「ストップモーション・アニメーション」でモンスターを動かし、映画のクライマックスでは必ずやドラゴンや骸骨戦士(スケルトン)といった特撮シーンがふんだんに盛り込まれるのが常だった。

しかし『コナン・ザ・グレート』では逆に、ほぼ全編が“人間対人間”のシーンで占められている。コナンはあたかも黒沢映画に登場する侍の様に剣を構える(ちなみに殺陣師は日本人で、劇中コナンへ剣劇の指導をするため出演)。いたずらに剣を振り回す“チャンバラ”ではなく、相手の隙を突いて一太刀を加えようと言う“居合い”の構えで敵と対峙する。そして切られた相手は悶絶しながら血飛沫を上げてコナンの前に崩れ落ちるのだ。この異様なまでの緊迫感溢れる戦闘シーンは、以後のファンタジー作品にも大きな影響を与えた。

一方、続編の『キング・オブ・デストロイヤー(Conan the Destroyer)』ではこう言った殺伐とした描写かなり抑えられている。ストーリ自体も前作と違い、お姫様を守ってお城まで連れて行くといった。かなり従来型のファンタジー作品に近い内容となっている。コナンも基本的には善人であり、特に“女を殺さない”という点が前作と大きく異なる。また要所要所にコミカルな描写が入れられ、かなり家族向けを意識した内容となっている。

さらに公開前の撮影終了段階ではシュワルツェネッガー扮するコナンが。女魔術師タラミス(サラ・ダグラス)との濃厚なセックスシーンを演じる場面があるのだが、公開版では完全にその部分がカットされている。これは配給元やプロデューサが作品のレーティングが上がって、家族連れなどの未成年の観客が減る事を嫌ったためである。因みに前作の『コナン・ザ・グレート』では劇中の3カ所にセックスシーンがある。

結果、続編の『キング・オブ・デストロイヤー』は誰でも視聴しやすい作品になったが。前作にあった独特の雰囲気が全く無くなってしまったため、コナン愛好家からは元より一般の映画ファンの間からでもほとんど評価されていない。事実、ヒロイン役のジェナ姫を務めたオリヴィア・ダボは、1984年度のゴールデンラズベリー賞・最低新人賞を受賞した。

原作者「ロバート・E・ハワード」について

綴りは“Robert Ervin Howard(ロバート・アービン・ハワード)”。アメリカ人のSF作家。代表作は前述の『英雄コナン』シリーズなど カウボーイ物も少々書いている。

  • 1906年1月22日生 ~ 1936年6月11日没
読書とボディビル、ボクシング乗馬が趣味で、ハワード自身がまるでコナンの様にマッチョ体型であった。
しかしその外見とは裏腹に、いわゆる“マザコン”と思われるほど母親に私生活の大部分を依存していたと思われる節があり。事実、母親が癌を患い危篤状態に陥った事を医者から告げられ、そのショックでピストル自殺を図り死亡したと言われる。だが彼自身も心臓疾患を抱えていた事が明らかになっており、また以前から彼は「誰かに狙われている」という強迫観念に取り憑かれていたという。死の数ヶ月前から自殺の準備をしていた節もあり、母親の危篤は最後の引き金に過ぎなかったと言う説もある。母親も彼が自殺した翌日死去している。結婚はしていなかった(恋人はいたけどもロバートのママが会わせてくれなかったので)。享年30歳。

また、「10歳の頃から「美しい状態で死にたい」と言っていた」「知人へ「若いうちに死んだ方がいい」と言っていた」という意見もある。

尚、「クトゥルフ神話」で知られるラヴクラフトとは親友で、HPLからは「二丁拳銃のボブ」と呼ばれていた。その縁でハワード自身もクトゥルフ神話の執筆をしている(「黒い碑(The Black Stone)」など)。
またコナンの活躍したハイボリア時代はクトゥルフ神話の世界観・歴史においても登場し、ハイボリア時代に言及した作品も幾つか存在する。他、コナンの名前が時として登場する事もある。

具体的にはハワードその人の手がけた『闇の種族』である。ここでは主人公が前世を垣間見、略奪者コナンが異形の者どもを剣で蹴散らす姿を目撃する。この作品こそが英雄コナンの初出であり、そのため広義において『英雄コナン』シリーズも「クトゥルフ神話作品」であると言う事ができる。

しかしラヴクラフトもハワードの自殺に大変ショックを受け、後を追うように翌年の1937年3月に病死した(死因は腸癌とも栄養失調とも)。

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