ピクシブ百科事典は2023年6月13日付でプライバシーポリシーを改定しました。改訂履歴

被子植物

ひししょくぶつ

植物の中でも特に花を発達進化させたグループ。陸上植物の種の大多数(約22万種〜40万種)を占める。
目次 [非表示]

概要

陸上植物のうち、特にを発達進化させた一群。種子植物の中で裸子植物と対をなすが、わずか800種ほどの裸子植物に対し、被子植物の種数は22万種以上と圧倒的に多様化している。


タイサンボク(メイン画像左上)などのモクレン科が祖先的な形態に近いとする仮説があり、かつては「モクレン門」などと呼ばれたことがある。実際には、スイレン科を含むスイレン目の方がより早く分岐したことが分かっている。


進化

中生代ジュラ紀から白亜紀にかわる前後に現れた。現在わかっている最古の被子植物であるアルカエフルクトゥスやモントセキアが水生植物なので、水草から進化したのではという仮説もあるが詳細は不明。当初は草本や低木で、主に乾燥地帯や地滑り地帯など裸子植物の生育しにくい空間を利用する先駆植物として生育を拡大したと考えられる。昆虫との共進化を発達させることで爆発的に多様化し、高木となったものも現れ、裸子植物にとってかわった。


新生代に入ると大気中のCO2濃度が減少し、新第三紀以降は熱帯や乾燥地域においてC4植物と呼ばれる、光合成の過程でCO2濃縮回路を持つ被子植物が分布を広げた。


定義

「胚珠が心皮にくるまれて子房の中に収まった植物」というのがもともとの定義。平たく言えばを咲かせ果実がなる植物。種子果肉を被っている、という意味で「被子」。


伝統的な分類では単子葉類双子葉類に分かれる。単子葉類(イネユリなど)はモクレンスイレンなどの原始的な双子葉類が枝分かれした後に進化しているので、新しい分類では原始的な双子葉類を「基部被子植物」として狭義の双子葉類(真正双子葉類)から分けている。


ただしイチョウイチイのように、果実に一見果肉のようなものを持つが裸子植物に属するものもある(これら裸子植物の果実にある「果肉のようなもの」は「仮種皮」と呼んでいる)。


逆に目立った花を咲かせず(風媒花なので)、種子に果肉らしいものが無い(退化消失したと考えられる)イネやシバなどのイネ科植物が被子植物だったりもする。ウキクサに至ってはを失い花は雌しべと雄しべだけに退化し(しかも極端に小さく目立たないので花をつけないように見える)、陸上植物かどうかも怪しい外見に成り果てているが、サトイモ科に属することが明らかになっている。ヤシシュロなどは表面的な特徴だけを見れば裸子植物のソテツに似ていなくもないが、ヤシ科に属する被子植物である。


分類

被子植物は形態・生態とも多様化が著しく、系統は不明な点が多かったが、伝統的にの形態で分類が進められてきた。


古くは単純な花(モクマオウ科など)から複雑な花(キク科ラン科など)に直線的に進化したという仮説をもとに分類が進められていた。これが「エングラー体系」である。しかし、古生物学が進歩し多種類の植物の比較研究が進むと、この仮説には無理があることがわかってきたため、雄しべ・雌しべなどが螺旋状に配置した両性花(モクレン科)から、(花の構成要素が退化したものを含む)多様な形に展開してきたとする「ストロビロイド説」が優勢になった。エングラー体系にこのストロビロイド説を取り入れたのが「新エングラー体系」であり、ストロビロイド説に基づいて全く新たに構成し直したのが「クロンキスト体系」である。


近年(1998年以降)は、分子系統解析に基づいて分類が進められ(APG分類体系)、形態的分類に頼るしかなかった従来の分類から劇的な発展があった。これによりカエデ科アカザ科といった多くの伝統的な分類群が姿を消すなど、クロンキスト体系とは大きく変化している。


植物学ではAPG分類体系が標準となっているものの、新エングラー体系やクロンキスト体系の方が直感的には分かりやすい面があるため、植物図鑑などでは伝統的な分類が残されている場合がある。


APG分類体系に基づいた分類については、双子葉類単子葉類で詳しく解説している。


関連タグ

 果物 フルーツ 草花 花木

植物 種子植物 裸子植物 単子葉類 双子葉類

関連記事

親記事

種子植物 しゅししょくぶつ

子記事

兄弟記事

pixivに投稿されたイラスト pixivでイラストを見る

このタグがついたpixivの作品閲覧データ 総閲覧数: 2909

コメント

問題を報告

0/3000

編集可能な部分に問題がある場合について 記事本文などに問題がある場合、ご自身での調整をお願いいたします。
問題のある行動が繰り返される場合、対象ユーザーのプロフィールページ内の「問題を報告」からご連絡ください。

報告を送信しました