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装甲艦

そうこうかん

装甲艦は装甲に鉄あるいは鋼を用いた軍艦であり、狭義には19世紀中盤から20世紀はじめごろまで用いられた艦種をさす。
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この軍艦の名称に関しては以下の意味が存在する。

  1. および鋼鉄装甲として利用した軍艦甲鉄艦とも。
  2. 上のうち、19世紀後半まで製造された、船体自体は木造で装甲のみが金属の軍艦。
  3. 過去において戦艦に準じる性能の軍艦の名称、有名な例ではドイツ帝国海軍が使用したポケット戦艦、あるいはロシア帝国の軍艦など。

 この項目では主として上二つに監視説明する。

装甲

 アジアにおいては主として防火のため鉄板を船体に貼り付けた船が存在した(朝鮮における亀甲船、日本における鉄甲船あるいは大安宅船など)。ただしこれは重量の増加による操船の難しさ等もあり、その後の平和もあり発展しなかったものと思われる。

 鉄による装甲が行われる以前においては木材による装甲が主であった。しかし、榴弾(弾の内部に火薬が詰められ、それにより破壊をもたらす砲弾)の進歩により木製の装甲では限度となった。また、製鉄技術の進化により鉄が安価となったこと、造船技術の進化により外輪船からスクリューへと動力が変化したことにより、船舶の鉄による装甲が可能となった。

狭義の艦艇

 そして1854年、初めてのこの種の船が実践投入された。ところがこの船はいわば「装甲化された砲台が浮いている」程度のものであり、地上の砲台と対戦するための兵器だったとされる。

 1859年、フランスは航洋可能なこの種の軍艦を製造する。グロワールである。この船は排水量5,635トン、163mm後装砲36門、舷側装甲120mmを持ち、蒸気機関および帆走により速力13ノットを誇るというものであった。

 この軍艦の登場により今まで主役であった戦列艦(木造で非装甲の大砲を50門以上搭載した3本マストの帆船)が陳腐化(この種の艦では装甲を貫けないため)してしまった。

 この艦は二種類に進化した。すなわち、外洋を航海するもの(これは後に戦艦などに進化する)もの、そして沿岸警備に用いるもの(これはおそらく海防戦艦などに進化したと思われる)である。

 それぞれにより装備は異なり、たとえば外洋航海のものには舷側砲ではなく、大砲、後には砲塔を搭載するようになり蒸気機関および帆走が可能なものとなり、沿岸警備用にはモニター艦と呼ばれる比較的小型で低く、火力は大きく、蒸気機関のみで動作するものが用いられた。

 また、砲撃によりダメージが与えられないことが想定されたため衝角が取り付けられていた(ちなみにこれによる攻撃は成功しており、時代が逆戻りしてしまい、初期の戦艦にも取り付けられることとなった)。

 この種の軍艦は特に1860年代から1880年代にかけて製造され、使用された。

終了

 19世紀の終わりにはになると木造船に鋼鉄の装甲を張るのではなく、船舶のすべてを鋼鉄で作ることが可能となった。そのため、この種の軍艦は20世紀のはじめには戦艦装甲巡洋艦に取って代わられることとなった。

 また一部の国では近代化改修を行い、装甲巡洋艦および海防戦艦として用いる国(ポルトガルヴァスコ・ダ・ガマは20世紀初頭に近代化改修を受け、1935年まで旗艦として用いたとされる)も存在している。

現存

 このように20世紀には陳腐化していた装甲艦であったが、チリにてワスカル(イギリス製であり、ペルーで使用された装甲艦、南米太平洋戦争にて浅瀬に乗り上げ、焼却処分されるも敵国のチリ鹵獲され、近代化改修を受けつつ1897年まで使用、その後放置されていたが修復され記念艦となった)が現存している。

関連項目

軍艦

戦艦 装甲巡洋艦 防護巡洋艦

参照

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