「こっちからは丸見えだぜ」
概要
cv:水島裕
『ゴールデンカムイ』のキャラクター。118話より登場する「刺青の脱獄囚」の1人。名前から恐らくマカロニウエスタンのトニー・アンソニーがモデルと思われる。
硫黄山での苦役により亜硫酸ガスに目を侵され失明してしまったものの、舌を鳴らした音の反響によって周囲の状況を正確に把握することができる能力を身に付けた盲目の盗賊。得物はモーゼルC96。音を拾うために耳につけた集音器が特徴的な白髪の初老の男。
歳の割には口調は結構フランクで若々しい。
また、(「妙な柄の服を知らないか」という質問に対し)「見かけたら教えますよ」と返すなど自身の障害をネタに冗談を飛ばしたり、とある人物の悪行にブチギレて制裁を加えようとする牛山の側で尺八をBGMのように吹き鳴らすなど妙にノリのよい一面があり、怖そうな外見とは裏腹に不思議な茶目っ気をもつ人物である。
作中での活躍
網走からの脱獄後、同じく硫黄山で失明した囚人たちを率いて屈斜路湖周辺に潜伏、廃旅館の建物を根城にして囚人を使い硫黄採掘を行わせていた鉱山会社の人間や周囲に住むアイヌに対し夜な夜な山賊行為を行なっていた。(ただし殺しを行ったのは復讐の念を抱いていた鉱山会社連中に対してだけであり、「無関係な人間は殺しちゃいねえ」とのこと。)
刺青を狙って屈斜路湖へ来た杉元一行を鉱山会社の関係者と勘違いし、露天風呂に入浴中の一行を奇襲する。全裸・暗闇・尾形以外はまともな武器もなし、という状況において杉元達を追い込むものの反撃され、杉元と一騎討ちになったところで仲裁に入った土方に止められる。この際、杉元(の声)を「若い頃の土方さんにそっくりだ」と評している(実際杉元と若い頃の土方は顔も似ている)。
その後網走の侵入作戦に先導役として参加し犬童四郎助に復讐を果たそうとするも、犬童の鉄球に頭を打たれ昏倒。登場しない期間がしばらく続いたが登別編にて額に傷痕を残した姿で再登場。土方の命で第七師団御用達の旅館の按摩に化け手下と共に鶴見陣営の動きを探っていたが菊田特務曹長らとの交戦の最中に有古が起こした雪崩に巻き込まれフェードアウトした。
交戦中に発した「金塊の分け前を貰ったら・・・海の近くで暮らそうか」という死亡フラグっぽいセリフ、潔く負けを認め静かな表情で雪崩に飲まれる演出、極め付けは有古の「その場で皮を剥いだ」発言と剥がされた刺青人皮、これらの流れから死亡したと多くの読者が勘違いしたが、発言した当の有古本人が情報を聞き出すため雪崩後の雪中から都丹を救出しており無事だった。前述の人皮も実はすでに剥がされていた関谷のもの。その後は土方たちと行動を共にしている。
余談
声優を務めた水島裕氏は「ときめきトゥナイト」の真壁俊や「六神合体ゴッドマーズ」の明神タケルなど若い2枚目役を多く演じていることて有名であり、またそのようなイメージも強かったため、意外性のあるキャスティングに多くのファンが驚いた。実際他の水島キャラとは声質もかなり違っており、「エンドロールを見るまでわからなかった」という視聴者も少なくなかったという。
盲目の為自分の髪の毛が総白髪になっている自覚が無く、指摘された時はショックを受けていた。また、盲目になる前は真っ黒だったらしい。
モチーフはフクロウ。
服のギザギザ模様や、左右で形の違う集音器はフクロウをイメージしたもの。(実際のフクロウも耳も左右非対称となっている)