概要
鉄を使った鋳物のこと。主として炭素量2.15%以上を含む鉄の合金が用いられ、この合金も鋳鉄と呼ばれる。炭素のほか、ケイ素、マンガンなどを含む場合もある。
なお2.14%未満の炭素しか含まない鋳造用の鉄鋼材料は、鋼の一種として鋳鋼に分類され、鋳鉄とは区別される。
合金内の炭素の性状によって、耐摩耗性と減衰性(振動を吸収する能力)に優れる普通鋳鉄(ねずみ鋳鉄)、硬く耐摩耗性に優れる白鋳鉄、強度と粘り強さ(靭性)に優れるダクタイル鋳鉄、普通鋳鉄とダクタイル鋳鉄の中間的性質を持つCV黒鉛鋳鉄などがあり、用途によって使い分けられている。