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門閥貴族

もんばつきぞく

家門が結びつき派閥を築いた貴族の事だが、本項では田中芳樹の小説及びそれを原作としたアニメ作品「銀河英雄伝説」における銀河帝国ゴールデンバウム王朝の有力貴族達について解説する。
目次 [非表示]

概要


銀河英雄伝説」に登場する銀河帝国ゴールデンバウム王朝は皇帝を頂点とし、その皇帝の下に貴族が存在して平民や農奴を支配する階級社会であるが、貴族の中にも地位が存在しており、その中でも有力な貴族を門閥貴族と作中では称している。


帝国内部の最大の特権階級として政治や軍に多大な影響力を持ち一つの惑星、場合によって複数の惑星を所領に持ち帝国軍の正規軍と戦えるレベルにある独自の戦力すら持つ。


しかし、500年に渡るゴールデンバウム王朝の長い歴史にて門閥貴族達は完全に腐敗しきっており、豪奢な生活と宮廷闘争に明け暮れ、支配下の平民達に対して虐待や過度の搾取を行う傲慢な人物も少なくない。

その分有能かと言えばそうでもなく、いざ戦争をすると我が儘を押し通そうとするなど、美点の見当たらない者が門閥貴族の主流となってしまっていた。

こうした門閥貴族のあり方に対しては、帝国平民階級からも広く反感を買っていた。


皇帝フリードリヒ4世の死後、ブラウンシュバイク公ら門閥貴族は幼帝エルヴィン・ヨーゼフ2世を即位させた宰相リヒテンラーデ侯とリヒテンラーデに味方したラインハルト・フォン・ローエングラム元帥に対し、リップシュタット連合軍を結成して争ったが、緒戦での敗退や惑星ヴェスターラントにおける核攻撃による民衆の大量虐殺により帝国内部の支持を失い完全敗北となる。

戦役でリップシュタット連合軍に与した貴族たちの財産は多くが没収された。連合軍に与さなかった貴族もいたが、彼らも巨額の課税を受け、帝国の重要な財源となった。


惑星フェザーンに駐在していたレムシャイド伯は自治領主・アドリアン・ルビンスキーの使嗾を受けて、フレーゲル男爵の部下であったレオポルド・シューマッハ大佐らともに幼帝・エルウィン・ヨーゼフ2世を拉致、自由惑星同盟に亡命後、「銀河帝国正統政府」を発足させた。しかし、数人の貴族と5人の兵士しかおらず帝国平民の支持のない政府は同盟の敗北によってあえなく瓦解、レムシャイド伯は自殺、エルヴィン・ヨーゼフ2世は行方知れずとなった。

これによって門閥貴族の勢力は壊滅、ラインハルト・フォン・ローエングラムは皇帝に即位、ローエングラム朝銀河帝国の歴史が始まる事となる。


なお、貴族の中でも、フランツ・フォン・マリーンドルフ伯等のように穏やかかつ開明的な人格を有し、民衆に対しても良心的に振る舞う人物や、みずから貴族を表す「フォン」を外して民衆のために改革を志すカール・ブラッケオイゲン・リヒターのような人物も少なからずいる。

このように優れた者は、ローエングラム王朝成立後も重用されている。


人物


明確に門閥貴族と定義される人物


オットー・フォン・ブラウンシュバイク

公爵。物語開始時における帝国の門閥貴族の中でも最も有力な人物。

皇帝の娘婿にもあたり、皇帝フリードリヒ4世の死後は皇帝の血を引く娘のエリザベートを帝位に就けようと画策し、幼帝エルヴィン・ヨーゼフ2世を即位させたリヒテンラーデ侯とラインハルトに対抗して政敵のリッテンハイムと共に貴族たちを糾合してリップシュタット連合を結成する。しかし敗退を重ねた末に反乱を起こした自領の惑星ヴェスターラントに核攻撃を行い、多数の民衆を虐殺する等の愚行を重ね最後は部下のアンスバッハに強要される形で自害する。


ウィルヘルム・フォン・リッテンハイム3世

侯爵。ブラウンシュバイク公に継ぐ有力な門閥貴族。

ブラウンシュバイク公と同様に皇帝の娘婿で、娘のサビーネを帝位に就けようと画策していた。

リヒテンラーデ侯とラインハルトに対抗する為、政敵・ブラウンシュバイク公とリップシュタット連合を結成したが、主導権をめぐってブラウンシュバイク公と対立、ガイエスブルグ要塞離脱後にキルヒアイス艦隊に惨敗し逃亡、後方に控える味方補給艦隊を攻撃したことにより、最後は配下の兵に見限られ殺害された。


フレーゲル

男爵。ブラウンシュバイクの甥で伯父の権力を傘に宮廷での影響力は大きく、反ラインハルトの最右翼の一人。リップシュタット戦役の終盤、艦艇での一騎打ちを望むも応じる相手はおらず諌めた部下のシューマッハ大佐を殺害しようとして逆にシューマッハらの部下に殺害された。


ヨッフェン・フォン・レムシャイド

伯爵。フェザーン駐留の高等弁務官。フェザーンの白狐の異名を持つキレ者だった。

リップシュタット戦役後、幼帝エルヴィン・ヨーゼフ2世を擁して自由惑星同盟に亡命し、銀河帝国正統政府を樹立して自身は首相兼国務尚書となる。しかし後にロイエンタールの部隊に自宅を包囲されて自殺した。


アルフレット・フォン・ランズベルク

伯爵。宮廷内では詩人として知られる。平民出身のシューマッハ大佐にも気さくに声をかける温厚な人物であったが、親交のあったフレーゲルと同じくリップシュタット連合に参加。その後リップシュタット戦役を生き延びてエルヴィン・ヨーゼフ2世の誘拐に関与し銀河帝国正統政府樹立後は軍務省次官となる。正統政府崩壊後はエルヴィン・ヨーゼフ2世を連れて逃亡するも途中で失い、最後は幼帝ではないミイラ化した子供の遺体を抱いた所を発見して捕らえられ、その時点で精神崩壊していた。


ヒルデスハイム

伯爵。リップシュタット戦役に参加しシュターデンと共にアルテナ星域会戦にてミッターマイヤーの艦隊と対峙、シュターデンの慎重論に反対して別働隊を率いたがあっけなく戦死した。


ウィルヘルム・フォン・クロプシュトック

侯爵。クロプシュトック家はゴールデンバウム朝成立以来、代々帝国の重職を歴任した門閥貴族屈指の名門であったが、皇帝フリードリヒ4世の父第35代オトフリート5世の時代に帝位争いに敗れたフリードリヒ4世の弟リヒャルトをウィルヘルムが支援していた為、零落して30年間不遇の身を過ごした。そして復讐の為にブラウンシュバイク公の館に来る予定であった皇帝の暗殺を図って館の爆破事件を起こしたが、皇帝が体調不良で館に来なかった為に失敗に終わり、ブラウンシュバイク公率いる討伐軍と戦った末に服毒自殺した。いわゆる一連のクロプシュトック事件は原作小説では本編開始前の外伝で描かれた帝国歴486年に起きているが、OVA版では本編開始後の487年の事件となる。


マクシミリアン・フォン・カストロプ

皇帝フリードリヒ4世の時代に長らく財務尚書を務め私服を肥やしていたオイゲン・フォン・カストロプ公爵の息子。父の死後、帝国による私財の調査を拒否して反乱を起こし、説得しようとしたマリーンドルフ伯フランツを拘束した。多少は軍事的才能はあった為帝国の討伐軍を当初は撃退していたが、キルヒアイス率いる討伐軍に敗北して部下に殺害された。OVA版と藤崎バージョンでの漫画版では古代ギリシャ風の宮殿に住み、自身や周囲の家臣も古代ギリシャ風の装いをしているのが印象的。


コルプト

子爵。外伝に登場した門閥貴族にして軍人。

ブラウンシュバイク公の従弟の子で、リッテンハイム侯の一門にも縁戚関係があり階級は不明だが

帝国暦486年の惑星レグニッツァ上空の戦いの時には戦艦アルトマルクの艦長を務めた。

弟は帝国軍の大尉でクロプシュトック侯討伐軍に参加していたが、老婦人を殺害して指輪を奪う蛮行を行い、上官であるミッターマイヤーにより軍規に基づき処刑され、この事を恨みに持って惑星レグニッツァ上空の戦いにて後方からミッターマイヤーの艦を砲撃したが回避され、逆に同盟軍の砲火を受けて死亡した。


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貴族

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