概要
富山地方鉄道では車両の冷房化を進めており、冷房付きの京阪3000系を購入して営団3000系の廃車発生品と組み合わせて10030形としていたが、ストックの関係でこれ以上購入できないこととなり、西武鉄道から元レッドアローの5000系が廃車になっていたことを受け同系の車体を6両分調達。1995年に登場した。
西武5000系は機器類を西武10000系へ流用する計画が西武社内で決まっており、車体と一部の機器以外の譲渡は不可能であった。このため、モーター・台車をはじめとする機器類はJR九州485系の廃車発生品を、運転台機器については京急旧1000形の廃車発生品をそれぞれ流用することにした。
デビュー以降の変更点
機器構成変更
当初はモハ16011形(Mc)-モハ16012形(M)-クハ110形(Tc)の3両組成となっていた。が、利用客減少に伴うワンマン運転推進に際し2両編成での運転に対応できない(モハが2両ユニット構成のため)ことから、ワンマン化と同時にモハ16012形とクハ110形の機器を入れ替える工事を2005年~2006年に行った。モハ16012形・クハ110形の車番も交換となったが、中間車は「クハ110形」のままで「サハ」にはしなかった。
以降は「通常期は2両編成」「多客期は3両編成」という運用が組まれている。
観光列車への改造
北陸新幹線の開業による乗客増加・観光需要を見据え、また映画『RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ』とのタイアップも兼ねて、第2編成を対象に内装のリニューアルが2011年に行われた。本形式の改造デザインは水戸岡鋭治氏が担当したが、外装のほうは珍しく以前のものを踏襲している。
観光列車「アルプスエキスプレス」として2011年12月から運用を開始している。中間車クハ112号車は土日祝日に限り連結され、平日では2両編成で一般列車に混じって運用される。
2015年には、追加工事によって編成内にトイレが追加された。
余剰廃車
3両編成運用が組まれる可能性が減ったため、クハ111号車は2016年2月に廃車除籍となった。