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DQNネーム

どきゅんねーむ

「キラキラネーム」のネット上における別称(蔑称)。
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アウトライン(概要)

名前を付ける」という行為は公募でもしない限り当事者の個人的な問題であり、赤の他人が口を挟むということはあまり考えにくいものであった。と言うか、世に出た段階で既に名前が付けられているので、口を挟む意味もそう無かった。

しかし、2000年代に入って「キラキラネーム」を大手メディアがこぞって取り上げ始めると、事態は一変する。
保守的な考えの強いネットでは、「日本の伝統から逸脱した名前があまりにも多く、文化が崩壊してしまう」という危機感が蔓延し、元来のマスコミ嫌いも合わさって、こうした風潮に警鐘を鳴らす必要性が唱えられるようになったのである。

関心が高まる中で、誤認や知識不足に基づくと思われる名前や、虐待目的としか考えられないような名前との遭遇体験も多数寄せられるようになり、そうした命名を総称して「DQNネーム」と呼ぶようになっていった。
リンク先に詳細な解説があるが、「DQN」とは「常識外れな」「教養に乏しい」「ヤンキー」といった意味合いのネットスラングであり、この時点で当初の「キラキラ」から対象が拡大している点には注意が必要である。
もっとも、ネット的には「キラキラネームなんて付けた時点で問答無用でDQN」なので、それはあまり大きな問題とはされなかったが。

この言葉が定着して以来、ネットでは桁違いの閲覧・コメントが稼げるキラーコンテンツともなっており、今なお各地で定期的に取り上げられ続けている。近年は名付け親を批判すると言うより、「DQNネーム」本人を嘲笑する目的で集まる人間も増えているようだ。

多意冨(タイプ)

DQNネームの種類には以下のようなものがある。
なお、具体例として挙げる名前は全て創作物中のキャラクターであり、作品内の世界観では「普通の名前」である可能性がある
また、その日本人キャラクターの名前がローマ字表記される場合、該当部分がローマ字ではなく英語のスペルにならった綴りがされることもある。

1.意味のない当て字を使う

外国語を音だけ合致させて強引に漢字変換したもの。最もDQNらしいDQNネームと言える。暴走族の「夜露死苦」のように、画数が多い漢字ほど、他人が使いそうも無い文字ほど偉いと言う風潮もあるとか無いとか。その世界ではある意味伝統的とも。

ただし、「マリア→真理亜」や「ジョージ→譲二」など、キリスト教の洗礼名に字を当てたものが一般化していったという例が一定数あり、その場合は一般的にDQNネームとは言われない。
一方で、洗礼を受けてもいない人間までもがそうした名前を名乗ることに不快感を示す敬虔な信者が、各宗教に存在しているということも忘れてはならないだろう。
また、「亜」と言う漢字に「もどき、低級な」という意味がある(亜流二流)など、そうした方面からの批判もあったりする。もっとも、突き詰めると日本が属するアジア(亜細亜)全体がアウトになってしまうため、どこで線引きするかはまた争いがあるところだが。

※例


なお、「尾藤来夢ライムすばらしきこのせかい)」のように、日本語としても一定の意味が成立している場合にも判断が分かれる
一応、「夢と人が訪れる場所」の意を込めたダブルミーニングとして、「来夢来人(ライムライト)」の形でバーパブなどの名称にそれなりに古くから用いられてきたほか、同名の楽曲漫画も存在している。

2.読みを途中で切って読ませようとする

漢字の意味は尊重するものの、特定の響きを作り出すために「(あい)」を「あ」、「(そら)」を「ら」などと一部分のみを読ませるもの。「キラキラネーム」の中核を成したのはこのタイプである。
また、「奏でる」から「(かな)」、「翔ぶ」から「(と)」など送り仮名を勝手に省略したり、「雪崩(なだれ)」から「(な)」など熟語を勝手に解体する場合もある。

※例


ただし、このタイプは近年生み出されたものではなく、戦前から見られていた既に慣例化された用法であり、「人名訓」という用語も存在している。
例えば「広」の字を使った名前は一般的に「ひろし」と読まれるが、本来「広」の訓読みは「ヒロ-い」なので、厳密に適用すると不適切となってしまう。また「広司」、「広志」など送り仮名の代わりに漢字を当てている例もある。

3.外国語に変換する

漢字の「愛(あい)」を「ラブ」と読ませたり、「刃(やいば)」を「ブレード」と読ませたりするもの。酷い場合この変換が間違っていることも。
また、2.との複合で、「愛 → らぶ → ら」などと外国語さえ容赦なくぶった切ってしまう例も確認されている。

※例


4.本来の読み方と関係ありそうで無い

「響(キョウ、ひびき)」を「おと」「ね」などと読ませる、「蝶結」と書いて「りぼん」と読ませるなど連想ゲームを行うもの。

名字としては「小鳥遊(たかなし)」「四月一日(わたぬき)」などが存在していることもあり、あまりにもとんちが効いた妙名だと、一周回って許せる!と言われるとか言われないとか。

※例

  • 春風千桜(ちはる、の連想か:ハヤテのごとく!
  • 折原臨也(いざや、臨→臨む→いざの連想か:デュラララ!!
  • 川島緑輝サファイア響け!ユーフォニアム) - タイプ3との複合系になっているややこしいパターン。日本語でエメラルドを「緑玉(りょくぎょく)」と言い、サファイアを「蒼玉(そうぎょく)」と言う。これらがこっちゃになった状態でさらに連想ゲームを行ってしまった結果、「緑に輝くサファイア」が生まれてしまったものと考えられる。
  • 夜神月ライトデスノート) - 英語「ライト」は「」の意であり、「」に対応する英語は「ムーン」である。劇中で本人も変な名前と認めている。
    • これには連続殺人鬼キャラなので同名の子がいじめられないようにとの配慮から、意図的に現実であり得ないような名前が付けられたという背景がある。もっとも、同作の大ヒットに伴ってこの名前を付ける親が続出し、かえって「月」の読み方として「ライト」が半ば定着してしまうという皮肉な結果に終わっている。

5.人名として不適切な単語や、その同音異義語

悪魔くん命名未遂騒動(実在の人物)」などによって、「キラキラネーム」以前から存在は認知されていたタイプ。
発想はタイプ1にも似る(物騒な単語ほど偉い)が、ぶっちゃけ並のDQNでも誰がここまでやれと言ったとツッコむレベルのものがゴロゴロ見つかる。むしろ、異常さを認識した上での故意的な命名が多いと言われる。

その一方、名付け親の無知や思慮不足によって結果的にそうなってしまう場合もあり、一見普通の名前に見えても後からじわじわくるというパターンも一定数存在する。

※例


ただし、「」に「残忍」「忍者」という用例があるように、行き過ぎるとキリがなくなるので注意。
安城鳴子あなるあの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。 - 英語で肛門の意がある)」のように、変形や外国語への変換を駆使すればいくらでも隠語として認定できてしまう
動物などの名前に関しても、厳密に適用すれば『男はつらいよ』の主人公さえアウトということになってしまう。もっとも、このあたりの感覚は時代と共に変化していく部分もあるのだが。

6.名前と性別が合致しない

男女どちらとも取れるような中性的な名前は「キラキラネーム」以前から一定数存在しており、厳格な保守派からは眉を顰められてきたのだが、ここで挙げるのはそういうレベルのものではない。
「ものすごいマッチョなネーミングを当たり前のように女の子に付けた」といったようなパターンである。男装の麗人として育てるような必要性があるわけでもなく、普通に女の子として扱っていたりするからわけがわからないよ

また、タイプ1やタイプ3との複合で、外国の人名を「音の響きだけ」で日本人に付けようとした結果、本来の性別と食い違ってしまったというパターンも存在する。ただし、この場合はタイプ5と同様に偶然の一致という可能性も考えられるため、即DQNネームになるとも言い切れない。

※例

  • 鶫誠士郎ニセコイ) - 名付け親が性別を勘違いしていたため。ちなみに女性体型に成長した今でも気付いていないというセンス以前の問題。
  • 藤波竜之介うる星やつら) - 息子が欲しかった父親が無理矢理付けたもの。本人は大層嫌がっており、虐待と見做して構わないだろう。
  • アーデルハイド・バーンシュタインKOFシリーズ) - 逆に娘が欲しかったパターン。ただし開発スタッフが素で勘違いしていたことに対する言い訳として後付設定した疑惑が強い。実はアルプスの少女ハイジと同名だったりする。
  • 平子真子BLEACH) - 読みが「しんじ」の立派な男性。もっとも、本人が好んで中性的な格好をしており、不自由はしていないようだ。
  • 巡音ルカVocaloid2) - ルカ」は聖書にも出てくる由緒ある男性名で、「リュカ」や「ルーカス」と同義。ただし、漢字で書くと「流歌」であり、「歌が空気中を流れ伝わる」という意味の命名とされているため、動機を加味するとグレーゾーンに留まるか(現代では日本人の女性名として「るか(瑠香etc)」は結構普通である)。問題は、巡音ルカのアルファベット表記がローマ字の「RUKA」ではなく、件の男性名と同じ「LUKA」である所か。
  • アビゲイルBASTARD!!ファイナルファイト) - こちらも聖書由来の女性名だが、二人ともゴツイ男である。濁音が多いことで勘違いしたのだろうか?ファイナルファイトの方は現代アメリカ人という設定なので巡音ルカみたいな言い分も通用しない。

なお、「伊織」のように、かつて男性名として付けられていたものが、時代が下るにつれて(香織などと混同されて)女性に付けることも一般化していったという例もあり、そうした名前をどちらの性別のものとするかについては保守派の中でも争いがあったりする。
妹子」「馬子」で知られるように「〇子」も古代では男性名である。現代でも「皇子」や「息子」は男性を指すわけだし。

7.長い

寿限無」という有名な落語があるが、世の中にはそのネタを大真面目に実行しようとする人間が存在するのである。 漢字で5文字も6文字もあるだけならマシな方、中には名前なのになぜか文章になっているなんてものも。
書く手間を考えれば、虐待の手段としては頭一つ抜けた存在と言える。

なお、ミドルネームなどによって文化的に名前が長くならざるを得ない場合は当然除外される。

※例


このタイプは人名よりも公共施設等の命名時に多く発生する傾向があり、地元のPRを兼ねて名物を列挙した「鳥取砂丘コナン空港や、日本一の長さを目指して修辞を重ねた「南阿蘇水の生まれる里白水高原駅といった事例が定期的に生まれている。
もっとも、「利害調整で付近の地名を全部入れざるを得なくなった」といった、命名権者さえ不本意な大人の事情の産物も混ざっているため、DQNネームかどうかについては議論の余地がある。

8.身の程知らず

要は「」だの「」だの。」など幻獣の類をここに含める意見もある。
」あたりならばまだ一般的であるが、一部の層から在日ネーム扱いされて攻撃される危険性があるため、あまりお薦めはできない。

ただし上記の幻獣の類についてだが、龍(竜)や鳳は以前から名前に付けられている漢字、かつ龍や鳳は瑞獣であるため、他人を幸せにできる人に育って欲しいとか、幸せに育って欲しいなどの願いを込めて付けられている場合が多いので特に問題無いと思われる。突き詰めれば竜助(りゅうすけ)や竜也(たつや)、太凰(たお)がアウトになってしまう。もちろんあの村上龍までアウトになる。確かに龍は王権の象徴ではあるが上記のようないわれもあるので一概に身のほど知らずと断定するのは早計である。


類似のパターンとして、特定の職業趣味偉人などを強く意識した名前というものもある。その分野で大成すればよいが、そうならなかった場合プレッシャーシュール一発ギャグにしかならないだろう。
命名当時は尊敬を集めていた事物でも、時代と共に評価が変化して、下手をすれば「名前を呼んではいけないあの人」のようになってしまう危険性もある。

※例

  • 竜ヶ峰帝人デュラララ!!) - 読みは「みかど」なので2.の要素も入っている。
  • 高坂王子未来日記) - 大人になった後どうするんだというツッコミも同時に入る。
    • 現代の日本で「王子」と言えば相当ハイレベルな美少年を形容する言葉でもあるので、不細工に育ったらどうするんだというツッコミも。彼の容姿はまだましな方だが、このあたりのことを考えていないDQNネームは本当に多い。
    • 余談だが、『スレイヤーズ』のフィリオネル=エル=ディ=セイルーンなど、「むさいおっさんにあえて耽美な名前を付ける」といったネタはDQNネーム以前から創作物中ではさほど珍しいことではない。そもそもウケ狙いなキャラばかりなので大抵不憫な役回りになるけど。


9.合体ネタ

複数人の名前を並べると一つのネタになると言うもの。
血縁であることが明らかでいいと捉えるか、名前で遊んでいると捉えるかは人それぞれ。

※例

  • あい、まい、みい(ぽぽたん他) - 英語の一人称(I,My,Me)を三姉妹。漢字で書けば「愛、舞、未唯」などと、日本人名として通じなくないのもポイント(未唯は怪しいが)。創作物中ではもはや古典の部類である。しかも今ならまいん(mine)ちゃんもいるよ。

  • 星馬烈爆走兄弟レッツ&ゴー!!) - 二人合わせて「レッツゴー」。闘争心が溢れすぎている名前も気になるところだが、それ以上の問題は彼らが双子ではなく年子兄弟だという点。弟が産まれなかったらどうするつもりだったのだろうか・・・もっとも、「」には「優れた功績」という意味もあったり、あくまでも読みは「れつ」であって「レッツ」と詰まるわけでもないので、十分まともとも言えるが。
    • 余談だが、作中に登場する海外勢に名前の選択や表記がおかしい(早い話が「ますだおかだ」を個人名に採用してしまったような)例があったりもする。まぁ日本の創作作品で外国人の名前が適当なのはよくあることだが(後述されるように、キリスト教圏ではピーチ姫でさえDQNネームである)。

  • 春風どれみぽっぷおジャ魔女どれみ) - こちらも姉妹。姉の名前から察するに、音楽繋がりの命名なのだろう。だがその場合、妹の名前が意味するところは「大衆」である(ポップス=大衆歌)。無理に姉と合わせて「そらしど」とかになるよりはマシだったかもしれないが・・・
    • ポップ」には「弾ける様子」を表す同音異義語もあり、共にひらがな表記で読み間違いの可能性が無いという点は救いと言えるだろうか。

  • こころ、あると、いいな(ココロ図書館) - 三姉妹合わせて「心在ると良いな」・・・と思いきや、「こころ」が三女で「いいな」が長女である。ネタすら素直に読ませようとしない努力の方向音痴ぶりはまさにDQNネーム。
    • 他はまだしも、「いいな」単独で名前と言い張るのもかなり微妙なところ・・・と言うか我が子に心が無い可能性でも考えたのだろうか。色々と突っ込みどころ満載なネーミングである。

10.その他

上記のどれとも言い難いもの。フィーリングだけで決めてしまったり、何も考えていなかったり・・・

※例

  • ア太郎もーれつア太郎) - ただの記号で意味が無さすぎるという例。ちなみに父親も「×五郎」という名前の大概アレな人物として描写されており、来るべきDQNネームの時代を予言した昭和の怪作であったりする。まぁギャグマンガなので名字の設定さえ適当だけど。
  • 野比のび太ドラえもん) - 「のびのびと育つように」と命名されたとのことだが、名字と名前の響きをあえて重ねていくスタイルは日本ではかなり特異と言える。男性名でのひらがな表記も珍しい。もっとも、骨川スネ夫(設定上はともかく、メタ的には「親の脛齧り」が由来)が普通にいる世界なので まだマシな部類ではあるのだが。
    • 後付けだが、先祖に・のび作・のび左衛門・のび作(前のとは別人)・のびろべえ、直近でも・のび吉(曾祖父)・のびる(祖父)・のび助(父)・ノビスケ(子)と5世代に渡って「のび」の文字が連続して使われているので、後述のイチローと同じく一族伝統の命名なのかもしれない(セワシ(玄孫)には使われていないが)。そもそも時代背景を考えれば「野比」と言う苗字の方が名前より後に作られたものである(江戸時代以前の貴族でも武士でもない先祖達に苗字は無いため)。


過ぎ去りし時を振り返る(歴史上のDQNネーム)

上記6.で少し触れたが、名前に対する感覚というものは時代と共に変化するものであり、珍奇に思える名前でも付けられた当時はごく一般的だったということは普通にあり得る。
馬子(うまこ)」入鹿(いるか)」を輩出した蘇我氏をDQN一家とは誰も言わないだろう。ちなみにどちらも飛鳥時代に生まれた男性である。

「ここで終わりにしたい」という願いを込めて「留」「〆」といった漢字を用いたり、父親が56歳の時の子供だったから「五十六」という名前にしたといった例も昭和半ばまでごく一般的に見られており、雑な方向の名付けには特に熟慮を要する


一方で、当時の感覚から見ても変わった名前だったという事例は確かに存在する。
例えばドイツかぶれだった森鴎外 (本名「林太郎(りんたろう)」)は、子供達に「茉莉(まり)」などドイツ語風の名前を付けている。そして夏目漱石に、わかりやすい、普通の名前が良いと批判された。

また、与謝野鉄幹晶子夫妻は、パリで出産したという理由で子供に「アウギュスト」「エレンヌ」なるフランス名を付けた。こちらは後に普通の日本人名に改名している。


さらに古い時代には、生まれてきた子に悪い意味の名をつけたり、男の子に女の子の名前をつけたりという事例が頻繁に見られていたが、当時はそうすることで病魔を遠ざける、不運を打ち負かすといった呪術的な効果を持つと信じられていたので、DQNネームとは意味が異なる。
流石に子供に「奇妙丸(きみょうまる)」「茶筅丸(ちゃせんまる)」「三七(さんしち)」と名付けていった織田信長あたりになると、DQNネーム認定しても構わなそうだが。とは言え、存在そのものが非常識の塊のような人だったので、別の意味で評価が難しい所である。
そもそも、江戸時代以前は幼名・通称・改名が一般的であり、例え100%の悪意を持って名前を付けられたとしても、いくらでも取り返しが付いた社会であった。読みが同じであれば、成人後であっても漢字を変えても別に問題とはされておらず、認定基準自体が相当甘かったと言える。そもそも当時の庶民にまともな戸籍は無いうえ字も読めなかったし。


それに対し、吉田兼好は以下のように記している。
「寺院の号、さらぬ万の物にも、名を付くる事、昔の人は、少しも求めず、たゞ、ありのまゝに、やすく付けけるなり。この比は、深く案じ、才覚をあらはさんとしたるやうに聞ゆる、いとむつかし。人の名も、目慣れぬ文字を付かんとする、益なき事なり。
何事も、珍しき事を求め、異説を好むは、浅才の人の必ずある事なりとぞ。」
(意味:寺の名前やその他の物でも、名を付ける事を昔の人は少しも欲張らずに(こだわらずに)、ただ、ありのままに気安くつけたものだ。最近は、深く考え込んで、自分の才覚を表そうとでもするかのように聞こえる名が多くて、とても煩わしい。人の名前も、見慣れぬ文字を使おうとするのは、(読みにくいだけで)無益なことである。
何事でも、珍しい事を求めて、奇抜なものを好むのは、浅はかな才知を持つ人が必ずやる事だと言われている。)-「徒然草」第116段

昔の社会にあっても、読み難い名前に苦言を呈していた人間は一定数いたようだ。

WWDN(ワールド・ワイド・DQNネーム)

現在わかっている最古のDQNネームは、三国時代の中国、呉の皇帝孫休が息子達に付けた名前だとされる。孫休は「名前がかぶらないように」と考えていたため、息子の名前のためだけに新しい漢字を作った
もっとも、中国社会では伝統的に「目上の人間と同じ字を使ってはならない」という意識が強く、皇帝が変わるたびに該当する字の改名が行われていたという点には留意が必要である。

また、ピーチ姫マリオシリーズ)は、同シリーズが世界的ビデオゲームとなった後も長らくの間、海外版では「Toadstool(「毒キノコ」の意)」に名前を変えられていた。その理由は「英語圏の人名として中途半端にあり得る名前だったので、それが一般化してしまうことを懸念して」と言われている。
響きのスタイリッシュさから誤解されがちだが、海外には「聖書の記述や故事に基づいた100年単位の伝統を持つ名前しか認めない」という敬虔な信者も多く、「人間は万物の霊長」という教義から他の動物等の名を付けることもタブー視する向きが強い。ちゃん」は現地の感覚では立派なキラキラネームなのである。
だが、今日では海外でも普通に「ピーチ」の名で呼ばれている。時代が追いついたのだ。

・・・という具合に、海外でもDQNネームに頭を悩ませているようである。この辺の事情は書き出すときりがないので、検索なり図書館なりで調べるといいかもしれない。

DQNネームいとをかし(DQNネームの何が問題なのか)

これまで挙げてきた名前からも分かるように、DQNネームには初見殺しが非常に多い。初見殺しは所詮初見殺しなので、2回目以降は確かに強い個性を演出できるのだが、それでは遅いという状況も世の中には存在する。

例えば一分一秒を争う救急救命の現場からは、本人確認に手こずることでのタイムロスや患者の取り違えなどの医療ミスが発生しやすくなる危険性が指摘されている。初見殺しどころか、本人が名前のせいで死ぬことになるかもしれないのだ。


また、DQNネームは優先的に排除する と話す面接官もいる。非常識な名前を付ける親はモンスターペアレントの可能性が高く、むしろ本人の能力以前の問題として振い落とす判断基準にしかなっていないというのである。特に有名私立幼稚園や小学校のいわゆる「お受験」では「子供より親を見る」と言われているのでなおさらである。
考えてみれば、普段ネットでDQNネームを叩いている人間も、リアルのどこかに必ず実在しているはずである。そうした人間が進学就職を左右できる立場にいない保証はどこにも無い。

その本人の能力も、DQNネームではたかが知れてるという意見もある。特に女性は「子」が付く名前を付けられた集団の学力は、それ以外と比べて優位に高くなるという研究が存在している。
もっとも、これは「しっかりとした名前を付けるだけの教養がある親は、それだけ子供にも深い教養を身に付けさせる傾向がある」というだけの話なので、「子」を付けただけで直ちに頭が良くなったりするわけでは当然無い。
逆に森鴎外らのように、下手に教養があったがばかりに一般人の知識では到底読めないようなマニアックな名前を付けてしまうといった例もまた多いのである。


名前で損をするのは、学校企業側も同じである。例えば「東京都立大学」等4校を再編して誕生した首都大学東京は、当時の都知事が直々に文学的センスを発揮した命名を行ったほどの目玉政策だったのだが、その期待に反して従来より人気が低迷したと言われている。
なにしろ公立だか私立だかわからない、内部組織も「都市教養学部」などと何をやっているのかわからない、そもそも「大学」と既に印字されている書類への記入方法がわからないと、中の人からもたびたび異論が出るほどの名前である。そのような大学への進学希望も、採用希望も、そう多くはなかった。
一般的な法則から外れた名前が、いかに不合理かということがよくわかるエピソードであろう。

キラキラとした名前(センテンス)が天空(そら)から舞い降りてくる瞬間(とき)(DQNネームを生み出しがちな状況)

自分はDQNでもインテリでもアーティストでもないから普通の名前が付けられると思っているそこのあなた。それはただの慢心かもしれない。以下のような状況に陥った時、人は簡単にDQNネームを付けてしまうのである。

(その他体験談随時募集中)

子供はその名前と一生付き合っていくという点を今一度考え直して、できるだけ多くの人と相談しながら決めることを心がけるようにすべきだろう。

ジャッジメントタイム(裁判所の見解)

日本でDQNネームが生まれてしまう背景には、戸籍に漢字の読みを表記していないということが一因として挙げられる。上記タイプ2のような命名に配慮したための措置だったが、それを逆手に取る形で「月(ライト)」のような名前が生まれてしまったのである。

現在のところ、この方針を変更する予定は無いようだが、そもそも読み以前の問題(タイプ5、7)は受理しないことを認めた判例も存在している。その基準についてはこちらの解説が詳しい。

逆に言えば、こうした規定故にタイプ3、4を一般的な読み方に変更しようとする分には特に手続きは必要ない

それ以外の場合でも、所定の手続きを踏めば戸籍から変更できる。ただし、多かれ少なかれ社会的混乱を招き、本人および周囲に負担がかかることは想像に難くない。DQNネームは消えた後までも面倒をかけ続ける代物なのである。

念槪フ謂ト「ムヱネハシハシ」(唐突な戦前風表記)

これまでのような批判を受けて、2010年代に入ると一転して「和風」を強調したような名前が台頭してくる。
だが、これまで数多のDQNネームを生み出してきたネーミングセンスが、そう簡単に矯正されるわけがなかった。戦国武将みたいな時代錯誤な名前や、「五十六」系の雑すぎる名前が頻出するようになってしまったのである。

DQNネームを嫌うあまりにそうなってしまったタイプと、DQN自身が「その方がイケてる」と思ってしまったタイプに大別されるようだが、いずれにせよ、ただ振り子が右から左に触れたようなもので根本的な問題はまるで理解されていない。
もちろん、「それっぽいだけ」で表記を誤っていたり、意味を理解していなかったり、改名前提の幼名を何も考えずに付けてしまったり、官位を名前と勘違いしたり(例えば大岡越前の「越前」は「越前の守」と言う地位を表すもので名前ではない)と言った例も後を絶たない。

改めて書くが、過去の常識はあくまで過去の常識であり、当時見られたような名前が今も通用するとは限らないのだ。それでは外国の人名をそのまま日本に持ち込むのと何も変わらない。DQNネームの争点は「現代日本にいて違和感が無いかどうか」であったはずである。


そうした名前に対し、「生まれた時から老人みたい」という意味で「シワシワネーム」と呼んで区別する向きも一部では生まれている。
しかし、それを聞きつけたマスコミは、どんな伝言ゲームがあったのか「子」が付くだけで「シワシワネーム」などと対象を異常に拡大して報道してしまい、かえってネット上で支持者を増やす結果となってしまっている。
残念ながら、「普通の名前」の解釈を巡る争いは当分終わりそうもない。

連鎖現像(関連イラスト)

幸子かな子仁奈オンリーお疲れ様でした
名前、何がいいかなぁ



共同命題(関連項目)

キラキラネーム 言語 漢字
名前 人名 人名一覧 改名
常識/非常識 どんな名前だ
ネットスラング DQN 蔑称

鈴木一朗 - 世界的野球選手「イチロー」の本名。名前を個性にした好例としてよく引き合いに出される。なお、より普通らしい「一郎」ではないのは、そもそも「一」の字が彼の一族に代々伝えられてきた漢字であり、「長子」という意味が込められたものではないため。彼自身長男ではない。

ゆうた - ゲーマーの間で使われる、地雷プレイヤー(ふんたー)を揶揄するスラング。由来は「キャラクターネームに本名を使うことが高い低年齢プレイヤーは地雷になりやすい」という経験則と「当時の男児の名前にゆうたが多かった」という体感から。普通に読める名前だろうが、目を付けられる時は付けられるという悪例である。

このような名前を集めた、DQNネームを語る際に必見とされるサイト。
「俺には読めなかったからDQNネーム」レベルのノミネートも多数あり、反面教師としても有用な存在。

なお、個人の実名を当人の許可も得ずに晒し上げるという行為の時点で大概非常識なはずなのだが、「目には目を」的な感情が強いネットでは称賛されこそすれ歯止めがかかる気配は無い。
争いは、同じレベルの者同士でしか発生しない!!」という言葉然り、DQNネームが本当に恐ろしいのはそのようなDQNに暴れ回る口実を与えてしまうことなのである。

さんずい - 一説によると、この編を使った漢字を人名に用いるとDQNネームより酷い名前になると言われている。よりによって該当者が果実の神様熱血刑事なのは何の縁だろうか。

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