開発コードはXK-2。愛称は「黒豹(フックピョ、ブラックパンサー)」。
概要
開発初年度は1995年。主な開発目的は「古いM48パットンの更新」「北朝鮮の天馬号(チョンマホ)・暴風号(ポップンホ)戦車への対抗」「自国の軍事技術の成長」「輸出商品とする」である。
55口径120mm滑腔砲(ラインメタルRh120を参考にして現代WIAが開発したCN08)、自動装填装置、モジュラー複合装甲、リアクティブアーマー、データリンクシステム、ハイドロサス、アクティブ防御システム等、第3.5世代主力戦車に求められる機能を一通り備えた国産ハイテク戦車、事実上純粋にアメリカが設計したに等しいK1と異なり、韓国独自技術も追加されている。また、ロシアから購入したT-80を解析した結果(ERAや核戦争時対応の放射線遮蔽ライナー等)が設計に反映されているのも特徴である。そのため実質的には韓国企業が初めて設計に関与した戦車といえる。
当初、配備は2011年が予定されていたが、開発期間中複数のトラブルが発生したため、実際に部隊に配備されたのが2014年であった。開発期間が当初から長く取られていたことがわかる。
量産車で採用予定の国産トランスミッションの開発に難航し、第1次量産車ではドイツ製ユーロパワーパック、第2・3次量産車は韓国産エンジンとドイツ製トランスミッションの混合となっていたが、その後トランスミッションのトラブルは改善し、2023年においては第4次量産車において国産トランスミッションの搭載が検討されている状態にある。
主砲
主砲は55口径120㎜滑腔砲(現代WIA CN08)であり、この砲はK276 APFSDSを使用した場合射距離2000mでRHA換算600㎜の鉄板を、K279では700mmの鉄板を貫通でき、貫通力では44口径120㎜滑腔砲を装備する日本の10式戦車に勝っているとする意見もある。(一方で日本の10式戦車は、特殊な砲尾構造を採用しより強い腔圧に耐えられるようにした上で、より強い装薬の炸裂力で比較的短い44砲身で初速を向上させており徹甲弾威力については大きな差は無いとする考察もある。)
輸出
トルコでは K2の設計を元に韓国の技術供与を受けた国産戦車「アルタイ」が開発され、上述の韓国製エンジン及びトランスミッションを搭載し2025年からの量産が予定されている。同車はサウジアラビアへの輸出の話しもある。
ポーランドは2022年7月に約1000両を導入すると発表。このうち初期に導入する2割を輸入、残りの8割はノックダウンあるいはライセンス生産という形で国内生産する独自改良型となる計画である。これにより旧態化したT-72系列の車両を一掃し、戦力の底上げと余剰車両のウクライナへの提供、NATO規格への統一を見込んでいる。
また後継となるK3について共同開発とすることで覚書が交わされた。