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P40

ぴーくあらんた

第二次世界大戦期のイタリアで開発・運用された重戦車。制式呼称は「Carro Armato Pesante 26/40」(26t級40式重戦車)。
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開発

1930年代半ばよりイタリア陸軍は機甲戦力の拡充を急速に進めたが、その成果は十分なものではなく、第二次世界大戦開戦時点でも未だに旧式のCV33豆戦車が数的主力という、他国に大きく後れを取る状況だった。

これを問題視したイタリアのドゥーチェムッソリーニは重戦車の開発を要望、これを受けてイタリア陸軍は1940年にフィアット・アンサルド社へ26t級重戦車「Carro Armato Pesante 26/40」の開発を指示した。


1941年末には完成した試作1号車はM13/40中戦車を拡大設計したような、それまでのイタリア戦車の特徴を色濃く受け継いだものとなっていた。

しかし、独ソ戦開戦直後に存在が報告されたソ連軍のT-34中戦車の影響を受け、試作4号車では国産戦車として初めて本格的に傾斜で構成された装甲配置が設計に取り入れられた。

この試作4号車の設計を基とする量産車生産は1943年から開始された。


特徴

実用化当時のイタリア軍では間違いなく最強であり、その基本性能は他国の主力級中戦車に十分対抗できる水準にあった。

それでも根本的な技術力の不足が災いし、明確に劣る点も存在した。

火力

試作1号車は山砲が原型の18口径75mm砲(セモヴェンテda75/18のものと同型)を搭載したが、この砲は短砲身だったため戦車戦にはあまり向いていなかった。

以降の試作2~4号車はカノン砲が原型の32口径75mm砲を、量産車はさらに砲身が延長された34口径75mm砲を搭載し、対戦車戦闘能力の向上が図られている。

防御力

T-34に倣い、イタリア戦車としては初めて本格的に傾斜で構成された装甲配置を取り入れて設計された。

車体正面上部の装甲厚は50mmだが、35度の傾斜により実質装甲厚で87mm相当の防御力を発揮した。これは、同時期の75mm級戦車砲の攻撃に対して十分なものだった。

ただし、装甲板は鋲で接合されていたため、被弾時の衝撃で鋲が車内に飛び散って乗員に被害を与えるという危険性があった。


運用と実戦・評価

1943年9月のイタリア降伏までに完成したのはわずか21輌で、イタリア軍によって実戦投入されることはなかった。しかし、降伏の直後に北イタリアを占領したドイツはP40を「Panzerkampfwagen P40 737(i)」として制式化、工場を再稼働させ、1944年までに約100輌を再生産した。これらの車輌はドイツ軍によってイタリア戦線で運用された。


当時のドイツやソビエト、アメリカやイギリスの戦車と比較して、P40は明らかに「中戦車」の部類に入る車輌ではあったが、カーデン・ロイド豆戦車から独自技術によって拡大発展していったイタリアの戦車開発史において、そして当時のイタリアの軍備状況において、この戦車はまさに「重戦車」だった。


登場作品

第7話で数カットのみ登場後、OVA「これが本当のアンツィオ戦です!」から本格的に登場。

アンツィオ高校が運用しており、アンチョビの乗車として活躍した。

最終章にも引き続き登場している。

ちなみに先行登場したPSV版ゲーム「戦車道、極めます!」ではアンチョビの相棒としてペパロニに似たモブ乗員が搭乗している。

アンチョビ


GBA「コンバットチョロQ アドバンス大作戦」のみ登場。「P40重戦車」表記。

中盤で仲間になるメタロ・ペサンテの初期装備として登場。「ヘヴィーカノン」と「Pタンク」で再現可能。

射程はやや短いが火力に優れるヘヴィーカノンと、森林地帯での機動力に優れる頑丈なPタンクと実車に反して重戦車らしい防御型。

敵タンクとして登場する際にはレーザーサイトで命中率を補い、範囲攻撃武器だが範囲内にランダム命中する特殊な武器大型ナパームを装備している。


関連項目

イタリア 戦車 中戦車 重戦車


P-40 - 第二次世界大戦期にアメリカで開発・運用された戦闘機。実質的に同名だがこちらの40は制式化年ではなく単なる連番。

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