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SuperGT

すーぱーじーてぃー

日本屈指の人気を誇るモータースポーツの一つ
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株式会社GTアソシエイション(GTA)が管轄する日本及び海外で開催されるスポーツカーレースシーリーズである。SGTとも。

概要

現在市販されているGT(グランドツーリング)カーを用いたレースであり、搭載エンジンの馬力によってGT500、GT300とカテゴリ分けされる。決勝ではGT500、GT300混戦となり非常に熱い駆け引きを繰り広げるため、「世界最高峰の箱車レース」と称されることもある。
独自の特徴として、レースで上位になったチームに付与されるポイントの合計に応じておもりなどを追加しなければならない「ウエイトハンデ制」を採用していることである。
簡単に言うとトップに顔を並べるほど車輌重量を増やされ、その結果トップチームはトップを維持するのが難しくなる。こうすることでトップチームの独走を防ぎ、速さの均衡を図るシステムである。
如何にして効率よくポイントを稼いで優勝するかという点もまた、SUPER GTの醍醐味である。

歴史

前身として全日本GT選手権(JGTC)が存在する。こちらはJAF(日本自動車連盟)管轄であったが、マレーシア等での開催を決定した際に、FIAの規定により国内選手権から外れることになったため、JAFの管轄から外れ今に至る。

GT500

概要

GT500にエントリーしているのは現在、レクサス(TOYOTA)、日産HONDAの三社である。ヘッドライトが白色灯で白地に黒文字のゼッケンが目印。
それぞれの持つトップモデルがしのぎを削りあっているクラスで、各車両ごとにチームは複数あるが、メーカー直々のワークスチームが各車両に存在するなど、実質上記3メーカーが直接火花を散らしているクラスである。
本来であれば「原則として市販車をベースに改造」なのだが、レギュレーションがかなりゆるいため「羊の皮をかぶる狼」状態である。
(ボディはベース車の外見を持つが、中身はフォーミュラマシンとも引けをとらない。)
また、GT500が示すように、このカテゴリにおける設立当初のエンジンの出力は500馬力制限であった(現在はさらに性能の向上やリストリクター径の緩和により馬力が上がっている)。
なおレギュレーションにより、全車FRレイアウトとなっている。

2014年からはドイツツーリングカー選手権と車両規則を統一し、2012年のDTMの車両規則を元にSUPER GT独自規定を盛り込んだ新規則による車両が使われている。
2014年規定におけるGT500車両のエンジンは2.0L直列4気筒のターボエンジンだが、プラットフォームを共有するDTMは4LのV8自然吸気エンジンとなる(※1)。

トヨタ自動車/LEXUS

現在はレクサス RC F(※2)がエントリーしている。
2009年シリーズから「チーム・レクサス」と名称を変更している。エントラント名は「LEXUS TEAM (メインスポンサー)」で統一される。
2014年で大幅に車両が刷新されてからは開幕戦で見事勝利し、その後も他社と比べると車両起因のトラブルが少なめで成績もシーズンチャンピオンこそ逃したものの年間最多優勝を達成し、安定したところを見せる。しかし、ロードラッグ仕様の空力の開発がGT-Rに比べ不安が残るほか、ハンデウェイトに敏感な面があるようで、序盤戦で上位に入る物のシーズン中盤は高ポイントを取れないパターンが見られる事も・・・。
2017年からは車両規定の変更に伴いベース車両を発売予定のLCに変更するという情報が出てきている。

過去の車両

2005年までスープラで参戦していた。
それからは2013年まではレクサス SC430で参戦。ゼロベースで開発されたため、ライバルに遅れをとるが、トヨタの長年の経験により、安定した走りを持っていた。

日産自動車

現在は35型GT-Rでエントリーしている。2014のレギュレーション大幅変更後も他2社と違いGT-Rのまま参戦。
NSXほどではないにしてもやや足回りの発熱トラブルが目立つところはあるが、2014年第2戦、第3戦で予選から圧倒的な速さを見せつけている。特に第3戦ではGT500の表彰台をGT-Rで独占するという快挙を成し遂げた。ストレートに強いと言われており、2014年規定の車両で初めて時速300㎞を超えた車両である。
RC Fと比較するとウェイトハンデの影響が小さく、特にチャンピオンを取得した車両はハンデを背負った後も圧倒的なスピードを誇っていた。

過去の車両

2007年までフェアレディZで参戦していた。
2008年にGT-Rで復活してすぐ、その戦闘力の高さを見せつけ、GT-R完全復活を宣言した。
またジンクスとして持っていた「GT-Rは菅生では勝てない」を克服し、ますますその速さを発揮している。

本田技研工業

現在は新型NSX(※3)で参戦。
2014年のレギュレーション変更に伴い新型NSXへマシンを変更、他社と違いMR+ハイブリットという独自構造で勝負に出る。
しかし、元々はFRを前提として作られた共通パーツがNSXと適合していない事や、ハイブリットシステムの不具合、MR故の熱害などでトラブルが多発し、車両の性能も他社に明らかに水をあけられ苦戦をしていた。中盤で前記の不具合対策のための車体の改良が認められてからは1位争いに参加できるレベルになり、第4戦菅生からは表彰台に上がれる車両に仕上がっている。
しかし、他社に比べれば未だに未成熟な面が多いのも事実で、今後の改良が期待される。
2016年シーズンは部品供給などの面で継続が困難になったためハイブリッドシステムを下すことになり、モーターアシストによるストレートスピードの伸びがなくなるため厳しいシーズンになることが予想される。

過去の車両

2009年まではNSXでエントリーしていた。その次は2013年までHSV-010でエントリー。後述の理由でHSVはレース専用車両となってしまったが、次期NSXの研究開発車両として実戦投入されることとなった。投入当初はアクシデントなどがあったものの、安定した速さをみせる。
2011年モデルでは、フロントフェンダー内にラジエターを設置するなどモデファイが重ねられている。
ちなみにHSVは本来、アキュラブランドで市販する予定だったがリーマンショックの影響で計画はたち消え・開発中止になってしまったという経緯がある。

GT300

概要

GT500の下位カテゴリとして設置されている。ヘッドライトが黄色(フォグランプの色に近い)で、ゼッケンは黄色地に黒文字が目印。
現在ワークス及びプライベーターを含めて多くのチームがエントリーしている。
マシンの戦闘力もGT500ほど高くないため、プライベーターがワークスを押さえて表彰台に立つこともままにあった。
また、JAF特認車輌が軒を連ねるのもこのカテゴリであり、普通のスポーツカーに混ざってセダン型やプロトタイプのようなモデルも存在していたが、2013年以降はレギュレーションの変更に伴いBRZやプリウスなどの一部のJAFGTを除き、プロトカーなどは姿を消している。2015年からは新たに『マザーシャシー』規格の車両が参戦、300クラスははGT3、JAFGT(ハイブリッドも含む)、MC300という三つの異なる規格のマシンによって、選手権が争われる事となる。
いわゆる「痛車」がエントリーするのもここである。
なおGT300の名称通り、カテゴリー設立当初のエンジンの出力は300馬力制限であった。現在のマシンの性能調整はFIAGT3のマシンに準拠しているのでカテゴリー名は現実とはかなり異なっている。これは、FIAGT3車両の導入に伴い、300馬力を大幅に超える車両を300馬力までデチューンされることを各メーカーが嫌がり、車両を売ってくれないという事態が発生したため300馬力制限は撤廃されている。
その影響もあってか、近年は国内外のワークスドライバーやワークスチームの参加が増え、レベルアップと同時に新規参戦のジェントルマンドライバーにとっては敷居の高いステージになりつつある。

現在の参戦車両

(非常に多くのメーカー、モデルが参戦しているため、参戦車種とその製造企業を列挙する。)

メーカー車両名規格参戦年及び備考
トヨタ自動車・LEXUSプリウスJAF-GT2012-
RC-FGT3※2015-
86マザーシャシー2014第7戦(スポット参戦)2015-
日産自動車GT-RFIA-GT32012-
スバルBRZJAF-GT2012-
ポルシェ911シリーズFIA-GT32010第5戦―
BMWM6FIA-GT32016-
メルセデスベンツSLS AMGFIA-GT32012-
AMG GTFIA-GT32016-
アウディR8 LMS(新)FIA-GT32016-
フェラーリ488GTBFIA-GT32016-
ランボルギーニウラカンFIA-GT32016-
ロータスエヴォーラマザーシャシー2015-

※正確には開発車両で、FIAの正式なホモロゲーションを取得していない

過去の参戦車両


トヨタ・LEXUSカローラアクシオJAF-GT2009-2011(プリウスへ変更)
IS350JAF-GT2008第3戦-2012
MR-SJAF-GT2005-2008(カローラアクシオに変更)
セリカJAF-GT2005-2008(IS350に変更)
日産自動車フェアレディZJAF-GT2005-2010(撤退)
マツダRX-7JAF-GT2005-2011(撤退)
スバルレガシィB4JAF-GT2009第6戦―2011(BRZに変更)
インプレッサJAF-GT2005-2008
BMWZ4 MクーペJAF-GT2008第9戦-2009
Z4FIA-GT32011-2015
ポルシェ911シリーズFIA-GT22005-2011(GT3に変更)
JAF-GT2005-2011(GT3に変更)
ボクスターJAF-GT2005-2010
968JAF-GT2005
アウディR8 LMS(旧)FIA-GT32012(ultraに変更)
R8 LMS ultraFIA-GT32012-2016(開幕戦のみ)
フェラーリ360モデナJAF-GT2005-2007,2009
F430 GTCFIA-GT22009-2012(規定変更に伴い参戦不可に)
F458 GTCLM-GTE2011(2012以降使用チームなし、区分上はJAF-GT)
F458GT32012-2013,2015(488に変更)
ランボルギーニムルシエラゴRG-1JAF-GT2005-2009
ガヤルドRG-3FIA-GT32007-2012(引退、区分上はJAF-GT)
ガヤルドLP600+FIA-GT32012-2013(使用チームが全車LF2に変更)
ガヤルドLF2FIA-GT32013-2015(ウラカンに変更)
アストンマーチンV8ヴァンテージFIA-GT22010-2012開幕戦(v12ヴァンテージに変更)
V12ヴァンテージFIA-GT32012-2014(2015シーズンは使用チームなし)
ヴィーマックRDシリーズJAF-GT2005-2012(撤退)
ムーンクラフト紫電JAF-GT2006-2012(規定変更に伴い引退)
オートバックス・スポーツカー研究所ガライヤJAF-GT2005,2007-2012(規定変更に伴い参戦休止)
ホンダCR-ZJAF-GT2012-2015(撤退)
NSXJAF-GT2005-2006
モスラーMT900MJAF-GT2010-2011、2012第3戦(撤退)
ロータスエキシージJAF-GT2005第3戦スポット参戦
シボレーコルベットJAF-GT2005,2008(c6型)
コルベットFIA-GT32011-2013(c6型)
フォードGTJAF-GT2005-2006
マクラーレンMP4-12CFIA-GT32013-2015

問題点

このように大人気に思えるSUPER GTも多くの問題を抱えている。
そのうちの代表的なものを紹介する。

開発費高騰

SUPER GTのレギュレーションは詳細に規定されているが改造範囲が他のレースに比べかなり広く、それ故自由度も高い。
GT500の項目でも触れたが、GT500のマシンは外見こそ面影が残るのみであり、実際の構造はむしろF1マシンやプロトタイプカーに近い。
フロントサスペンションはエンジンルーム内に移設され、プッシュロッド式としてフレーム固定されるなど、最早市販車の面影など存在しない。
またGT300においても、セダンモデルではエンジンを後部座席に配置するマシンもあり、GT500程ではないがやはり中身は市販車からかけ離れてしまっている。
このように、広い改造範囲を持つため、一からマシンをモデファイしようとするととてつもない費用がかかってしまう。
そのため、新規でワークスやプライベーターなどが参入しにくい状態に陥ってしまっている

独自レギュレーション

SUPER GTのマシンメイクはFIAの管轄するいわゆる一般の「GTマシン」からは大きくかけ離れてしまっているため、例えば「SUPER GTのマシンがFIA GT選手権に参戦」などは出来ない。
DTM、ドイツツーリングカー選手権との競合開催が現在視野にあるが、実現にはどちらかのマシンをどちらかに合わせる必要があり、必然的にコスト高の問題に直面してしまっている。
(DTMとSUPER GTではレースの性質自体も異なる)
また、このような問題から「若手ドライバー育成」についても問題が発生してしまい、SUPER GTはSUPER GTで完結してしまう先のないレースカテゴリとなってしまった。

問題に対する対応

上記の問題に対してGTAも対策を講じている。GT500に関しては500の項で触れたとおり、DTMとのレギュレーションの共通化を図っており、2014年からは2012年当時のDTMレギュレーションを適応し、2017年にはDTMとの共通化を予定している。これにより、海外のGTレースにドライバーやチームが参戦することも可能になっていく。
さらに、DTMとの車両規定の共通化によりマシンが『超速化』した事によりドライバーにはフォーミュラマシンの速度域の経験と、若年層の反射神経が求められ、結果として各メーカーの500のチームには次々と若手ドライバーが参戦する形となった
また、近年このプロトカーに近い車両の経験を買われ、WECや各地のLMシリーズのLMPクラスに参戦するドライバーが増えてきている。

GT300に関しても300の項で触れたとおり、FIAGT3車両及びレギュレーションの導入によって開発コストを抑え、新規のチーム参戦が容易になっている。FIAGT3車両は基本性能は高いが改造はNGでほとんど車両をいじれないため実質「買ったままの状態」で参戦しないといけない。しかし、逆にいえばこのことは車両を買ってしまえば開発コストはかからないということになる。実際2011~2013にかけて、車両、チームともに新規参戦が増えてきている。
また、JAF-GT及びそれに関するエンジニアたちの技術が消えてしまうことを懸念して2015年シーズンから共通シャシーであるマザーシャシーが導入され、JAF-GTにも新たな動きが見られる。
また上記のセダンベースの車両における、エンジン搭載位置の変更も猶予期間を置いたうえで禁止となる事になっているため、改造の範囲も徐々に狭くなり、コスト削減につながる見込みである。

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脚注

(※1)2013/5/7付 オートスポーツweb DTM、16年からSGTとエンジン統一か。代表認める
(※2)2014/1/14付 オートスポーツweb レクサスの新GT500車のベース車両名称は『RC-F』に
(※3)NSXのみミッドシップエンジンとなり、回頭性・運動性能が有利になる。そこで特例として、フロントセクションのエアロデバイスをホンダ・トヨタ・日産の3社共同で性能が均衡するよう設計されている。

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