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北沢慶/グループSNEの手によるテーブルトークRPG


 舞台設定を従来のフォーセリアのアレクラスト大陸から全く別の世界である「ラクシア」に変更するなど、システムの一部を継承する以外は初版から刷新した作品となっている。

 異世界を舞台にしたファンタジーRPGであるが、近年のテーブルトークRPGの流行にもれず、銃器や人造人間の存在など半ば伝統的ファンタジーの枠を踏み超えて、世界設定やキャラクターバリエーションの拡充を図っている。


 なお本作の発行を以って、グループSNEによる『ソード・ワールドRPG』のリプレイ等の商業展開はほぼこの『2.0』へ移行した。

 またハイパーT&Tルナル六門世界RPG等、様々に展開していた分散逸した感もあった同社内のファンタジー系RPGシステムもほぼ同時期に展開の終息を見せており、その分ここに集約したことを感じさせる要素も端々に見える(例を挙げると、ハイパーT&Tなんかは北沢氏が関わっていたこともあり継承した要素がそこそこ多い)。


 2020年現在は『ソード・ワールド2.5』が展開されており、そちらに移行している色合いが強い。2.5ではカクヨムに公式で二次創作が投稿可能となっている。


システム

 ゲームシステムの基礎的な部分は前エディションである『ソード・ワールド』(以下「1.0」。なお、公式では「1st」と呼称)を踏襲しており、キャラクタークラスを「スキル(技能)の集合体」と見なした「クラススキル制」を採用している。

 ゲーム中に行われる全てのダイスロールが2d6(「六面ダイス二個」のこと)しか使われないことも「1.0」と同じであり、ダメージ決定などには威力表(「1.0」での「レーティング表」にあたる)を使う。


主な変更点

  • 世界設定の完全刷新(それに伴う種族再編)
  • 職業の再編(細分化)と、それによる魔法ルール再編
  • 『戦闘特技』の採用によるスキル制RPG色の強化
  • 武器・防具リストの再編・シンプル化
  • プレイごとの能力値増加と、レベルによるHP・MPの上昇(それに伴い、レベルによるダメージ減少と精神点消費減少の廃止)
  • 戦闘における『乱戦』概念の導入(本作で最も複雑・難解なルールともいわれる)
  • 『名誉点』の導入

 1.0と全く同一といえるのは、実際のところ行為判定などのごく基本的な部分でしかなく、互換性は皆無といっていい。


種族

 PCとなれるのは、基本的に、第一の剣の神々を奉じる「人族」だが、第二の剣の神々を奉じる「蛮族」も、サプリメントの使用とGMの許可により、一部の種族を使用できる。


人族

 第一の剣の陣営の神々を信仰する種族と、それらの種族と共同の社会を営む種族の総称。人間型の種族が多いが、神々に帰依したドラゴンの子孫や人造人間も含む。

 どんな職業にも対応できるクセのない能力を持つが、能力値自体は突出面が乏しく、明らかに他種族に劣る。だが、種族特性である[剣の加護/運命変転]により、回数限定でサイコロの出目をひっくり返すという反則的能力を持つ――PCに限らず、モンスターレベル1の山賊でも。この種族特性が能力値上の劣勢を覆し、人間をこのゲームでの強豪種族たらしめている。

 なお能力値は「1.0」の完全ランダムとは異なり、『生まれ』を選択することである程度の方向性を持たせることができる(『冒険者』生まれを選択すれば、「1.0」同様の完全ランダムも可能)。

 頭が良く身のこなしも得意で耐久性に欠けるが、「1.0」のエルフほど極端ではない。ラクシアのエルフは水(主に淡水)と関係の強い種族であり、種族特性として1時間の無呼吸水中行動が可能で、水中活動にペナルティを受けない。

 また、世界樹起源で神々と直接の関わりのなかったフォーセリアのエルフとは違い、プリーストになる事もできる。また、魔動機文明時代は人間と親しくなかったため、設定上マギテックは少ない。ただしルール上の制約はなく、むしろ性能的に言えば、器用度・知力の高さからいってマギテック・シューターとの相性は良好ですらある――銃の必要筋力さえ満たせれば。もちろん、ほかの系統の魔法使いはさらに問題ない。

 頑強で器用だが動きが遅く、精神力は高いが頭はあまり良くない。とはいえエルフと同じく、やはり「1.0」のドワーフほど極端ではなく(戦士生まれの人間と同程度)、純粋な装甲前衛としては後述のリルドラケンに一歩譲る。回避能力に劣ることから、前衛系の生まれを選択した人間よりも前衛として見劣りすることさえある。また、あまりに鈍足なため『先手をとっても敵のところまで辿り着けない』という事態も多々あり、不遇種族・劣等種族扱いされることも多い(だが「1.0」とは違い、行動順がグループ別になっているため常に後手に回るような事はないし、ライダーになって機動力の高い騎獣を用意すれば閉鎖空間以外で支障がなくなる)。

 火属性のダメージを完全に無効化するという、反則レベルの能力を持つ。だがあまりに強力すぎてGMに警戒され、無意味化されてしまうことも(あまり無意味にするのもドワーフを選んだプレイヤーに対して不公平なので、程々に)。一応、効果を得る代償として炎ダメージを食らうマジックアイテムが公式にも存在するので、それを平然と使えるのはGMの警戒に関係なく利点である。唯一、後述するダークドワーフが操る黒い炎だけは防ぐことができない。

 魔法使い技能の習得制限はないが、世界観的にプリーストとマギテックが大半を占める。性能的には知力が低いがMPは潤沢なため、発動さえすれば効果を発揮するコンジャラーやプリーストなどの支援・回復魔法との相性がいい。魔法戦士で自分ごと敵を【ファイアボール】で焼くのは茨の道であるため、攻撃魔法はできれば仲間に任せよう。

 なお本作でのドワーフ女性は生涯合法ロリという設定は物議をかもし、公式スタッフにすらこれに抗わんとする者が出たことも。

 自分達は死んだ神の生まれ変わりだと自称するうさぎ系種族。もふもふその1。(神聖魔法を除く)魔法は蛮族含めた全種族中でもトップレベルだが、物理戦闘は完全にダメという魔法使い特化型の種族。他種族よりも短命故に成長が早いこともあり、知性が高い割に性格は概して子供っぽく、内面は外見ほど可愛くない事が多い。対応する技能を持たずとも危険を感知できる[第六感]を種族特性として持つ(鈍足なせいで感知しても間に合わないこともあるが)。

 何故か信仰心を持っていたとしても神の声を聞くことができず、プリースト技能を習得できない。知力は極度に高く、生命力もそこそこにはあるが、精神力は「やや高い」程度なのでMP切れに注意。

 魔動機文明による人造人間であるが、ロボットよりホムンクルスバイオロイドに近いなまもの。ただし、首周り(ここは全個体共通)及び手指や耳など目に見える箇所に人造的なパーツが埋め込まれており、人間との識別が可能。なお原則として他の人族に仕える種族とされているが、ロボット三原則などは(魔動機文明時代はともかく現在は)関係ないらしく、精神面で他の人族と決定的に異なる部分はない。

 能力は戦士系寄りで、ドワーフとは違い、敏捷度(→回避力)はそこそこだが精神力(→精神抵抗力)は低い。また神と妖精の存在を感じ取れないため、プリーストとフェアリーテイマーを習得できない。種族特性として、1日1回だけ任意の量のHPをMPに変換することができる。

 他種族とは異なり、蘇生しても〈穢れ〉を一切蓄積しないが、代償として直近1年分の記憶が飛ぶ。また、ジェネレーターで生まれて(生産されて)から機能停止するまで成長・老化せず、外見が年齢に相応しない。

 人間などから〈穢れ〉を帯びて産まれてくる種族。角があり母胎を傷付けるため、胎生の種族の間では迫害されている。

 能力は全体的に高く(人間の能力値を一回り高くしたようなもの)、姿を変異させる[異貌]状態なら、詠唱・動作不要・防具によるペナルティ無視で魔法を使えるため魔法戦士にはうってつけ。一方、親の種族に応じて弱点属性を持っている。銀の武器も苦手。親がどんな種族でも(リルドラケンでも!)その容貌にあまり違いはない。

 不老種族。特にナイトメアは、外見的に老いない種族が多いこのゲームでも『寿命で死んだものがほとんどいないので寿命についてはよくわからない』と際立っている。

 悪に染まり蛮族側についた者はダークナイトと呼ばれており、不老である点を活かして前文明の時代から暗躍している者もいるらしい。また彼らダークナイトは原則として常時[異貌]化している。とはいえいくら蛮族ぶっても、ルール上は人族扱いである事には変わらない(魔物データでは蛮族に分類されている事があるが、たぶん間違い)。

 ドラゴンから変化した種族。力が強く頑丈だが、やや不器用で頭はあまり良くない。短時間の飛行が可能。ドワーフとは性能が似通っており、公式リプレイで「上位種族め」とやっかまれたことも。

 種族特性として、1日にトータル1分間の飛行が可能(飛行中は命中・回避にボーナスがかかり、能力的な弱点を補っている)。さらに鱗による防護点ボーナスがあり、尻尾は格闘武器として利用可能、ドワーフとは異なり回避も人間並みには確保できる……と、まさに前衛のために存在するような種族。逆にいうと、装甲を固めて前衛を張る以外のキャラの幅が狭い。ドワーフと違い、精神力がやや低くなりがちなため、魔法をかけられると意外ともろいのが弱点。

 ちなみに卵生なので、ナイトメアに対する偏見は他の種族よりも薄い。

 異世界から来たらしい種族。「1.0」時代と同じく、ずば抜けて器用で俊敏で非力。精神力は全種族中でもトップレベルだがMPが「なし」であり、魔法使い技能は取れるが、アイテム等で消費を代用できないとほとんど意味がない。代わりに抵抗した魔法は完全無効化になる。

 回避性能は高いが攻撃性能が低いため、その辺りの対策が重要。グラップラーで投げ攻撃、ライダーで騎獣攻撃、アルケミストで補助、おまけレベルの魔法使い技能を併用で《魔力撃》などなどが可能なため、シーフで突っつくしかなかった「1.0」のグラスランナーよりは色々とやりようがあるはず。とはいえやはり純粋戦力としては他種族に引けを取る。精神力を判定に使うことができるバード技能との相性が良好だが、バード技能もやはり計画的に運用するのは難しい。

 その極端に回避・探索特化した能力値と特徴で罠のことごとくを無力化してしまったり、バードの呪歌で大事な局面をあっさりと切り抜けられたりと、GM泣かせな種族でもある。

  • シャドウ(ルールブック1改訂版及びカルディアグレイス追加種族)

 三つ目の傭兵種族。素早く筋力もそこそこあるが、知力と精神力が低いため、完全に戦士系向き。精神力こそ低いものの、種族特性として精神抵抗に莫大なボーナスを持っているため魔法への耐性も強くスキがない。

 肌が灰褐色で、精神抵抗力に大きなボーナスが付くなど、「1.0」でのダークエルフと似た部分がある(実際、公式はそれをモチーフにしたらしい)が、ダークエルフとは異なり原則として人間サイドの種族である。ちなみに、かつてダークエルフが担っていたポジションは、公式の想定では後述する蛮族種・ドレイクが占めているようだ。

 なお当初発表時「密偵向きの種族」と言われたが、身のこなしはともかく、スカウトには探索など知力が求められる判定も多いため、あまり向いているとは言いがたい(むしろ暗殺者忍者っぽい気が…)。

  • フィー(カルディアグレイス追加種族)

 1000年に一度、大挙して隠れ里から現れる、妖精の中でも特に強い自我を持つ種族。妖精魔法が非常に得意だが、一般の人族のような魂を持たず、機械について致命的に無理解なため、プリーストとマギテックにはなれない。能力は「2.0」と「1.0」のエルフの間くらいで、素直にフェアリーテイマーとしてのコースを歩むのが基本だろう。

 地底から生まれてくる、透明な鉱石の身体を持つ種族。硬いが脆い肉体(いや、肉ではない)は、普通の人族のような五感はあるが、呼吸も食事も不要で毒にも病気にも侵されない(ついでに薬も効かない)。精神力が極端に高く、MPはほぼ無尽蔵。水に浮かず沈み、呼吸できないためエンハンサーにはなれず、食事をできないため飲食系のアイテムの効果を受けられない事にも注意。硬くて脆い石の体は、防護点は高いが生命力が低いという形で表現されている。

 MPが極端に多いため後衛向きだが、その場合は低いHPがさらに低くなるため、いっそ生まれ表で「戦士」を選び、神官戦士や魔法戦士になるという手もある。

  • ハイマン(ルールブック2改訂版及びイグニスブレイズ追加種族)

 魔法文明時代に、人間に魔術的強化を施して誕生した種族。ただし強化は完璧でなく、知力は高いが生命力が低い。長年にわたり封印されていたが、〈大破局〉で各地の遺跡が出土した中から蘇った。タビットとは別の形で魔法に特化しており、前世の記憶をある程度継承しているのが特徴。

 寿命が30年と非常に短く、老いる前に死亡する。種の存続のために互いの連絡を欠かさないため、種族外から陰謀論が湧いているが、当事者達はとりあえず無視している。

 タビットと違い、習得する魔法に制限がないほか、器用度がそこそこあるため(魔法文明の産物ながらも)魔動機師にもなりやすい。

 人に変身できる猫ともいわれる、変身能力を持つ猫耳種族。猫の姿で生まれるが、成長すると猫耳猫尻尾が付いた人間型になる能力を得て、レベルが上がると好きな人間に変身できるようになる。

 猫に変身しても能力が変わらないが、当然ながら脱衣してほとんどの装備が脱落するため、生身の武器が備わっているのを使えるグラップラーがお奨め。頭や耳に魔法行使に必須のアイテムを付けられるフェアリーテイマーやプリーストもいいが、精神力が低めなのでMPの確保が課題になる。

  • ダークドワーフ(イグニスブレイズ追加種族)

 人族ではあるが蛮族陣営に属しているため、蛮族内の項目を参照。

  • ヴァルキリー(ルールブック3改訂版及びルミエルレガシィ追加種族)

「1.0」とは違い、人間から生まれてくる突然変異種(名前のとおり、女性しか生まれない)。ナイトメアとは逆に、“穢れ”を持たないということもあり、「神に祝福された」と見なされて、神殿などで育てられる場合が多い。

 背中に翼はないが、落下速度を自分の意思で緩めることができ(この時に光の翼が出る)、ほかのキャラクターの抵抗力を一時的に上げることもできるため、ライダーに向いている。

 自称「太陽の子」。人間より逞しく長身で、身体に太陽をモチーフにした刺青を入れている。種族特徴も太陽と関係が深い(日光浴でHPを回復するなど)。第一の剣の理想に忠実で、力はあっても乱暴な事はしない。

 リルドラケンをより極端にした能力を持ち、筋力と生命力が極端に高く、知力と精神力はその反対。金属鎧が種族特徴の一部と相性が悪いため、よけてかわすタイプのファイターかグラップラーに向いている。攻撃の破壊力は凄まじいが魔法には弱く、精神効果に対して昼は強いが夜には弱くなるため、GMはソレイユの脅威をあまり計算に入れない方がよいだろうとのこと。

 もふもふの丸い耳を持つ、小柄な種族。基本的に姿を隠して生活しているため、一般人からは存在すら認識されていないことが多い。道具作りに高い才能を持ち、魔動機文明の繁栄にも貢献していた。

 能力値は、器用度が高めなくらいしか秀でた所は目立たないが、種族特徴で装備欄の「その他」が増えるため、レベルが上がってくるとマギスフィアを大量に装備する必要があるマギテックに向いている。隠密行動も得意だが、スカウトやセージを取らないと、(どこかのエルフのように)結果が伴わないという事態に陥る。

  • ノーブルエルフ(エイジ・オブ・グリモワール追加種族)

 魔法文明時代まで存在した「貴族」のエルフで、ありていに言えばハイエルフやエラドリンのラクシア版。

 水関係の能力が水上を歩いたりもできたりと上位互換だが、物理ダメージは余計に食らう欠点も持ち合わせる。概して後衛向き。

  • マナフレア(エイジ・オブ・グリモワール追加種族)

 同じく魔法文明時代まで存在した種族で、突然変異により体からマナが溢れ出した人間。その能力から貴族の部下としては重宝されたという。

 能力値は筋力・敏捷・精神力が高くなりやすく、溢れたマナは第三の手として用いることもできるが、代わりに魔法は一切使えない(フォーセリアのグラスランナーのように、技能を取ることすら不可能)。その分冒険者レベルでHP同様にMPが増えたり、マナの手で仲間にMP譲渡したりすることも可能。これらの点からエンハンサー等の魔法以外のMP消費手段を活用しての前衛がやりやすい。


蛮族

 第二の剣の陣営の神々を信仰する種族の総称。自称は「バルバロス」。人族に“戦神”ダルクレムが〈穢れ〉を与えて改造したのが始まりだが、幻獣が変身能力を得たと思しきものや、第三の剣の種族が参入したものも交ざっている。個体としての戦闘能力は高いが、「力がすべて」的なため、組織力は人族に対して大幅に劣る。

 原則としてPCにとっては敵となる種族(マーマンやケンタウロスなどの例外を除く)だが、以下に示す種族のみサプリメントによる選択ルールの導入によって使用可能になる。

 基本的に人族よりもステータスが強力で、デメリットがきつい。

  • ドレイク(ブロークン)(バルバロステイルズ追加種族)

 蛮族のエリート種族。通常は角と皮膜の翼を持つ人の姿をしているが、生まれつき持っている魔剣の力で、竜の姿にも変身できる。物理戦闘も魔法も得意で、蛮族社会のリーダーになっている事が多い。〈大破局〉当時の蛮族の総大将“蛮王”もドレイクであった。

 ……なのだが、生まれつき持っているはずの魔剣を持たない、あるいは失った者がいる。そのような“魔剣を持たない”ドレイクが、PCとして使用可能。蛮族社会では蔑まれる対象のため、蛮族社会に反感を感じるなどして、人族の社会に活路を見出す者もいる。名誉点でのみ入手できる〈剣の結晶〉と引き換えに竜人形態へ変身できる。魔剣がなくてもエリート種族だけあって、能力値は全体的に高い。

 敵としてのドレイクは本作でも特別な地位を占めており、「爵位」に応じた様々な強さのドレイクが存在するため、どんなレベルのPCに対しても幅広く宿敵を演じることができる。

 後に魔剣を持つドレイクのPCデータが追加されたため、こちらは区別として「ブロークン」と呼ばれるようになった。

 黒い肌をした、身長3mを越える巨人の一種。個人の強さを追い求め、場合によっては人族に味方して蛮族と戦う。ステータスは最も優秀(特に筋力と生命力が)だが、生まれつき限界ギリギリまで魂に〈穢れ〉を持つため、大きな人族の街に入れず(高い〈穢れ〉を持つものを排除する結界が張ってあるし、そもそも巨体が目立ち過ぎる)、蘇生もできない(確実にアンデッド化してしまう)、初期習得言語で人族に通じる言語を持っていないなど扱いづらさが目立つ。公式リプレイでは敵として使うためにこのPCデータ・ダークトロールが使われたことがある。

  • ラミア(バルバロステイルズ追加種族)

 上半身が美しい女性で、下半身が大蛇。人族の血を吸わないと生きていけないため、人族の社会に潜伏する事が多い。自身の姿を人族のものに変える特殊能力を持つが、変化中は物理戦闘能力がやや落ちる。吸血で回復もできるが与えるダメージが低くなるため、どちらかというと魔法使い向き。変身にも時間制限があるため、見られないように気を付けよう。

 いわゆるワーウルフワータイガーなど。人間の姿と獣人の姿を併せ持ち(完全な獣形態にはなれない)、獣人になると防護点も上昇する。どの動物かはプレイヤーが自由に決められるが、ステータス上の違いは出ない。人間を儀式で改造して同族にするため、人族の社会にも通じており、他の蛮族からも距離を置いている。能力は戦士向き。獣化する際には人目に気を付けないと大変な事になるので、細心の注意を払いたい。

 蛮族の中でも下っ端中の下っ端で、扱いに耐えかねて人族の社会に逃げてくる事がある。蛮族だが、非力かつ小器用になんでもこなすため重宝されることもある。見た目犬人間なもふもふその2。

 成長限界が他の種族よりも早く訪れる。また他種族から軽んじられていることが[軽視](敵の攻撃ターゲットにならない)という種族特性として反映されている。実際にも、よほど機密が重要な場所でない限り人族社会でも許容されている(蛮族社会のコボルドとは、扱われ方と態度が明白に違うためすぐ区別が付く)。この[軽視]特性を活かして、一部地方には特殊な密偵――ニンジャ――としての修行を積んだコボルドがいる。ただしたとえ「マスター」位階に至るまで修練を積んだとて、コボルドの種としての限界は超えられない。

 またもうひとつの種族特性として、一般技能を他の種族よりも充実して習得できる[小さな匠]という特性を持っており、『小器用になんでもこなす』という設定が反映されている(ゲーム中で役立てる機会は少なそうだが)。

 そういうわけで、はっきり言って戦闘には向かないのだが、筋力が低く知力が高い(というか低過ぎない)ため、あえて言うなら後衛寄りである。

 ガルーダミノタウロスバジリスクマーマンなどから生まれる突然変異。〈穢れ〉が少ない分能力は低い(能力値は人間並みに毛が生えた程度)が、人間に姿や気性が近く紛れやすい。親の種族にもよるが、蛮族社会では人族社会のナイトメアかそれ以上に迫害されている。

 種族特性が「両手用近接武器によるダメージを増加」であるミノタウロス・ウィークリングは前衛向き、「MPを消費して遠隔ダメージ攻撃」であるガルーダ・ウィークリングは魔法使い(特に攻撃呪文が少ない系統)向き、それ以外は生まれ表次第で。

 ノスフェラトゥ吸血鬼)と人族の間に生まれる、いわゆるダンピール。筋力や知力が高くて魔法戦士に適している……というとナイトメアと被りそうだが、ナイトメアより敏捷な反面、生命力は虚弱であり、日光の下では肉体的に弱体化する。吸血しなくても生きられるが、吸血でHPを回復させる事ができる。基本的に人族社会で育ち、ノスフェラトゥを憎悪しているため、蛮族社会内の蛮族パーティに参加するには不向きである。

 魔法戦士では扱いにやや不安が残るが、吸血能力を使わない気なら純粋な魔法使いでもよい。

 はるか昔、人族を裏切り蛮族についたドワーフの裏切り者。外見は色白のドワーフ。

 炎への耐性を失っているが、その代償としてドワーフの身体さえ焼き尽くす黒い炎を操る能力を持っている。また、ドワーフより微妙に素早く打たれ弱い。

 ちなみに、蛮族陣営に加わっているが〈穢れ〉は持たず、魔法の効果等のルール上は人族として扱われる。

 魔神に似た外見の種族であるが、れっきとした蛮族。神ではなく「始まりの剣」であるイグニスを直接信仰している。イグニスを私欲のために奪い合っていた第二の剣の神々との関係は、控え目に言っても悪い。

 生まれつき炎と土の妖精を宿しており、レベルが上がれば技能に関係なく妖精を使役できる非常に強力な種族だが、その代償としてダークトロール同様、プレイングの上での制約が非常に大きい。

 同族同士で争うことを掟で固く禁じており、その禁忌を破った裏切り者を裁く者もまた、『裏切り者とはいえ同族』として、自ら罪を被らねばならない。PCとして使えるのは、こうした自ら罪を負った処刑人バルカンである。

  • ドレイク(ナイト)(バルバロスブック追加種族)

 魔剣を持っている状態の正真正銘のドレイク。区別のためこちらは「ナイト」と呼ばれる。

 力の源である魔剣を持っているだけあって「ブロークン」よりもわずかながら基礎値が高い他、翼で常時飛行状態、また最大の特徴として3部位の巨大な竜形態へと変身することができ、敵データと遜色のない能力を振るう事ができる。

 ただし変身には防具を破壊しなければならない(防具によっては変身不可)、変身後の能力を活かすにはバルバロスブックで追加された「フィジカルマスター」を習得する必要がある、何より〈穢れ〉が4点あるため『守りの剣』の効果範囲内では致命的な制限を受けるなど制約も多い。

 石化の邪眼を持つ、ドレイクと並ぶエリート蛮族。ウィークリング(バジリスク)とおなじ『邪視』や『猛毒の血液』を持ち、能力も高水準。ビルド次第でどのような戦局にも対応できるようになる万能種族。流石エリート

 ドレイクと同じく3部位の巨大モンスター形態に変身する能力を持つが、こちらは変身すると知力が大幅に下がるというデメリットがある。またこちらの〈穢れ〉も4点あるため、行動には制約がかかる。

 ちなみに意外なことに『暗視』を持っていない。

 水辺に生息する直立したトカゲ人間。器用度と精神力が低めだが、その他は高水準でまとまっている。蛮族版リルドラケン(ただし飛べない)といった感じ。

 デフォルトで『尻尾』を持っている他、一定時間無呼吸で活動できる『無呼吸活動』によって毒・病気に対する抵抗を高めることができるという種族特徴を持つ。

 更に成長すると、乱戦エリア中の仲間の数で命中力が上がる『仲間との連携』か、乱戦エリア中の危機に陥っている仲間の数だけダメージが上がる『敵への憤怒』のいずれかを選択して取得することができるという変わった種族特徴を持っている。

 〈穢れ〉は3点のためぎりぎり守りの剣の範囲内でも行動できるが、見た目が完全にアウト。

 草原に生きる半人半馬の種族。知力と敏捷がやや低いが「移動力が2倍になる」という種族特徴を持ち、また全体的に高水準にまとまった能力を持っている。

 下半身が馬のため騎獣に乗ることができないが、蹄を武器として持ち、一部装飾品が通常とは異なる種別になる。

 また、ライダー技能の一部を自分自身に適用することができる『馬人の武術』を持ち、成長すればその背に仲間を乗せて戦えるようになる。

 〈穢れ〉は3点だが大きすぎる(小柄な物でも2m程)図体が災いして潜入には全く向かない。

  • その他(PC選択不可)

 これらPC使用可能種族の他、敵専用の種族として妖魔(ボガード、ゴブリンなど)、ミノタウロスオーガ巨人などがいる。

 なお、「1.0」では人間や妖精(あちらでは人型種族)に好意的あるいは中立だった巨人(一部)、リザードマン、サテュロス、アンドロスコーピオン(アンドロスコルピオン)も、「2.0」では蛮族であるため敵対的になっている。特にオーガは本作では魔法能力に加え『食らった人間に変身する』という独自の特徴を持っているため注意が必要である。

 さらに蛮族の中にもマーマン、ケンタウロス、コボルドなど中立的な態度を取る種も多い。


その他の種族

 聖なる構造物に魂が宿って受肉した種族。同じ無機物生まれのフロウライトとの違いは、受肉した時点で普通の肉体になっていること。そのため、触っても硬くないし食事も可能。身体のどこかに聖印を持ち、その聖印の神を信仰するプリーストでもある。

 信仰する神がどの剣に属するかで能力が異なり、復活の方法も異なる。第一の剣なら後衛向き、第二の剣なら前衛向き、第三の剣ならバランス型。それとは別に、人族と蛮族のどちらに属するかにより、初期習得言語と“穢れ”の点数が変わる。


技能

「1.0」と同じく、冒険中やその他のシチュエーションでまとめてできる事を、「技能」としてまとめており、PCは経験点で冒険者技能を「購入」する。


戦士系技能

  • ファイター(戦士)

 必要筋力いっぱいの重装備が可能な戦士。火力でグラップラーに、回避・命中で(レベルの都合上)フェンサーに劣るが、重装甲を固めることで物理攻撃に対して無類の防御力を誇る(ただしガン含む魔法属性ダメージには無力。さらにファイターでなくても金属鎧を着ることはできる)。高レベルではHPが大幅に増やすことができ、ダメージ全般に打たれ強くなる。さりげなく射撃武器を使う能力が削られていたが、改訂で投擲だけOKになった。

  • グラップラー(拳闘士)

 突き蹴り・投げなどで戦う格闘戦士(ちなみに関節技等は戦う相手が人間型ばかりとは限らないため、発達しなかったらしい)。重装備ができず装甲にこそ期待できないが、デフォルトで2回攻撃が可能であり(戦闘特技でさらに増える)、手数による大火力を誇る。相手を投げ飛ばして転倒させたり、戦術のバリエーションも豊富。

  • フェンサー(軽戦士)

 筋力値の半分までの軽装備で戦う戦士。クリティカルが出やすいのが特徴。1.0におけるシーフ技能から戦闘能力のみを抽出したものである。重装備こそできないもののレベルアップが早く、特に遊ぶ機会の多い低~中レベルではレベル差とクリティカルでフェンサー>ファイターというのが定説。回避が高いため、防護点を無視してくるガンに対してはファイターよりも相対的によく耐える。高レベルでは息切れするが、そこまで成長するまで遊ばないという場合も多い。魔法使いとの兼業など育成パターンも豊富。こちらも改訂版で投擲攻撃が可能になっており、投擲武器が総じて軽い(必要筋力が低い)のもありシューターより優秀と言われることも。

  • シューター(射手)

 弓や銃などの飛び道具を扱うための技能(『カルディアグレイス』または改訂版ルールブック適用により、投擲武器はファイターやフェンサーでも扱える)。後述マギテックとの併用で、防具によるダメージ軽減を無視する圧倒的火力を擁する銃火器を扱う「マギテックシューター(通称マギシュー)」が最もメジャーな構築。特に二丁拳銃のマギテックシューターは本作でも屈指の大火力キャラクターとなる。

魔法使い系技能

  • ソーサラー(魔術師)

 攻撃系に強く、探索にも役立つ「真語魔法」を使用可能。「1.0」のソーサラーを2つに分けたような技能で、もう片方がコンジャラー。「2.0」では珍しく、HP回復の魔法を持たない。

  • コンジャラー(操霊術師)

 補助魔法に強いほか、人形やゴーレムなどを操る「操霊魔法」を扱う。本作では死者蘇生もこの魔法のカテゴリー。アンデッドも作れるが、ラクシアのアンデッドは人族・蛮族問わず禁忌の対象である。【プロテクション】【カウンター・マジック】等のために1人は欲しい。

  • プリースト(神官)

「神聖魔法」を使う回復係。本作では「1.0」とは異なり他の魔法使い技能でもHP回復ができるようになったが、やはり回復には最も有用なクラス。特に気絶からの復帰は他技能にはできない。「1.0」では敵専用の邪神に類する神の神官は「ダークプリースト」という別技能扱いだったが、「2.0」では同じプリーストである。「2.0」初心者は、2レベルにならないと【キュア・ウーンズ】を使えない事に注意。

 信仰する神によって違う「特殊神聖魔法」で個性を表現できるのも特徴。小神を信仰している場合、信者の多い地域を離れると消費MPが増加するため、そういった信仰を希望する際には、事前に舞台となる地域を確認するように。

  • フェアリーテイマー(妖精使い)

 妖精=意思を備えたマナの集合体と契約して「妖精魔法」を操る。効果自体はシンプルなものが多いが、属性付きの魔法が多いのが特徴。攻撃・回復ともに使える。サプリメント「ウィザーズトゥーム」導入時には、妖精との契約を自由に結ぶことができるようになり、自由度が飛躍的に高まる反面煩雑さも強くなる。

  • マギテック(魔動機士)

 魔動機文明の万能魔法ツール「マギスフィア」を操る「魔動機術」使い。強大な殺傷力を誇る銃火器も扱うことができる。そのため、銃を命中させる(マギテックで出来るのは弾丸装填まで)技能であるシューターとの組み合わせが前提となっているような技能だが、自己補助が豊富で鎧の制限もないため、それ以外の戦士との相性もいい。低レベル帯では(ガルーダ・ウィークリングでもなければ)専業だと戦闘の役にほとんど立てないので注意する事。

その他の技能

  • スカウト(斥候)

 探索行為全般に必要になるほか、先手を取るのにも必要な重要な技能。レベルが上がると、《ファストアクション》で開幕早々に敵を連続攻撃できるようになる。環境によってはこの特技のためだけに全員がスカウト技能を持っていることもある(「イグニスブレイズ」で修正を受けたが)。なおこの技能は盗みにも応用できるが、本職の盗賊というわけではないため、「1.0」のような『盗賊ギルドへの加入・上納金義務』は存在しない(「2.0」の盗賊ギルドは、純粋な犯罪結社である)。

  • セージ(賢者)

 知識判定全般に必須となる技能。言語も取れるが、プレイヤーが能動的に使う場面はほとんどない。人族を除く敵に対する判定の達成値が十分に高ければ、「弱点」を見抜いて、自分や味方からの攻撃にボーナスを与える事ができる。

  • レンジャー(野伏)

 野外限定で探索が行えるほか、薬品での回復にボーナスがもらえる。探索についてはスカウトでもほぼ同じことができるため、薬品ボーナスを目当てにすることが多い。高レベルで取得できる《不屈》は『生死判定に失敗しない限り倒れない』という強力な効果を持っており、特に前衛戦士との相性がよい(しかし、「生死判定に失敗したら死ぬ」という点に違いはないので、却って死に近づきやすい危険もある)。

  • バード(吟遊詩人)

 さまざまな効果をもたらす「呪歌」を歌えるが、敵味方無差別に効果が出るため扱いが難しい。逆に、効果自体は代用が利きにくくかつ強力なものが多く、シチュエーションと用法によってはゲームバランスを一変させるほどのGM泣かせの潜在能力を持つ。判定は精神力を用いるため、グラスランナーやフロウライトが使うととてつもない威力を発揮する。会話限定だが言語も習得できる。なお、「1.0」で存在した「街角で歌って金を稼ぐ」能力は失われた。(ルールブック2追加技能)

  • エンハンサー(練体師)

 特殊な呼吸法による「練技」で、自身の肉体を強化・変容させる。戦士が自己補助を行うにはうってつけの技能だが、単独で使う機会は非常に稀。いくら補助動作で一度に複数の練技を使えるとはいえ、乱用するとMPが潤沢なドワーフか、HP→MP変換能力を持つルーンフォーク、あるいは魔法使い兼業でない限りすぐにMPが切れかねないため、エンハンサーにつぎ込む経験点で戦士系の技能を成長させたほうが強いという場面もしょっちゅう。(ルールブック2追加技能)

  • ライダー(騎手)

 馬やドラゴン、バイクなどの乗り物(騎獣)を扱うための技能。騎獣に「騎芸」で指示を与えることで探索を行わせたり、魔物知識の判定ができたり、種類によっては戦闘に参加させたりと汎用性が高いが、騎獣はおしなべて高価なうえに戦闘に巻き込まれて死ぬ危険が大きい、屋内では使いにくいなど運用には難点が多い。(ルールブック3追加技能)

 だったが、ルールブック3改訂版で、騎獣レンタルが種類別の初期費用+生物に与える食費等のみになり(騎獣を死なせて不名誉称号が付いた場合を除く)、騎獣の能力が冒険者レベル基準になり、通常の攻撃に騎芸が不要になった。


サプリメント追加技能

 これらは後付の上級・選択ルールであり、全般にクセが強い。

  • アルケミスト(錬金術師)

 物質のマナを精製した「マテリアルカード」を使うことでさまざまな効果を発揮する「賦術」を用いる。マテリアルカードによる金銭的な負担こそ大きいが、その効力は採用するか否かでゲームバランスが変化するほどに強力。(「アルケミストワークス」より)

  • デーモンルーラー(召異術師、魔神使い)

 魔神と契約を結ぶことで、魔神を呼び出したりあるいは自身の肉体に魔神の能力を宿す「召異魔法」使い。発動に必要な「契約書」が使い捨てであったり、そもそも魔神の存在自体が公に認められていなかったり、PCが使うには面倒の多い技能。

  • ウォーリーダー(軍師、戦旗師)

 戦場で仲間を支援する(自分には効かない)「鼓咆」を用いる。名誉点を直接戦闘のリソースにすることができる技能であり、またスカウト以外で先手を取る判定が行える唯一の技能でもある。それだけでなく、通常敏捷力で判定するところを知力でも判定することも選べるので、魔法使いの後衛型が持って損がない。

  • ミスティック(占者)

 さまざまな行為判定に対して有利になるよう働きかける「占瞳」を使う。判定にボーナスを与えるだけでなく、「実は○○だった」と因果を捻じ曲げる能力や、GMに対して質問を行ったりとメタ的な能力も。抵抗はされないが、反動によるダメージもあるので死なないように注意。(以上3つ「カルディアグレイス」より)」


  • ウィザード(魔導師)

 ソーサラーとコンジャラーを両方伸ばし、真語・操霊両魔法を習得した者に対する呼称。強力だが扱いは一筋縄ではいかない「深智魔法」を操ることができる。独立した技能というわけではないので、システム上では「ウィザード」という技能は存在しない。が、《MP軽減》で選ぶことは可能。(「ウィザーズトゥーム」より)


  • フィジカルマスター(部位操者)

 『魔装』と呼ばれる技能により、自分の部位を強化したり新たな能力を付与することができるようになる。複数部位を持つキャラクターにしか意味の無い技能で、現時点ではドレイクとバジリスク(いずれも変身後)専用の技能と言っていい。(「バルバロスブック」より)


  • グリモワール(秘術師)

 魔法文明時代に存在した「秘奥魔法」が使える。例外的に(練技などのように)1レベルごとに1つずつしか覚えられないが、レベル帯の割に強力なものが揃っている。専用の「魔道書」から発動するという独特の形式のため鎧などの制限もなく、片手は塞がるものの魔法戦士向きともいえる(中には武器や盾として使える魔道書なんてのもある)。

  • アーティザン(魔工士)

 魔法文明時代に存在したマジックアイテム「魔器」を使いこなす。魔器は使い手が覚えた「呪印」を書き込んで起動(アクティベート)することでパワーを発揮する。アクティベートにはMPが必要なので、注ぐ対象が変わるだけでリソース管理の仕方は練技に近い。武器以外にも防具や装飾品の魔器も存在するので(さらにはグリモワール用の魔道書も)、前衛・後衛どちらにもメリットがある。

  • アリストクラシー(貴人)

 魔法文明時代に存在した「貴族」の支配する力「ドミニオン」をもって、「レギオン(軍団)」を率いて戦うことができる。また、貴族の振舞いの洗練ぶりを表したものでもあり、習得した「貴格」によって相手からの印象に作用したり、味方を補助することも可能(レギオンを強化する貴格もある)。

 レギオンは通常のキャラクターとは異なる特殊な処理を要するので、初級者のうちにはオススメとは言いがたい。レギオンを持たなくてもそれ以外で使える貴格を揃えるなら問題なし。(以上三つ「エイジ・オブ・グリモワール」より)


 このように技能のバリエーションも多く、低レベルのうちにプリースト以外も治癒魔法を使えるようになるため、パーティ構成がほぼ固定状態になる前作より、構成の自由度が増している。全般に「1.0」よりレベルが上がりやすくなっているため、兼業も容易。

 また、MPが魔法使い技能のレベル数合計により上昇するため、複数の魔法使い技能を取っても、「1.0」のように「ほぼ無駄」になる事はない。

 さらに、「1.0」では経験点上非常に困難かつほぼ無意味だった魔法戦士についても、魔法戦士をサポートする戦闘特技が存在するため、能力値次第では極めて強力なキャラクターとして育成できるようになった。


一般技能

「1.0」とは違い基本ルールにはなく、サプリメント『アルケミストワークス』により使用できる。冒険とは関係なく、冒険者レベルの上昇に反映されないうえに、経験点での習得もできない技能。種類は無数にある。

 冒険者は基本的に、最大で5レベル、合計で10レベル(コボルドのみ15レベル)までしか取れないが、最初は習得限界まで取らず、後でキャラクター設定の充実のために一般技能を取る事ができる。


戦闘特技

 戦闘で特殊なオプションを使ったり、戦闘能力を単純に向上させたりする能力。冒険者レベルの上昇とともに獲得していくものと、技能レベルの上昇で自動取得するものがある。

 これら戦闘特技の取得パターンによって、同じ技能レベルであっても性能に多様性が生まれる。

 とりあえず、プリーストやコンジャラーは魔法の対象数を増やさないと、ソーサラーやシューターは攻撃の誤射を減らさないと話にならないが、あえて定石を無視する事もできる。

戦闘特技から派生する、強力な「流派秘伝」も各種サプリメントで設定されている。


世界設定

 新たな「ソード・ワールド」(剣の世界)であるラクシアの起源は、「始まりの剣」という3本の剣に遡る。

 始まりの剣は所有されることを望み、世界に生命と魂をばらまいた。

 こうして植物、動物、幻獣、人間が生まれた。


 第一の剣ルミエルは、最初にそれに触れた人間であるライフォスに力を与え始祖神とした。ライフォスは信頼できる仲間達に剣の力を分け与えて神々に加えて、世界に繁栄をもたらした。人間と、人間から変化したエルフとドワーフ、ドラゴンから変化したリルドラケン、その勢力は人族と呼ばれる。

 第二の剣イグニスは、戦神ダルクレムに力を与えた。イグニスの力を独占したダルクレムは、生物の魂に〈穢れ〉を与えると肉体が強化される事を発見して、人族などから、ドレイクをはじめとする蛮族(バルバロス)を産み出した。

 剣の力を独占しようと、ダルクレムは蛮族を率いて、ライフォスと仲間の神々に戦いを挑んだが、イグニスはダルクレムから盗まれて、現れた神々により世界は混迷を増していく。

 第三の剣カルディアを賭けて両陣営は争うが、カルディアは自ら砕けてマナとなって世界に散らばった。


 争いの末、神々は永き眠りにつく。

 神紀文明シュネルア、魔法文明デュランディル、魔動機文明アル・メナスと3つの古代文明が起こっては、滅びていったが、1万年以上たった今もなお、人族と蛮族は戦いを繰り広げていた。

 蛮族に魔動機文明が滅ぼされた〈大破局〉から300年。ラクシアの各地において人族は勢力圏を取り戻していたが、〈守りの剣〉を持つ都市を離れると蛮族が徘徊し、未だに蛮族領が近隣の人族を脅かしている。

 

 こうした種族間戦争において、義勇兵として時に蛮族の尖兵を退け、時に強力な前時代文明の遺産を回収するなどしてきたのが、プレイヤー・キャラクターでもある『冒険者』である。

 このような前提があるため、ラクシアにおける冒険者はフォーセリアとは違い、単なる山師やならず者として蔑まれることは少なく、種族間戦争の闘士として一定の敬意を受けている。


フォーセリアとのその他の違い

  • ラクシアの神は、フォーセリアの神と大きく異なる。
フォーセリアの神ラクシアの神
由来始原の巨人から生まれる。始まりの剣に触れる。
人は神になれるかなれない。人族か蛮族ならなれる。
現世へ干渉できるか自分のプリーストにしか影響を与えられない。場合によっては地上で活動できる。

  • 古代文明が3つ存在する。

 ※フォーセリアにも神々の時代はあるのだが、公式作品にはほとんど反映されていない。

  • ラクシアの冒険者は、魔動機文明が蛮族に滅ぼされた〈大破局〉後の人族勢力の義勇兵が起源であるため、「1.0」の冒険者より公的地位が高い。冒険者の店の店主から見込まれた冒険者は、身分保証として店のエンブレムを渡される。地域によっては、国軍が冒険者を予備兵として抱えている。
  • 直前の前時代文明が滅亡したのが300年前と比較的最近の出来事であり、長命種族(エルフ、ナイトメア、ドレイクなど)の中には当時をよく知っているキャラクターも珍しくない。
  • ラクシアの魔法の武器は、始まりの剣を原型としており、「魔剣の迷宮」を生成する能力を持っている。たとえ単なる+1のソードでも、確率は皆無ではない。

二次創作ガイドライン

2018年6月29日、KADOKAWA運営サイト「TRPG ONLINE」上にて、『ソード・ワールド2.0』及び『ソード・ワールド2.5』に関する、二次創作支援のためのガイドラインが公開された。

何らかの二次創作作品を公開しようと考えている場合、目を通しておくことを推奨する。


【ソード・ワールド】二次創作ガイドライン(外部リンク)


外部サイト

グループSNE

ニコニコ大百科「ソード・ワールド2.0」…関連動画が多いためか、内容がかなり充実している。


関連イラスト

ゆくのだ僕のゴーレム隊

TRPG sw2.0 自キャラ【SW2.0】蛮族PC種族紹介してみた


関連タグ

【別名・表記ゆれ】

SW2.0ソード・ワールド2.0/swordworld2.0


【作品カテゴリー】

ファンタジー TRPG リプレイ


【種族】

人間 エルフ ドワーフ タビット ルーンフォーク ナイトメア リルドラケン グラスランナー シャドウ フィー フロウライト

ドレイク ダークトロール ラミア ライカンスロープ コボルド ウィークリング ラルヴァ


【職業】(本作独自のもの)

マギテック コンジャラー

…独自のもの以外は、ファンタジー職業も参照。


【公式リプレイ集】


【公式単発リプレイ】


「魔法少女~」「バルバロス~」「カルディア~」はそれぞれサプリメント『ウィザーズトゥーム』『バルバロステイルズ』『カルディアグレイス』における追加要素の紹介、「バウムガルド~」はルールブック改訂版の紹介+ランダムダンジョンのミニサプリメント、「サーペント」2作はレベルカンスト環境でのプレイングの例示など、いずれも目的に応じた特殊なレギュレーションでのプレイとなっている。


【公式シリーズ】


【動画】


【作品など】

ソードワールド

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