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「アキバにタダで行けるから」「ボクは友達いないから」

「ボクは下手だ だからひとつのことをがんばってやるしかないんだ」

プロフィール

学年千葉県立総北高校1年4組→2年2組→3年生
1年3組(実写映画版)
出身中学九十九里西中
タイプクライマー
愛車ママチャリ、クロモリロードレーサー→黄色のBMC
身長165㎝
体重54㎏
BMI19.8
誕生日1993年3月7日
星座魚座
血液型O型
ゼッケン番号176(1年目)、1(2年目)、3(3年目)
イメージ動物カエル(劇場版)
声優山下大輝
俳優村井良大 / 小越勇輝 / 糠信泰州 / 曽田陵介(舞台)
小越勇輝 / 川岸釈天(小学生時)(ドラマ)
永瀬廉(映画)

キャラクター

本作の主人公。千葉県立総北高校の1年生。原作262話及びアニメ3期9話で2年生に、原作691話で3年生になる。

短髪の髪型で小柄で細く(※)、丸い眼鏡を掛けており、体育会系特有の強引な威勢と威圧な気風を苦手としている。その為もあり、運動部には絶対に入らないようにしていた(坂道の主観から見て怖くて凶暴なこの人との遭遇を避ける為でもあるが)。そのうえ体育の授業の成績もあまり芳しくない。

例外もあるが同級生や下級生でも敬語を使うことが多く、心の中の呟きでも丁寧語を使うことがある。


当初は部員不足で休部となっていたアニメ・マンガ研究部(以下アニ研)を復活させることに奔走していたが、ひょんなことから自転車競技部(以下自転車部)に入部する事になり、徐々にその才能を開花させていく。


※2020年公開の実写劇場版で坂道役を演じた永瀬廉は身長が175㎝(鳴子章吉役の坂東龍汰も同じ)で、今泉俊輔役を演じた伊藤健太郎(179㎝)と4㎝の差しかない。


概要

漫画やアニメが大好きなオタクで前述の通り基本的にスポーツは苦手であまり好まない。

その癖、小学生の頃から毎週、秋葉原までの往復90km程度を往復1000円(2010年の読切時点)程の電車賃を浮かすためにママチャリで飛ばして通っている(参考までに、アニメ版の総北高校の最寄り駅である京成佐倉駅に近い総武線の佐倉駅から秋葉原までは片道990円(2021年現在)なので、実際は約2000円浮く格好となる)。

自宅も激坂の上にあるためか登り坂が得意であり、斜度20%の激坂をママチャリですら登る。登坂の時には笑顔になる癖があり、更にノリに乗って大好きなアニメ「ラブ☆ヒメ」の歌を歌うと調子が良くなる。

これらによって培われた諸々の素質によってハイケイデンス(高回転)タイプの芯の強いクライマーへと成長し、校内では初心者ながら1年生レースの山を制したり、合宿で1000キロ走破したことで主将の金城真護から「意外性」という面を買われていく。更にはIHの頂点に立ったことで後輩からは「生きる伝説」と噂になり(ただし本人はそうとも知らず変人扱いされていると思っていた)、その一方で他のレースでは山岳賞を総嘗めしたため、「山王」と呼ばれるようになるなど、自転車に関しては高いポテンシャルを秘めていることが窺える。

しかし、本人は自分自身の勝利を望んではいなく、中学では友達がいなかったことから「仲間とつながる」ためという極めてシンプルな理由で自転車に乗り、走っている。


元々気が小さく他者と話すことが苦手だが(校内の女生徒目線からは変人に見られることもないとは言えない)、仲間思いで直情的な性格でありアドバイスや約束を律儀かつ愚直に守ろうとする。

悪くいえば無謀極まりないお人好しで策略こそ苦手だが、その才能とガッツは何より追い上げの時こそに恐ろしいほどまでに発揮される(要するに典型的なやる時はやる男である)。

不遇にも今まで同じ趣味の友達が得られなかった事から、誰かと一緒に好きな事をして楽しむことに対する憧れがあり、それにおいて部の中でも人一倍、自転車を純粋に楽しむ心の持ち主である。そしてこの点を周囲に次第に買われてゆく。


好きなアニメは『ラブ☆ヒメ』『モグモグリン子』など多数。


誕生の経緯

キャラクターとしての坂道は、初期の女の子主人公からのキャラクター変更の際、かつて執筆していた電車男の主人公をヒントに「スポーツが苦手なオタク少年」を主人公に決め、「意外性」という観点から自転車競技の世界とは対極の位置にいる男子で描きたかったことを公式ファンブックなどで明かしている。名前についてはクライマーということもありほぼ直感で決めており、当時の担当編集者が修正後の初期原稿を見て「名前を変えてほしい」と言う爆弾発言(ほかにもメガネはいつ取るかとも聞いていた)をした際も「もこみちみたくでよくないか」と返して納得させていた。


ライドスタイル

坂道のライドスタイルは尋常じゃない前述した高回転ケイデンスと安定した体幹にある。

これらはママチャリ時代から無意識に鍛え上げられており、高回転ケイデンスは秋葉原に自転車で行く息子の身を案じた母親が自転車店に頼んでクランクのチェーンリングを端数の小さな物に交換したことによる副産物から、安定した体幹は細かい部品があって壊れやすいフィギュアを揺らさないで走るための走りから応用されており、その体幹はママチャリで初めて乗る3本ローラー台を安定したバランスで乗ったり、出戻り部員から挑戦を受けた際の重量物を背負ったハンデバトルでも生かされた。


経歴、レース戦歴

※実写劇場版については基本的に原作やアニメなどと異なる点が多いため、都度補足として記す。

1年目

入部まで

中学の時から共通の話題を持つ友達のいない坂道は、高校でアニ研に入部して仲間と共に秋葉原へ行くことを夢見ていた。しかしそのアニ研は部員不足で休部となっており絶望の淵に陥るも、アニ研再建のために奮闘する。


入学初日に裏門坂をママチャリで登る坂道を見たという運転手から「乗っていたのではなく押していた」と思っていた今泉俊輔は、その後足をつかずに鼻歌交じりに登る坂道の姿を目の当たりにして「気になる要素は払い落す」と坂道に勝負を挑むが、その並外れたケイデンスと何度も引き離しながらも追いあげてくるスタミナに驚きを見せる。勝負は今泉が勝利するが、坂道の走りを評して自転車部への入部を勧める。ただしこの時の坂道はまだ運動部へ入ることの抵抗があり、それを察した今泉も無理に誘おうとはしなかった。


後日秋葉原で親の転勤で大阪から引っ越してきたという鳴子章吉と出会い、のちに総北に入学していることを知って再び再会、秋葉原からの帰路の走りを見て自転車部を入るよう勧められる。当初こそは乗り気でなかったが、鳴子から裏門坂へ呼ばれた際に見た自転車部の走る姿と、その中に今泉がいたのを見て、改めて自分に可能性があるならばとアニ研の募集を諦める形で自転車部への入部を決意する。


ウェルカムレース

入部と同時に行われたウェルカムレースでは、今泉との裏門坂の走りを見た金城が入部することを前提に坂道のために手配していたロードレーサー(ロードバイクともいう、以下ロードと略す)が間に合わず、ママチャリでレースに走ることとなる(この時はまだ坂道用のロードが手配されていることを当の本人は知らない)。スタート前に回収車を出すことを聞き、レース続行困難として回収される(=リタイヤの)恐怖に脅えながら走るが、フロントを2段化したとはいえママチャリゆえの根本的な差が響いて杉元照文らに大きく差を付けられる(追い禁解禁後の今泉との会話で鳴子はママチャリに乗る坂道のことを「道具を持たずに試合に出とるようなもん」と言っている)。そこに金城らを乗せたワゴン(回収車兼サポートカー)が追い付き、一度は回収(リタイヤ)の焦りから逃げるがあえなく転倒、リタイヤを告げられるかと思い悔しさを滲ませるが、ここで寒咲幹から坂道のために用意したクロモリのロードを初めて渡され、再スタートのタイムリミットである5分直前まですべてを無にして集中し、5分ギリギリのところで再スタート。初めて乗るにもかかわらずロードに乗れている姿を見た巻島裕介田所迅は驚きを隠さなかった。

なお、実写劇場版ではスタート直後に金城が坂道を止めており、今泉らと走りたいと涙ながらに懇願する坂道の元に幹を乗せたワゴンが到着し、幹から坂道のために用意したロードを渡されている。


ロードに乗り換え後は瞬く間に杉元らやルールを破って先行した川田拓也を抜き、金城からは「このままのペースで完走して3位」「今泉たちに追いついてリタイア」かを聞かれるが、前者だったら自身としては初めての表彰台になるものを即答で後者を選び、ケイデンス(回転数)を30回転上げるよう指示され、ケイデンスを上げて先頭の今泉らに追いつく。

今泉は本気を出して先を行き鳴子は山は苦手と言うこともあり後退し、更に今泉は裏門坂レースで坂道が立漕ぎ出来ないことを知りダンシングで止めを刺そうとするが、坂道は鳴子から教わったダンシングで今泉に迫り、峰ケ山頂上のゴール争いをわずかの差で先頭ゴールする。このゴールの勝因を体重の軽さや作戦などと言っていた田所・巻島に対し、幹は「気持ちの強さ」と返している。

チェック通過後、先を行く今泉の姿を見つつそのまま草むらにダイブして落車、金城から健闘を称えられると同時にリタイヤを告げられ、途中から同乗していた監督のピエールから着替えるよう言われた山岳賞ジャージを渡された。

その後は金城らとともにワゴンに乗り、今泉と鳴子のゴール争いを目の当たりにして自分も強くなることを決意する。


ウェルカムレース後の個人練習は巻島が相手をすることとなり、序盤は二人で会話をするもなかなかかみ合わず、「自転車でしか会話できない」と言う巻島の完全自己流ダンシングをする姿を見て「カッコイイ」と思いマネするが、何度も落車することからマネするなと言われた上で「自己流を貫け」とアドバイスをされる。さらに坂道も巻島の自己流ダンシングに対し高回転走登(ハイケイデンスクライム)で食らいつき、その巻島はのちに金城に坂道をクライマーとして推していた。なお、実車劇場版ではここの個人練習を合宿内で行っている。


合宿

IH県予選を3年生のみで出場して全国の切符を勝ち取り、メンバーの強化のために行われる毎年恒例の合宿は、坂道の実力を見極めるために本来なら既に決めているはずの6人目のメンバーをこの場で決めることとなった。合宿恒例の1000キロを走る周回トライアルで今泉や鳴子に機材ハンデを課された中、坂道にもバランスの狂った年代物の重いホイールを装着する「クライム封じ」というハンデを課された。当初は金城の「自分で状況を判断し対処する力をつけさせたい」という思惑から機材ハンデについて坂道に明かさず、それにも気づかぬまま「登りが楽しくない」と藻掻いていたところ、巻島の「ひとりごと」と言う名のアドバイスからそのハンデを知り、更にギアを2枚落とせと助言されたことで走りが変わる。3日目には今泉・鳴子と共に、手嶋純太青八木一の2年生コンビ(チーム二人)とIH出場を賭けたゴールスプリントに挑み見事勝利する。


最終日は雨で転倒したときにペダル(この時の坂道の車両のペダルは樹脂製だった)を破損し周回ペースが落ちるものの、前日の勝負に敗れてリタイヤした手嶋から渡されたビンディングペダルとシューズを装着した後は周回ペースが進み、タイムアウト9分前に1000キロを走破した。


合宿後、金城から「1000Km完走はしたが実戦においての実力が不足してる」と告げられIHメンバーから外されたと思い落胆するが(話の途中で金城は田所に呼び出されている)、後日の振替補習の際に英語教師として現れたピエールから金城の考えている勝利に導くためのプランに坂道の「実力を上回る意外性」を必要としていることを伝え、メンバージャージを渡される。


少し話を戻して、合宿先に向かう途中で車酔いをしてしまい、合宿先まで残り18キロ(3年目の合宿より)の場所にあるパーキングで降ろされて、後から来る寒咲通司のワゴン車で拾われるが(金城曰く、現地入りの時間をずらしたくなかったため、置き去りにする形となった)、その時に財布をバスの中に置き忘れて飲み物が買えず行き倒れになりかけたところを真波山岳が現れてドリンクの入ったボトルを渡して助けてもらう。これが真波との初めて出会いである。この時真波は坂道のボトルの使い方を見て瞬時に自転車乗りであることを見抜いている。

3日目の早朝に遅れた周回をカバーしようと走っている最中に、偵察と称してこっそりコースに入った真波と再び会い、短い距離でありながら競争をする。その後真波は坂道のロードを見て異変(ビンディングではなく樹脂ペダルなのと重いホイールを履いていること)に気付き、その車両で追いついてきたことに感心、インターハイでボトルを返してもらうこと(IHで戦おうという意味合い)を約束してその場を去った。


インターハイ神奈川大会

坂道自身にとって公式レース自体が初めてとなる、1年目のIHでは1日目第2ステージで金城から山岳でチームを引くようオーダーを受ける。しかし山岳コースに入る前に大きな落車に巻き込まれ一時は最下位に落ちるが、再スタート後京都伏見の包囲網を含む100人抜きをしてチームに合流、合流後はそれまでチームを引っ張っていた巻島がリザルトを取りに飛び出したことでそのままチームを引っ張る。


2日目は体調不良でスタートの出遅れた田所の救出に向かう。巻島は当初「田所が捨てろと言った」と救出に反対するが、金城から与えられたオーダーを守るという坂道に田所の救出の許可を出し、田所と合流後は「恋のヒメヒメぺったんこ」を歌うよう持ち掛け、その歌を歌いながら金城たちの集団に合流、その間に田所も体調を回復している。その後は箱根学園と京都伏見の先頭集団に追いつくまで巻島と共にチームを引き、リタイヤを覚悟で倒れかけたところを鳴子や今泉に助けられ、その後は鳴子に抱えられながら2日目をゴールする。

この日の夜に買い出しに出かけた際に、2日目のゴール争いで金城らに敗れて3位となったことで退部を申し出て京都へ帰ろうとする御堂筋翔と遭遇、レース中に「ザク」と口にしていたことでアニメ好きと思ったためか、アニメの話をしたいがために御堂筋と買い出し先の薬局まで勝負をする(結局は負けてしまうが、京都へ帰ろうとした御堂筋は翌日レースに復帰している)。


3日目、スタート前に広島呉南待宮栄吉の金城らへの陽動作戦に不穏な空気を感じ、更にレースではその呉南が作った巨大な集団に飲み込まれ、そこに呉南の集団が飛び出す姿を見て他校選手に協調を申し込むが、呉南の策略で体力を使い切った選手が多く協調は悉く断られ、同じく集団に飲み込まれていた箱学の荒北靖友に声をかけてしまう。坂道としては苦手な人物だったため当初は恐怖感を抱いていたが、それでも協調を願い出る坂道の姿を見た荒北は福富の姿を思い出し浮かべた上で協調を組み、更には集団に飲み込まれてた真波を加えて呉南の集団を抜き金城らの先頭集団と合流する。その後田所が山の入り口まで引いた後に戦線離脱、一度は山の入り口で1年を切り離すオーダーを出されていたが、金城の膝の悪化により戦線離脱を余儀なくされたことで巻島と1年生三人の誰でもいいからトップでゴールするようオーダーを変更される。後に鳴子もリタイヤし、後続から追い上げてきた御堂筋を追撃する真波との勝負に加わる形となり先頭まで追走する。のちに先頭を争っていた今泉・御堂筋・福富も戦線を離脱し、ついに真波と1対1のゴール争いをする。そして激しい接戦の中僅差でゴールし、個人総合優勝とチームとしては初めての総合優勝を手にした。


レース終了直後、真波に約束していたボトルを返しているが、当の真波は箱学の伝統に泥を塗ったという敗北のショックが大きく、坂道から受け取ったボトルは「意味がありすぎた」と富士山に捨ててしまい、しばらくはショックから立ち直れない状態が続く(ちなみにそのボトルは翌年に富士山に行って拾ってきている)。この時の真波のスランプについては坂道は知る由もなかった。


インターハイが終わり、金城からIHの功労者である坂道に特別メニューとして好きなコースを走るよう指示され、アニ研を復活させて部の仲間と行きたいと願っていた秋葉原へ向かう。アニ研としてではないものの、部の仲間と共に秋葉原を巡る至福のひと時を満喫した坂道はその場で金城ら3年生に涙を流しながら感謝の念を伝える。しかし、この時に巻島が英国へ留学することを本人以外まだ誰も知らなかった(補足①)。


インターハイ終了後

IH終了後に通司に呼び出され、突然IHで使ったクロモリを返却するよう言われ動揺するが、替わりにニューマシン(BMC)を渡される。しかし同時に巻島がイギリスへ留学するという話を聞き、その焦りと不安から調子が崩れてしまう。それを見兼ねた金城が「直々の特別メニュー」として単独でとある海岸に連れて行き、自分の中学時代のクラブチームの先輩である小関将との過去の境遇を話しながら励まし、改めて「総北は支え合うチーム」ということを教える。それをきっかけに少しずつであるが復調の兆しを見せる。


峰ヶ山ヒルクライム

毎年秋の風物詩と言われている峰ヶ山ヒルクライムは今泉及び、主将となりチームジャージを着る初めてのレースとなる手嶋と共に参加し、そこに箱根学園から手島の中学の友人でもあった葦木場拓斗が単独で参戦する。この時は巻島の一件もありまだ本調子ではない坂道だったが、その葦木場と対等に走る手嶋の姿を見て熱いバイブレーションを感じ取り、先行する葦木場を後続から追い上げを見せてゴール直前で追い抜きそのままトップでゴール、ゴール通過時には思わず巻島の口癖である「ショ!」と叫ぶ。しかし前年の巻島のコースレコードには及ばず、改めて巻島の偉大さを感した。


峰ヶ山ヒルクライム後

峰ヶ山ヒルクライムが終わって少しずつ回復していくが、まだまだ気持ちの面では復調していなかった冬のある日、部室で巻島への手紙を書いていた所(巻島は筆不精のため返事は一度も帰ってこない)、金城が送ったIHの書類の返送封筒に直接坂道への手紙の礼を伝えるよう書いてあったことを聞き、それを機に回復していくこととなった。その湧き上がるプレッシャーに金城も驚きを隠さなかった。


また別の冬の日に東堂からパーティと称した誘いを受け箱根に足を運び、「山神」の称号を誰かに譲るべく、同じく東堂に呼ばれた真波と共に冬季閉鎖された有料道路を走ることとなる。これには真波がIHでの敗北によるショックでしばらく坂道のことを避けていたこともあって、東堂が二人の仲を取り持つ意味もあった。勝負は積雪が酷くなり走ることが不可能な状態になったため、翌年のIHへ持ち越しとなった。


2年目

新学期・ウェルカムレース

年度が替わって2年に進級し、自身にとっては初めての2年生での部活経験でもあり、自転車部にも昨年以上に新入生が入ってくる。

しかし、新入生となかなかコミュニケーションを取れず、変な人と思われている不安を抱えてウェルカムレースを迎える中、主将である手嶋からスターターの役を任される。当初は主将の役目だと断ろうとするが、新入部員の坂道への注目と期待や、今泉の後押しもあって意気を上げようとレースに参加する新1年生一人々々に握手を交わしてスターター役を務めた。

これには新学期前に鳴子から「先輩から貰った恩は後輩に返して気持ちを繋げていく」ことを教わっており、自分なりの気持ちの伝え方として表現したものである。なお、うまくコミュニケーションを取れなかったのは、自身が総北の「生きる伝説」と言う大きな存在であることによって新入生が話しづらかったものだったが、当の本人はそれを全くと言っていいほど自覚せず、手嶋らからそれを聞くことでようやく理解した。


レース中は2年生ながら特例でレースに参加した杉元を抜いて調子に乗る鏑木一差から「あなた(坂道)を越える」と言われ、更に「2年連続優勝が目標か」という挑発に近い問いかけをされるも「優勝はボクじゃなくていい」と返し、加えて勝利できた時には先輩(巻島)に報告したいとも語り、それを聞いた今泉や鳴子との結束の強さに鏑木は驚きを隠さずにいた。

レースは杉元と鏑木のゴール前の一騎打ちを僅差で鏑木が制し、悔しさをひた隠しにする杉元の姿を見て、手嶋に前年の自分の時の様に合宿までメンバーを決めるのを待つよう進言するが、杉元から「ボクはそんな覚悟で走ってない」と言われて止められた。


ウェルカムレースが終了したあとの個人練習では6人目のメンバーに選ばれた鏑木とペアを組むこととなるが、鏑木は坂道の校内(部活外)での威厳のなさや、練習中も「ごめん」を連発するその弱々しい姿にイラつきを見せて先行する。坂道は後輩を指導する難しさを感じながらもその背後をひそかに張り付き、鏑木が全開で走りながらこぼした愚痴を最初から聞いてたと言って身震いさせ、更に鏑木から本気で走るよう願い出たときにはその走りを見せて鏑木を圧倒させ、以後は尊敬の眼差しを向けられることとなる(その姿は前年の個人練習で巻島の走る姿を見た坂道と同じ)。


ウェルカムレース後~IH県予選

今泉と鳴子がうまくかみ合わず敗北した5月のあるレースの帰路、ピエールの計らいで途中の海岸でリフレッシュすることとなり、今泉・鳴子と共に水族館に足を運んだ坂道は途中で迷子になるが、そこに美術の単位が足りなくて課題をこなすために訪れた真波と再会する。この時に偶然の再会を喜びながら、真波からIHの2日目の山岳ステージで再び勝負をしようとを約束をする。


2年目のIHの千葉県予選では鏑木がエースを志願したことから特に大きな活躍はないが、最終周では鳴子と共に鏑木の背中を押ししている。

ゴール後、鏑木にゴールを獲られたことにピリピリする今泉・鳴子の姿と、その二人に対して本音を出す鏑木に引いてしまうも、「負けたくないという絆がキセキを生む力となる」という手嶋の言葉に納得する。


合宿

2年目は前年同様車酔いで途中で降ろされ、後から来た通司のワゴン車で拾われたことで先頭と5周遅れでコースインする。ただし機材によるハンデの有無については明言されていない。途中、手嶋と古賀公貴の6人目のメンバーと主将の座をかけた勝負と、今泉と鳴子の1000キロ到達1番乗り勝負の行く末を見守ったり、古賀からレースのノウハウを教わりながら、前年より約5時間程タイムを短縮し4番手でゴールした。


インターハイ栃木大会

IH全国大会では手嶋から渡された1番のゼッケンを見て今泉が付けるものではないかと動揺するが、前年度優勝者が同じ大会に参加する場合は1番を付けることを聞いて納得、今泉を含めた他のメンバーから似合ってると言われ決意を新たにする。スタート時は前年度優勝者+ゼッケン1のプレッシャーによる周りからの注目で硬直状態になるが、隣にいた青八木からの励ましで緊張が解きほぐれ、本来手嶋がしようとしていた士気を高めるためのグータッチの掛け声を務めている。


1日目はそのゼッケンから第2ステージで複数の他校選手によるブロックを食らうものの、手嶋が山岳ステージを真波と争っていることに奮起して、ラブ☆ヒメ2期「ラブ☆ヒメぺったんこ」OP曲「ヒメのくるくる片想い」を歌いながらブロックを振り切り巻き返しを図る。


いくつかの集団を抜けた後、前年同様先頭集団をコントロールしていた京都伏見・御堂筋の足止めに遭い、コントロールしている集団から先を行かせる代わりに協調を持ち掛けられるが、それを断ったことで「ゼッケン1」を押さえる「フェイズ11」として御堂筋から指名された副主将の山口紀之と争うこととなる。山口はスプリンターで山が苦手なこともあり勝負はあっさりと決まってしまい、先に進もうとしたところで「待ってくれ」と叫ばれて足を止め、その山口から「敵に待てと言われて待つやつがあるか」と言われながらも御堂筋の協調を断ったのは正しかったことを聞き、山口の名前を聞いて一礼してチームに合流。今泉や青八木から足を休めるよう言われるが(今から走ってもリザルトを狙えないことから)、先を走る手嶋のフォローのために先頭に向かう。そして山岳ステージを3位で通過し、力尽きて倒れかかった手嶋を救出してそのまま抱えながらゴールへ向かった。


レース後、手嶋から表彰式に行った鳴子を探してくれと頼まれた際に金城と再会、労いと士気を高めてもらうためにテントへ連れて行こうとするも、金城は自分らが行くとチームがバラバラになると言い、そのことは3人で決めたと伝えてチームメンバーに会うことを拒むが、「3人」と聞いた坂道は巻島が会場に来てることを聞き笑顔になる。テントに戻った際に金城ら卒業生が来ていることを報告し(会うことは出来ないがどこかで見ているとも伝えている)、チームの士気を高めた。



2日目は予てから真波とこの日の山岳ステージで勝負をしたいと公言していたが、この日のコースは第二ステージのゴールから最終ステージのゴールまでの距離が短いという特殊なステージの中、体調不良の鏑木を救いに行った青八木の合流を待ち先頭と思われた集団へ追い付くもそこはすでに先頭ではなく、手嶋から今泉を引くために先頭に追い付くようオーダーを出され、真波との勝負はお預けとなる。そして今泉を引き先頭まで追い付き今泉をゴールに送り込むものの山岳ステージは箱根学園に、2日目の優勝は御堂筋の手に渡り、更にはゴール前に京伏の水田信行にも抜かれて6位に終わった。


この日のレース後の夜、通司が交換したスプロケットの試走中に後輩部員の車両を借りた東堂尽八に遭遇し、その先を金城のロードで走る巻島と約1年ぶりの再会をする。2人の目的は山での勝負だったため、記録に残らない二人の勝負の証人役を務めている。特に巻島との再会は約1年ぶりだったこともあり感極まっていた。


ここまでカラーゼッケンを1枚も獲得できない中、3日目は同時スタートの水田による「フェイズ82」のブロックに遭うがそれをあっさりと抜き、先頭の今泉に追いつく。その後は手嶋と青八木の広島呉南とのバトル、手嶋と葦木場の山岳リザルト争い、鳴子と真波、今泉と御堂筋の勝負を経て今泉と共に先頭を走っていたが(途中、今泉とのバトルでリタイヤした御堂筋の姿を見て立ち止まろうとするがそれを振り切り先に進んだ)、ゴール残り2キロの所で黒田雪成のアシストで先頭に追い付いた真波と勝負をすることとなる。残り700mの所でイン側を狙った真波とぶつかった際にペダルからシューズが外れてそれの装着に手間取り差をつけられるが、その先にいた巻島からの声援で真波に追いつき、最後の300mの勝負で接戦をモノにし、総北の2年連続総合優勝を勝ち取った。

余談ではあるが、週刊少年チャンピオン誌で最終日ゴール話(第540話、大空に手を挙げた者)が掲載された2019年21・22合併号は平成の元号として最後に発売された号であった。


レース終了後に坂道がインタビューに答えている間に巻島がイギリスに帰る飛行機に間に合わせるべく坂道に顔を合わせずに会場を後にする。インタビューから戻ってきた坂道は優勝の報告を直接したかったこともあり、巻島がすれ違いで会場を後にしたことを聞いたときは酷く落胆するが、その後金城・田所の説得や車を運転する田所の強引な引き返して会場に戻った巻島と再会、言葉になっていない勝利の報告とこの1年の想いの丈を伝えて巻島から熱い抱擁を受ける。そして巻島からイギリスのスーパーで見つけたという、坂道が好きなアニメ「モグモグリン子」のイギリス限定くも太郎(坂道曰くかなり激レアな一品らしいがどれだけレアなのかは長くなるので割愛とする)を渡され感激する(坂道的には超がつくほどの激レアなもので一度は受け取れないと返すが、自分が持っても持て余すと言われて受け取っている)。

このエピソードはIH2年生編が終わって3年近く経ってからの追加エピソードとして描かれたものであり、この時の連載は箱根学園の3年生追い出しレース編だったが、それを中断して掲載されている。


インターハイ後

インターハイ終了後、前年の金城に続き手嶋から特別練習メニューとして好きなコースを走るよう指示され、色々考えた結果再び秋葉原に向かう。ここでもまた部の仲間と秋葉原に足を運べた歓びを感じていた。

前年の金城ら元3年生組は秋葉原は全くの初めてである意味完全アウェイ状態だったが、手嶋らはこういうのに慣れていたためか、青八木と共にゲームやカラオケなどを楽しんでおり、むしろ中学でこういう経験のなかった鏑木の方がビルの多さにしどろもどろし、手嶋らのアキバスキルに驚愕していた。


一方、時期を同じくしてピエールのもとへ総北の選手を一人レースに召集する要請の電話があったが、この件についてのその後の展開は描かれていない。


この直後に短い夏休みに入り、サイクリングで峰ヶ山を走っていたが、たまたま見かけた旧道に入り、そこで雉弓射と出会う。その雉からMTBに乗せてもらったことで一時的だがMTBの世界に目覚める。その後ママチャリをMTB風に魔改造したり、雉からの招待で茨城のMTBレースの会場に足を運んで、雉の計らいで参加したビギナーレースで勝利するなどの活躍を見せて短い夏休みを終えている。


自転車部の夏休み終了後、二度に渡るインターハイでの活躍を買われて手嶋から主将に任命される。通常なら次に主将に任命する人物にあらかじめ伝えておくのが通例だが、この時は当日発表と言う異例のサプライズとなった。本人は今泉が主将になるとばかり思ってただけに驚きを隠さなかったが、手嶋ら2年生3人が話し合い、杉元を含めた4人の中から最終的に手嶋が自分のわがままを通す形で坂道がどこまで伸びるかを期待して主将に選んだと語っている。突然の指名に動揺する坂道だが、今泉らが背中を押す言葉に奮起し指名を受け入れた。

のちに箱学でも真波が主将になったことを聞いて、お互いに「運命」であることを感じ取る。更に京都伏見の御堂筋も主将になったことを聞いて嬉しさの余り直接電話をかけている(どういう経路で聞いたかは明かされていないが、御堂筋の番号は鳴子が強引に聞いており、合わせて坂道の番号も教えている)。


峰ヶ山ヒルクライム

坂道が主将になって初めての大会となる峰ヶ山ヒルクライムは、1年生へのチャレンジと言う意味合いから、自身の他に段竹竜包杉元定時の二人を選出し、段竹をエースとして任命する。しかし、レース当日に定時が熱でダウンし、リザーバーとして登録した鏑木が定時の代わりに出場。昨年に続き今年も箱根学園が参戦し、新開悠人高田城礼が出場する(真波も挨拶に行こうとしていたが、泉田が参加しろと言った地元レースと被ってしまい、そちらを優先した)。レースでは段竹のアシスト役に徹し、ゴールを託した段竹と悠人との一騎打ちの末に段竹が先頭でゴールし、チームの連覇に貢献する。


峰ヶ山ヒルクライム後

季節が秋に代わり衣替えを迎えたある日、一度退部した川田と桜井剛が再入部する。しかし川田は入部早々度重なるトラブルを起こし、その魔の手はついに坂道に及ぶ。後日川田からサイクリングに誘われるが、それは主将の座を奪い取るための勝負の誘いで、更に2リットルのペットボトルの水6本の入ったリュックを背負わせるというハンデまで課される。序盤こそはそのハンデに苦慮するが少しずつ追いつき、終盤で逆転しそのままゴールした。川田は1年生のウェルカムレースで坂道が振り向きもせずに先を行ったことを根に持っていたが、追い抜く際に川田の走りを評して先へ進んでいる。そしてゴール後はマウントを取るどころか、途中で転倒してリュックをボロボロにしたことを謝罪する姿を見た川田は、そこでようやく坂道の実力を認めることとなる。


3年目

新学期・ウェルカムレース

新たな学年となり、いつも通り裏門坂をママチャリで通学しているところに、間違って裏門坂に入って途方に暮れていた六代蓮太と出会い、六代に裏門坂の登坂のアドバイスを送りながら手助けをする。その後、新入生の部活動訪問で坂道の走りを見て入部を決めた六代を気にかけるようになる。

ウェルカムレースでもスタート前に緊張する六代に声をかけて落ち着かせているが、さすがに主将という立場から一人に肩入れはしてはいけないとも考えたりするも、視線は六代へ向けることが多かった。六代は一度戦線を離脱して後退するが、遅れてスタートした中学時代の仲間二人と再び先頭に合流し、先頭の3人と競う姿を見て、1年の時の3年生(金城・田所・巻島)も自身が1年の時も同じように見てたのかなと感極ませ、3年間レースを車内で見守っていた寒咲兄妹からその時の事を聞いて照れる姿を見せる。

その後、六代と今学年の有力株である木長次直との山頂ポイントの争いでは六代に軍配が上がり、力尽きて草むらにダイブした六代の走りを称えてリタイアを宣告した。


インターハイ県予選

この年は鴨川市での開催となった県予選では、スタート前に1年の時に見た金城らのことを思い出し、「精一杯走ろう」と気合を入れる。

レースでは鏑木の伝達ミスで突然のメンバー入りを宣告されて驚きを見せる六代と木中が遅れてスタートしたことと、予想外の暑さから1年の二人に補給を任せていたことが裏目に出て苦戦を強いられるが、後続から追い上げてきた1年が間に合ったことで先頭を走る地元鴨川高校の選手を追い上げようとする際に、その二人になるべくついてくるように言い「総北が圧勝するところを後ろで見る」よう進言する。更に鴨高の選手を抜いて先頭に立ってから、今泉と鳴子の仲間うちでのゴール争いをする姿を見て驚く1年にその姿も見ておくよう告げている。


合宿~IH直前

合宿に入る前に不調に苦しんでいた段竹のことを心配して通司に相談し、進退を一任する。

このほか、新1年生のために合宿のしおりを作っており、鏑木が当日までのサプライズとしていた1000㎞周回が事前にバレてしまうこととなった。


この年も合宿先に向かう途中、またもや車酔いで同じパーキングに置いて行かれるが(それを知る今泉や鳴子はもはや恒例であることを1年生に話している)、過去の2年間で学習したのか、この年は通司のワゴンを待たずに自身のロードで現地へ向かい、スタート前の概要説明を鳴子に託している。


途中、自身をスーパールーキーと自称する扉間という、箱根学園の制服を着た行き倒れの高校生に遭遇、手当をして谷底に落ちた自転車を拾い上げて合宿先に向かい、先頭とは8周(40㎞)遅れでコースイン、通司の車での同乗で遅れて合宿所入りした段竹も鏑木と合流していることに安堵し、更には3年で初めて合宿に参加し、鏑木らの先にいた川田にも巻島のアドバイスを真似で激励をして、その巻島に対して恥ずかしい走りをしないよう決意を新たにして先へ進む。


今回の合宿は「相棒(バディ)システム」という、2人1組でペアを組んで1000㎞を走破する形式となっており、坂道は鳴子とペアを組み、平坦と登りの両方を得意な方が前を走って、それぞれが苦手とする部分で引き離されないよう食らいつくという、過去の合宿で経験した機材封印による仕掛けをパートナーが受け持つ「人間しかけ」で合宿に挑む。更に今回のIHの舞台が九州ということもあり、灼熱の状況を想定し暑さに順応するために長袖ジャージを着用している。


2日目の夜に卒業してOBとなった手嶋が合宿所に訪れ、「スピードプレイ」ブランドのペダルを渡される。一度は固辞する(手嶋の手厚い配慮へに対しての遠慮から)が、今付けているペダルも2年前の合宿で貰ったものをずっと使っていることもあり、手嶋からそろそろ交換時期であることを告げられ、忘れたことにして置いていったペダルを装着し、翌日の3日目に乗ってみてその稼働域の自由さに感動する。


今回の合宿では杉元と段竹のバトルがメインのため自身の走りについては特に大きく描かれてないが、19時50分に今泉・鳴子と共に走り3番手でゴールしている。わずかの時間ではあるが、ゴール時間が前年よりも遅かったのはこの日の杉元と段竹のバトルを皆で注目していたためである。


合宿終了後、峰ヶ山で偵察に訪れた真波と再会。即前哨戦のバトルとなり、そこにMTBで峰ヶ山に来ていた雉も参入する。真波だけでなく雉の来訪に驚く坂道に一瞬の隙を狙った真波が先行。非公式ながら巻島の峰ヶ山ヒルクライムの公式記録を10秒上回るタイムで先着される。ちなみに坂道は真波のゴールから12秒遅れ(巻島の公式記録と2秒差)、雉は坂道ゴールの48秒後にゴールした。

補足だが、本内容のRIDE.751~753のうち、RIDE.753は作中で一切の台詞や効果音表現がなく、文字表現は最後の数ページの囲み枠での説明のみというサイレントストーリーだった。


インターハイ福岡大会

最後の大会となるIH福岡大会では受付で派手に転ぶハプニングを見せるも、改めて最後のIHであることに決意の表情を見せる。そこに鳴子の提案から3人で話し合って前年とゼッケン番号を変更、1年生の時の先輩の想いを受け継ぐ意図で、IH神奈川大会で巻島がつけていた173番にちなんだ3番をつけることとなった。

スタート前は例によって直立不動に固まってしまい(今泉曰くこれがルーティンとのこと)、坂道を応援する親衛隊の女性観客の歓声も聞こえない程で、地元校の選手との握手も今泉がしていたが、直前になり前年に続き自身の掛け声でグータッチを交わす。スタート後のパレードランでは初参加で緊張する六代に追い打ちをかける言動をするも、その後は自身の過去の経験から見た想いを打ち明けたことで六代のモチベーションアップに繋げている。


この時の六代の発言で端を発した、現地入りする際の船内でのミーティング(回想)では、鏑木から前年の1年生レースと同様に今年の目標を聞かれ、その問いに個人的な上にレースとは関係ない目標だから言いづらそうにするも、「放課後の数時間だけでいいから」と前置きしたうえで、入学時から思い描いていた「アニメ研究部の復活」を自身の悲願として打ち明け、直後に忘れてほしいと言うもそれが部の意思を一つにまとめる結果となり、その事情を特に知っている今泉は改めて坂道の事を「意外性の男」と再認識する。


その他

熊本火の国やまなみロードレース

劇場版オリジナルストーリーとして1年目のIH後に招待を受けた熊本火の国やまなみロードレースは、新しい車両(BMC)での初めてのレースとなる。しかしレース直前に巻島が海外留学で退部し5人での参加となり、金城から山岳のエースとして1日目の山岳リザルトと2日目の頂上ゴールを獲るようオーダーを受ける。


1日目はクライマーが一人であるプレッシャーと巻島の抜けた穴が大きく、山岳ステージ争いに出遅れた上に、地元熊本台一のクライマー吉本進にも抜かれてしまい、結果的には全てのステージで箱学にリザルトゼッケンを奪われることとなった。レース後の宿舎では手嶋も不調の原因は渡英した巻島の存在であることに気づき落ち込んでいた坂道に声をかけ、IHでの走りに心が震えたと伝え「辛かったら休めばいい、悩んだっていい」と励まし、その夜のミーティングでは金城からはオーダーを変えないと言われ期待に応えようと意を決する。


2日目の早朝に練習で走りに向かった峠(※下記補足)で総北ジャージを着た巻島と再会(巻島が来ることは金城にはピエールから事前に話はあった)、オープン参加として最後尾ではあるが参加できることを聞きモチベーションを取り戻す(補足②)。レースでは巻島を拾いに行った3年との合流後、箱学と熊本台一を追撃するために前に出た際に「恋のヒメヒメぺったんこ」を歌うようオーダーを出して熊台を追い抜く。その時の坂道のケイデンスを見た吉本も前日の走りとは別人だと口にする。その後巻島と共に先に出た真波と東堂を追走し、巻島と東堂のゴール争いを真波と共に後ろから見て二人の背中に追いつきたいと追い上げる。レース結果についての明言はないが、巻島の順位がカウントされないため2位か3位でゴールしている。


インターハイ千葉県予選(劇場実写版)

劇場実写版のIH千葉県予選は、一部原作のIH1日目の内容に準ずる部分もあるが基本的には実写版のオリジナルで、中盤での落車で最下位になるも、そのケイデンスで南総学園大学付属高校がコントロールする集団まで戻り、そこから金城のオーダーで今泉と共に先頭を走る不動颯介(演:須藤蓮)と朝日朋彦(演:佐藤佑哉)を追走、山岳ポイントまであと5キロの所で二人を捉え、不動が単独で逃げ切りを図ったことから更にケイデンスを上げて追い上げ、山岳ポイント手前で追い抜きそのままトップ通過でゴールして最終ゴールを今泉に託す(この時点で坂道は山岳ポイントを獲得している)。そして今泉が不動とのゴール争いを接戦の末に制したことでその勝利と全国の切符獲得に貢献した。


使用車両について

愛車はメーカー不明のママチャリとクロモリロードレーサー。1年目のIH後にBMCへと替わっている。ロードについては寒咲自転車店からの借り物(無期限レンタル)と坂道は口にしているが、どういう所有形態かは現在も不明。


ママチャリ

ママチャリは小学四年生の頃に親から買って貰った車両であるが、秋葉原までという長距離を自転車で通い続けることを懸念した母親が自転車屋に頼んで歯数の小さいフロントギアへの交換が施されてあった。そのことをつゆ知らぬ坂道は当初こそは違和感を感じてはいたものの気にせずに中学時代をずっとその自転車で乗り続けていた。その事実は高校に入ってからの今泉とのレース後に幹によって聞かされることとなり、結果あのハイケイデンスクライムを生み出す原動力となった。また更にはサドルが一番下の位置のままだったこともあり、幹によって適正なサドルポジションに調整されている。

後に今泉からはレースで使ったサイクルコンピュータを譲られ、幹によってフロント2段にしてもらい、合宿後には手嶋から練習用にと譲られたビンディングペダルを装着している。その結果、劇場版OPではニコニコした顔で全力走行のロードバイクをチギる描写もある。


2年目のIH終了後のMTB編では一時的ではあるがMTBに近づけるべく自らの手で更に魔改造を施している(このとき、1年の合宿で鳴子が機材ハンデとして使ったバーハンドルを貰っており、それを装着している)。

このあとに修理して元の姿に戻したもののそれからしばらく登場していなかったが、3年に進級した際の通学で再び登場している。


なお原作・アニメともに初期はフロント2段化に伴うチェーンテンショナーの作画が省略されている箇所があるが、その後の話では表現されている(これについては単行本3完巻末で説明があり、図解とともに作者の渡辺が解説をし、混乱と深読みを避けるために省略したことを記述している)。


ドラマ版のママチャリはホダカ株式会社の自転車ブランド「マルキン自転車」のシティサイクルをベースにゼロから製作されたもので、Fディレーラーの有無の違いのある2車種を製作。Fディレーラー装着車にはシマノ・ターニーのディレーラー(バンドタイプ)にティアグラ4600のクランクを装着。フロント2段化に伴うチェーンテンショナーには同じくターニーの6段用ディレーラーを装着しており(リアはシングルギアのままなので変速はできない)、変速は3段用のグリップシフトを2段に改造している。

実写の映画版でも同じくマルキン自転車製の車両に使用感を強めた演出を施して使用しており、フレームのダウンチューブ形状が異なる、ディレーラー未装着の車両にはフルカバードのチェーンカバーが装着、ライトが旧来のダイナモ式、カギがフロントフォークに付いてたなどから、ドラマ版で使用した車両とは別の車体を使用している。フロントディレーラー装着車にはティアグラのFD-4600(ディレーラー)にクラリスのFC-R2000(クランク)の組み合わせで装着されていた。


クロモリロード

クロモリロードは今泉との裏門坂レースを見た金城が坂道が入部することを見越してウェルカムレースに合わせ通司に頼んで手配していたもの。途中での事故渋滞でスタートに間に合わず、レース途中でそれまで乗っていたママチャリとチェンジする形で渡されている。以後1年のIHまでレースではこの車両を使うこととなる。坂道がこの車両を使ってた期間は連載期間にすれば約4~5年だが、作中では3か月程度と実は短い。

なお、実写映画版ではスタート直後に金城が坂道を止め、幹の父親である幸司が来るのを待って自転車を交換するという、原作など他作品との違いがある。

IH後に坂道から返却後、寒咲自転車店の店内にディスプレイされていることがのちに明らかとなり、たまたま坂道を訪ねて寒咲自転車店に訪れた雉弓射もそのオーラの強さを感じていた。


ドラマ版では車両を協力したワイズロードのオリジナルブランド「ANTARES CR-MO ROAD」をベースに中古感を感じさせるような再塗装が施されている。一方、実写映画版はEDDY MERCKXのスチールロード(※)「liege75」(リンク先は2016年モデル)をベースにシルバーに塗装を施された車両を使用している。

なお、ドラマ版で使用された車両は2019年6月の『週刊少年チャンピオン 創刊50周年記念企画』のチャリティオークションにて出品された。


※:クロモリと素材が異なるための表記


BMC

BMCはIH終了後に通司からクロモリと引き換えに渡されたもの。車体重量はクロモリのほぼ半分であり、幹でも軽々持てる軽さのカーボンフレームの軽量車体である。アニメ劇場版OPでは組立前のフレーム状態の姿も描かれている。ビンディングペダルのみ1年の合宿で手嶋から貰ったものをわざわざ前のクロモリから外して装着し、3年の合宿で再び手嶋から貰うこととなったWahoo社・スピードプレイのペダルを装着している。ちなみに、月1ペースで通司のもとに定期的にメンテナンスに出している。


アニメ版でモデルとなった車両は「SLR01」の特別仕様「マイヨジョーヌ・イエロー・エヴァンスモデル」(リンク先では「ツール・ド・フランス優勝記念限定SLR01」とある)で、車両価格は126万円と高額なうえに全世界141台(そのうち国内入荷分はサイズ別に計7台)という超限定販売車であり、通常の市販モデルにはイエローの設定はない(ただし近年のモデルに設定された車種がある)。なお作中に登場する車両の機材(コンポ類)は実車に装着されている物とは異なる。

限定台数の141は限定モデルの名前となったカデル・エヴァンスが2011年のツール・ド・フランスで優勝したときのゼッケンナンバーにちなんだもの。前述のリンク先では120台とあるが141台が正しい台数である(シリアルNo.13番の車両を入荷したショップの車両のシリアルNoでも全台数の表記が141となっている)。


原作の扉絵や単行本表紙などに08年モデルのSLC01(イエロー)に乗る姿があるが、実車ではイエローのモデルは確認できた限りでは販売されていない。


坂道が本編でBMCに乗るのは連載開始から5年が経過した27巻巻末話(234話)からだが、単行本では1巻のカバー絵や第1話冒頭ですでに乗っている姿が描かれている。当初は単行本のカバー表紙にママチャリに乗る坂道を描く予定だったが、これに担当編集者が反対し「1巻の書影は延々と残る。マスコミに取り上げられる際にはどうしても1巻の書影になる。だから坂道が将来活躍すべき理想のビジュアルを1巻で出さないといけない(一部要約)という理由から、BMCに乗る坂道を1巻カバー表紙に描き、ママチャリに乗る姿をカバー裏表紙に描いている(週刊少年チャンピオン50周年イベントでの渡辺航と武川新吾のトークショーより)。


その他

作中での「坂道」の名前は、逆境に強くなれるようにとの願いを込めて親がつけたもの。

母親(CV:熊谷ニーナ)は自転車のことには全く詳しくなく、坂道の話もよく聞かずに誤解したまま一方的に話を進めては自分の用事を思い出して立ち去る「嵐のようなオカン」(鳴子談)だが、息子のことは大切に思っており、優しく見守っている。興味のあることに関してマシンガントークな坂道なのはこの母親の遺伝もしくは影響であるものと思われる。

今泉や鳴子をはじめ、金城や青八木に鏑木と言った一部総北の面々だけではなく(エンカウント率は鳴子が多い)、箱学の真波や委員長こと宮原すずことも面識がある。


補足

①:原作233話での秋葉原での話の前後に今泉・鳴子と共に坂道母から自転車で富士山まで登ったことを説教されているのと、秋葉原で巻島が心の中で自転車部への別れを呟く場面があるが、アニメでは順序が変更されており、この話が使われた2期最終話ではそれらのシーンは使わず、替わりに秋葉原から帰路に向かう場面を追加、2期最終話で使われなかった前後シーンについては3期1話に持ち越しとなっている、そのため巻島が呟く場面については秋葉原ではなく学校の図書館での通話の後に変更されている。

なお、ドラマ版ではこの前後の場面とIH時の真波を追う坂道に対して看板を叩いて応援するシーンはカットされている。


②:坂道と巻島が再会する舞台となった通称「ラピュタの道」と呼ばれる阿蘇市道狩尾幹線は、劇場版公開の翌年の2016年4月に発生した熊本地震で道路崩壊等の甚大な被害に遭い、復旧に莫大な予算がかかる上に、震災以前から繰り返し災害に見舞われていたこともあり、更なる災害拡大への懸念から復旧を断念、2023年現在も閉鎖されており一切の通行が不可能な状態にある。

作内で登場した箇所の現状の空撮映像はこちらを参照→2020年時点2022年時点


人称・口調・呼称です!

一人称
  • ボク
二人称
  • 年上の人物→あなた
口調
  • 年上の人物・一目置かれる人物・頭が全く上がらない人物⇒敬語
  • 親しい人物・同い年以下の人物→中性口調タメ口
呼称
  • 年上の人物・馴染みが薄い人物・一目置かれる人物・頭が全く上がらない人物 →「苗字・名前+さん」
  • 親しい人物・同い年以下の人物⇒「苗字や名前」

関連人物の呼称と変遷です!

※「第三称」は本人のいない第三者との会話での呼称を指す。

関連人物呼び方呼ばれ方
今泉俊輔今泉くん小野田/坂道
鳴子章吉鳴子くん小野田くん
金城真護金城さん小野田
田所迅田所さん小野田
巻島裕介巻島さん小野田/坂道
手嶋純太手嶋さん小野田
青八木一青八木さん小野田
杉元照文杉元くん小野田
古賀公貴古賀さん小野田
鏑木一差鏑木くん小野田さん
段竹竜包段竹くん小野田さん
杉元定時定時くん小野田さんまたは先輩
川田拓也川田くん小野田
桜井剛桜井くん小野田
六代蓮太六代くん裏門坂先輩or裏門坂さん
木長次直木長くん小野田さん
真波山岳真波くん坂道くん
福富寿一福富さんフルネーム(単行本60巻読切)
東堂尽八東堂さんメガネくん/小野田くん(第三称、259話)
荒北靖友荒北さん小野田チャン
新開隼人新開さん小野田くん(第三称、240話)
泉田塔一郎なし小野田(第三称)/小野田くん
黒田雪成黒田さん小野田/小野田くん(469話)
葦木場拓斗葦木場さん小野田
銅橋正清現時点接点なし現時点接点なし
新開悠人新開くん/悠人くん小野田さん/山王
御堂筋翔御堂筋くんサカミチ
石垣光太郎石さん小野田くん(第三称/604話)
水田信行水田さん小野田
山口紀之ヤマさん小野田
岸神小鞠小鞠くん小野田さん
待宮栄吉なし小野田くん(仮)
浦久保優策現時点接点なし現時点接点なし
田浦良昭田浦さん(第三称)クライマーくん
井瀬慎哉なし小野田くん
吉本進なし小野田坂道
雉弓射雉さん→雉くん小野田くん
吉丸雷音チェイサーさんロード君
吉丸鈴音鈴音さんロード君
壱藤丹貴フォウさん→壱藤くん小野田→小野田さん
寒咲幹寒咲さん/幹さん(660話)※小野田くん
寒咲通司寒咲さん→通司さん(417話~)小野田/小野田くん(第三称)
橘綾橘さんメガネ
Mr.ピエール監督/ピエール先生オノダクン
宮原すずこ現時点接点なし現時点接点なし
母親母さん坂道

※通司がいる場合に限ると推測


関連イラスト

\ヒメーーーーーッ!!/春のピンク祭りHappy Birthday 0307ヒメなのだ!坂道くんの幸せなお誕生日小野田く~~~~~~ん!!!!YWPDLOG【弱ペダ】布教したいおつかれ坂道!誕生日おめでとう坂道くん💛20200307


関連タグ

弱虫ペダル

イエローヒーロー

総北オールラウンダースプリンタークライマーその他
金城世代金城真護田所迅巻島裕介
手嶋世代古賀公貴青八木一手嶋純太
小野田世代今泉俊輔鳴子章吉小野田坂道杉元照文/ 寒咲幹
鏑木世代鏑木一差段竹竜包/杉元定時/沢田/ゴリ蔵

顧問:ピエール OB:寒咲通司


金城世代(1年目)IHメンバー


手嶋世代(2年目)IHメンバー

※公式ファンブックⅢでは「(?)」が加えられている


総北信号機 総北カルテット


もしかして

妖怪ペダル回し 王国民 黄色い悪魔


電車男:作者の渡辺航がかつてコミカライズを手掛けており、その主人公が坂道のモデルとなっている(参考)。そのためかどうかは不明だが、チャンピオンコミックスから発刊された新装版のカバーは本作と似たレイアウトとなっている(タイトルロゴが左側の縦書きでタイトル書体も弱虫ペダル風となる)。


緑谷出久:声が同じ主人公。気が小さいように見えて熱い性格と血液型、坂道ほどではないが多少なりともオタク的な思考(ただし専門ジャンルは異なる)も似ている。


小湊春市スポーツ漫画のキャラで、同学年トリオの中では、シャイだが芯は強いと言ったところが似てる。また、張り合っている同級生がいるのも同じ。あと、何気に身長も近い。

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