概要
数十キロメートルの長距離を数時間かけて騎乗し、その走破タイムを競う競技。国際馬術連盟の認定馬術競技の1つ。耐久競技のため、一定の区間毎に獣医師が健康診断を行い、獣医師の判断により競技の続行を決定する。そのため、騎手は常に騎乗馬の状態に気を配る必要がある。なお、2006年よりアジア競技大会の種目に採用されている。
日本を含む世界各国で行われている競技であり、有名な競走としてはアメリカ合衆国の「テヴィスカップ(en:Tevis Cup)」が知られている。宝島社の代表取締役である蓮見清一は「テヴィスカップ」で、2003年から2011年にかけて8回連続完走の記録がある。
日本で行われる規模の大きい大会には[[日本馬術連盟]◇が主催する全日本エンデュランス馬術大会があり、第1回大会が2000年に北海道鹿追町で実施されて以降、2008年に山梨県北杜市小淵沢町の山梨県馬術競技場及び牧場の郷トレッキングコースで、2013年に長野県長野市で開催された他は全て北海道鹿追町で実施されてきている。走破距離は120kmと80kmが設定されている。
競技の特徴、ルール等
①競技に参加する選手と馬の他に、人馬をケアする「クルー」とよばれるサポートスタッフがいる。
②コースの各区間(長距離のため区間が設けられています)を走行した後には、獣医師による馬のコンディションチェックがある。
③通常の表彰に加え「ベストコンディション賞」があり、最もコンディションの良い一頭が表彰される
④エンデュランス競技では、ウマ科ウマ属のいかなる動物も「馬」とみなす。
国際馬術連盟の発表しているエンデュランス協議会規程では、5章約30ページにわたり表記されている。
その中で特に重要視されているのが「インスペクション(獣医などによる馬体検査)」。他の馬術競技でも行われているが、長距離を行くタフな競技であるエンデュランスでは、より一層、馬も人も安全に健康に、ということが重要視されている。
◆馬の安全に関してはあらゆる面において、獣医師団が絶対的な統制権を有する。
◆すべてのインスペクションと獣医検査に合格した馬に騎乗した選手だけが、最終成績リストで順位づけの対象となる。(ゴールしても、最終の検査が不合格なら失格。再度まで気を抜くことはできません)
※インスペクションでは、心拍数、呼吸機能、一般状態(体温、粘膜検査)、歩様(歩き方)などを検査します。
走行距離は短いものでも20km、国際大会などでは160kmもの長距離を走行。故に長距離競技ならではのルールも色々と定められています。
◆どの区間も距離40kmを超えてはならず、原則として20km以上であること。
◆160km競技では、最低5カ所の獣医関門と最終インスペクション地点を設けなければならない。
◆コースの地図は、遅くとも競技開始前までには縮尺1/5万以上の地図を選手に提供できるよう準備しなければならない。
◆コースでは、少なくとも10kmごとに選手が馬に水を補給できるようにしなければならない。
◆選手はコース内で自分の馬を曳き馬するか、馬の後を追って進むことができる。
◆毎日のスタートラインとフィニッシュラインは、騎乗して通過しなければならない。(ここだけは、曳き馬などは禁止)