概要
漫画系Youtubeチャンネル『ヒューマンバグ大学』で展開される漫画シリーズの一つ。
主人公・鬼頭丈二による世界各地での旅行記・紀行文を題材としたストーリー作品。毎回テーマとなる土地へと赴き、そこでの出来事が鬼頭当人のモノローグと合わせて進行される。
それだけならよくあるエッセイ作品なのだが、本シリーズの特色となっているのが鬼頭の持つ一風変わったその嗜好にある。彼は「奇食」という、一般的には考えられない食品を用いた郷土料理を探究する“奇食ハンター”を自ら称し、収集した情報を参考に世界各地へと出向き、自らの舌でそれらを吟味することを長年に渡り愛好している。漫画内では毎度、食材となった生物や調理法、こうした食文化が生まれた経緯など詳細を記した雑学的要素に加え、癖の強いキャラクター性を持つ鬼頭のコミカルなリアクションが人気を博している。
また、こうした奇食を味わうため、ときには僻地へと足を運んだり、各国の文化に触れたりと、旅を通して新たな関心物を見出した経緯から、奇食に加えて“秘境ハンター”、“奇祭ハンター”などの複数の自称を名乗っていたことを明かし、これを明言して以降は「奇食」「秘境」「奇祭」の三要素いずれかが題材となるストーリーを展開していたが、最近は秘境旅をベースに、その道程までの腹ごしらえとして奇食が挿入される形で定着している。
2023年からは佐竹博文共々、姉妹チャンネルである『バグアカデミア』にてシリーズが展開されるようになった。
あらすじ
人生を奇食と秘境探求に捧げる男…鬼頭丈二。
会社売却によって得た莫大な資産を元に、世界各地の曰く付きの危険地帯へ足を運んだり、独自の文化から発祥した奇食を堪能する毎日を送っている。
「お残しは決して許さない」をモットーに、その土地の歴史や文化への敬意を忘れずドブネズミ・牛のチ●チ●・パンダの肉…なんでも食べる!
今年はアンデッドマン・佐竹博文をアシスタントに迎え、まだ見ぬ地球の神秘へと歩みを進める。
(公式HPより抜粋)
シリーズの特色
先に記した通り、基本的に海外を舞台に物語が展開される。
各回でそれぞれテーマとなる「奇食」「秘境」「奇祭」についての雑学を披露しながら、鬼頭が実際に体験した感想が語られる。奇食では毎度、料理に使われる奇抜な食材とビジュアル、強烈な味や激臭でコミカルなリアクションをみせるコメディ色の強い作風である一方、秘境ではときに、自然の脅威により同行していたガイドが犠牲になったりなど人の生き死にが描かれる場面も。
また、たとえ批判があっても現地人の食文化となっている世界的保護動物や、戦争など人間の愚行の末に生まれた負の遺産など、正否の結論付けが難しい話題にあえて触れる風刺的な内容を含んだエピソードも多い。
主な登場人物
鬼頭旅団のメンバー
このシリーズの主人公を務める日本人男性。
「奇食ハンター」「秘境ハンター」を自称しており、「出された物は口に合わなかったとしても必ず完食する」、「秘境探訪のためならどんな危険にも立ち向かう」といったことをポリシーとしている人物。なお、かつては貿易系の食品会社を経営していたが3年ほど前に会社を売却、それに伴い莫大な資産を手にした模様。
本シリーズにて鬼頭の助手を務めている日本人男性。
別シリーズの主人公でもあり、不幸体質のサラリーマンだったが、病気による度重なる欠勤のせいで失職したところを鬼頭に誘われ、現在は彼の助手ということで賃金をもらいながら秘境探訪に同行している。
鬼頭と同じく秘境をこよなく愛する中国人男性。
(鬼頭らは知らないが)その正体は殺し屋であり、その実力は別シリーズの主人公、久我虎徹を苦戦させるほど。その実力ゆえに鬼頭シリーズに登場するレベルの外道であれば容易く撃破できるため、鬼頭たちからかなり頼りにされている。バグアカデミアにもチョイ役として登場している。
- 赤城永吉
骨董品屋を営む青年。鬼頭は彼のお得意様であり、以前動画に登場した護身グッズの一部は彼の商品でもある。家系の都合で国外に出れない生活を続けていたが、彼の商品である猫手によって木を抉り取る程の威力を目の当たりにした鬼頭が是非旅に同行してほしいと懇願し、説得の末に鬼頭旅団の新たなメンバーとなった。実は室町時代から続く暗殺一族の末裔でもあり、一族代々暗殺術を継承し続けていた為か彼自身も高い戦闘能力を誇る。他のメンバー同様、外道の所業を決して許さない正義感に厚い好漢である。
ヒューマンバグ大学にのみ登場
本シリーズに時々登場する元ヤンの青年で別シリーズの主人公。
佐竹経由で秘境探訪における鬼頭のボディーガードのバイトを紹介され、秘境探訪に度々同行することになる。しかし、京羅戦争勃発後は久我と手を組んだことにより、こちらのバイトへの参加は中断しているらしく、当面は本シリーズに出演できない模様。なお、現在は前述した元が彼の担当だったボディーガードを代理で務めている格好になっている。
余談
方向性の変換
当初『ヒューマンバグ大学』では、実話(もしくは実話として広く認知される噂話)をベースとした1話完結のストーリーを展開しており、最初期に登場した佐竹を含む各エピソードの主人公も、そうした各テーマの事例に結びつける程度の設定付けしかされていなかった(各話冒頭でシーン2~3カットと共に語られるモノローグで収まる程度)。本項の鬼頭や接点の多い木仏、更に言えば(前者二人とは作中特に接点はないが)飛田新治なども、当初に語られた海外の「食文化」「危険生物や危険地帯」「性風俗事情」…といった、いずれも奇抜な各分野の愛好家という、各テーマに合わせて考案されたキャラクターであった。
中期から、チャンネル全体がオリジナルの世界観による長編バトル物をメインとした内容に路線変更(例を上げれば、これまで「極道社会の現実」を紹介する主人公だった小峠華太の与する「天羽組」、これまで各シリーズで敵として登場していた「京極組」の組織図の掘り下げや、それに際して紅林の長年のライバルという設定を持った新主人公・久我虎徹の登場、以後も極道・半グレ・殺し屋といった新たな裏社会の武闘派派閥の参入…等々)していき、鬼頭のシリーズもその影響を受けてか、旅先で金銭目的の強盗や人食いの猛獣などが道中で立ちはだかる展開も増え、鬼頭本人、もしくはそのときの同行者である紅林や元を絡めた戦闘描写も追加されるようになった。
(凡そ、各話前半で奇食・秘境の2分野を消化→目的地もしくは帰路で敵と遭遇→鬼頭や同行者がバトル→途中で佐竹が不幸を発動…といった流れがパターン化した。)
こうした路線変更は、結果的にキャラクターたちの人物像の付与による奥深さ、グッズ化やコラボカフェはじめとする漫画以外での新たな商業展開に繋がりはしたものの、鬼頭については、逆にそうしたバトル描写の挿入により本来のシリーズの特色だった奇食や秘境でのリアクション、および解説の尺がどうしても割かれてしまう結果に(奇食については既に登場した物を佐竹たち新たな同行者の実食として消化されることも)。また、そもそもが一つどころに留まらない海外が舞台の鬼頭が、組織の縄張りや利権争いが主軸のシナリオに絡めることが難しく、バトル路線の恩恵と呼べる部分は少なかった。このあたりは同じく一般人で目立った戦闘能力を持たない佐竹も煽りを受けており、実在の事故や奇病の話題から、作中の戦闘狂たちとの接触に重きを置かれるようになり、共に迷走しつつあった。
投稿頻度についてもバトル物の主要人物たちの長編エピソード(ときには敵方の経歴を数話にわたって綴られることも)に優先されて減少しがちで、一部リスナー間ではこの路線変更の正否について物議を呼ぶこともあり、各サイドのコメント欄では、それぞれのシリーズを蔑むアンチコメントで溢れかえることも少なくなかった。
こうした事情もあってか、2023年から佐竹・鬼頭の二人はバグ大の姉妹チャンネルで、チャンネル当初の路線に近い『バグアカデミア』にてそれぞれシリーズが展開されるように。これについても「チャンネル開設初期の功労者二人を追い出すようではないか」という不満の意見もあったが、結果的に両シリーズ共に当初のような路線に原点回帰され、鬼頭・佐竹シリーズとバトル長編シリーズの両サイドでの投稿ペースも安定するようになった。
上記を踏まえた上での注意喚起
一口にヒューマンバグ大学の視聴者といっても、人によって価値観は異なる。
だからこそ、ほかの視聴者の価値観も尊重したうえで、特定のシリーズを卑下するようなコメントは決して言ってはならない、という態度が視聴者には求められているだろう。そもそも、どのシリーズも楽しんでいる視聴者も少なからずいるのである。
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歴代準レギュラー