後出しじゃんけんとは、じゃんけんにおける反則行為である。
概説
じゃんけんで、相手より後で自分の手を出す行為のこと。
じゃんけんはグー/チョキ/パーのいずれかを同時に繰り出すのが原則である。
このルールを破り、相手の手が出た後に自分の手を出して勝とうとする反則を指していわれる。
当然ながら、相手の手が出た後なので、後から出す方は一方的に勝てる手が出せるので、勝負の公平性が損なわれてしまうのが理由である。
また、それが転じて『勝負などの決着後に後から勝負前に言わなかった情報を出して、勝負の延長や無効試合を図る』というズルや約束破りに対しても使われやすい。
詳細については、後出しの記事リンクを参照。
頭脳ゲームへの応用
一方でじゃんけんのルールと後出しの意味を逆手に取った頭の体操も存在する。
それが「勝ってはいけない後出しじゃんけん」というもので、その名の通り先手の出した手に必ず負ける手を出していくというゲーム。
脳トレのために考案された遊びだが、「解っていても勝ちに行ってしまう」じゃんけんのルールに翻弄されるので、慣れないうちに連続で成功させるのは中々の難易度を誇る。
他にも普通のジャンケンをしながら「発声の手に勝つ」ルールも存在し、例えば相手がグーを出しながらチョキと発声したならばパー→グーと後出ししする。
これも続けると順番が混乱してくる為非常に頭の運動になる。
比喩として
一部では「結果論だけで物事を批判、否定する姿勢」を、逆に諌める意味でこう言われることがある。
何か特定の計画や企画、あるいは誰彼の行動といった事柄において、それが"失敗"という結果に終わった場合、最初は誰も予想できなかった、できていたとしてもそうなる可能性は低いと考えられていた失敗要因をさも「(自分や皆は)最初から分かっていた」とか「こうなることは必然だった」と主張して対象を批判する態度が、俗称として“後出しじゃんけん”呼ばわりされやすい。
諺としては「下種の知恵は後から(必要な時に必要な事を思いつかないくせに、無意味になってから名案を出してくる無能の例え)」、他には事後諸葛亮とも。
文章表現として
主に創作などにおける「後付けで出てきた、展開として卑怯に思える内容」への批判としても使われる。
分かりやすい例を出すと、「せっかく苦労して窮地を切り抜けたと思ったら、唐突に出てきた向こうの隠し球でまた窮地に陥る」といったもの。
こうした展開は、通常なら「物語を盛り上げる仕掛け」として抵抗無く受け入れられるが、それも頻繁に多用されるとさすがに受け手も飽きてしまう。
使えば使うほど物語の鮮度を落として展開が冗長に陥りやすくもなるため、あまり推奨される技法とは言い難い。
ただ、それも突き抜けてしまえば持ち味になることもあるため、何事も創意工夫とも考えられる。手法が手法だけに、合わない者には全く合わないだろうが。