概要
東方Projectに登場する宇佐見菫子と矢田寺成美のカップリング。
菫子は『東方深秘録』、成美は『東方天空璋』にそれぞれ初登場した。
両者は『東方香霖堂』において出会っており、『香霖堂』以前からの共通の友人・知人の縁もある。
『香霖堂』での出会い
菫子が『深秘録』の異変後本人が意図しない形で外の世界から幻想郷を訪れることができるようになって以後、菫子は幻想郷での人の縁も深めていた。そういった縁との交流の場所として博麗神社以外に香霖堂があった。菫子は香霖堂では「 常連 」ともなっている。
菫子にとってそんないつもの幻想郷訪問となるはずのとある日であったが、幻想郷とは不思議なもので、夏であるにもかかわらずこの日は季節外れの雪が降り積もっていた。
菫子は以前も雪道に生れていないところを雪降り積もる幻想郷を訪れて救助された経験がある(『香霖堂』)が、この日は想定外の「夏の雪」であったこともあって準備がないどころか夏服のままであった(ただし靴については森近霖之助の別視点あり)。
そして菫子が香霖堂にたどり着き、この異常気象の正体について霖之助や霧雨魔理沙と話し合っていた時に成美が香霖堂を訪ねてきた。香霖堂に入る前の成美の姿を菫子や霖之助も見ており、菫子によれば成美は「 合掌して雪の中を歩いている 」様子だったとのこと。
成美は香霖堂の中で温まりながら魔理沙から菫子らに紹介される。
このとき成美が地蔵であることも紹介されたが、それを受けて直後に菫子が成美にボディタッチしており、(石の地蔵と違って)「 柔らかーい 」との感想を得ている。どこを触ったかは不明。
成美はこの菫子の行動に「 失礼な奴 」とするが、魔理沙から菫子が外の世界の人間だと紹介されるとそれに驚いている。ただし成美はすぐに菫子に突然触られたことに対する嫌味も言い、菫子について香霖堂の新しい「 商品 」だと思った、などとする。
「 妖怪相手なら高く売れると思うけどねぇ。質はともかく、珍品だからねぇ 」
(成美による菫子に対する嫌味。『香霖堂』)
しかしこの後は魔理沙も交えて互いに馴染んだ様子で、霖之助から見ても打ち解けた様子で会話も弾んで「 他愛無い女子トーク 」は続く。この中の「 エアコン 」を羨ましいと感じる成美の反応はその前エピソードでの霖之助のエアコンへの反応にも近いものがある。
そんな会話のふとした機会に霖之助がずっと気になっていた点を問いかけたことで、今の異常気象をもたらしてる異変の本体について魔理沙が渋々語り始めることとなり、成美も関わり、今まさに菫子もまた夏の雪として体験している幻想郷の不思議と脅威とを知ることとなるのである。
人間関係
菫子と成美は共通する人間関係も持つ。
先の魔理沙や霖之助との縁以外では例えば博麗霊夢や射命丸文に両者とも出会っている。
菫子の場合は霊夢は『深秘録』から、文は『香霖堂』からの縁で、成美の場合は作中で直接描かれた範囲としては霊夢と文の両者とも『天空璋』からの縁である。ただし成美は霊夢について『天空璋』以前から知っていた様子でもあり、『香霖堂』でも店舗としての香霖堂を見知っている様子であるので、実際の縁の始まりについては不詳である。
場所を通しては成美が「 里に買い出し 」に行くつもりだった(『香霖堂』)としており、これを人間の里と捉える場合は菫子にとっても人間の里は活動範囲であるため行動範囲を同じくする機会も持ち得るものとなっている。
成美の住まう魔法の森に所在する香霖堂は菫子にとって「 密会 」の場所でもあり反応の面白い霖之助もあって遊びに来る場所でもあるため『香霖堂』で語られた通り香霖堂を通しても両者は縁を持つ。
なお、広義の他者関係という点では菫子は『深秘録』以前には意図的に友達などの他者関係を排除しようとしていた時期があり、他方の成美は地蔵という性質もあって一人の時間が長かったという孤独の体験・時期という方面でも共感する部分を持つ。
二次創作では
原作において菫子からの唐突でフィジカルな接触と成美からの際どい嫌味という濃厚な出会いを果たし、しかし以後はすぐに打ち解けていった二人について、二次創作でも様々な姿が想像されている。
成美がボディタッチをし返したり地蔵の謂れや使命などを菫子に意気揚々と語って得意げになったり、菫子が持ち込む外の世界の品に成美が驚いたり外の世界の地蔵事情を気にしたりといったものはその一例である。
両者のアクションに共通点を見出すものもあり、例えば菫子のサイコキネシスが行使する岩塊と石像出身の成美という対比や両者ともに合掌アクションがあることなどがアプローチの一つともなっている。能力面でも成美の得意とする「 魔法 」と菫子の「 超能力 」の交流の姿の想像されている。
また成美に一人が時には寂しいと感じているともとることのできる様子も見られていることから、眠りを通してのみ幻想郷に来ることが出来る菫子との交流の機会の少なさを寂しがったりという様子も想像されている。一方の菫子についてもまた、外の世界でも寺院や道端の地蔵などを通して成美を思い出すという様子も想像されている。
余談ながら、東京都新宿区には「成子地蔵」がある。
「成子」は『天空璋』時の魔理沙からの成美への呼び方でもある。
成美にとっては外の世界の人間、菫子にとっては動くお地蔵さまという互いのいずれにとっても特別な相手であり、打ち解けることのできた他者でもある。
二次創作でも様々な「なるすみ」の姿が想像されている。
pixivでは「なるすみ」のタグも用いられており、広く菫子と成美のカップリングを求める際は両者を併記した検索ワードを用いることも有用である。
- pixiv検索ワード例:「すみなる OR なるすみ」