1920年代にカーデン・ロイドトラクター社が開発したカーデン・ロイド豆戦車のうち6番目のモデルで、無砲塔型の豆戦車(=機銃運搬車)の完成形となったモデル。Mk.V以前はいずれも少数のみが製造された試作車であり、カーデンロイド社はMk.VIにおいて初めてイギリス陸軍における本格配備と大量生産契約を取り付けることに成功した。オープントップ・無砲塔式で2人乗りの汎用車両。
Mk.VII以降はオープントップ・無砲塔式の構造から脱却し、密閉式・砲塔式の、より「戦車らしい」構造の発展型となり、Mk.VIIIは「軽戦車Mk.I」としてイギリス軍に制式採用されている。この軽戦車シリーズはMk.IからVIまでが開発され、軽戦車Mk.VIでようやく量産契約を獲得している。
カーデンロイドMk.VIの量産開始前にカーデンロイドトラクター社はビッカーズ社に吸収合併(カーデンロイドの名はモデル名としては存続)されており、量産や輸出市場での売り込みはビッカーズ社により行われた。当時イギリス最大の、そして世界屈指の軍需企業であったビッカーズ社の販売力によりカーデンロイドMk.VIは多くの国に輸出され、世界中の戦車開発に影響を与えることになる。
Mk.V以前のモデルは試作車であり、Mk.VII以降はイギリス軍専用モデルとされたため、カーデン・ロイド系豆戦車で輸出されたのは大半がカーデンロイドMk.VIであった。