概要
他の高津作品より若干仕事の描写が多いが、基本的には変人声優たちのどうしようもない日常生活がメインに描かれる。
あらすじ
新人声優の神静真が所属することとなった声優事務所ダストボックス。
そこは名前の通り、業界の奇人変人が集まる「ゴミ箱」として有名なところだった。
登場人物
ダストボックス所属
- 神静真
主人公。
幼いころ「人に迷惑をかけるな」と言われたことがトラウマとなり、極端に他人との摩擦を恐れる性格になってしまう。
それが原因で高校卒業後は引きこもっていたが、家族に迷惑をかけないために一念発起。
子供のころの憧れだった声優になるためにダストボックスの門を叩く。
子役として劇団に所属していたことがあり、若手ながらこなれた演技として周囲から注目されている。
他人に気を使いすぎる傾向があり、人に迷惑をかけないためなら強硬手段も辞さない。
- 小川日歌里
静真と同年齢の新人声優。
なにかと思い詰める性格であり、顔が怖い。
奇人変人揃いのダストボックスメンバーの中ではかなり常識人な部類だが、その実重度の声フェチ。
特に静真の声に惚れ込んでおり、彼の声を少しでも多く聞く為なら結構な無茶もしでかす。
- 小川星人
事務所の先輩声優。
実力と人気を兼ねそろえた有名声優だが、宇宙人というあだ名がつくくらい言動がフリーダムで常識に縛られない。
日歌里と同じ苗字だが、このふたりには一切の関係がない。いいね?
- 輪島みこと
イタコ系声優。キャラクターの霊を憑依させることで演技している。
極端な小心者であり、心霊の力を借りないと何もできなくなる欠点がある。
- 早乙女教一
なぜかいつもオネエ言葉の中堅声優。
売れるまでに苦労したためか、仕事に対してはシビアで毒舌。
子供など理屈の通じない相手が苦手。
- 吊橋勇羽
若手アイドル声優。
早乙女の元ファンであり、ファンが高じてそのまま同じ事務所に入ってしまった。
一応アイドルなので恋愛についてはNGを出されているが、本人は気にしていない。
歌や作詞などマルチな才能を持つが、コミュ力が極端に低く、人間関係を築くのが不得手。
- 皆瀬カイ
子役声優。年齢のわりに大人びている。
父子家庭に育ったので母親的なものに憧れがあり、母親くらいの女性と結婚するのが夢。
- 芥田衛
事務所社長。
元声優だが、役者としては芽が出ず、裏方に転職したという経歴がある。
自虐的な一面があるが、面倒見がよく、他の声優からの信頼も厚い。
- 大峰朋波
ダストボックスのマネージャー。単行本二巻から登場。
ひどくそそっかしい性格で、おまけに重度の不幸体質。
そのため結構な苦労人だが、それゆえに厄介事に対する対応力が高く、ダストボックスの変人たちにもうまく対処ができている。
その他
- 梅木智章
声優事務所「スターツリー」に所属する普通系声優。
普通故に、ダストボックスの変人たちに振り回される運命にある。
みこととは元々同じ事務所で、お互い好意があるのだが、彼女曰く「占いで相性が悪い」との理由で交際できていない。
- 橘杯音
漫画家。静真の叔母。
小学生のころに漫画家デビューしたという才媛。
過去に自身の作品がアニメ化した際から芥田とは因縁があり、静真の就職を期に再会してからは度々とある交渉の為顔を合わせている。
- 円辰巳
多くのアニメ化作品を持つ売れっ子漫画家。
連載中の作品『月白の屍術師』のアニメにはダストボックス所属声優のほぼ全員(後に全員)がキャストとして参加しており、辰巳も頻繁に収録現場に来るため声優たちとも交流が多い。
橘とは同い年で飲み友達。先にデビューした橘をパイセンとして慕っている。
- 大峰真朝
朋波の姪(兄夫婦の娘)。赤子。星人に対してだけ攻撃的。
- 大峰朔良
朋波の姪で真朝の姉。中学生で学校では生徒会長をしている。
- 吊橋ファンクラブの皆さん
勇羽のファンクラブの面々。勇羽のアホなところや恋愛に開けっ広げすぎるところなどまでよく分かった上で適度な距離感と保護者のような目線で彼女を見守っている。
イベント前後には会場周辺のゴミ拾いを自主的に行う、期せずしてイベントに乱入してしまった相手に対して怒るどころか(勇羽に向ける以上の)熱烈な声援を送るなどファンの鑑のような方々。