概要
てんとう虫コミックス第44巻、藤子・F・不二雄大全集第9巻に収録「宝星」に登場。
手で持てるサイズの小さなロケットで、打ち上げると宇宙にある宝の眠っている惑星を見つけてくれる。
宝星を見つけたロケットは宝がある場所に落ちて目印になり、「報知機」のブザーを鳴らして使用者に知らせてくれる。
ただし広大な宇宙から宝星が見つかる可能性は宝くじを当てるよりも低く、たとえ見つかったとしてもその星の住人達にとっての宝になるため、他の星の人達から見れば何の値打ちもない物になることもある。
さらにロケット自体も値段が高く、ドラえもんは3本しか持っていなかった。ドラえもんによれば宝探しに夢中になってロケットを何本も打ち上げた結果、破産した人もいるとのこと。
登場エピソードは大山版では、1997年10月4日に、水田版では2006年10月21日と、2022年3月19日にそれぞれアニメ化・放送されている。
アニメにおける原作との主な相違点
1997年版
- タイトルは「宝星探査ロケット」。
- 冒頭、ドラえもんは部屋で昼寝をしていたが、のび太の泣き声を聞き驚いて飛び起き、階段から転がり落ちた。それから、ドラえもんが宝星探査ロケットの説明を終えた後、のび太は「のび太初年のマロンさ!」と言い、ドラえもんから「ロマン」と訂正、ツッコミを入れられている。また、ドラのびは部屋で宇宙の宝がどれくらいの値打ちか話し合っている。
- 見物に来たのび太にスネ夫は原作では、「もし、掘りあてたら百円やるぞ」と言っているが、今回は20円になっている。
- のび太が帰宅したとき、ドラえもんは再度昼寝をしており、のび太が耳元で「ネズミ」とささやいたことで、飛び起きた。また、原作での「宝さがしに夢中になりすぎたあまり、一文無しになってしまった人もいる」という趣旨のドラえもんの説明は「果報は寝て待てだよ」というセリフに変更されている。ちなみにこの後、のび太から「それで寝てたんだ」と言われ「まぁね」と返している。
- ドラえもんが出した宇宙船は招き猫型。更にこの時ママは庭ではなく、家の中で洗濯機をかけていた。
- アンドロメダ星雲を見たのび太は、そのあまりの美しさにしずかも連れてきてあげたいと言っている。
- 小人の星はミニミニ星と言われ、ここに着いたドラのびは船が転覆しないよう、ゆっくり陸まで歩いていた。更に宝島を掘る際は、無人島確かめ機で無人島かどうかと確認してから掘り出し、最後はカメラ型の道具で島を元通りにしている。
- 地球に帰ったのび太はしずかにあった帰りに空地でジャイスネから「もし見つかったら20円おごってね~」、「俺、2円でいいぞ~」とからかわれている。そしてのび太が帰宅して報知機を見ていた時、ドラえもんはおやつのどら焼きを持ってきた。
- 2つめの宝星へ向かう前、ドラえもんは宇宙船に瞬間移動機能を組み込んでいる。更に宝星に到着した際はこれに衝突してしまっている。そしてこの後、巨人に見つかった際は殺虫剤も吹きかけられそうになっており、瞬間移動で脱出している。
- 巨人の星から帰宅した時、ママが部屋へ来る下りは、のび太があまりの成果のなさから宝星探査ロケットの性能にケチをつけ、それがもとでドラえもんと取っ組み合いの喧嘩になる下りに変更。しかし、3つ目の宝星へ飛ぶ際、ワープのボタンを押す手が同時に重なったことで仲直りすることが出来た。
- この星に着陸する際は、落下する途中でタケコプターを使用している。そしてこの後、タケコプターが電池切れを起こし水に落ちそうになり、更にマンモスに追いかけられるが桃太郎印のきびだんごで仲良くなり、重力ペンキで崖の下まで降りている。しかし、ここでドラのびはサーベルタイガーに襲われるが、マンモスたちに助けられ、マンモスの墓の下にあった宝を見つけている。
- また、墓だからという理由でドラのびは掘り返しておらず、マンモスたちがマンモスの骨を持ち上げたことで、宝が見つかった。また、ドラのびに宝を授けた原始人は長老と若い女性になっている。
- のび太が宝を見つけられなかったことをジャイスネが知っていたのは、しずかがうっかり喋ってしまったから。
- ジャイスネは石器時代の星ののび太の別荘に正体された時、最初はなんか納得いかない様子だったが、マンモスに乗せてもらったことで機嫌をなおしている。また、ラストはしずかから「素敵よのび太さん」と言われ、のび太のが「宝探しって最高ー!」と叫んでいる。
2008年版
- 宝星探査ロケットを打ち上げる際、のび太は「どうか宝が見つかりますように」と祈り手を合わせている。
- しずかがのび太に貸した代金はジュース代で、具体的な金額は言われなかった。
- 宇宙船が発進した時、ママは舞い上がった洗濯物で顔をふさがれた。
- 内容宇宙服は四角い箱に入っている。
- 小人の星では船や町にいり人々がドラのびに驚き、声を上げている。
- 2つ目のブザーが鳴る前のドラえもんの「こんなくだらない物は忘れて勉強でもしなさい!」のセリフはカットされている。
- ラストは、ドラえもんが「よかったね、約束を果たせて」と言うが、のび太は「でもこのお金じゃゲームも漫画も買えない。やっぱり普通の宝がよかったな」と返したので、ドラえもんが苦笑いするというものになっている。
2022年版
- 「つかめドリーム!宝星」。
- のび太は裏山で大判小判が見つかったことをテレビニュースではなく、現地での取材現場をジャイスネと共に見て知った。
- 宝星探査ロケットを打ち上げる際、ドラのびはカウントダウンを行っている。
- のび太がしずかに話した別荘の構想は、温水プール、テニスコート、巨大シアターつき。
- しずかがのび太に貸した代金は100円で、何で貸したかは説明されなかった。
- ドラえもんが宇宙船を出したのは庭ではなく、屋根の上。
- 内用宇宙服は食用宇宙服という名称に変更。
- 巨人の星で金貨を見つけた経緯は、「こんな星に宝なんてあるわけない!!」と帰ろうとしたドラえもんが足を滑らし、貯金箱に落ちたから。また、金貨はかるがる手袋を使い、複数枚持ち出している。
- ドラのびは石器時代の星で石のお金を見つけるも、地球では使えないからと一度諦めるが、最初に見付けた人のものだというこの星の決まりで、これらを貰っている。
- 石器時代の星から帰還したのび太をジャイスネがからかう場面では、この2人のセリフが逆転しており、また他の女子たちとテニスをやっていた。
- のび太は石のお金で、石器時代の星の人たちに洞窟を掘るよう注文しており、しずからを別荘へ招いた際、別荘の上部にはのび太の石像が彫られ、テニスコートと巨大シアターはまだ建設中でのび太も工事を手伝っている