概要
孔子の教え。
「人が犯した罪は憎むべきであるが、その罪を犯した人を憎んではいけない」、
「犯した罪は憎むべきだが、その人が罪を犯すまでには何か事情があったのだろうから、罪を犯した人そのものまで憎んではいけない」との意味。
他者への思いやりや配慮、思慮分別、寛容性の大切さを説いているとも評価できる。
罪に対する「罰」や「罪」そのものに対する問いは、古今東西問わず、古代から現代まで続く永遠のテーマであり、近年でもこうした要素を取り入れたドラマやアニメ、映画などは多く見られる。
現実の法令においても「情状酌量」の考え方が存在し、法的責任・道義的責任・社会的責任などの区分があり、法的には無罪であっても、道義的に許されない悪事もあれば(「事後法」など)、その逆もある(不可抗力や偶然によるものなど)。
英語圏でも「Crim(=法律的な罪、犯罪)」と「Sin(=道義・道徳・宗教的な罪)」で区別されている。
一方、反省かつ贖罪を積極的にしていて、かつ被害者がその罪を許すか、世間に贖罪が認められた者のみに限定するべきとする考え方もある。
無論「事情さえあれば何をしても許される」との意味ではない。ましてや犯した罪によって害を被る他者がいるなら尚更である。
「悪人が相手であれば何をしてもいい訳ではない」くらいに捉え、まず罪を犯さず生きるのを心掛けたいものである。