概要
CV:矢尾一樹
29話で初登場した牡牛座(タウラス)の黄金聖闘士で、「力と破壊を司る黄金聖闘士」を名乗る。
薄い青系の短髪で隻眼の逞しい体躯の青年でイオニアよりも身長が高く、ガッチリしているが今までの牡牛座担当の傾向とは違うイケメン系で、かませ牛ではない。
とある大都会の治安の悪い地区に育っており、家族も無く孤独で荒れた幼少期を送っていたようである。
できたばかりの部屋に骨を散らかしているところから旧作のイメージ的には蟹座っぽいがれっきとした牡牛座の聖闘士である。
「骨の砕ける音が好き」「心が砕ける音はもっと好き」と語るサディスティックな面もあるものの、後述のように幼少時の自分が「弱いというだけで虐げられた」経験があることから弱い者虐めをしたいわけではなく、弱者を虐げるものには怒りを覚える。
30話で本人が語ったところによると幼少期に不良からリンチを受け重傷を負い左目を失ったものの、その際に「自分の中の何かがはじける」感覚(作画上では小宇宙に目覚めたともとれるような描写になっている)とともに相手の骨を折ったことがきっかけとなり骨の砕ける音を聞く快感に目覚めた。
それ以来その音を求めて喧嘩に明け暮れる日々を送り、警察官をボコったり格闘家をやっていた時期もあったようである。
その過程で「心の砕ける音」を聞く喜びに目覚め、やがて聖闘士の存在を知り、彼らと戦うようになっていった。
(この際にろくに小宇宙の訓練を受けていないにもかかわらず、生身で聖闘士達をボコボコにするという何気にとんでもないことを成し遂げている)
そんな中でイオニアのスカウトを受け、マルスに引き合わされることになった。
マルスの圧倒的な実力を感じ取り、「この男は自分でも折ることができない」と戦わずして悟ったハービンジャーは、その力に畏怖し、恭順することを決意。修行を重ねセブンセンシズに目覚め、黄金聖闘士になった。
マルスの下につく際の餌は、地位や不死などといった今までの裏切り黄金や冥闘士等と違い「好きなだけ人の心を折り続ける(=他人を好きなように痛めつける権利)」ことであった。
つまり善悪の区別すら学ばない環境で育ち、聖闘士に関する基礎知識や基本的な倫理観も殆ど持たないままの状態で敵組織に組み込まれた為に世界を守る使命感もアテナへの忠誠心も最初から皆無であり、「アテナを裏切る」という意識すら無い。
基本的に主役側の味方で自身の職務に忠実な武人タイプが揃っていた従来の牡牛座担当とは異なり、力をただ求める根っからの戦闘狂である。
但し「骨の強さは心の強さ」と語ったり「骨のある者(=心の強い者)が選ばれる世界」を欲しているなど、単なる嗜虐心とは異なる独特の美学の持ち主であることも伺える。
対戦相手にも「折りがいのある力を見せる」ことを要求する面もあり、倒れていると面白くないようであまり攻撃を加えない場面すらある。
これらのことからマルスの行動指針そのものには賛同しているものの、己の欲求を満たす光牙というライバルの存在を前に任務を蔑ろにしたこともあった。
突き詰めればマルスへの忠誠心すらも希薄なものであり、あくまで彼が最も強く求めるものは強者との戦いを置いて他ならない。また幼少期から聖闘士業界で育った多くの同僚と異なり一般社会で長く暮らし成人してから聖闘士の世界に入ったせいか、ある意味ではフラットな感覚も持ち合わせる。
光牙らを苦戦に追い込み、ユナ、栄斗、龍峰、蒼摩を別の宮まで吹っ飛ばしたがこれに関してメディアは「余計な事をした」と苦い顔をしている。
その後終始光牙を圧倒し全身の骨を砕くにまで至ったハービンジャーだったが、光牙の心はなおも折れなかった。
立ち上がる姿に歓喜したハービンジャーは彼のペガサス流星拳に呼応し、全力のグレイテストホーンをぶつけ合わせる。
打ち合いには勝利したもののハービンジャーは己に膝をつかせたこと、そして何より吹っ飛ばされてなお立ち上がり先を目指す光牙の精神力を認め戦闘を放棄。
この先の戦いの中で鍛え上げられ、「一番強くなった」時に再び戦うことを期待し彼を送り出すのだった。
光牙を送りだした後は元々上記のようにあまり善悪の区別がないせいか、「骨のある奴がいれば世界が新しかろうが古かろうがどうでもいい」と言い放ち白羊宮まで降りて貴鬼の手伝いを申し出た。
彼がマルスから身を隠していた時期を知っているあたり、それなりに交流はあった模様。
地球の小宇宙が火星へと移植され火星士達が逃げ出して後は貴鬼とともに天秤宮に集合し、貴鬼、玄武、フドウと4人で青銅聖闘士4人を火星へ送った。フドウの名前は知っていたもののその時まで顔は合わせたことがなかったようである。その後は4人で地球の崩壊を食い止めるべく小宇宙を放出した。
2期ではパラサイトに襲われた軍事基地に現れ、パラサイト兵を蹴散らしていた。
相変わらず「骨の折れる音を聞きたい」願望は健在で、横暴な振る舞いをたびたび玄武に咎められている。
特に城戸沙織に対しては、パラスとの戦いに煮え切らない態度を示していたのが気に入らないのか、「お前」呼ばわりしたりタメ口で話すなど、露骨に無礼な態度を取っていた。
あえてアテナ軍に正式加入していたその心境は不明だったが、戦う覚悟を決めた沙織が、73話にて聖衣を発動させる現場に立ち会い、その聖衣を沙織から預かる役目を任されたことによって、心境に変化が生じた模様。さらに82話では星矢や貴鬼から仲間として扱われたことに表面的には怒ってみせたりしつつも、根の人の良さを隠しきれなくなってきている。84話では「肉親の顔も知らない自分にとって実の姉妹が殺し合うのは見ていられない」という理由で双子座の姉妹対決に割って入りインテグラを支援した。90話では星矢、沙織とともにパラスの間でタイタンと対戦。「弱い者を虐げるパラス達への怒り」で激しく小宇宙をもやし、タイタンの聖剣を粉砕し当初彼を見下していたタイタンにすら見解を改めさせることとなった。重傷を負いながらもなお折れない闘志で立ち向かおうとするが、沙織に制止され戦いを中断する。
尚「ハービンジャー」とは「先駆者」の意味であるが、もっといえば同名の競走馬がいる。脚本がこのひとなので無理もない。
余談ではあるがかつて先代タウラス・アルデバランもまた、ペガサス星矢と戦った際に、マスクの角を折られ、先に進むことを認めたという過去がある。
ハービンジャーの纏う聖衣の兜の角が未だ修復されていないのは、半ば勲章扱いで貴鬼に修復をあえて願い出なかったのかそれとも貴鬼から忘れられていたのか…。
アテナの聖衣=呪いのアイテム…?
第二シリーズ「新生聖衣編」では、パラスベルダに突入する際、アテナの聖衣を任された事で“あ、これで確実に牡牛座死んだな…”と諦観する視聴者がいたとかいなかったとか?
またパラス城潜入時、エウロパから“どうしてアテナに従っているのだ?”と心理的に揺さぶりをかけられてしまっている。…嫌な予感しかしない。
技
- グレートホーン
牡牛座伝統の必殺技。腕を組んだ姿勢から前面に突き出す際の拳速によって衝撃波を発生させ、前方に放つ。
- グレイテストホーン
名前からグレートホーンを発展させたものと思われる。
グレートホーンのように直射することもできるが、その最大の特徴は腕を左右に振り抜くことによって全方位に向けて衝撃波を放てることにある。
この技で前述の4人を別の宮に飛ばしたあたり、意外と器用なのかもしれない。
- シャドーホーン
ハービンジャー独自の技。自らを不定形の影に変え、変幻自在の挙動から攻撃を繰り出す。
関連イラスト
関連タグ
- 牡牛座の黄金聖闘士
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