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伊号第五八潜水艦の編集履歴

2014-04-06 18:19:54 バージョン

伊号第五八潜水艦

いごうだいごじゅうはちせんすいかん

伊号第五八潜水艦とは、日本海軍の潜水艦である。

日本海軍の伊-54型に属する大型潜水艦

水上偵察機を運用できたが、実際には搭載したことはない。

主に特攻兵器「回天」の運用に用いられた。


1945年7月29日、午後11時半過ぎ、伊58はマリアナ近海で大型艦らしき艦影を捕捉した。

この艦こそ、テニアン島へと原爆輸送任務を終えてレイテ島へ向かっていた、アメリカ海軍重巡洋艦「インディアナポリス」であった。

伊58の艦長橋本以行中佐は、敵艦を完全に補足しているため通常魚雷で対処可能と判断、「回天」の出撃は取りやめとなった。

30日、午前零時頃、伊58は魚雷6本を発射。そのうち3本がインディアナポリスの右舷前部に命中。第二砲塔弾薬庫が誘爆し、わずか15分で艦前方から沈没した。

しかも、急激な浸水により電気系統が失われてしまい、SOS信号がわずか1回しか発信できず、乗組員の救助が遅れ、食料の欠乏、精神錯乱、低体温症、サメの襲撃等によって、全乗組員1119名中、生存者は316名にとどまった。

インディアナポリスは、レイモンド・A・スプルーアンスの旗艦として知られ、それであった期間はほとんど損傷を受けなかったため、幸運艦と呼ばれていたにも関わらず、その最後は悲劇的であった。

大型艦撃沈で伊58の乗組員の意気は揚がったが、「回天」搭乗員は「なぜ我々を発進させてくれなかったのか!」と橋本艦長に詰め寄ったという。

この伊58によるインディアナポリス撃沈が日本海軍による最後の連合国艦艇撃沈記録であるとされている。

橋本艦長は「アイダホ型戦艦撃沈確実」と報告したが、自らが沈めたこの艦がインディアナポリスであったこと、そしてその艦が広島長崎に投下された原子爆弾をテニアン島に輸送したのちに、レイテ島に移動中だったことを知ったのは戦後のことであった。


伊58は日本降伏後、アメリカ軍により接収。1946年4月に五島列島沖で撃沈され、その生涯を終えた。


艦長であった橋本以行氏は、戦後神主になりまだご存命の時にあるテレビ番組にて伊58についてのインタビューに応じ、潜水艦艦長であった当時の事を懐かしく語っている。

そのインタビューの中で、撃沈した敵艦であるインディアナポリスのマクベイ艦長について、インディアナポリスが伊58に補足され撃墜に至った後『正常な情報管理がなされずにインディアナポリスの海兵が多数殉職した罪』を全てマクベイ艦長に擦り付ける為の話の流れをアメリカ軍が尋問中に作ろうとしていたが、その尋問中において、敵将であろうと自分と同じ海軍軍人として、必死にマクベイ艦長を弁護されたという。

そして、橋本艦長はで長崎港外で魚雷による撃沈処分されるシーンを見て静かに涙を流し伊58の事を(前述にもあるが)「あの艦は私の人生の全てでした」と語っている。橋本艦長がいかに人間としても武人としても優れた方であったというのは言うまでもないであろう。


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