概要
艦載機が空母に着艦する際に、機体(多くは後部)に装備されたフックに引っ掛けて機体を減速させるためのワイヤー。飛行甲板に設けられる。
稀に陸上の滑走路などでも用いられる。(長さの足りない滑走路での緊急着陸や擬似的な短距離着陸をさせて迅速に次の航空機の着陸に備えるために用いられる)
これさえあれば誰でも簡単に着艦できるように思えるが、前脚を引っ掛けないように一定姿勢と高度を維持しなければならないので意外と難しい。特にプロペラ機はの多くは前脚が長い機種が多く、より上向きの姿勢(失速しやすい)をとらなければならない。
着艦の補助というよりはむしろ着艦に必須の装備であり、着艦の瞬間にエンジンをフルスロットルにし、フックがかからなければ再発艦して一からやり直す(さもなくば甲板をオーバーランして海に落ちる)。
1本目でかからなかったときのためにワイヤーを何本か渡しておくのが通常。
かつての全通式甲板では前に格納待ちの機体がいることが多く、確実に機体を止めるために10~18本+衝突防止のバリアーが張られていたが、それでも100パーセント止められるとは限らず、たびたび着艦事故が起こった。現代の空母では3~4本までに減らされている。
このように弾性の高い素材が用いられ、艦載機は甲板との摩擦に加えてワイヤーの張力によって停止する。
甲板の短い空母ほどより必要度が高くなる。