アニメ『selector』シリーズでセレクターに選ばれた少女同士がTCG『WIXOSS』を使ってバトルを繰り広げる「夢限少女」のシステムを作り出し、ゲームマスターとして君臨する張本人。
理由は明かされていないが(ベッドの脇に置かれた薬など体が弱かったと見られる描写はある)、物心付いた時からある洋館の天窓が付いた部屋に半ば軟禁同然の状態で育てられる。家族の描写もなくたまに食事や薬、そして本や遊び道具を届ける養育係がいたことだけがわかっている。
繭にとって「外の世界」の存在は本で得た知識しか無く、実際に外の世界へ出歩く自由は与えられていないため見たことの無い外の世界に対する憧憬の念だけを募らせていた。そんなある日、繭は養育係が持ち込んだ遊び道具の中に(本来ならば対戦相手がいなければ出来るはずもない)TCG『WIXOSS』を見つける。1人(いわゆるプロキシ状態)でWIXOSSのカードを回している内にルールを覚え、やがて空想の中の話し相手として純真な心を持った「シロ」(後のタマ)と邪悪で嫉妬深い「クロ」と言う2体の「カードの少女」──後のルリグ(LRIG=“girl”の逆さ読み)を創り出す。
シロとクロは繭に命じられるまま、WIXOSSのカードを通じて自由に繭が行くことの出来ない外の世界へ出入りし他のWIXOSSプレイヤー同士を「勝ち続けて夢限少女になれば願いが叶う」と言って闘わせるが、そもそも「夢限少女」は繭が創り出した都市伝説であって3敗した者は願いが反転して一生叶わなくなり、勝った者はルリグと入れ替わってカードに閉じ込められるため別のセレクターをバトルに誘い込んでその体を乗っ取らなければ再び「外の世界」へ出られなくなると言う勝者無きシステムであった。
いつしかゲームマスターとして元からいた部屋とも異なる「白窓の部屋」の主となった繭は公正中立でもなんでもなく、ただ自分には無い自由を外の世界で謳歌する少女たちがそれぞれの願いを賭けて争い、混乱し、絶望する様子を眺めて楽しんでいるが、時に自分の思い通りにならなさそうな雰囲気を感じ取るとルリグに介入して状況をさらなる混乱に陥し入れようともする。特に外伝『peeping analyze』でルリグとなった後に他のセレクターの元へ行くことを拒んでいたピルルクの心を折るためかつてセレクターだったピルルク=水嶋清衣がルリグのリメンバに託した願いを、清衣の体を手に入れたリメンバが“叶える”瞬間を見せ付けたのが典型例である。そうした理由で、本放送中は「クソ運営」だなんだと散々な言われようだった。