概要
NX-000クィン・マンサは、その型式番号に冠された"NZ"が示す通りネオ・ジオンの象徴として開発された同軍最大にして最強のニュータイプ専用巨大モビルスーツである。
機体設計にはグリプス戦役時にティターンズから鹵獲したサイコガンダムMk-Ⅱを始め、その他ネオ・ジオン製MS全てのノウハウが投入されている。
本機はグレミー・トトが率いたネオジオン反乱勢力によって、同軍のフラッグシップ機として運用された。
全身に多数のメガ粒子砲を装備し、特に胸部の2連大型ハイメガ粒子砲はビームの収束・拡散も可能となっており戦艦クラスの主砲を遥かに凌ぐ威力を誇る。サイコガンダムシリーズが苦手としていた近接戦も、ビームサーベルを装備することでフォローされている。
テールバインダーは大容量のファンネルコンテナとなっており、搭載数はキュベレイの3倍を備える。
また、肩部バインダーには巨大なメガ粒子偏向器を搭載しビームを曲げることが可能なほか、
スラスターも大出力を確保、さらにIフィールドジェネレーターによるビーム兵器への耐性や、フルアーマーΖΖガンダムのミサイルの一斉掃射を受けても致命的な損壊を免れるほどの堅牢な装甲を有しているなど、攻防両面において並のMSを凌駕する性能を誇る。
コクピットを備える頭部はサイコガンダムMk-Ⅱ同様に分離行動が可能であり、武装・推進器を搭載しパイロットの生還率を高める緊急脱出艇としての機能を備えている。
個別の戦闘単位としては、まさしく最強と言える性能を持つクィン・マンサだが、その分搭乗者にも高い能力を要求する機体であった。
またファンネルの搭載数の増加に伴って機体も巨大化してしまっており、整備性はあまり良いものではなかったという説もある。
グレミー反乱軍内において本機の性能を引き出すことが可能であったパイロットは、事実上強化人間であるプルツーのみであったとされている。
機体データ
型式番号 NZ-000
建造 ネオ・ジオン
頭頂高 39.2m
本体重量 143.2t
全備重量 264.7t
出力 21,370kW
推力 287,100kg
センサー有効半径 14,800m
装甲材質 ガンダリウム合金
武装 ビームサーベル×2
ファンネル×30
頭部3連メガ粒子砲
胸部メガ粒子砲×2
腕部メガ粒子砲×2
背部メガ粒子砲×2
Iフィールドジェネレーター
バリエーション
クィン・マンサ(アンネローゼ機)
第一次ネオジオン戦争後にグレミー派残党が、クィン・マンサの残骸を回収し、補修を加えた機体。
ニュータイプ兵士のアンネローゼ・ローゼンハインが運用したが、彼女のニュータイプ能力がクィン・マンサのサイコミュに対応出来なかった為、リミッターが設けられている。ファンネルの同時使用可能数に制限があるなど性能面ではプルツー搭乗時より劣る部分が多い。
外見上の特徴として全身が紅く塗装されている他、胸部にはアンネローゼのパーソナルマークとなったマルコシアス隊のエンブレムがマーキングされている。
クシャトリヤ
機動戦士ガンダムUCに登場。
サイコフレームを用いてダウンサイジングされたクィン・マンサの後継機。
詳細はクシャトリヤを参照。
クィン・マンサ・セプテット
ガンダムトライエイジに登場する、クィン・マンサの強化・改造を目的としたIF機体。
両肩に合計六枚のバインダーを装備しており、それぞれにプルシリーズ一人が搭乗する事でバインダーを独立したモビルアーマーとして運用可能となっている。
完成すればネオ・ジオンの強力な戦力になる筈であったが、本機の開発を進めていたグレミー・トトが、エゥーゴのMSパイロットにうつつを抜かしてしまった為に本機の開発が厳かになり、完成する事は無かったとされている。
余談
クィン・マンサがV字アンテナ付きの頭部を有しているのは、それが従来ドーベン・ウルフの頭部としてデザインされていたためである。ドーベン・ウルフ自体がサイコガンダムの直系のMSであるため本来ガンダムタイプの頭部デザインだったのだが、量産機という位置づけであり、「ガンダム乱立」を防ぐという意味で、ガンダムの面影の薄い頭部にデザインし直すこととなり、その過程でクィン・マンサの頭部デザインはドーベン・ウルフのものに差し替えられた。
もともとのクィン・マンサの頭部はオーラバトラーのようなラスボス然としたデザインであったという。