概要
前作「ゴジラ」が空前の大ヒットとなったため急遽製作された続編で、驚くことに、前作のわずか半年後に公開された。また、円谷英二が正式に特技監督としてクレジットされた初の作品。
ゴジラの他に新たにアンギラスが登場。大阪を舞台に怪獣同士のバトルが繰り広げられ、大阪城を破壊する。なお、作中に前作のゴジラがオキシジェンデストロイヤーで倒された事や山根博士が登場する事から、前作の正統な続編となっている。その為、ゴジラ自身は前作とは別の個体である。
ゴジラとアンギラスの戦いは、大阪城を完全に破壊した後、ゴジラのかみつきによるダメージでアンギラスが倒れ、ゴジラの熱線により焼却処分されてしまう。その後は、原作を担当した香山滋の二度とゴジラを殺したくないと言う思いから、千島列島まで北上して上陸したゴジラを島内に閉じ込め、戦闘機のミサイル攻撃で雪崩をおこして生き埋めにして倒される…という結末になった(ただし、死亡したわけではなく、次作にて北極海で復活を果たすことになるのだが…)。
今作は世界初の怪獣同士の戦いが描かれた作品で、ゴジラとアンギラスとの戦闘シーンでは、前作で円谷英二があみだしたハイスピードで撮影して通常スピードで再生することで4倍の遅さの動きにする手法を使う予定だったが、当時撮影助手をしていた高野宏一のミスにより、通常速度で撮影されてしまった。
本来なら再度の撮影となるミスだったが、期間と予算的に再度の撮影が難しかったであろう点の他、一番には、2大怪獣のみせる俊敏な動きが野生の肉食獣同士の戦いらしく見えて面白いと円谷英二が判断してOKを出した事からそのまま使用されている。ゆえに前作に比べてゴジラもアンギラスも異様に俊敏な戦闘を見せる。
このときの失敗が次作に生かされていくことになる。
登場人物
- 月岡正一
演:小泉博
乗機の故障で岩戸島に不時着した小林を救助した際に、ゴジラとアンギラスを発見する。ゴジラとアンギラスによる大阪襲撃により会社が大ダメージをうけた為、北海道支社で働く事になるが、そこで飛行隊時代の同僚の田島や池田らと再会する。
北上するゴジラを発見後、田島の操縦する戦闘機の後部座席について爆撃に参加し、小林の最期から雪崩をおこしてゴジラを生き埋めにする作戦を思いつく。
小林の弔い合戦と自らも戦闘機にのって出撃し、ゴジラを生き埋めにする最後の一撃を放った。
なお、演じた小泉博は、以降もゴジラシリーズをはじめとする東宝特撮に数多く出演した常連俳優となった。
- 小林弘治
演:千秋実
月岡の同僚。乗機の故障で岩戸島に不時着した際に、救助にきた月岡と共にゴジラをアンギラスを発見する。ゴジラとアンギラスの大阪襲撃後は、月岡より先に北海道に異動した。
月岡が発見したゴジラの追跡の為に出動する際、見事な死亡フラグを立て、神子島の氷壁に激突して死亡する。しかし小林の最期がゴジラ撃退のヒントとなる。
演じた千秋実がゴジラシリーズに出演したのはこれが唯一だが、父の佐々木孝丸は『怪獣大戦争』に出演し、息子の佐々木勝彦は『ゴジラ対メガロ』『メカゴジラの逆襲』で主演を勤め、平成ゴジラでも『ゴジラvsビオランテ』『ゴジラVSキングギドラ』へゲスト出演、さらに『GODZILLA(2014年版)』では吹き替えを担当する等、親子三代でゴジラシリーズに出演している。
- 山路秀美
演:若山セツ子
月岡の婚約者で、月岡と小林が所属する会社の社長令嬢。
普段は大阪の本社で無線係を務めている。
小林が言葉を交わした最後の人間となった為、小林死亡の報を父に届けると泣き崩れた。
- 囚人たち
演:大友伸、大村千吉、牧壮吉、広瀬正一、吉田新、夏木順平
大阪湾に現れたゴジラを、防衛隊が照明弾を使って誘導する事で上陸を阻止していた際に護送中の車から逃走。逃走の果てに石油タンクにつっこんで盛大な炎をあげてしまい、その光を認識したゴジラは大阪に上陸してしまう。ある意味、大阪大破壊の元凶。
- 山根恭平
演:志村喬
前作に登場した山根博士と同一人物。
本作が前作の正統な続編である事を説明してくれる。でも出番は序盤のみ。