概要
切った張ったが刀の本懐。
……と言ってしまえばそれまでだが、絶えず命のやり取りを伴う任務はやはり過酷だ。
如何な付喪神と言えど攻撃を受ければ怪我もするし、戦いが長引けば疲れもたまる。
(定期的に誉を取り続けることで出陣と疲労抜きを両立することができるが)
大抵の審神者であったら、そんな彼らをすかさず労うだろう。
打粉でぽんぽんしたり、ほのぼの癒したり(むしろこちらが癒されるが)するのも一興である。
しかし現実は甘くなかった
界隈では、真剣必殺グラフィックないしは破壊ボイス回収のための中傷・重傷での進軍が多発。
傷を癒す間もなく戦場へ駆り出され、引きどころを誤りそのまま破壊されてしまう刀剣も多い。
またこんな刀やあんな刀を手に入れんがため、いわゆる5-3、5-4周回を繰り返し、気がついたら一本いなくなっていた……という事態まで。
最近では検非違使の出現によりレベルや装備不足のため簡単に中傷・重傷になり、気づいたら手持ちの手伝い札がなくなって負傷者の手入れ時間だけで1日経過していたり怪我をしても直す資材が足りなくなる、戦力を上げようにも遭遇するたびに負傷してレベル上げができないという事態もでるようになった。
カンストすればいいというわけではないのだ。
最新のステージである6面では、馬無効・脇差以下が大幅に強化されたかわりに、太刀以上が敵短刀の刀装をほとんど削れなくなるくらいの大幅な弱体化・検非違使の約2倍のダメージを与えてくる上に誰よりも早く先制攻撃をしてくる高速槍の実装により、カンストや全員に金装備をしていても中傷・重傷になりやすくなった。
特にスロットが1しかない短刀は犠牲になりやすい。気をつけよう。
最近では検非違使を効率よく狩るために、弱体化するレベル30未満を超えたら刀解する前提で刀剣男士たちを育成する人もいる。
転じて二次創作での扱い
当初は上記のように手入れを怠る、無謀な出撃を繰り返すことに関してブラック本丸と
呼ばれていたが、二次創作によって別の意味が加えられることになっていった。
例
刀剣男士たちへの身体的・精神的暴力
見目の良さ故に審神者が夜伽を命じる
一振りの刀を手に入れるため、古参・新参関係なく刀解
などの様々な脚色が加えられることが多くなり
現在では一口にブラック本丸と言われても、それだけでは、タグでブラック本丸と書かれていてもどんなブラック本丸なのか分からなくなってしまっっている。
どれをとってもブラック企業も真っ青な勤務待遇であるではあるのだが、刀剣男士達をこき使って重労働させているからブラック本丸なのか、刀剣男士達にエロいことしてるからブラック本丸なのか、グロテスクなことをしているからブラック本丸なのか、判別できないのだ。
派生
刀剣男士が審神者を問答無用でいじめ殺そうとしたり排除しようとするなど物語の中での敵ポジション化(ブラック男士)、審神者の上司が過酷なノルマを課した(ブラック政府)結果本丸がブラック化する、といった審神者の方にブラックな本丸の描写も存在する。
「ブラック本丸」を扱う二次創作には、主人公の審神者自身が現在進行形で刀剣男士たちに過剰な出撃を強いたり肉体的・精神的な虐待を行うものは少ない。
新米審神者が前任者のせいでブラック化した本丸に赴任させられ(引き継ぎ本丸)、そこで人間不信に陥ったり性格が歪んだ刀剣男士たちに殺されかけたり相手にされなかったりといった試練を経ながらも対話を重ねるなどして信頼を勝ち得ていき、最終的に本丸を立て直す、といった展開のものが多く見受けられる。
なお、「ブラック本丸」という用語の元ネタは、同システムの先輩ゲームである『艦隊これくしょん』のブラック鎮守府である(さらにその元ネタは「ブラック企業」)。
当初のpixivでのブラック本丸も艦これと同じようなブラックジョーク・ブラックユーモアといった意味合いが強かったが、現在では、「ブラック本丸もの」といえば上記のような展開の作品という認識を持たれることが多いようである。
注意
「ブラック本丸もの」にまつわる利用者間のトラブルがすでに発生している。
よくトラブルのもとになっている要素を以下に挙げる。書(描)き手はキャプションでの事前説明や棲み分けタグの徹底に細心の注意を払おう。
払っておけばトラブルは減らせるのである。
刀剣男士のキャラの改変
原作ゲーム「刀剣乱舞」では、刀剣男士はみな様々に個性豊かであるが、全員に熱心なファンが存在する、魅力的なキャラクターたちである。
しかし、いわゆるブラック本丸ものではしばしば、前任の審神者によって酷い目に遭い続けた結果、人間不信に陥ってしまったり、性格が著しく歪んでしまった刀剣男士が描写される。
- 主人公に危害(斬り殺そうとする、殴る蹴るなど)を加える
- 暴言を吐くなどして主人公を精神的に傷つける
- 完全に人格が捻じ曲がっており、上記のような行いを恥とも思っていない etc…
これはゲーム内の彼らの姿からはかけ離れたものであり、ヘイト創作、キャラヘイトといった棲み分けタグが必要な要素である。
ゲームで親しんだキャラクターが、変わり果てた性格になってしまっていることにショックを受ける人は多いことを心得よう。
また、「キャラクターのイメージを著しく損なう二次創作」は原作(ニトロプラス)の著作物転載ガイドラインに抵触する可能性もある。
主人公の扱い
ゲーム内では「審神者=プレイヤー」ということもあり、明確なキャラ立ては行われていない。作中世界でどのような形で審神者に任命されるのか、そもそも刀剣男士と一緒に本丸に住みこんでいるのかはもちろん、性別すらも定かではない。
二次創作において、ゲームのプレイヤーの分身という扱いを超え、明確な「キャラクター」として主人公が描写された場合、それはしばしば「原作世界に対する異物である、書き手のオリジナルキャラクター」と解釈されがちである。
このオリキャラ審神者が、
- 異様に霊力が高い、歴史上の偉人の生まれ変わりであるなど、俺TUEEE系の特殊能力・設定を持っている
- どういうわけか刀剣男士にやたらと愛されたり、逆にやたらと嫌われて悲劇のヒロイン状態である
- このオリキャラ審神者に味方する刀剣男士は善側としてよい扱いを受けるが、そうでない刀剣男士はただの敵役・悪役扱いだったり、酷い時には「いつまでも主人公の魅力を理解しない愚か者」といった描写をされる(オリキャラage原作キャラsage描写)
など、主人公に対する「書(描)き手からの特別扱い」が行き過ぎて(いわゆるメアリー・スー)、読み手に不快感を与えてしまうケースがある。
「引き継ぎ本丸」などの原作設定の改変
ブラック本丸ものにおいて、ブラックが過ぎて逮捕される・刀剣男士の報復で殺害されるなどの理由で審神者がいなくなった本丸に主人公が赴任して(させられて)くる、といった導入の作品は多い。いわゆる「引き継ぎ本丸」である。
ただし、ゲーム内には引き継ぎ本丸というもの自体が存在しない(他のプレイヤーのアカウントを引き継ぐこと自体がそもそも規約違反行為である。バレたらプレイデータどころかアカウント自体を消されかねない)。
また刀剣男士の他人への譲渡という行為も(ゲームの仕様的に)不可能であるため他人の刀剣男士を奪うということもできない。
キャラもそうだが、「引き継ぎ本丸」という舞台設定も、ブラック本丸ものを書きたいという二次創作の都合のために原作の設定を改変しているという批判の対象になりうる。
「とうらぶちゃんねる」形式
ブラック本丸ものの小説でよく見かけられる形式。「刀剣乱舞」ジャンルにおける2ch風小説。
詳しくは該当記事を読んでほしいが、様々な経緯から、2ch風小説には反感を持たれやすい傾向が存在することは知っておいた方がよいだろう。
(もちろん、ブラック本丸ものでないとうらぶちゃんねる形式の小説も、とうらぶちゃんねる形式でないブラック本丸ものも多数存在する)
棲み分けを徹底しよう
ブラック本丸ものには、キャラクターや原作設定の改変、主人公の特別扱いなど、特殊嗜好に分類される要素が多く、拒否感を持つ人も数多く存在する。
嗜好の違いによる悲しい出会いを招かないためにも、読み手がマイナス検索やタグを見ることで自衛できるよう書(描)き手側での対応が必要である。
- ブラック本丸タグや(該当する場合は)とうらぶちゃんねるタグを付ける(なお、「ブラック本丸」というタグだけでは、単に「ブラック企業的な運営をしている本丸が作中に登場する」という意味にとられる可能性もあるため、後述のヘイトタグ等も併用のこと)
- 刀剣男士に対するヘイト要素がある場合はヘイト創作、キャラヘイトタグを付ける
- 悪役敵役扱いだったり性格が極端に曲がった刀剣男士がいる場合、その刀剣男士のキャラ名はタグ付けしない(大抵の人は好きなキャラ名で検索するため)
- 女審神者、嫌われなど、審神者のキャラ属性のタグも付ける
- キャプションや本文の1ページ目に注意書きを記載する。ネタバレよりもトラブルを恐れるべき。
など、苦手な人が読まずに済むようきっちり棲み分けを。
参照記事
『ブラック本丸・本丸NTR・ヘイト創作』作者・読者のみなさんへ
関連タグ
関連項目
未プレイ(原作未プレイ) 特殊嗜好 キャラヘイト ヘイト創作 嫌われ
ブラック鎮守府……元ネタ
今日も本丸は平和です……ある種の対極にある本丸
冬木ちゃんねる 冬ちゃん派生作品……流れがこの時と一緒だと指摘する者が多数。