ラーの翼神竜(ラーのよくしんりゅう)は、『遊戯王』に登場する、神属性、幻神獣族の効果モンスターである。
原作での英語表記は「THE SUN OF GOD DRAGON」。
海外で実際に使われている表記は「The Winged Dragon of Ra」である。
竜というより鳥に近い姿だが、これは元ネタとなった現実のエジプト神話における同名の太陽神が鳥の姿でレリーフに名を刻まれた形跡が多いため。
概要
三幻神と呼ばれるカードの1枚。
自分のライフポイントを1(OCGでは100)になるように払うことで、その数値分攻撃力を上昇させる効果と、
ライフポイントを1000払うことで、フィールド上の1体のモンスターを破壊する効果を持つ。
攻撃名は「ゴッド・ブレイズ・キャノン」、モンスターを破壊する効果名は「ゴッド・フェニックス」。
原作では
何度かコピー・カードや相手がマリクのカードを奪って使用しているが、
前者はラーの怒りに触れ、後者は使用条件を満たせず、使用者が戦闘不能に陥っている。
以下のような効果を持つ。
- 「古代神官文字」である呪文を唱えたプレイヤーにのみ従う。
- 罠カード・モンスター効果を受けず、魔法カードの効果は1ターンのみ受け付ける。
- このカードの攻撃力・守備力は、生け贄召喚時に生け贄に捧げたモンスターの攻撃力・守備力をそれぞれ合計した数値になる。
- 特殊召喚に成功したとき(※)、次の効果から1つを選択(「古代神官文字」でテキストを読み上げる)して発動する。
- 1000ライフポイントを払うことで、相手フィールド上に存在するモンスターを耐性を無視して破壊する(※2)。
- 自分のライフポイントを1残すように払う事で、このカードの攻撃力・守備力はそれぞれ支払った数値だけアップする。
- 攻撃の際に、自分のフィールド上に存在するモンスターを全て取り込んで、それぞれのモンスターが持っていた攻撃力・守備力を加えたこともある。
- ライフポイントを1にする効果はプレイヤーとラーとの融合扱いのため、融合解除を使うことができ、ラーの攻撃力をライフポイントに還元する場面もあった。
(※:アニメ版では通常召喚時でも使えるとマリクが発言している)
(※2:使用者の発言から、原作では単体、アニメでは全体が対象と思われる)
また、神々の中で最高位の存在であり、他の三幻神のモンスター効果を受け付けないという耐性を持っていた。
アニメ版ではこの耐性がなく、代わりに「階級制度」という魔法カードが登場している。
アニメ遊戯王GXではI2社の社員だったフランツが盗んだラーのコピーカードを使用した。
《神縛りの塚》というフィールド魔法を発動することによりコントロールを可能にし、怒りに触れた様子はなかった。
ちなみにこのコピーカード、本物よりも強化されているように描写されていた。
カード化
ゲームボーイ用ソフト「遊戯王デュエルモンスターズ4 最強決闘者戦記」の付属カードとして配布される。
カード全体が黄色く、左下に公式デュエルでは使用できない旨が書かれている。
その後、Vジャンプ2010年2月号の付属カードとして、正式にOCG化された。
こちらは公式デュエルでも使用できる効果モンスターである。
OCG版では
「生贄に(リリース)したモンスター3体の各攻撃力・守備力の合計値がこのモンスターの攻守値になる」能力が備わっていないため、攻守の増加方法が召喚成功時のライフの支払い他のみになっている。
また、魔法・罠・モンスター効果の対象にならないという召喚後の耐性効果もない。
特殊召喚もできないため、原作のような墓地からの召喚成功時の効果発動ができない。
このようにOCG化に当たって、原作で猛威を振るった効果が削られ、大幅な弱体化を受けてしまった。
原作再現が殆ど不可能な性能の為一部では偽者扱いも受け、このOCGラーはヲーの翼神竜、ライフちゅっちゅギガントなどとも呼ばれる。
2015年に発売された「デュエリストパック-決闘都市編-」では新たに《ラーの翼神竜-球体形》がOCG化されている。
自分または相手のモンスター3体をリリースして召喚するモンスターで、
攻撃できず相手の対象にならない効果や、自身をリリースして《ラーの翼神竜》を攻撃力・守備力4000で特殊召喚する効果を持つ。
正直OCGラーよりも使いどころが多いのではないだろうか。
カードテキスト
原作
古代神官文字で書かれている。
石版からカードを書き起こしたデザイナーのペガサス・J・クロフォードが文字を解読できなかったため、そのまま書き写されている。
物語の進行に応じて徐々に効果が明らかにされた。
遊戯王デュエルモンスターズ4付属カード
効果モンスター
星10/神属性/幻神獣族/攻????/守????
精霊は歌う。大いなる力、すべての万物を司らん。
その生命、その魂、そしてその骸でさえも。
ゲーム作品
コナミのゲーム作品ではニンテンドーDS用ソフト『遊戯王デュエルモンスターズ ナイトメアトラバドール』から以下の効果で収録されている。原作の効果に近い。
効果モンスター
星10/神属性/幻神獣族/攻 ?/守 ?
このカードを通常召喚する場合、自分フィールド上に存在するモンスター3体をリリースしアドバンス召喚しなければならない。
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、このカードを魔法・罠・効果モンスターの効果の対象にする事はできない。
このカードの攻撃力と守備力は、このカードのアドバンス召喚のためにリリースしたモンスターの元々の攻撃力・守備力を合計した数値になる。
特殊召喚されたこのカードは、エンドフェイズ時に墓地に送られる。
このカードが特殊召喚に成功した時、次の効果から1つを選択して発動する事ができる。
●1000ライフポイントを払って発動する。
フィールド上に存在するモンスター1体を破壊しゲームから除外する。
●ライフポイントが1ポイントになるようにライフポイントを払って発動する。
このカードの攻撃力・守備力は払った数値分アップする。
『遊戯王 5D's STARDUST ACCELERATOR -WORLD CHAMPIONSHIP 2009-』と『遊戯王デュエルモンスターズGX TAG FORCE4』では以下のテキストになっている。
効果モンスター
星10/神属性/幻神獣族/攻 ?/守 ?
このカードを通常召喚する場合、自分フィールド上のモンスター3体をリリースして召喚しなければならない。
このカードの召喚は無効化されない。
このカードが召喚に成功した時、魔法・罠・効果モンスターの効果は発動できない。
このカードは魔法・罠・効果モンスターの効果の対象にできない。
このカードは特殊召喚した場合エンドフェイズ時に墓地へ送られる。
このカードの攻撃力と守備力は、このカードのアドバンス召喚のために
リリースしたモンスターの元々の攻撃力・守備力を合計した数値になる。
このカードが特殊召喚に成功した時、次の効果から1つを選択して発動する事ができる。
●1000ライフポイントを払って発動する。
フィールド上に存在するモンスター1体を破壊しゲームから除外する。
●ライフポイントが1ポイントになるようにライフポイントを払って発動する。
このカードの攻撃力・守備力は払った数値分アップする。
OCG版
効果モンスター
星10/神属性/幻神獣族/攻 ?/守 ?
このカードは特殊召喚できない。
このカードを通常召喚する場合、自分フィールド上のモンスター3体をリリースして召喚しなければならない。
このカードの召喚は無効化されない。
このカードが召喚に成功した時、このカード以外の魔法・罠・効果モンスターの効果は発動できない。
このカードが召喚に成功した時、ライフポイントを100ポイントになるように払う事で、このカードの攻撃力・守備力は払った数値分アップする。
また、1000ライフポイントを払う事でフィールド上のモンスター1体を選択して破壊する。
OCG版《ラーの翼神竜-球体形》
効果モンスター
星10/神属性/幻神獣族/攻 ?/守 ?
このカードは特殊召喚できない。
このカードを通常召喚する場合、
自分フィールドのモンスター3体をリリースして自分フィールドに召喚、
または相手フィールドのモンスター3体をリリースして相手フィールドに召喚しなければならず、
召喚したこのカードのコントロールは次のターンのエンドフェイズに元々の持ち主に戻る。
(1):このカードは攻撃できず、相手の攻撃・効果の対象にならない。
(2):このカードをリリースして発動できる。
手札・デッキから「ラーの翼神竜」1体を、
召喚条件を無視し、攻撃力・守備力を4000にして特殊召喚する。