概要
舞台は現代日本。「御蔭神道」や「総本山」といった組織が社会の裏で異能や法術を武器に「怪異」と戦う中、一切の特殊能力を持たない主人公・九条湊が、怪異が起こす難事件に対しロジカルかつ科学的な手段で立ち向かっていくという一風変わった小説。
湊がいかなる（ある意味トンデモな）手段で怪異事件を解決するかが本作の醍醐味であるといえる。
主要人物
・九条 湊（くじょう みなと）
本作の主人公である青年。繁華街に事務所を構え、依頼された怪異事件を（気が向いたら）解決する。
法力や霊力どころか霊感すら一切持たない、体質的には正真正銘普通の人間。しかし超常現象を「怪異の不条理」と決めつけず、豊富な科学知識と想像もつかない視点から突破口を開き、怪異が起こす難事件を解決していく。
私生活においては借金まみれのギャンブル狂であり、事件の報酬は酒と女とギャンブルに消えていく。性格も傲岸不遜でねじくれており、彼の味方をしてくれるのは後述の沙耶とユウキ、理彩子と孝元くらいのもの（その彼らも諦めに近い感情で彼に接している）。一方で、恩義のある人物のために奔走し、鬼気迫るほどの執念でもって事件に当たるといった一面も持つ。また困難かつ危険な事件や、御蔭神道や総本山に一泡吹かせられるような案件であれば燃えるようだ。沙耶やユウキに関しては迷惑がっているが、最近ではあきらめ気味。
好物はクリームソーダ。
・山神 沙耶（やまがみ さや）
女子高校生。16歳。御蔭神道所属の巫女であり、高い才覚を持つ。梓弓を主な武器とする。
真面目でお人好しかつ清楚な、人々の理想型のような巫女。だが最近では湊の影響で考え方がスレつつある。ある事件で湊に助けられて以来、その斬新な怪異への対抗法に感動し、それを学ぶために湊の事務所に通い、彼の仕事に協力するようになる。
・赤羽 ユウキ（あかばね ゆうき）
総本山所属の少年。まだ幼い身でありながら、人並み外れた法力と才覚でもって怪異と戦う。
マセた性格であり、大人に対してもズケズケものを言う一方、子供らしく幼い面を持つ。
ある事件がきっかけで湊の事務所にいつくようになり、彼の仕事にも協力する。
御蔭神道
神道に則した、怪異に対抗する組織。巫女や神官によって構成される。総本山とは緊張のある関係。
・水谷 理彩子（みずたに りさこ）
御蔭神道所属の巫女。沙耶の叔母。湊とは旧知の仲。
総本山
仏教に則した、怪異に対抗する組織。法力僧らによって構成される。御蔭神道との関係や権力闘争など、外部でも内部でも不穏な動きを見せる。
・荒田 孝元（あらた こうげん）
総本山所属の法力僧。湊とは旧知の仲。
漫画化
田倉トヲルによって漫画が連載されている。2011年9月から2012年12月までcomic B's-LOG エアレイドに掲載、2013年以降はB's-LOG COMICで連載中。既刊2刊。
関連イラスト
