概要
ロックマンシリーズに登場するキャラクター。ヒロイン枠。
初出はロックマンX4。
ロックマンXシリーズのアイリス
ロックマンX4のゼロルートでヒロインキャラクターとして登場する。ロックマンX5ではゼロの回想シーンで出演。
X3とX4の間の時系列の番外編ロックマンX2 ソウルイレイザー(ゲームボーイカラーソフト)にも登場する。
シリーズ以外では、プロジェクトクロスゾーンに登場。
男キャラばかりでむさ苦しかったロックマンXシリーズ初の女性キャラクターである。
人物像
レプリフォース陸軍士官・カーネルの妹で、平和を愛する心優しい性格のレプリロイド。
巨大イレギュラー・イレギオンに拉致されるが、opステージでゼロに助けられ、彼に好意を抱く。しかし、同じく助けに来たカーネルとゼロが鉢合わせてしまい、レプリフォースはイレギュラーの疑いを掛けられ反乱を起こしてしまう。
助け出された後は、イレギュラーハンター本部に保護され、ハンターベースのオペレーターを務めてゼロのサポートをするようになる。
平和を望んでいるが故に、ゼロとカーネルの衝突に悩み、懸命に戦わないように諭していたが、軍人としての誇りを何よりも優先するカーネルは聞き入れず、また「レプリロイドだけの世界」を幻でしかないと断じたゼロの二人の激突が止められるはずも無く、結局ゼロがカーネルを倒す結末となってしまう。
アイリスとカーネル
アイリスがカーネルと兄妹という事になっているのは、二人のCPUが、元は一つのCPUであったが為である。
かつて、レプリフォースの開発部は、「平和を願う心」と「強靭な戦闘力」を両立させた「伝説のロボット」を再現させたレプリロイドを生み出そうとしたが、完成したCPUを搭載したレプリロイドは、「戦闘」と「平和」という相反するに等しい2つのプログラミングに生じた「矛盾」により暴走する形で終わった。
その結果、CPUに記録されたプログラムは二分化される事になり、カーネルが闘争心を基礎としたのに対し、アイリスは優しさを基にしたレプリロイドとして誕生したのである。
アイリスの最期
カーネルがゼロに倒されると、全てに絶望したアイリスはハンターベースから姿を消し、レプリフォースに合流。ファイナルウェポン内でゼロを待ち構える。
カーネルのチップを取り込み戦闘マシーンと化し、兄であるカーネルの仇を討とうとゼロに襲い掛かるが、激戦の末ゼロの攻撃によって倒される。
最期はゼロに自身の思いと謝罪を伝え、ゼロに看取られる形で死を迎える。
同時に、ゼロ(と、プレイヤー)の心に癒えることのない深い傷を刻み込んだ。ゼロにイレギュラーとは何なのかという疑問を背負わせ、ゼロは自分の戦いに悩み苦しむようになる。
アイリスの望んでいた「平和」とは…
アイリスは、自らの元となった「伝説のロボット」と同じく平和を愛している心優しい性格ではあった。
しかし、後にゼロによって倒された後の会話からも、彼女が望む「平和な世界」とは、カーネルが思い描いていたのと同じく、「レプリロイドだけの世界」であった。
この事からも、「『伝説のロボット』は人間とロボットが共存出来る世界を信じていた」のに対し、アイリスの場合は「レプリロイドが人間と共存出来るとは信じていなかった」のが伺われ、「平和を望む」という共通点はありながらも、その目指す理想に関しては、根本的な食い違いがあった様である。
結局の所、「レプリロイドだけの世界は幻だ」と評していたゼロとは、互いに気付いていなかった「決定的なすれ違い」が生じていたようで、これがアイリスの暴走や死を招いてしまったとも言えなくも無い。
漫画版
岩本佳浩による漫画版「ロックマンX4」では独自の展開が多く、アイリスの立場や状況もかなり変わっている。
イレギオンに襲われた所をゼロに助けられるところはゲームと同じだが、その間ずっと気を失っていたためゼロと会話するシーンはない。
レプリフォースの反乱後、ゼロは戦友であるカーネルとの決着をつけるべくイレギュラーハンターを離脱し、イレギュラー認定される。
カーネルの居場所を力ずくでも聞き出すべくレプリフォースと接触を図るも、待ち構えていた自衛団の一斉射撃を受け、レプリフォース共々海の底に沈んだ。
瀕死のゼロを助け出したのは、アイリスの所属する部隊であった。
アイリスの部隊はレプリフォースに所属していながら、敵味方の関係なく救助活動を続けていた。
それはカーネルの指示ではなく、アイリス自身の意思によるものであり、目の前で苦しんでいる人に敵も味方も無いとアイリスは語る。
兄の誇りとゼロの正義の両方を否定できないアイリスは、改めてゼロに闘う理由を問いかける。
その後、ゼロとカーネルの直接対決をアイリスは身を挺して阻止した。
アイリスを送り届け、再び修理を受けたゼロは借りを返すためにアイリスに協力する。
しかしサイバースペースにダイブしたゼロを助ける為に、アイリスの体はバグに犯されてしまう。
ゼロはアイリスを救うため命懸けでワクチンデータを奪取するが、そこに妹を救うために軍規を曲げてワクチンデータを持ってきたカーネルとかち合ってしまう。
戦いの最中、カーネルの右腕が切断されると同時にアイリスの右腕が錆付き、二人が一心同体であることが明かされる。
ゼロは悩みながらもカーネルを撃破。アイリスはその瞬間を見届ける破目になってしまう。
足りない何かを求めて、兄の残骸に寄り添うアイリス。
次の瞬間、二人は光に包まれ、暴走した力によって形成された巨大アーマーにアイリスは取り込まれてしまう。
無差別に仲間を襲う巨大アーマーにゼロは一人で立ち向かう。
生まれて初めて他人のために、アイリス一人の為だけに闘うことを決意したゼロは、猛攻を掻い潜って巨大アーマーからアイリスを引きずり出して救助した。
助け出されたアイリスは、兄が死んで仲間を傷つけた自分がゼロと二人で居られるこの瞬間を喜んでいることを恥じながら、ゼロに強く抱きしめるように願った。
ゼロはその願いに答え、アイリスはそのままゼロの手の中で息絶えた。
ボスとしては
巨大アーマーを装着してゼロに襲い掛かる。一定量体力を削るとクリスタルを射出し、ここからビーム砲を撃ってくる。
戦闘開始直前の台詞
「行きます・・・!」
「兄さん、私を守って・・・!」
「ごめんなさい、ゼロ・・・!」
プロジェクトクロスゾーン
時系列としては死亡後であり、第29話「負けない、愛」で、.hackのスケィスの力によって、データ上の存在、いわば残留思念としてThe Worldのマク・アヌに現れる。
ゼロに対し、再びレプリロイドだけの世界を創造する事を呼び掛け、自身の登場と合わせてゼロは動揺し、動けなくなってしまう。この時、一定ターン数以内に動けなくなったゼロを救援するか、VAVAを倒せなかった場合、ゲームオーバーになってしまう。
動けるようになった後、ゼロは、「自分の望みはアイリスや自分たちのような思いをする者がいない世界を作ること、そしてそれはレプリロイドだけの世界ではない」として、アイリスの言葉を拒否。
それを見届けたアウラに、「ここにいてはいけない」と諭される。最期はゼロに「わかってた……。私はここにいては……ゼロに会ってはいけなかったこと。でも、うれしかった。ゼロ……あなたは、あなたのままでいて。決して負けない、あなたのままで。大丈夫。ゼロは、運命に逆らえる強さを……持っているんだから。さよなら、ゼロ……。伝えられて……よかった。」と励ましの言葉を遺して消滅した。
ロックマンエグゼのアイリス
人物像
蝶型の髪飾りが特徴的な無口な少女。どこからともなく不意に現れる。
謎に包まれたその正体はオペレーション用のネットナビで、カーネルの妹。
かつてカーネルから抜き出された「処理・制御能力」と「優しさ」のデータを核に組み上げられたもう一人の「カーネル」自身であり、電脳制御能力に特化している。電脳獣をもコントロールするほどの処理能力を誇り、その力はワイリーの野望の鍵となった。
カーネルと融合する事で本来の圧倒的な力を発揮する事が出来るのだが、融合すると同時に自爆する様ワイリーに仕組まれていた。最期は自分の意志でカーネルと融合し、自爆することで電脳獣を消し去った。
熱斗に対し好意を抱いていたが、最後まで口に出すことは無かった。
その後、ネットワークのリカバリーシステムとして彼女の名を冠したプログラムが製作されている。
アニメ版のアイリス(ロックマンエグゼ)
アメロッパの軍事工場で炎山が出会った少女。こちらの現実世界の住人ではなく、ビヨンダードの光正がカーネルの感情データを人間化したナビ。移動型コピーロイドで行き来する。仮面をまとったナビの姿は仮の姿である。
ナビなので食事を必要としない。熱斗達のクラスに1日だけ転校してきた。