概要
名称は、第二次世界大戦で使用されたパンツァーファウストに由来する。
ロケットブースター付き弾頭使用の無反動砲の一種であり、IHI エアロスペース(旧日産自動車宇宙航空部門)でライセンス製造されているものが自衛隊にも採用されている。
ちなみに、自衛隊では「110mm個人携帯対戦車弾」、陸自では「LAM(Light Antiarmor Munition=軽対装甲火器)」という名称になっている。(製造メーカーと調達価格が近い事から「空飛ぶ日産マーチ」とも冗談で言われていた)
弾頭等が搭載された発射チューブとグリップ部の二つに分かれており、発射チューブは使い捨てとなっている。
弾頭は成形炸薬弾を使用した対戦車榴弾、タンデムHEAT弾頭、対建造物用弾頭(ブンカーファウスト)をはじめとして様々なものがあり、グリップ側もセンサー搭載の自動発射架台など様々なものが用意されている。
対戦車榴弾はモンロー/ノイマン効果を効率的に発揮するようにプローブが延ばされている状態の外見が有名だが、延ばさずに使用することも可能で、その場合は榴弾として機能する。
対戦車榴弾は現行の戦車を正面からでも十分に撃破可能な貫通力(最大700mm以上の圧延均質装甲板を貫通できる)を持つ。
反動相殺機構は後方へ重量物を投射するデイビス式、カウンターマスは金属粉となっている。
余談ながらダイナマイトノーベル社が担当している部分は発射チューブ側のみで、グリップ部はH&K社が設計しており、セレクターはG3と似たものとなっている。
照準器はツァイス・グループのヘンゾルト・ウェッツラー社が担当。
開発国であるドイツなど一部の国ではイスラエル/シンガポール共同開発のMATADORへの更新がされている。
ドイツ軍では対建造物用のブンカーファウストがMATADORに更新されるが、対装甲目標用にパンツァーファウスト3も継続して使用する模様。