概要
春画をまとめたものを「艶本」という。早い話が昔のエロ本である。
また、一般画と春画の中間に位置するそれほど露骨な描写でない作品は「危絵(あぶなえ)」と呼ぶ。
なお、喜多川歌麿や葛飾北斎、歌川広重など江戸時代の著名な浮世絵師は全て春画を描いており、春画を全く描かなかったのは東洲斎写楽だけだとされている。
また、春画は日本のものものではなく、中国やトルコなどにもあり、西洋においてもそれに近い芸術作品が、有名画家のものにも存在する(レオナルド・ダ・ヴィンチやミケランジェロ・ブオナローティが手掛けた『レダと白鳥』や、イ・モーディの作品など)。
余談
春画や危絵を描くうえで一番大変だったのがモデルであり、当時の時代では写真などが無かったため、描く際には作者がモデルを出迎えたり自らが出向くなどして、わざわざ長時間その態勢をとって貰わなければならなかった。
危絵師が主要人物として登場する、川田弥一郎氏の時代小説『江戸の検屍官』には、そうした危絵のモデルが苦労している様子が綴られている。
ちなみに『江戸の検屍官』は、高瀬理恵氏による漫画版もあり(小学館・ビッグコミックにて断続的に短期連載)、そちらでも同様の描写がある。