概要
スホーイとはソ連時代にパーヴェル・スホーイ (Pavel Sukhoi) によって設立されたロシア連邦の航空機設計局の通称。スホーイの製品にはスホーイの頭文字Suというプレフィックスが冠せられる。現在の会社名は「株式会社スホーイ・カンパニー」。
第2次大戦ではSu-2軽爆撃機などを製造していたスホーイだが、それに続く新型攻撃機Su-6はスターリンに「生産ラインを切り替える暇があるならもっとIl-2を作れ」と採用は見送られた。戦後はジェット戦闘機の開発に着手するが、最初に手掛けたSu-9(初代)の機体レイアウトがドイツのMe262そっくりだったことがスターリンの不興を買い、Su-17(初代)まで続く一連の試作機に対する設計の不備を理由に設計局の閉鎖が命じられてしまった。
スターリン没後、設計局の再開が許されたスホーイが最初に手掛けたのがSu-7とSu-9(共に2代目)である。当時小型戦闘機はミグ設計局が専門的に開発していたため、再開したスホーイに与えられた仕事は大型の迎撃戦闘機や戦闘爆撃機の開発であった(現在こそSu-27の成功で機動性の高さが注目されがちなスホーイだが、それ以前の製品は方向性が異なり、格闘性能はむしろミグ戦闘機に分があった)。飛行特性を調べるため同じ胴体の後退翼機(Su-7)、デルタ翼機(Su-9)を製造し、前者が戦闘爆撃機Su-17、後者が迎撃戦闘機Su-15に発展した。戦闘爆撃機Su-24も元を辿ればSu-15のSTOL研究機T-58VDをベースにしており、Su-25・Su-27以前の機種は全て最初に手掛けた試作機を起源としていると言える。現在のSu-27ファミリーの拡大を見ても分かるように、一つの原型からあらゆる派生型を開発する能力こそがスホーイの強みかもしれない。
Su-27登場以降は格闘戦闘機メーカーとしても名を馳せるようになり、次世代戦闘機であるPAK-FAの開発も任されている。また、スホーイ・スーパージェットなどによる民間機市場への参入にも積極的であり、ロシアの航空機メーカーとしては今一番勢いに乗っている。
主な製品
Su-2 | Su-5 | Su-9(初代) |
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Su-12(右下) | Su-7(2代) フィッター | Su-9(2代) フィッシュポット |
Su-11(2代) フィッシュポット | Su-15(2代) フラゴン | Su-17(2代) フィッター |
Su-20/22 フィッター | Su-24 フェンサー | Su-25/39 フロッグフッド |
Su-26 | Su-27 フランカー | Su-30 フランカー |
Su-31 | Su-33 フランカー | Su-34 フルバック |
Su-35(初代) フランカー | Su-35(2代) フランカー | Su-37(2代) フランカー |
S-32 | Su-47 ベールクト(ファーキン) | T-50 |
T-4 | スーパージェット100 | |