概要
死徒二十七祖第十六位に列せられる半鳥半人の異形の死徒。通称『黒翼公』。本来の姿は天をも覆うほどの巨体を持ち、空想上の怪物『鵬』を彷彿とさせる容姿の超巨大カラス。
元々は鳥を異常に崇拝する魔術師だったが、朱い月のブリュンスタッドに戯れに戦いを挑まれて敗北、経緯は不明だがこれを切っ掛けに彼に絶対の忠誠を誓うようになり、従者として恥じぬ力と不老不死の肉体を得るために死徒化、更に鳥への拘りから容姿すら鳥に似せた姿になってしまった。
その忠誠心は極めて高いものであり、朱い月がゼルレッチに敗れこの世から消滅した後でも変わらず、その後継者たるアルクェイドにも恭順の意思を示している。
二十七祖に加えられたのは朱い月消滅後のため最古参ではないが、生きた年月はオーテンロッゼら最古参メンバーにも劣らないほど歴史の長い死徒である。
その実力も正規の死徒メンバーとしてはトップクラスと目されており、当時一大派閥を築いていた先代16位の居城に単身で襲撃を仕掛け、本人含め全ての配下・眷属ごと皆殺しにしている。
性格は魔術師上がりの死徒らしく冷酷かつ残忍で破綻しているが、同時に礼節を重んじる紳士でもあり、忠誠を誓った朱い月や後継者アルクェイドには従順な他、同志と認めた相手にも寛容で、死徒間での会合や儀式などにも積極的に顔を出す。
しかし、他の死徒には敬遠されており、特に仲の良い相手というのは居ない。
能力
生前は鳥を神聖視し、自身の主要な魔術基盤としていた優秀なソウルキャリアーだった。
死徒化後は超越者由来の怪力と強靭な生命力、強大な魔力を得た他、鳥に似せた姿となったため、魔術などを使わずとも自力で飛行することが可能。
また、『ネバーモア』を呼ばれる固有結界を操るとされ、詳細こそ不明だが、死徒の力でありながら、同じ死徒に対して絶対的な効果を発揮することが可能とされる。
なお、彼に血を吸われた者は、グールではなく鳥の頭を翼を持つ異形のキメラとなってしまうため、他の死徒からは『醜い』とされ嫌われているが、本人にしてみれば鳥ではない方が醜いらしい。
戦闘力は死徒の中でも有数の実力者であり、トップクラスとも目されている。
対人関係
朱い月のブリュンスタッド
かつて仕えた主だが、消滅した現在でも変わらぬ絶対の忠誠と敬意を示している。
絶対の主たる朱い月の後継者である彼女に対し、純粋に恭順の意思を示している。
アルクと同じく朱い月の後継者だが、失敗作である彼女に対しては紛い物と断じて、明確な殺意すら示すほどの憎悪を向けて敵対している。
同じくアルクに恭順の意思を示した同志…なのだが、彼の恋慕の情を交えた忠誠心の有り方が『おこがましい』として我慢ならないらしく、内心では憎悪すらしている。一方、メレムはブラックモアを純粋に仲間として頼りにしており、表面上は険悪には見えない。