概要
シリーズを通して登場する、正義のトランスフォーマーの軍団「サイバトロン(オートボット)」に所属する戦士の一人。
作品によって性格や容姿は異なるが、大抵は医師(軍医)であり、救急車に変形する。
G1(戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー)
サイバトロンのドS…いや、心優しき穏やかな医師。
「ケガ人は黙ってろ、発声回路切っちまうぞ☆」
「看護員」とも呼ばれ、アイアンハイドと同型であり日産・チェリーバネットをベースとした救急車に変形、負傷した仲間を運搬し修理する。
仲間の治療(リペア)だけでなく最前線にも赴き積極的に戦闘にも参加するスーパードクターであり、第12話「ソーラーエネルギーを盗め」ではサンダークラッカーに跳び蹴りを披露している。
どうやら格闘が得意な様子。
また、あのアイアンハイドと同型である為かたまに物騒な事を口にする場合があるが、これは仲間を心配するが故の行動であると思われる。
「では名医の診断をしよう。いいから黙って乗れぃ!」
軍医として他にない個性を保っていたのだが、『ザ・ムービー』ではスタースクリームによって射殺されてしまう。
因みにラチェットのベースとなったダイアクロンの玩具は、「人間が乗り込むパワードスーツ」という設定である為に顔が無く、その為トランスフォーマーとして発売された際には座席の部分に貼り付ける顔のようなステッカーが追加されている。
(後に発売された復刻版では、パッケージのベロの部分にアニメと同等のデザインの頭部が印刷されており、切り抜いて座席に差し込む事で劇中の姿に近づける事が出来る)
また、ロボット形態では余剰部分となる車体後部はラチェットを搭乗させる事が出来る自走式の砲台に変形するのだが、劇中で使用される事は無かった。
アドベンチャー
マイクロンの章で登場。プライムとは同一事人物である。
IDWコミック
G1リブートであるIDWコミックでは、人間に初めて接触する案内役的役割として初期エピソードより登場する。展開的に「ザ・ムービー」に相当する「ALL HAIL MEGATRON」でも死亡することなく生存。のちの時系列であるMTMTEでは、老いによる医学者としての腕の衰えの自覚から一線を引くことを決意、ホットロディマス率いる探査チームの一員に加わる。
人型形態の姿は頭部が赤であり、肩に赤十字マークがなくなった(戦闘行為に加わるためふさわしくない、との理由より)ほかはTVシリーズとほぼ変わらないが、地球でのオルトモードの外観ははTV・玩具のチェリーバネット型ワゴンではなく、米国内で標準的にみられる形態であるボンネット部の目立つ中型ワゴンとなっている。ちなみにアイアンハイドも同様。
マイクロン伝説
CV:沢木郁也
サイバトロンの副官兼メカニック担当で、海外版『Transformers Armada』ではレッドアラート(Red Alert)と呼ばれている。
SUVタイプの救急車に変形。
昔は色々あったらしくコンボイとは旧知の仲。
ホットロッドには「ラチェットのとっつぁん」と呼ばれている。
中の人はかつて『ヘッドマスターズ』でフォートレスマキシマスを演じていた。
因みにアルマダコンボイを演じた大川透氏は後に『アニメイテッド』でラチェットを演じており、奇しくも同じ『司令官→ラチェット』という構図になっている。
実写版
CV:浦山迅
GM社のハマーH2をベースとした救急車に変形するオートボットの心優しき穏やかな軍医。
「彼はまだ声を出す回路が修理できていないんだ」
その実体はエロ医者である。
「フェロモンレベルから察するに彼は女性との交尾を望んでいる」
医者っぽい感じは十分に醸し出せているが、他にも電線で感電して悦んだりとセクハラの限りを尽くす。
というか実写版はコンボイとバンブルが目立つばかりで、他のTF達はその灰汁の強いキャラクターで存在感を維持できてはいるものの、あまり内心にまで迫った描写が無いのが現状。
とはいえ、1作目では台詞の数自体は結構多く、説明役として一定の存在感はあった。
2作目と3作目ではほとんど空気であり、2作目に至っては非協力的な人間に対して愛想を尽かしていた。しかしオプティマスの近くにいるため画面にはよく写っていた。
新たな局面を迎えた第4作目『ロストエイジ』では、トランスフォーマーを敵対視するようになった人類からの追撃を逃れるべくオプティマスらと別れて単身行動していた。
だが、やがて反トランスフォーマー組織KSI(Kinetic Solutions Incorporated)の実働部隊「墓場の風」によって潜伏先を突き止められ、彼らの執拗な攻撃を受ける。
オプティマスからのメッセージを通じて説得を試みるも聞き入れられず、その時にロックダウンの一撃をもろに喰らってそれが致命傷となる。
スクラップ同然となる中、ロックダウンからオプティマスの居場所を問いただされるが断り、最期は胸部のスパークを抉り取られて死亡、遺体はKSIによって回収された。
「墓場の風」に襲われる中、自分は味方だと主張したり「どうしたのだ人間達よ!」と呼びかけたりしており、人間との共存に否定的になりつつあるオートボットでありながら友好的な感情を抱いていたらしい事が伺える。
遺体の頭部はKSIでトランスフォーミュウムを得るために溶かされており、それを見たケイドはディセプティコンとして扱われているのを含めて複雑な表情を見せていた。またケイドを介してこれを目の当たりにしたオプティマスは「よくもラチェットを殺したな!八つ裂きにしてやる!!」と怒りと殺意を露わにし、後に地球を救うことに難色を示すほど人類に失望してしまう。
アニメイテッド
CV:大川透
オプティマス部隊に所属するオートボット。
鹿児島弁みたいな訛りのしゃべり方が特徴。
オプティマス部隊の中では最も年上で、いろいろな面でオプティマスをサポートする。
日本語版では薩摩あげ、きびなごの刺身、かるかん饅頭が好物らしい。
ロックダウンとは何かしらの因縁がある。
過去にグレートウォーに参加した経験があるが、それ以外にもオートボット関連の重要事項には参加していた模様。
中の人は『マイクロン伝説』でコンボイとスカージを演じていた。
プライム
CV:飛田展男
今作でも救急車に変形し、オプティマスと行動を共にするオートボットの戦士。
「それまだ使うのに!」
今作でも当然ながら軍医であるが、今回は部隊の科学者の役割も担当している。
むしろこっちの方がメインに扱われやすい。
性格は冷静で真面目だが、プライドが高く気難しい面があり、当初はジャックらの事を他の誰よりも煙たがっていた。
メンバーの中ではオプティマスと一番長い付き合いであり、オプティマスが総司令官になる前の事も知っている。
負傷者の治療・ワープ装置の起動役・基地からの情報提供などサポート役になりやすく、基地で留守番している事が多い。
しかし、戦場に出れば銃と実体剣で激しく戦う頼もしい軍医である。
深夜の完全変形2時間スペシャルでは、オプティマスに思いを寄せているような描写がみられている。
中の人は『ビーストウォーズ』でテラザウラー・クイックストライク、『アニメイテッド』でファンゾーン警部・サウンドウェーブ・スワープなどを演じていた。