あまねく生命(いのち)に祝福を! キュアフェリーチェ!
説明
『魔法つかいプリキュア!』第22話から登場するプリキュア追加戦士。魔法つかいプリキュアのメンバーとしては3人目に当たる。
戦闘アイテムは魔法の杖フラワーエコーワンド。
「フェリーチェ(Felice)」とは、「幸福」を意味するイタリア語である。
変身者は花海ことは。しかしもとを正せばその正体は妖精のはーちゃんであり、彼女が急激に成長した姿である。妖精からプリキュアになったパターンは歴代でいえば『Yes!プリキュア5GoGo!』のミルキィローズ(※注)、『スイートプリキュア♪』のキュアビートに続いて3人目となるが、妖精としての姿も動物型ではない「人型」であったのは初となる。
妖精時からプリキュア側にいた、という変身までの境遇はミルキィローズに似ているが出生など不明点も未だ多い。
(※登場時点では厳密な意味でのプリキュアではなかったが、その後プリキュアオールスターズ映画での登場やこちらでの扱いからも伺えるように公式カウントに含まれている。)
プリキュアといえば特定のイメージカラーを持つものと相場が決まっているが、フェリーチェの外観はパステルカラーの多色展開なため、正直言って判別しづらい。
しかし、コスチュームには緑色が濃淡を変えつつ色んな部位で印書的に使われているため、どの色がメインかというなら緑ということになるのだろう。(一番目立つバルーンパンツについては青緑なので何とも言い難いのだが、それでもRGB的には緑が一番強い)
プリキュアオールスターズでは歴代3人目の緑キュアという事になるが、髪の色がピンクというミスマッチ感が取り入れられたのは緑キュアとしては初めてとなる。
また、髪が薄い桃色のプリキュアは『フレッシュプリキュア!』のキュアパッション以来の2人目となる(髪がグラデーションであるキュアスカーレットも見方によっては含まれる)。
リンクルスマホンとリンクルストーン・エメラルドがあれば変身可能であり、キュアミラクル、キュアマジカルとは異なり、一人だけで変身可能なプリキュア。しかしことはがみらい、リコ、モフルンの力になりたいと思った際にしかエメラルドは力を授けてくれない模様。
変身後はことはの姿の時には無くなっている花の形のハイライトや妖精の羽根(大型化する事で飛行可能)が追加され、キラキラ期の姿に近くなる。
ことははキュアフェリーチェに変身すると頭身が少しだけ伸び、胴体や手足がスラリと長くなる。
変身により大人びた体型になるのはキュアミラクル・キュアマジカルと同様の変化だが、彼女は変身により精神年齢も成長する。
変身前は幼児性の強い性格のことはだが、変身するとかなり大人びた性格となり敬語で話すようになる。
どの作品のプリキュアも変身後に凛々しさが増すのは変わらないとはいえ、変身前後でのキャラクターイメージのギャップについては、今までのプリキュアたちの中ではフェリーチェが最もスバ抜けているだろう。
←before after→
戦闘スタイル
キュアフェリーチェの先輩であるキュアミラクルとキュアマジカルは、変身に使うリンクルストーンを4種類の中から選ぶことができ、これによって4種の異なる戦闘スタイルに変身できる。(カラフルスタイルを参照)
しかし、キュアフェリーチェはエメラルドのリンクルストーンでしか変身できないので戦闘スタイルも一種類しかない。
設定上では、フェリーチェのコスチューム及び戦闘スタイルはエメラルドスタイルと呼ばれているようだ。
現時点までのフェリーチェの戦闘を見る限り、敵の攻撃を手で受け止めた上で、さらに強力な力で反撃するというカウンター攻撃が基本なようだ。つまり防御タイプということになる。
初めて戦闘が描かれた22話ではスーパーヨクバールの突進攻撃を片手で微動だにせず受け止め、そのまま上空へ打ち上げてから蹴り落として地面を抉るという派手なデビューを果たし、清楚な見た目とのギャップで視聴者を驚かせた。
その後も作中では、ミラクルやマジカルに対して敵が攻撃した時に間に割り込み、それを防いだり弾き返すことをよくしている。
フェリーチェのカウンター能力はかなり優秀で、敵に対してはエネルギー攻撃などしてくればそれを掌で受け止めて反射させるかごとく跳ね返せるし、格闘攻撃してきた場合もそれを軽く受け流して敵の巨体もろともぶっ飛ばしてしまう。
反面、自分の方から率先して敵を攻撃するということが現状ではほとんどなく、相手の力が上回った場合は攻撃を防ぎきれず、劣勢を強いられる。
浄化技である「プリキュア・エメラルド・リンカネーション」もミラクルとマジカルが敵をある程度痛めつけて動きが鈍ってからでないと放つことができない。
そのためカウンター攻撃が得意というのと同時に「自分からの攻撃は苦手」なのではないかとも思われる(そういった意味では初期のキュアプリンセスに近いかもしれない)。
プリキュアの追加戦士はデビューしたばかりの一ヶ月くらいは非常に強力に描かれがちではあるが、フェリーチェはシリーズ全体から見てもそれが顕著であった。
フェリーチェ登場と同時に現れた新たな怪物「スーパーヨクバール」は、その時点でのキュアミラクルとキュアマジカルの力では歯が立たないほどの強さだが、フェリーチェは全く苦戦しない。
キュアエースの変身時間制限のような弱点も今のところ見られないため、ミラクル、マジカルよりも純粋に強いプリキュアという扱いになっている。
とはいえ、自分の方から率先して攻撃しないタイプであるためミラクル・マジカルと3人で戦う意味は出ている。
また、上述したようにことはがミラクル・マジカルを助けたいという思いを強く持たない限りは変身することができないためもう全部あいつ一人でいいんじゃないかなというわけにはいかない(実際に2人がピンチに陥っていなくても、25話のように守りたい感情が強くなれば変身は可能)。
さらにラブーの召喚するドンヨクバール相手では流石に苦しいらしく、初召喚された27話では無数の爆弾攻撃を浴び初のダメージを負ってしまった。ここからはミラクル・マジカルとの連携が重視されるところだろう。
花魔法
プリキュア・エメラルド・リンカネーション
フラワーエコーワンドにエメラルドのリンクルストーンをセットすることで使える花魔法(必殺技)。仲間との合体技ではなくフェリーチェ一人で使用出来る個人技。
「キュアー・アップ!」の掛け声とともに周囲に無数の花を咲かせ、その花たちから命のエネルギーを借り受け、それをスーパーヨクバールに直接ぶつける。するとスーパーヨクバールは一輪の花へと生まれ変わる形で浄化されてしまう。
ミラクルとマジカルの必殺技である金魔法に比べるとかなり優しい感じの描写であるものの、2人の金魔法よりも強力な力を持つ。第26話ではミラクルとマジカルの援護はあったものの、側近ポジションであるヤモーの最終形態を単独で浄化した。
登場経緯
公式発表以前
毎年のことであるが、今回もフェリーチェの登場が公式発表される前から大きいお友達の間でネタバレが賑わった。このタグで投稿されているイラストも最初期のものは公式発表よりも前のものである。
わずかなネタバレ情報から想像を膨らませて描かれたものも多く、実際のフェリーチェの印象とは細部などが異なっていることもある。
放映前の予想
2016年に入って新番組『魔法つかいプリキュア!』の詳細情報が公開されてから、コアなプリキュアファンの中ではすぐさま追加戦士がどうなるかについての話題が上がったが、カラフルスタイルという本作独自の要素から、今回は追加戦士はいないのではないかという予測が優勢であった。
カラフルスタイルはキュアミラクルとキュアマジカルが普段とは異なるイメージカラーのコスチュームを着込むことができるギミックである。ということは、追加戦士が登場するなら、イメージカラーがミラクル・マジカルが着ることができる色と被るのは、差別化できないのであまりよろしくない。
そうなると追加戦士のイメージカラーの選択枝は非常に狭まる。
キュアミラクルとキュアマジカルはカラフルスタイルも含めると、ピンク色・紫色・赤色・青色・黄色のコスチュームに着込むことができる。それ以外のプリキュアのコスチューム色となると、過去に採用されたケースでは白色・緑色・黒色しかない。しかしこの三色は近年においてはプリキュアの色としては採用されにくくなっている。(その理由については白キュア・緑キュア・黒キュアのそれぞれの項目を参照)。
これら三色の久々の復活や、全く未知の新カラー(具体的には、正式メンバーとしての橙キュアなど)が出てくる期待の声もちらほらあったが、プリキュアのイメージカラーは玩具売れ行きに大きく関わると言われているので、今更定番カラー以外を持ってくるとは思えないとして、今年は追加戦士はいないのではないかという声が年季の入ったプリキュアファンほど根強かった。
また、追加戦士不在の声が割と強いのはイメージカラーだけの問題ではなく、本作が「ふたり」での変身というのがかなり強調されているためでもある。
本作ではモフルンを挟んで二人が手をつなぐことで初めてプリキュアとして変身できる。ここにもうひとり加わった場合、全員が手をつないでいる状態を構築することは不可能である。
ミラクル、マジカル、モフルンの手つなぎは完全に完成されたトイライアングル形状なため、追加戦士が入る隙間がないのだ。まさか、ミラクルとマジカルの間に強引に割り込むようなことはできないだろう。
ということは、追加戦士がいた場合、ミラクルとマジカルがふたりで仲良く手つなぎ変身している横で一人寂しく単独変身するハメになるのではと懸念されたわけである。
また、ミラクルとマジカルの変身時の個人名乗りについても「ふたりの奇跡、キュアミラクル!」「ふたりの魔法、キュアマジカル!」なので、ここに3人目が入ると微妙に仲間はずれ感が出てしまうという問題も出てくる。
(もっとも、初期のプリキュア作品ではシャイニールミナスとミルキィローズが単独での変身及び「ふたり」とは別の個人名乗りをやっていたので、このような扱いがタブー視されているというわけではない。)
例年通りの玩具解析
放映が始まって関連玩具も発売されるようになってから、追加戦士不在の予測を覆す大発見がされる。
リンクルスマホンに追加戦士の音声とアニメーション映像が入っていたのだ。
リンクルスマホンにリンクルストーン・エメラルドをセットした時の状態をハックして再現すると再生させたものであり、その名も、「あまねく生命に祝福を、キュアフェリーチェ」である。そしてそのイメージカラーは緑。
さらに、変身前の名前が「はなみことは」であること、変身前の姿も判明。見た目や名前からしてはーちゃんではないかと推測された。
ただ、本作の序盤のエピソードで提示されたプリキュアたちの活動目的が「リンクルストーン・エメラルドの探索」というものであったことから、プリキュアたちがエメラルドを手に入れる展開は物語終盤になると思われていた。
このことから、キュアフェリーチェは追加戦士ではなく、プリキュア側の切り札として最終盤に1回だけ登場する番外戦士のような存在ではないかとも考えられていたのである。(過去の例で言えば、満・月フォーム/薫・風フォーム、キュアフラワー、ロイヤルキャンディなど)
なお、『ハピネスチャージプリキュア!』で最終回のみ登場する最終フォーム「フォーエバーラブリー」が名前と名乗りだけは玩具解析により放映直後に判明していた例もあるので、玩具内にデータが入っていたからといってそれがいつ登場するかはわかるわけではない。さらに言えば、アニメ作中に登場しないボツキャラのデータが入っていることも稀にある。
まさかの先行情報公開
プリキュアシリーズの追加戦士とは、それを秘匿しようとする公式と、ネタバレ情報を先に掴みたがる大きいお友達との情報戦の歴史でもあった。
公式では追加戦士が登場する一ヶ月くらい前から「あたらしいプリキュアが登場!?」と煽りはするのだが、それがどういうキャラなのかは焦らす。だがその焦らしは純粋な子供達の中ではワクワク感になっても、一部の大きいお友達の間ではデマや妄想や喧騒となる。自分が考える「プリキュア候補」の正当性を理論武装し、違う意見を持つものを論破すべく戦いあう。もちろん、このときは玩具解析や問屋向けの商品カタログからのネタバレ情報で追加戦士の正体はかなり判明しているものの、理屈と膏薬はどこにでもくっつく。驚くべき超理論で自分の推しキャラをプリキュア候補として主張する一種の天才が現れる事もしばしば。
今作においても例外ではなく、「実力的には申し分の無い姉」や「あまりにもキャラの立ち過ぎた魔法学校の同級生達」、「中の人の前歴が強力過ぎる同級生」等が続々登場した事も手伝って混迷の度合いは深まる一方であった。
また、中には偽のネタバレ画像をネットに流して大きなお友達の混乱を楽しむ輩も出てきている。
しかし今やSNSとキュレーションサイト(まとめサイト)の発達によって、アニメに興味のない普通のお父さんとお母さんたちでさえデマ情報を目にして、罪悪感なく自分の子供たちに教えてしまう時代である。
そういうこともあってだろうか、本作ではなんとキュアフェリーチェの本編登場から一ヶ月も前(2016年6月1日)にあっさりと登場を公式サイトにヴィジュアルつきで告知し、同時にその正体がはーちゃんであることも明かした。これは毎年のデマ騒ぎを体験してきた大きいお友だちたちを驚かせることになった。
情報公開から本編登場まで
キュアフェリーチェの登場を変身者まで明かして告知された時点では、本編の物語上では「はーちゃんがプリキュアに覚醒する」ことを示す伏線のようなものはほとんどなかったので、公式がそんなネタバレするとストーリーが楽しめなくなるのではないかと批判的な意見もあった。
実際に描かれた本編のストーリーでは、エメラルドの覚醒とともにはーちゃんが自分の意思とは無関係にキュアフェリーチェへと急成長し、はーちゃん自身もその変化の理由をわかっていないという扱いになっていた。
つまり、重大な謎が解けてはーちゃんがプリキュアに覚醒するのではなく、はーちゃんとエメラルドに秘められた謎はキュアフェリーチェの誕生をきっかけにして少しずつ解き明かされていくという構成になっている。
キュアフェリーチェの登場を先にバラしてもストーリー上の大きな謎解きがされるわけでないならば、子供たちの期待を高めるために追加戦士の登場を先に公式から予告することは何の問題もないと判断されたのだと思われる。
ミラクルとマジカル(とモフルン)の輪に入れずに単独変身することについては、上述したようにシャイニールミナスとミルキィローズで前例があるので、むしろ原点回帰というところが大きいようだ。実際、シャイニールミナスとミルキィローズとはキャラの立ち位置という点では共通要素が多々見受けられる。
戦闘シーンでは単独変身である分、日常シーンではミラクルとマジカルとモフルンと家族的な絆で結ばれていることが大きく強調されている。
なお、エメラルドは終盤にならないと入手できないのではという予想は大きく外れた。
リンクルストーンは平均して1.5話に一つくらいのペースで入手されており、19話までにエメラルド以外のリンクルストーンを集め終えたのである。また、フェリーチェ登場が予告された前後から物語は大きく加速し出し、闇の魔法つかいの幹部たちとの決戦、エメラルドの覚醒、そしてラスボスとされていたドクロクシーとの決戦と、怒涛のクライマックス展開が続いた。いわば半年間の2クールアニメに近い構成で物語が作られていたのである。そして物語が一区切りついた後に2ndシーズンが始まり、新たな敵が現れ、同時にキュアフェリーチェが新キャラとして登場する、というノリである。
余談
瞳のハイライト
瞳に描かれた花ははーちゃんの頃は花の形が×字状で全体が見える形だったのに対し、フェリーチェの姿の時は花の形が+型となり半分程度隠れた形とそれぞれ若干異なる。
しかしpixivでは放送前キュアフェリーチェのデザインを比較的小さめの画像でしか確認できなかったのもあり、幼少時のデザインをそのまま使ったイラストもある。
中の人について
演じる早見沙織は1991年(平成3年)生まれなので平成生まれ初の緑キュア声優となった。
キャラクターソング
「魔法つかいプリキュア! ボーカルアルバム リンクル☆メロディーズ」では、ことはのキャラクターソング「キラキラしちゃえ!」とフェリーチェのキャラクターソング「言葉のエメラルド」がそれぞれ収録されているが、同一人物のキャラクターソングとは思えないほど方向性の違った2曲となっている。
関連動画
関連イラスト
関連タグ
プリキュア関連
緑キュア グリーンヒロイン 花キュア 寒色キュア ブルーチーム 追加戦士
キュアハッピー:「幸せ」の意味を持つ名前繋がり。但し、「ハッピー(happy)」が「幸せな○○」を表す形容詞であるのに対し、「フェリーチェ(felice)=ハピネス(happiness)」は「幸せ」そのものを表す名詞である。
キュアフラワー:容姿が似ている。
コラボ関連
キュアフルーチェ:ハウス食品が販売する牛乳と混ぜ合わせるタイプのゼリー菓子の「フルーチェ」とのコラボタグ。 名前が似てるので名前ネタが投稿されている。
キュアフェニーチェ:「ウイングガンダムフェニーチェ」とのコラボタグ。
エクリップスプリキュア:キュアラブリー、キュアフォーチュンに続き、二年越しで遂に役者が揃った。