クイーン・エリザベスとは、エリザベスという名のクイーン(女王・王妃)に由来する艦船の名前。
以下のようなものがある。
- イギリス海軍の戦艦。エリザベス1世女王に由来する。
- 豪華客船。王妃エリザベス(イギリス王ジョージ6世の妃、エリザベス2世女王の母)に由来する。初代(1940就役)、二代(クイーン・エリザベス2、1969就役)、三代(2010就役)がある。
- イギリス海軍の空母。2014年現在建造中。
戦艦クイーン・エリザベス
クイーン・エリザベス級戦艦の一番艦、1915年竣工。
ビッグ・リジー(Big Lizzie)というあだ名で呼ばれた。ちなみにLizzieとはエリザベス(Elizabeth)の略称だがアメリカ英語ではレズビアンという意味である。
日本海軍の金剛(自国建造だが)や、アメリカのニューヨーク級、ドイツのマッケンゼン級(未成)を凌ぐ15インチ砲を積む戦艦として建造された。主砲を連装4基として船体中央部の砲塔を廃し、そこに石炭よりパワーの出る重油専門の機関を積んだことで、巡洋戦艦並みの25ノットを出せるようになり、高速戦艦の走りとなった。
姉妹艦に、ウォースパイト・ヴァリアント・バーラム・マレーヤがある。
クイーン・エリザベス自身は整備で参加できなかったものの、姉妹艦4隻はユトランド沖海戦でその高速を生かして巡洋戦艦隊の危機に駆けつけ、高速戦艦の強みを発揮した。
日本の長門型の設計も、この級の影響下にある。
第二次世界大戦でも旧式戦艦としては高速であり、また大規模改修も行われていたため各地で活躍している。
1941年にイタリア海軍の攻撃で大破したが復帰している。
ペナン沖海戦では羽黒迎撃のために戦艦リシュリューとともに出撃したが会敵することはなかった。