概要
１９６７年２月１２日放送。
監督 樋口祐三
脚本 海堂太郎
特技監督 高野宏一
独自の文明を持つようになるまで進化した怪奇植物が地球支配を企む怪奇回。
STORY
科学特捜隊本部に、南アメリカ支部から２０年ぶりに帰国したゴトウ隊員がやって来た。
２０年前。本人が１０歳の時、科特隊員だった父と共に南米ボリビアへ渡った。
父は仕事途中に亡くなり、南アメリカ支部の見習い隊員として働き、認められて正隊員になったと隊員達に話す。
和やかな雰囲気のなか、ムラマツ隊長はパイプの煙草を吸うためライターの火を着火しょうとするとなぜかつかない。
フジが代わりにマッチを擦って火をつけたが・・すぐに消えてしまった。イデがコントロールチェンバーを確認するが異常はなかった
とりあえず、ゴトウを科特隊のレストルームへ宿泊することにした。
フジがゴトウを部屋まで案内する途中、ゴトウは「科特隊本部の材質は何か？」と変わった質問する。
フジは「知らない」と答えると、「特殊合金が組み込まれている」と言葉を返す。
部屋に入ったゴトウはフジが去ったのを確認後、部屋のカーテンを閉め照明をつけた。
所持していたケースから注射器に似た容器を取り出し腕に採取したあと、机に置いた謎の機械の電源を入れたりと怪しい行動を取る。
科特隊作戦室
ゴトウの様子が怪しいと疑うアラシとイデ。そこへ戻ってきたフジが先ほどの発言を報告する。
それを聞いたムラマツは、ゴトウの身元を洗うため南米ボリビア支部との連絡を指示するが、電波と磁気は異常ないのに全く繋がらない。
もし、特殊合金の組織と成分が敵に漏れてしまった場合、科特隊の防御は紙より薄くなってしまうのだ。
そんな中、高良市に奇妙な植物が発生と通信が入った。ハヤタ アラシ イデが現場に出動。
三人は奇妙な植物の正体を得るために、植物に詳しい二宮博士の元へ尋ねる。
高良市に出現した植物は、20年前南米アマゾン奥地で発見した吸血植物ケロニアに酷似していると語る。
その発見者は、二宮博士の恩師ゴトウジロウ博士という名前に驚愕するハヤタ達。
科特隊本部レストルーム
一方。ゴトウの部屋に潜入したフジは、机に置いてある謎の機械に目に留まる。その機械を調べようとすると・・・・
衣装棚から緑色の怪人が現れた！ 怪人の目から発する怪光線を浴びたフジは倒れてしまう。
数時間後。ハヤタ達はフジが怪人に襲われたゴトウの部屋を検証。
アラシとイデがゴトウの行動を聞くため廊下へ連れ出した隙に、ハヤタはスーツケースの中から不気味に蠢く緑色の物体を採取。それを二宮博士の元へ届けた。
その夜。博士が検査した結果、緑色の物体はケロニアの幼生態と判明。20年前よりも人間より独自の高度文明を持つようになるまで進化をとけていた。
しかも、ケロニアの液体は人間の血液の組織にそっくりであり、人間の血を吸って生きてきたことまでもが明らかになった。
そこへ突然、博士の研究室にゴトウが入って来た。その正体を見破った二宮博士はライフルを手に取り銃を向ける。
ドアを閉めると同時に、ゴトウがついに正体を現す。吸血植物ケロニアであった。
怪光線で二宮博士を倒した直後、後を追ってきたハヤタ達が駆けつける。研究室から逃走するケロニアを追跡するハヤタ。
アラシとイデが失神の博士に駆け寄るなか、イデは机の上に置いてあるノートを見つけた。
そのノートには『ケロニアは驚くべき高等生物として、我々の目の前に現れた。彼らは他のどの動物よりも人間の血のうまいことを発見し、ついに人間制服の野望を・・・』と書かれていた。
同時刻。工業地帯から巨大化したケロニアが破壊活動を始める。
「おごれる人間共よ。もうお前達の世界は終わりだ。我々植物人間がお前達にとって変わるのだ。海の向こうから、我々の仲間が。我々はついに高度の文明を持つようになった。お前達人間共を滅ぼして植物人間の王国を打ち立てるのだ。」
翌日。南米から植物人間の開発したエアシップコンビナート（円盤群）が日本に襲来。本格的に人類侵略を開始したのだ。
防衛軍の戦車隊がケロニアを迎え撃つが、威力の増した怪光線で破壊される。
ムラマツからの本部帰還命令が出る中、ハヤタはケロニアが接近するビルへ駆け込む。
ベーターカプセルを手に持ち点火！崩壊するビルからウルトラマン登場。ウルトラマンとケロニアの死闘が始まった。
ケロニアの怪光線を受け止め、ウルトラマンはスペシウム光線を放つが通用しない。
その頃、ムラマツ アラシ イデが搭乗するジェットビートルは円盤群と空中戦を繰り広げていた。
激しい格闘の末、ウルトラマンは右腕からリング状の「ウルトラアタック光線」をケロニアに見舞う。
直撃したケロニアは硬直後、大爆発を起こして粉砕された。
ウルトラマンは空へ飛び立ち、カラータイマーが赤く点滅しているにもかかわらず、スペシウム光線でエアシップコンビナートを撃墜。
吸血植物ケロニアの人類支配の野望は、ウルトラマンと科学特捜隊の活躍により阻止されたのであった。
科特隊本部レストルーム
イデとフジはケロニアに襲われた部屋で現場検証。ケロニアが所持していた謎の機械は、植物人間の通信機であった。
自身の体内に電気を帯びており、電源がないのに始動したのはそのためだった。
本部に戻ってきたアラシは、高良市のケロニアの幼生態を全て焼却処分したとムラマツに報告。
砕いて細かくするとよく燃えるということから、近所の人々が喜んで持って帰ったという。
その話を聞いたムラマツは、ケロニアは非常に燃えやすいとう弱点を持っていた。そのため、独特の念動力で炎を消したと解釈。
では、何故？吸血植物が高度文明を持つようになったかとハヤタが疑問に思ったとき・・
「それはまったく謎です。」
隊員達が振り向くと、そこに二宮博士が立っていた。
「こんなに科学が発達した世の中でなんと不思議なことが多いんでしょう。
しかし、このような事件が再び起こらないとは誰も言えない。
いや、再び三度起こりうるでしょう。我々人間は心しなければならない。
いくら高度に発達しても血を吸って身を肥やすのは、もはや文明とは言えないのですから。」
その言葉に立ち尽くす科学特捜隊であった。
おまけ
