概要
A300・A330/A340の後継機として開発されたワイドボディ旅客機。
元々はA330を元としてエンジンや素材を最新のものに変更した…まあ乱暴に言えば「A330改」的な機体として開発が進められていた航空機であるが、「古い機体を手直ししただけのものが売れるわけないだろ!」となって白紙撤回となり、「A350XWB」として一から設計しなおしたものである。
成り立ちこそ違うが、カーボンファイバーの全面採用やエンジン(GEnx)などでB787と共通点が割と多く、その意味では「エアバス版B787」とも言える機体である。
ただ、機体はB787よりも若干大柄であり、B787の対抗商品というだけでなく「そろそろ旧式化してきたB777の後継機」としての需要も見込んでいるとも言われている。
実際、JALも本機を初期B777の後継機として使うつもりで発注したようで。
機体
機体はほぼ直接のライバルとなりうるB787同様、カーボンファイバー材を全面的に採用。
カーボンファイバーの採用により軽量化だけにとどまらず、機内環境の改善(与圧の圧力の向上、加湿を可能とする)や高々度巡航を可能としている。
機体断面は従来のエアバス機の円形からダブルバブル構造(円を2つ重ねた形状)に変更し、座席数の増加や大型コンテナ対応化を可能とした。
エンジンはゼネラル・エレクトリック GEnx、及びR.R トレント1000シリーズを採用。この辺りもB787に似通っている。
ウィングレットは曲線的な形状を描く独特なもの。
コクピット窓は曲線的な形状で黒縁という、これまた独特なものとなっている。
日本では
ボーイングの独壇場となっている日本では、A350の採用はまずないだろう…と思っていたら、突如としてJALが衝撃的なニュースを発表。
なんとA350発注を決定したのである。
片割れである日本エアシステムもA300導入は行っていたし、関連企業のジェットスタージャパンもA320を導入はしていたが、合併して「日本航空」となってからは初のエアバス機導入ということで世間を仰天させたニュースである。
一部では「B787のトラブル続きに愛想を尽かしてエアバスに乗り換えたのでは?」とあらぬことを言われることもあるが、JALとしては「B787の代替品というよりは初期B777の置き換えと輸送力適正化のため」と公言しており、B787とは使用目的が若干なりとも違う。
関連イラスト
関連タグ
A330 / A340 - これらの後継機として開発された。
A380 - A380で確立された新技術も盛り込まれている。
B787 - 事実上の直接の競合機。