概要
六歌仙の一人。第50代桓武天皇の孫。在俗時にもうけた息子に素性法師がいる。
三十五歳のとき寵遇を受けた仁明天皇が崩御すると出家し、七十歳のときに僧正となる。
寛平二年正月十九日、七十五歳で没する。
遍昭の歌風は出家前と出家後で変化しており、出家後は紀貫之が評したように、物事を知的にとらえ客観的に描き出す歌を多く作ったが、出家前には情感あふれる歌も詠んでいる。
惟喬親王や小野小町と歌を贈答している。
代表作
- すゑの露 もとのしづくや 世の中の おくれ先だつ ためしなるらん
- 天つ風 雲の通ひ路 吹きとぢよ をとめの姿 しばしとどめむ