概要
『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』に登場するフルカウルミニ四駆の一種。
大神博士が開発した三大バトルマシンの一つ。使用者は近藤ゲン。Gとは読み通り「ギガント」の略だが、本編では普通に「ブロッケンジー」と呼んでおりどちらでも正しい。
何と言ってもビークスパイダーやレイスティンガーとの明らかな相違点でもある最大の特徴はフロントにモーターを積んでいる事。当時フロントモーター=低重心という風潮が強かった事からスピードよりもパワーに重点を置いたマシンいう設定で、金属のウェイトやパイプ状のパーツがむき出しになった無骨なデザインは他二台と比べても一線を画している。
他二台のような得物を持たない代わりに背後から相手のマシンをマシンの重量で叩き潰す「ハンマーGクラッシュ(アニメではブロッケンクラッシュ)」を得意としている。原作ではこれで星馬豪のビクトリーマグナムを葬り去った。
アニメでは終盤あたりでフロントに装備した牙状の物で相手マシンを嚙み砕く「ブロッケンファング」の他、一度だけ後輪を回らないようにして渦状になり、他のマシンを行く手を阻む方法も(ゲン曰く「ブロッケンタイフーン」)。
ちなみに作者はこのマシンを割と気に入っているようで、最初のデザインが一発で通ったのがこのマシンだそうである。
第45話にて、フラットなシャーシが空力を生み出すための処置であることが判明されている。
ゲンと歩んだ戦の歴史
- デビュー戦にて、Vソニック、ネオトライダガーにダメージを負わせる。
- 二郎丸スペシャルを大破させる。
- サマーレースにてブラックセイバーに挑むが、カウンターを受けて失敗。
- 大神研究所にてレイスティンガーと共にVソニックに挑むが引き分けに終わる
- SGJCでは2日目、車重が重くてコースアウトやスタックの連続だったが、そばで豪の行いを見たゲンがバトルパーツを全て外したため軽くなり、『ミニ四駆』として本来の力を発揮、スピンコブラとブラックセイバーと激闘の末、1位を獲得した。ただし、初日はリタイヤ。3日目もバトルマシンに戻っており、ビークスパイダーと相打ちでリタイヤ。
商品としてのブロッケンG
ミニ四駆第二次ブーム真っ只中の1996年6月に新型のスーパーFMシャーシを引っさげて発売。
記念すべきスーパーFMシャーシ第1号であり、当時フロントモーターのシャーシは一種類しかなかったのもあって多くのFMシャーシ好きを喜ばせたのだった。
…だがこのスーパーFMシャーシ、非常に出来が悪く実際のレースでの人気はすこぶる悪い。
- モーターよりもバッテリーの方が重いため、結局リアモーターと重心的には変わらない
- 低重心を強調していた割に車高が無駄に高くフロントモーターの意味をなしていない
- スーパー1で散々指摘されていたフロントバンパーの脆さが据え置きのまま
- 何をトチ狂ったかとってつけたような丸棒式の強度もクソもない一体型サイドステー
- 軽い衝撃で外れてしまったり止まってしまうことすらある丸型回転式スイッチ
- リアステーを付けてしまうと外しづらくなるという致命的欠陥を抱えたリアギヤカバー
- ピンククラウンより強度が高いため扱い辛いオレンジのヘリカルクラウンギア採用
- ギアのクリアランスが抵抗だらけでスピードロスが生じやすい
- 公式レギュレーションで専用の超速ギアがなぜか使えない(TZは使える)
…などもはや欠陥品と呼べるほど出来が最悪なのである。
このため、同期(ほぼスーパー1だが)のシャーシと走らせるととにかく遅さが目立つ。下手すれば前世代のFMシャーシの方が速いとか言われる始末。
幸か不幸かビジュアル的人気は高かったためか後にブロッケンGのボディやシャーシの一部をブラックスモークに変更したマイナーチェンジ版のブロッケンGブラックスペシャルが発売された。ただし、シャーシのクリアパーツはただでさえ脆いスーパーFMの強度にさらに拍車をかけてしまっておりとても実践での使用は推奨できない。
上記のような理由からスーパーFMシャーシのラインナップは少なく、他は上述したブラックスペシャルにストラトベクター、ガンブラスターXTO、ガンブラスターXTOクスコスペシャルしか出ていない。しかも内二台は既存マシンのマイナーチェンジ版である。
また、フロントモーターという特殊な出で立ちから大神マシンで唯一プレミアム化がされていないという問題も抱えている。2010年代に入るともはやフロントモーターなど一部の物好きしか使っていないほど落ちぶれていたのだった…(ただ、そんな物好きの中にも公式カップで優勝するほどの猛者はいたのだが…)
ブロッケンG現役復帰?
だがスーパーFMから21年後の2017年5月、タミヤ最新鋭の技術を使った最新型のフロントモーターシャーシが発表された。その名もFM-Aシャーシ。ARシャーシの技術がフィードバックされており、スーパーFMの脆さが嘘のように堅牢化、ギア間の抵抗もほぼ解消され重心もしっかり低くなっている。クラウンギアがヘリカルクラウンのままという不安要素はあるが、それでも欠点という欠点はなくなったといえるだろう。
そして四ヶ月後の9月にFM-Aシャーシ採用マシン第1号であるラウディーブルが発売され、全国的にもFM-Aシャーシを手にすることが出来るようになった。
このFM-Aシャーシ、なんとあれだけシャーシのデザインに制約をかけそうなブロッケンGのボディが無改造で載ってしまう。ついでにガンブラスターXTOやスピンバイパーも無改造で載る。
皮肉にもオリジナルよりこの新シャーシを使った方が「堅牢ながらスピードが速い」という劇中のイメージ通りの性能になってしまうというわけである。
この事から早速公式大会ではFM-Aシャーシに乗せたブロッケンGを使う人も徐々に姿を見せるようになった。もちろん、新たなフロントモーターシャーシが造られた事によるブロッケンG(とガンブラスターXTO)のプレミアム化にも期待したい。
そして、ガンブラスターXTOと共に、FM-Aシャーシのプレミアム化が決まった。