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A-10の編集履歴

2018-05-21 23:35:34 バージョン

A-10

えーてん

アメリカ空軍が運用している対地攻撃機。愛称は「サンダーボルトⅡ(Thunderbolt Ⅱ)」だが、パイロットには「ウォートホッグ(イボイノシシ)」、「タンクキラー」と愛されている。

曖昧さ回避

  1. エロ漫画家、A-10の事。可愛らしい絵柄に反した、匂い、淫語などのフェチズムを盛り込んだ作風が特徴。

概要

A-10サンダーボルトⅡ」は、フェアチャイルド・リパブリック社の開発したアメリカ空軍初の近接航空支援(CAS)専用攻撃機

戦車などの地上目標への攻撃と若干の航空阻止により地上軍を支援する任務を担う。


CASとは、友軍地上部隊に近接した地上目標を攻撃することで、友軍を直接的に支援する航空戦術のことを指す。

一歩間違えば誤爆につながる危険な任務であるため、CASにはより高い精度が求められることになる。


この任務に特化したA-10は、ジェット機としては例外的なまでに速度性能を切り捨て、代わりに低空、低速での運動性能を追求している。このため無誘導爆弾や機関砲による攻撃を精密に行うことが可能となっている。

この速度性能は低燃費にもつながっており、長時間戦場に滞空して支援を継続することが可能である。


敵地上部隊からの反撃を予想し、機体はある程度の被弾を許容する堅牢な作りになっており、修理や整備の容易さにも気を配っている。機体の単価、運用コストも安い。


しかしながら、しぶといとはいってもあくまで航空機基準である。大型の地対空兵器や戦闘機は天敵であり、これらのユニットが友軍戦闘機によって完全に排除された空域でしか飛行できない。

コストを低く抑えるために電子機器も最低限度にとどめており、運用できる武装の種類もそれほど多くはない。


以上の特性により通常の正規戦には使いづらい機体になってしまっているが、昨今続いている対テロ戦争においては依然として活躍しており、議会からは削減が求められたり撤回されたりを繰り返している。


開発経緯

そもそもアメリカ空軍という組織は、誕生以来あまりCASに積極的ではなかった。

これは当時の米国の最大の仮想敵が、太平洋の向こう側のソビエト連邦であり、これとの戦争が、地上戦よりも長距離戦略爆撃を主軸に置いたものになると考えられていたためである。

また、第二次世界大戦で日の目を見た核兵器があまりに大きな威力を有しており、これの運用を前提にすれば地上戦など発生すらしない、という考えもあった。


このため米空軍の所属機は、大型爆撃機、高速爆撃機、もしくはこれを迎撃する高速戦闘機ばかりとなり、低空、低速での運用に向いた機体は存在しなかった。


この戦略の欠陥が明らかとなったのが ベトナム戦争である。

核の威力は過大であるが為、米国の想定ほど気軽に使うことはできないものであった。核が使えないベトナム戦争は泥沼の地上戦が続き、CASは空軍の重要な職務となった。

しかしながら、空軍には適切な近接支援攻撃機がなかった。用いられたF-100は速度が大きすぎてCASには向かず、海軍からA-1A-7を借りてようやく間に合わせる羽目になる。

しかしこういった高速な航空機は搭載量や燃料の問題で空中待機は長くはできず、要請を受けてから飛び立つのでどうしても駆けつけるのは遅くなってしまう。


この事態を受け、アメリカ陸軍は空軍に頼らないCAS体制を確立すべく、攻撃ヘリコプターの開発に着手することになる。


攻撃ヘリに予算が取られるのではないかと危惧した米空軍は、事ここに至ってようやくCASに前向きな姿勢を見せ、CAS専用機を開発すべくA-Xプロジェクトを立ち上げる。


開発を主導したのは、F-15の開発でも重要な役割を果たしたピア・スプレイ。

スプレイはベトナム戦争に参加したA-1のパイロットと議論を積み重ね、また第二次世界大戦におけるドイツ、ソ連の対地支援機について調査を進めた。

ユンカース Ju87を始め、ヘンシェル Hs129、ソ連のイリューシン Il-2/Il-10シュトルモビク』なども念入りに調査しており、完成したA-10はこれらの機体との共通点も多い。


更にJu87の優秀なパイロットであったハンス・ウルリッヒ・ルーデルを顧問として招き、助言を受けた。(ちなみにA-Xプロジェクト参加者の必読書は彼の著書「急降下爆撃」)


要求仕様は以下の通りになる。

・低空、低速域での小回りが利くこと

・長時間地上支援が可能であること

・多数の武装を搭載可能であること

・強力な固定武装を有すること

・多少の被弾には耐えられること


その後ノースロップのYA-9とフェアチャイルドのYA-10の二機が採択された。

このうちYA-10が、操縦特性は劣るものの、高い生存性と試作品からの改良箇所が少なくて済む点が評価され、A-10として正式採用となった。

採用後もあまりにも対地攻撃に特化した機体としてその存在を疑問視していた議会からの圧力を受けたが、A-7との比較テストで良好な評価を得てその存在価値を認めさせることに成功している。


機体の詳細

【機体から大きく突き出たエンジン】

サイドワインダースティンガーなどの赤外線(熱線)追尾式ミサイルがエンジンに命中しても、機体の損傷を最小限に抑えるため。

地上においては吸気口から異物吸入による破損(FOD:Foreign Object Damage)を防ぎ、作動中の地上要員の安全を確保している。

消化装置を備えるだけでなく防火壁により被弾等による発火の際には胴体へと被害が行かないような構造となっている。

また、民間小型旅客機用にも使われている非力なターボファンエンジンを用いていることで赤外線排出量を抑えている。


【主翼】

大きな直線翼を持ち、低高度低速度域で良好な運動性を発揮する。

高い短距離離着陸性能で悪条件下であろうとも大量の武装を搭載した作戦行動を可能にしている。

限定的ながらも対空火器に対する盾ともなっている。


【双垂直尾翼】

赤外線追尾式ミサイルから、エンジンの排熱を隠すため。


【格納してもタイヤが半分出ている脚】

不運にも被弾して、不時着や胴体着陸する時のため。

胴体着陸しても胴体は無傷で、垂直尾翼の下端が削られた程度の損傷で済むようになっている。

前方に引き上げる為、油圧喪失であっても脚を下ろせさえすれば風圧でロック位置に進めることが出来る。

タイヤ自体も被弾によりパンクしていたとしても十分に着陸できるようになっている。


GAU-8 Avenger

主兵装である30mmガトリング砲。戦車を「地面ごと」耕してしまう凶悪兵器。

ちなみに戦車や陣地等の強固な目標相手にしか使えない、と言うわけではなく、焼夷榴弾を用いて対人・対軽装甲目標への面制圧も行える。

これを機体中心に積むために前脚を右に寄せて配置している。

ニつの電気モーターと油圧駆動システムが積まれており(元々は低速用と高速用)、被弾の際にどちらか片方が生き残ってさえいれば作動可能となっている。

ちなみに、これがないと機首が1.8tも軽くなり、離陸すら不可能になるので、外して飛ぶ時はコンクリブロックなどを死重にして飛ぶんだとか。

かつては1,800rpm・4,200rpmと、二つの発射速度を選択できたが、現在は3,900~4,200rpmに固定されている。


【高い抗堪性】

操縦系統は油圧系が二重となっており、さらに予備の機械系が備えられている。

搭乗員はケブラー積層材の内張りが施されたチタン装甲(通称「チタンのバスタブ」)と前面からであれば最大20mmの砲弾に耐えるキャノピーで保護されており、GAU-8も弾薬の誘爆を防ぐ為に弾倉を空間装甲で保護している。誘爆したとしても爆風等は上方向へと抜けて外に逃げるようになっており、真上にあるコックピットのキャノピー等が吹き飛んでしまうものの、操縦系統へのダメージが最低限となるようになっている。

更に泡消火器を備えた自動防漏式燃料タンクも空間装甲として利用する構造となっている。

また、燃料システムは燃料タンク内部に配置して破損時に外部へ漏れる事を防いでおり、配管は自己防漏式となっており、保護が難しい給油システムは給油時に取り付ける外装式となっている。


【修理の容易さ】

翼やエンジン、主脚等多くの部品を左右共通にすることで設備が限られた場所でも修理を容易にしている。

外板を構造部材にせず、現地調達した資材で修理できるようになっている。

構造も可能な限り簡素化されており、2015年4月にはエンジン故障により片肺となったA-10Cのエンジン修理は一月かかると見積もられたが、たった5日で復帰させている。

前線近くの廃墟となった元基地で修理が行なわれたが、機体を人力で牽引し、エンジン架台はマットレスで代用するなどろくな機材が無い中で短期間で修理を行った。


逸話

やたらと頑丈で片翼の三分の二が吹っ飛ばされても帰って来れるとまで言われる。

もっと言うと――


  • 対空砲で撃たれて胴体や主翼に400発近い穴が開けられた状態から数日で復帰。
  • 携行型地対空ミサイルSA16ギムレット(9K310イグラ-1)で撃たれ、片方の方向舵(垂直尾翼)と尾部が吹き飛ばされて帰還、修理されて復帰。
  • 地対空ミサイルで片方のエンジンカウルが吹き飛ばされて片肺になるも帰還、修理されて復帰。
  • 地対空ミサイルで右主翼に大穴が開き油圧喪失、被弾の際の破片によるFODで片肺になるも帰還。
  • 胴体着陸で両垂直尾翼下端が地面に削り取られるが修理されて復帰。

と言ったような逸話が一杯ある。


他にも(当時は)暗視装置がないので夜間飛行が出来ないから、と搭載したAGM-65 マーベリックの画像赤外線シーカー(カメラ)を暗視装置代わりに飛行すると言う無茶もしていた(パイロット曰く、「壁の穴から覗いて操縦するようなもの」らしい。視界が狭いのだ)。


運用

対戦車や対陣地だけでなく歩兵の援護にも使われ、低速かつ低空で長く上空に居座ることが出来ることから、四軍の枠を超えて歩兵にとっては神に近い。

攻撃ヘリは高地では活用できない上に支援要請を受けて駆けつけるまでは時間がかかりすぎる、AC-130は保有機数が少なすぎるために特殊作戦でもない任務にまわされる事が少ない上に準備に時間がかかりすぎる、F-16AV-8BB-1等は滞空時間や積載量の関係から数分程度しか居ることが出来ず、天候によっては離陸すらできない、しかしA-10は悪条件下でも大量の爆装を施しての離陸が可能で、長い時間空中待機する事も可能であり、足こそ遅いもののヘリより速く駆けつけて1時間以上居座る事が出来る。

実際にアフガニスタンでは歩兵からの近接航空支援要請を受けて飛来した2機のA-10は、2時間にわたり支援を継続している。

湾岸戦争では墜落したF-14のCSAR(戦闘捜索救難)には4回の空中給油を受け、捜索及び乗員の保護、イラク軍トラックの撃破、救助ヘリの護衛を行い、約9時間の戦闘飛行を行なった。


・・・しかし、F-16等の戦闘機が居ないと航空優勢が確保できず、出撃もままならないのはナイショである。

本格的な対空防御陣地との殴り合いも専門外で、敵地後方への航空阻止攻撃に用いられた結果、被撃墜も発生している。硬いと言ってもあくまで他の航空機と比べてであり、空を飛べるからには相応に軽く、打たれ弱い。

飛び切り危険な任務であるSEAD(Suppression of Enemy Air Defence:敵防空網制圧)はF-16F/A-18、そして無人機ワイルド・ウィーゼルの仕事であり、それらの機体が露払いを済ませた安全な空域でしかA-10はまともに仕事ができない。


しかしタフでパワフルなスペックは実家の人たちのハートをガッチリ掴んで放さないらしく、映画やゲームでの活躍の機会も多い。


ちなみに、冷戦終結で仮想敵が消滅しお役御免となるはずだったが、湾岸戦争では高い対地攻撃能力を持つAH-64が砂漠特有の環境によるトラブルで稼働率低下に悩まされていたのを尻目に大活躍し、A-10をF-16の近接航空支援仕様機で置き換えようと考えていた空軍の考えを改めさせることに成功している。

(その後も退役の話しが出るたびに不思議と必要とする状況が生まれており、最近ではISIL対応のために欧州及び中東へ急遽派遣されている)

これによりロッキード・マーティン社により電子機器のアップグレードや夜間戦闘能力の追加、精密誘導兵器の搭載能力強化などといった改修が行われ、ボーイング社により老朽化している前期生産型の主翼の交換などが行われ、2028年頃まで運用期間が延長されることとなった。

なお、将来的にはF-16と共にF-35で置き換えることを予定している。


余談ながら、空軍は地上部隊の支援は自分たちの仕事ではないと、事ある度に近接航空支援任務を辞めようとしている前科があり、陸軍の一部の過激なグループからは「Chair ForceからCASを奪え」と陸軍がA-10を保有すべきという意見が出ている。(あくまで過激な意見と言うだけで、陸軍に保有の意思はなく、空軍との協定により固定翼機の保有は制限されている。固定翼作戦機及びそれを支援する様々な航空機の保有は協定抜きでも予算的にも部隊規模的にも不可能である)

過去に陸軍や海兵隊はCASの不足により被害を被っており、空軍の言う高高度からの精密爆撃のみでは不足であるとしている。

(通常の空爆では破壊しきれず、排除のために地上部隊に大きな被害を生じてしまうような目標であってもA-10でなら確実に潰す事ができたという意見もある)

また、目視可能な低空で機銃掃射や爆撃を行う事は敵味方双方への心理効果が高い事も挙げられている。

(湾岸戦争ではF/A-18が行なった高高度からの爆撃は怖くなかったというイラク側の証言がある)

FAC(Forward Air Control:前線航空管制)やCSAR(Combat Search And Rescue:戦闘捜索救難)と言った被弾の可能性の高い任務では高価な機体では難しいといった面もある。

更に以前に陸軍はヘリコプター部隊を組織しており、攻撃ヘリは攻撃機以上に対空兵器に脆弱である、攻撃ヘリのみの部隊を運用するには膨大なコストがかかる、航続距離の関係から攻撃を受けるような場所に展開をせざるを得ないといった様々な欠点がわかり、A-10以上に運用が制限される事が明らかとなっている。

空中給油機は戦闘地域近くへは出てこれないため、給油の際は一時的とはいえ離れてしまうことになり、長い航続距離を持つのであればその隙を減らすことが出来る。

何でも出来るということは他の任務に回されていて支援に回す機体がない事がありえる、航空支援に呼んだのに敵機を見つけると任務を放り出して(爆弾を捨てて)空戦を始める、といったマルチロール機への不信もあり、純粋な攻撃機の存在は必要であるという意見もある。(もっとも敵機が飛んでるような状況ではA-10も対地支援はできないのだが、地上の兵士から見ると任務をほっぽり出して撃墜数稼ぎに走っているようにしか見えないのである)


空軍側はF-15EやAH-64、B-1など複数種の航空機による連携によってCASを成功させている、高高度からの精密爆撃で十分に目標は達成できる上に安全、などの理由からA-10でなくとも十分にCASを出来るとしている。

滞空時間の短さも空中給油機を向かわせれば十分であるとしている。


そしてとうとう・・・

2015年3月、アメリカ議会において、とうとうA-10向けの運用予算が削られる見込みとなり、ここに退役が現実の事態となり始めた。

この後継はF-35Bとなる見込みだが、こちらは配備どころか生産さえおぼつか無い現状なので、全機の退役には間に合わないと予想されている。


そこで現在、それまでの間に合わせとしてアメリカで製造したA-29(エンブラエルEMB-314「スーパーツカノ」)の配備が始まっており、たとえば第81戦闘飛行隊は2015年1月より機種転換に入っている。


テキストロン・エアランドはCOIN機であるスコーピオンを売り込んでいるが、空軍ではA-10のような単一任務にしか使えない機体は無用とする意見もあり、A-10よりユニットコストも高いこともあって採用の見込みはない。(ちなみに単一任務にしか使えない機体は空戦特化機であっても無用とする意見があり、F-15CF-22ですら対地攻撃任務に投入して万能さをアピールする有様である)

また、空軍で訓練機として使用されているビーチクラフトのAT-6を攻撃機として転用する案も出ており、軽攻撃機OA-X実証としてそれぞれが試験される。


なお、中東における情勢の変化による対地攻撃の必要性とF-35配備の遅れなどを理由にA-10自体の退役を延長することを検討しており、F-35の整備員をA-10運用の人員から配置転換を行なう事で確保する計画である事から全機存続は難しいため、機数こそ減らしても運用は継続される模様。(なお、後述のA-10退役計画廃案のために民間から整備員を雇いれれて機密をそれほど必要としない部署へと配属、余剰となった軍の整備員をF-35に回す事で人員を確保する計画に変更した模様)

そして2016年1月、A-10の退役無期限延期が決定的となり、10月頃にはA-10とF-35の戦闘比較試験によりA-10の任務をF-35が行なえるかの再検討が行なわれた。

演習の詳細は不明だが、退役計画は完全に廃案となった模様。


A-10自体のアップデートは現在も続けられており、タレス社のスコーピオン・フルカラーキューイングシステムが追加されたヘルメットの運用がされている。

これはヘルメットに内蔵された装置で敵味方の識別等のシンボルマークをバイザーに表示するもので、パイロットがいちいち確認しなくとも視覚的にわかりやすく表示するシステムである。エースコンバットシリーズでの敵味方表示と似たようなので、例えば視界内の敵に赤、味方に緑のマークを重ねて表示するものである。


『そんな防御力で大丈夫か?』

A-29はA-10に比べると小型で、見た目も中身もどこまでも頼りない練習機を転用したCOIN機となっており、もちろんチタンのバスタブ装甲といった高い防御力は望めない。

(COIN機の中でも下部装甲が厚く双発で生存性の高いプカラでさえフォークランド紛争ではブローパイプMANPADSにも落とされており、ゲリラ狩りの際にも対空火器を持つゲリラを相手にした場合は落とされている。)

現状の交戦規定では攻撃前に低空で飛行して目標を目視で確認するということになっているが、複座機は単座機よりは確認がしやすいとはいえA-10と違い高い防御力を持たない機を使用する場合は状況によっては難しく、誤爆などの増大も懸念される。

更に搭載される機銃は12.7mmが2門と貧弱であり、ただでさえA-10より搭載可能な量が少ないのに20mm機関砲を搭載するためには兵装ステーションを一つ潰してガンポッドを積み、航空爆弾等の搭載量を減らす必要がある、と火力不足も懸念されている。

また、ユニットコストの面でも一機あたりがA-10の一機あたりの改修費用の数倍と、新たに買うより改修した方が安く、整備面でも既にある機体を維持した方が良いという問題もある。


空軍としては「対空砲火がバシバシ撃ちあげてくるような目標にはF-15EやらF-16を差し向けるし、特に激しいときはUAVを使い捨て覚悟で突っ込ませる。A-29はそうやって『掃除』が終わった後に投入するから問題ない」としている。


たしかにA-10が担当するような任務は、対空砲火が全滅した後にしか行えないほど危険な任務であり、こうなるとA-29のような機でもいいような気もしてくる・・・が、実戦ではA-10の防御力あっての生存性やGAU-8の高い攻撃力が発揮されたことも一度や二度ではなく、果たしてA-29はどう評価されるものやら・・・


とはいえ、A-29はあくまでF-35配備までの「中継ぎ」であり、今は無事に現役を終えられることを祈ろう。


『大丈夫だ。問題ない』

ただ、A-10も部品や近代化改修のせいで運航費用が年々上がっており、古い機体なので製造できない部品の確保や機体寿命の問題も出ており、いつまでも現役に就かせるわけにいかないのもまた事実となっている。

仕方がないとはいえ、今はA-29に引き継がせ、来たるべきF-35配備に期待しよう。

なお、空軍も完全にA-10を不要としているわけではなく、世界情勢次第ではA-10の直系となる新型A-Xの開発も検討するとの事で、ISILといった中東情勢の変化やロシアの活動の活発化により空軍も柔軟に対応するとの事。


バリエーション

  • YA-10A:試作機
  • A-10A:量産型
  • YA-10B N/AW:レーダーを搭載するなどした夜間全天候攻撃型の複座実験機
  • A-10C:A-10Aをグラスコックピット化、C4Iの強化、HOTASの対応等を行った改修型

関連タグ

攻撃機 T-72 Su-25 ハンス・ウルリッヒ・ルーデル エリア88

P-47(初代サンダーボルト。高高度戦闘機だった事はいまや誰も思い出せない)

チャック・ノリス(空軍出身の俳優で、A-10の運用継続運動を行なっている)

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